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景気後退に伴う大きな株安は、逆イールド解消後に起きていた

「景気後退/株安」は逆イールド解消後に起きていた、というポストが話題を集めていますのでご紹介します。

一般的に逆イールド (短期金利が長期金利を上回る状態) は、”景気後退サイン” と言われています。2000年以降過去の例「2000年-2002年:ドットコムバブル崩壊」、「2007年-2009年:グローバル金融危機」を見ると、逆イールド解消後に株価が大きく下落していることが記録されています。

2000年-2002年:ドットコムバブル崩壊

逆イールド発生:2000年中
株価ピーク:2000年3月(S&P 500で約1,552ポイント)
株価底:2002年10月(S&P 500で約776ポイント)
株価下落率:約50%

2007年-2009年:グローバル金融危機

逆イールド発生:2006年中
株価ピーク:2007年10月(S&P 500で約1,565ポイント)
株価底:2009年3月(S&P 500で約677ポイント)
株価下落率:約57%

今後、心にとどめておくこと

今後、景気後退を伴う株価の大きな下落があった場合、過去2つの例のように株価が50%くらい下落することがあるかもしれない、ということを心にとどめておくと、一つ指標になるかもしれません。

著名な投資家はほぼハードランディング派

共に過去の逆イールド発生からの景気後退では、株価は50%ぐらい下落していることが分かります。こちらのサイトでウォッチし続けています著名な投資家、伝説の投資家スタンリー・ドラッケンミラー、教授、レイシー・ハント博士は、ほぼハードランディングを予想しており、2023年以降に景気後退は必ず起きるのではないかと語っています。

レイシー・ハント博士、米国経済は非常に危険な状態にある

スタンレー・ドラッケンミラー氏がアメリカンドリームの終焉を語る

そうであれば、今後 2023年〜〇〇年の間に景気後退に伴う50%くらいの下落はあるものと疑い、バックミラーを見ながら現在の相場サイクルの位置を確かめながら運転するしかありません。

2022年以降、景気後退は2023年に起こるとストラテジストや投資家の間で言われていましたが、2023年10月下旬現在まだそのようになっておらず、現在長期金利が5%という大台をつけ株価は下落を続けています。

これは金利に駆動された株価の下落ですが、一方で9月10月はアノマリー的に株価の成績は悪いと知られています。いよいよ景気後退など様々なネガティブ要素を織り込んでいき、このまま株式市場は崩れるのか?という局面を迎えつつありますが、2023年はとにかく “ラグ (時間差)” が投資家を悩ませています。

このラグは、2020年のコロナ以降のFRBによる前例のない大規模な緩和政策がもたらしたものが大きな要因であると思いますが、このラグがまだ継続するのであれば、景気後退に伴う株価が50%下落する局面はもう少し先なのかもしれません。

逆イールドとは?

10年物国債と2年物国債の利回りが逆転する現象は、一般的に景気後退の前触れとされています。これは、投資家が将来の経済成長とインフレーションの鈍化を予測して長期国債を購入し、その結果、長期金利が下落するためです。一方で、短期金利は中央銀行の政策金利により直接影響を受けるため、短期的な経済状況により変動します。

逆イールドと景気後退の関係

過去において、10年物と2年物の利回り逆転は、実際に景気後退が起こる前に発生していることが多いです。ただし、逆イールドが発生したからといって必ずしも直ちに景気後退が起こるわけではありません。景気後退が発生するまでのタイムラグは数ヶ月から数年と幅広いです。

逆イールドは景気後退の予測において高い信頼性を持っていますが、それでも100%確実とは言えません。他の経済指標と合わせて分析することが重要です。

グローバル化の進展により、他国の経済状況が国内の金利に影響を与えるようになっています。これにより、逆イールドが発生しても景気後退につながらないケースも増えています。