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【ONDS】自動のドローンシステム (RAAS) を提供する Ondas について

ONDS

マサチューセッツ州ナンタケット&マーボロフに拠点を置く Ondas (オンダス) は、産業用IoTソリューションを提供しています。ティッカーコード ONDS、米国株についてご紹介します。

ONDS は2020年の始め頃に、CMLviz のCEOで、ロイターや FactSet でアナリストを務める著名な投資家 Ophir Gottlieb さんもおすすめしていた銘柄です。

私もその頃からこの銘柄 (ONDS) を監視していましたが、中々良い決算が出せずに、良くありがちな “理想で買われ現実で売られる” というようなことが続いていたように思います。私も2回程理想で買って、現実で売ってしまった過去があります。

しかし ONDS は、2021年5月に、目視外での自律的なドローン運用をFAAから承認された最初の企業 American Robotics を買収します。American Robotics を傘下にすることで、ONDS は AR のドローンを使い、公益事業や産業市場のユーザーに、データ収集と洞察力を向上させるフルスタックの産業用IoTソリューションを提供できるようになりました。

その後、ONDS のドローンシステムが大手企業などに採用されるニュースを受けて2021年後半には株価も上向きに動いているようにも見受けられます。金融相場から、いよいよ経済再開という流れにあって ONDS がどのように成長していくのか観察を続けます。

以下では ONDS のこれまでの歩みと、American Robotics の買収にあったって、ONDS がどのように変化したのか?ONDS のサービスや顧客などについてご紹介します。

ONDS とは?

Ondas (オンダス / ティッカー:$ONDS) こと、Ondas Networks Inc. は、ミッションクリティカルな IoT アプリケーションや重要なインフラプロバイダー向けの産業用インターネット接続の世界的リーダーです。プライベート・ワイヤレス・データおよびドローン・ソリューションを提供しています。

Ondas (オンダス) は、完全所有子会社である Ondas Networks Inc. (オンダス・ネットワークス) と American Robotics, Inc. (アメリカン・ロボティクス / AR) を設立しました。オンダス・ネットワークスは、大規模な既存および新興の産業市場向けに、独自のソフトウェアベースの無線ブロードバンド技術を開発しています。

FullMAX ワイヤレスプラットフォーム とは?

Ondas (オンダス) が提供する FullMAX ワイヤレスプラットフォーム とは、Ondas の標準規格 (802.16s) に準拠し、複数の特許を取得したソフトウェア定義の無線 FullMAX プラットフォームは、今日のレガシーなプライベートライセンス無線ネットワークの帯域制限を克服することで、ミッションクリティカルな IoT (MC-IoT) アプリケーションを実現します。

シリコンバレーに本社を置く Ondas は、FullMAX の設計、製造、販売を行っています。FullMAX は、特許を取得した最先端のポイント・ツー・マルチポイントの無線システムで、セキュアでライセンスのあるプライベートな広域ブロードバンドネットワークを実現します。

ラッセル・マイクロキャップ指数に加わる

Ondas (オンダス) が、ラッセル・マイクロキャップ・インデックスに加入しました。適切なグロース・スタイルとバリュー・スタイルのインデックスに自動的に組み入れられます。FTSE Russell は、主に客観的な時価総額ランキングとスタイル属性によって、ラッセル・インデックスの構成銘柄を決定しています。

欧州鉄道会社の主要顧客から発注を受ける

欧州の大手鉄道会社の顧客から FullMAX MC-IoT プライベート無線ネットワーク技術に関する初の発注を受ける。オンダスの会社兼CEOのエリック・ブロックはこの発表を受けて以下のように述べています。

Ondas は、ミッションクリティカルな IoT (MC-IoT) 技術を産業および政府機関で採用してもらうことに注力してきましたが、当初は北米の大規模鉄道市場に焦点を当てていました。クラス1鉄道での成功により、北米以外の地域でも新たな採用が可能になりました。ヨーロッパの鉄道事業者は、当社のクラス1鉄道のお客様と同じような課題を抱えています。

私たちは、次世代の FullMAX 産業用無線プラットフォームを通じて、重要な新しいデータ容量とネットワークの柔軟性を提供することで、このお客様と緊密に協力していきたいと思います。オンダスの FullMAX MC-IoT 技術は、お客様が既に利用している貴重な周波数資産を最適化することで、将来の高性能でセキュアな産業用ネットワークを実現する鍵となります。

American Robotics について

American Robotics

ONDS (オンダス) の完全子会社である American Robotics (アメリカン・ロボティクス) は、過酷な実世界環境に対応する産業用ドローンソリューションの設計、開発、販売に注力している企業です。

AR社は、カーネギーメロン大学とスタンフォード大学のロボット工学の専門家によって設立され、ロボット技術を研究室から現実の世界に持ち込んで地球規模の課題を解決するという共通のビジョンを持っています。

Scout System (スカウト・システム) とは?

American Robotics の Scout System は、高度に自動化されたAI搭載のドローンシステムで、連続した遠隔操作が可能であり、Robot-as-a-Service (RAAS) ビジネスモデルのもと、「drone-in-a-box」ターンキーデータソリューションサービスとして販売されています。

Scout System は、FAA(米国連邦航空局)が承認した初めてのドローンシステムであり、人間のオペレーターが現場にいなくても BVLOS (Visual-line-of-sight) を超えた自動運転が可能です。オンダス・ネットワークスとアメリカン・ロボティクスは、鉄道、農業、公共事業、重要インフラ市場のユーザーに、接続性の向上とデータ収集機能を提供します。

SARA との提携

American Robotics と Scientific Applications & Research Associates (SARA) が米国の国家空域における完全自律型ドローンの運用をさらに進めるために提携。SARA のユニークな航空機検知技術により、American Robotics の Scout System ドローンは、常に他の航空機から安全な距離を保つことができる。

1000億ドル規模の商用ドローン市場を切り開く

American Robotics (アメリカン・ロボティクス) は、クラス最高のIP、Robot-as-a-Service のビジネスモデル、そして歴史的なFAAの承認を組み合わせ、1000億ドル規模の商用ドローン市場を切り開くことができる産業用ドローンサービスを提供します。他のドローン技術とは異なり、アメリカン・ロボティクスの Scout System は、産業用設計と高度なAI搭載ソフトウェアにより、比類のないレベルの自律性、安全性、分析性を提供します。

Scout System は、産業用フィールドエリアネットワークのエッジでの究極のデータ収集・処理ソリューションであり、Ondas のFullMAX 技術を搭載したミッションクリティカルな無線ネットワークに統合することができます。アメリカン・ロボティクス社の高度に自動化されたドローンは、地上にパイロットや視覚的な観察者を一人も置かずに、1日に最大20回の自動飛行を行うことができます。

バルク材業界、フォーチュン100の石油・ガス会社で使用される

2021年7月8日、48カ国、300社以上にサービスを提供しているバルク材業界のデータソリューションプロバイダーである Stockpile Reports 社は、自動ドローンプログラムを構築するために Scout System を採用しました。バルクマテリアル業界は、米国だけでも10,000以上の砂・砂利鉱山、3,000以上のレディミックス・アスファルト工場がある大規模な産業市場です。

そして、2021年7月14日、アメリカン・ロボティクスは、フォーチュン100の石油・ガス会社から Scout System の発注を受けたことを発表し、アメリカン・ロボティクスは次の大きな産業市場に進出することができました。石油・ガス産業は、アメリカン・ロボティクスにとって新たな主要市場となります。現在、アメリカには9万以上の石油・ガス井があり、50万マイル以上のパイプラインがあり、常に監視と検査が必要とされています。

石油・ガス産業は、より良いデータ収集と物理的資産のデジタル化のための新しい手法を活用することで、確固たる地位を築いています。アメリカン・ロボティクス社の自律型ドローンシステムは、この需要を満たすための理想的なソリューションです。 – American Robotics CEO Reese Mozer

クラス最高の産業用ドローンのプラットフォーム

Ondas 社の会長兼CEOである Eric Brock 氏は以下のように述べています。

アメリカン・ロボティクスは、クラス最高の産業用ドローンのプラットフォームと、世界初のFAA承認を得て、急成長する産業用ドローンの市場を開拓する立場にあります。私たちは、アメリカン・ロボティクスのチーム、カスタマーサポート、フィールド機能の構築と拡張のために、すでに投資を開始しています。オンダスは、Scout System の普及を促進するために、産業技術に関する深い専門知識と成長資金を提供します。我々は、強力で市場をリードする産業用ドローンビジネスを構築し、産業界のお客様やエコシステムパートナーに価値の高い重要なデータソリューションを提供していきたいと考えています。

Dynam.AI との戦略的パートナーシップを発表

アメリカン・ロボティクスが、人工知能 (AI) および機械学習 (ML) 技術の主要開発者である Dynam.AI と戦略的パートナーシップを締結したことを発表しました。このパートナーシップは、アメリカン・ロボティクスのAI/ML能力を強化することを目的とした、データ分析および関連するプラットフォームツールの開発に焦点を当てています。

このパートナーシップは、ARの高度なAI駆動分析ポートフォリオを拡大するとともに、Dynam が Vizlab (Dynam 独自の AI/ML プラットフォーム、データサイエンティストのための高度な開発者ツールキット) の開発を促進するのに役立ちます。このパートナーシップに関連して、長期的な戦略的適合性を認識し、オンダスは Dynam に少数の株式投資を行いました。

このパートナーシップについて、オンダスの会長兼CEOである Eric Brock (エリック・ブロック) は、

データは産業界や政府機関のお客様にとって次の競争のフロンティアであり、オンダスとアメリカン・ロボティクスはターンキー・ソリューションに投資することでお客様をサポートしています。我々は、Dynam社の Diana Shapiro氏と彼女のチームとパートナーを組むことで、次世代のミッションクリティカルなデータソリューションを現場で定義できることに興奮しています。Dynam との提携により、高度な AI/ML 機能をより早く、より深く統合し、お客様に提供できるようになると信じています。

と述べています。Dynam社のCEOである Diana Shapiro 氏は、

American Robotics と Ondas を戦略的パートナーおよび株主として迎えることができ、大変嬉しく思っています。高度なAIソリューションの需要と採用が増え続けている中で、これは Dynam のソリューションの価値を証明する重要なポイントだと考えています。Dynam の斬新なアプローチと物理ベースのアルゴリズムは、パートナーのデータの価値を解き放ち、インテリジェンスとイノベーションを活用することで、パートナーの技術的なリーダーシップを促進します。

と、それぞれ述べています。

顧客

Ondas (オンダス) の顧客エンドマーケットには、鉄道、公益事業、石油・ガス、輸送、航空 (ドローン事業者を含む)、政府機関などがあり、その要求は幅広いミッションクリティカルなアプリケーションに及んでいます。アメリカン・ロボティクス社は、過酷な実世界環境に対応した産業用ドローンの設計、開発、販売を行っています。

ONDS が提供するドローン・サービス American Robotics の Scout System (スカウト・システム) は、現在バルク材業界のデータソリューションプロバイダー Stockpile Reports 社や、フォーチュン100の石油・ガス会社 (非公開) に採用されています。

ハイライト

・最初の完全自動化されたドローンは、初のFAAによって米国で飛行承認を与えられた
・小さな時価総額
・資金調達を済ませたので、目先の倒産リスクは少ない
・IoT無線通信技術
・自動運転ドローンスカウト・システム。
・ドローンを販売するのではなく、「Robot as a Service」を提供する。
・自動運転ドローンを使って農地などの画像・映像データを収拾

リスク

Ondas (オンダス) は、非常に早い段階、つまり高リスクで、主にインフラ企業向けに安全なプライベート・ブロードバンド・インターネットの提供に取り組んでいる興味深い企業です。時価総額が小さくベンチャー枠的なハイリスクな銘柄ですが、「このビジネスモデルが好きだ」という海外の個人投資家が多い印象です。長期で見れば面白いのかも?しれません。