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個人投資家がレベルアップするための参考図書

個人投資家が相場を張るには、マーケットメイカーの知識、金融の知識、マクロ経済、相場のサイクル、エネルギー価格、原油価格、トレンド、アノマリー、ファンダメンタルズなど様々な要素を掛け合わせた知識が必要です。

出典 : Perry Mehrling, A Money View of Credit and Debt1

銘柄を追ったり、チャートを追うだけでは相場に勝つことはできません。こちらの記事では、個人投資家が次のレベルにアップするための参考図書をご紹介しています。

はじめに

2020年の金融相場で個別株デビューを果たした私は、FRBの金融緩和によって始まった壮大なバブル相場の始まりしか知りませんでした。「長期投資だー」と立てたポジションは相場のサイクルが移り変わるにつれて、株価は半分以下に、ロングし続けたSPAC株は 10/1 にまで暴落しました。

それでも相場に居続けることで、相場のサイクルや需給環境、イベントやブル・ベアマーケットを経験していくに連れて、チャートやトレンドを追いかけるよりも、「マクロ経済」や「地政学」、FRBの金融政策を知るには「金融の知識」、「経済学」、「原油価格」などの様々な要素を学ぶことが大切なことに気づきました。

先日、NHKスペシャルで『”中流危機” を越えて』という番組が放送されていましたが、そのなかで放送されていた投資の学び方がいかにも日本的だと思いました。番組では、会社の給料も将来的に上がらず不安を抱えた若手社員が、お金を払って投資セミナーで教材を買い、勉強会などにも参加して投資を学ぶという様子が放送されていました。

しかしそれで本当の意味で投資や相場を学ぶことができるのでしょうか?教科書的な投資や相場を学べたとしても、それが実際に役に立つかどうかは疑わしいです。現代ではもっと優れた投資を学ぶ方法や近道は多数存在していると思います。

私の場合は、現役で相場を張っているプロの投資家の YouTube で相場を勉強をすることからスタートしました。元々アメリカの金融機関で働いていた方なので、生きた情報、最新のトレンドをいつも提供してくれます。

また自身の投資哲学に沿った丁寧な解説で、相場の基本から教えてくれました。最初は何を言っているのか半分くらい理解できないのですが、プロの投資家の相場解説やトレンド分析のライブ配信、日々の相場の移り変わりを見ていくにつれて、様々な疑問や発見が見えてきます。

その「? (疑問)」を学ぶために、優れたビジネス書などを読むことで知識の空洞を埋めることができます。

1. 優れた投資家に学ぶ

私が最も効率良く、優れた投資哲学を学んだ方法が上記の図になります。まずは優れた相場感を持った投資家に弟子入りすることです。(その人を常にフォローするとか、note を購買する、有料の配信を購買するなど)

私たちには様々な選ぶ権利があります、しかし選ぶのにも感だったり見る目が必要です。所謂投資インフルエンサーとされる怪しい YouTuber やインフルエンサーからは優れた投資哲学は学べないと思います。

2. 日々の相場感を養う

身銭を切って相場を張って下さい。まずは身銭を切って相場を張り、成功した失敗した滑った転んだ … をしないと、どうして成功したのか?どうして失敗したのか?が経験値として見えてきません。

まずは少額から始めましょう。とにかく日々相場を観察し、今の相場の何合目なのか?ブル/ベア・マーケットなのか?相場のサイクルは今どこなのか?を観察して研究して下さい。

3. 疑問「?」を読書で学ぶ

優れた投資家のライブ配信などを見たり、聞いたり、読んだりしていると、聞き慣れない言葉や疑問が出てくると思います。「?」に該当する書籍を見つけ読書で学ぶ知識を付けます。

同じように日々相場を観察していると、FRBが金利をひっきりなしに引き上げてる時には長期金利が上昇し、株や債券が売られることが分かりました。FRBは何故金利を引き上げるのでしょうか?なぜ金利が上昇すると株は売られるのでしょうか?というような疑問が沸いてきます。それを読者で学ぶのです。

2022年は原油の大相場

例えば、2022年の相場はエネルギー株が大相場になった年でした。この相場を理解するには、ダニエル・ヤーギン氏がアメリカで2021年10月に上梓した著書『新しい世界の資源地図: エネルギー・気候変動・国家の衝突』を読めば、この大相場に乗ることができたでしょう。

日本では悔しくも2022年1月下旬に発売されたので、この大相場に最初から乗ることは難しかったのではないか?と思います。しかしこの本を読めば、ロシアによるウクライナ侵略が欧州経済にどのように影響するか?などもいち早く読み取ることができた訳です。

相場経験と読書の学びをリンクさせる

こちらで紹介する本は、各分野でも非常に優れた学びの機会を与えてくれる本をピックアップしました。残念ながら読むだけではただの知識でしかありません。

しかし日々相場を張っている個人投資家であれば、2022年FRBは金融引締めに着手し、やり過ぎた金融緩和によって起こってしまったインフレを沈静化させるためにズンドコ金利を上げる政策に出ました。

金利が上がれば株価は下落しますし、経済はリセッションを迎えるかもしれません。すると原油価格も高い水準は維持できないと思いますし、景気後退になれば、FRBはどこかのタイミングで再び金融緩和する必要があるはずです。

また2022年はドル高に大きく振れましたが、金利が天井を付ければ今度はドル安に振れるかもしれません。このように実際に身銭を切って相場を張りながら、こちらで紹介する本で学ぶことで、ただの読書では終わらず、あなたの血と骨になって相場の見える景色が変わってきます。

特に株式投資をする上で、「金利」、「FRBの金融政策」、「相場のサイクル」、「金融危機 (バブル)」、「経済学」、「原油価格」、「地政学」を学ぶことで、相場で見える景色が少し変わってくるはずです。Twitter や YouTube の怪しい投資インフルエンサーに惑わされずに自分の考えを持って相場を張れるようになると、また投資が面白くなるはずです。

相場を学ぶ

『アメリカ金融・景気指標の読み方―投資家のための手引書』レイシー・H. ハント

アメリカの経済変動を理解するには、豊富なデータの中から何を選ぶべきか!インフレ、金利、為替、投資などの読み方をやさしく解説。日本の金融界は米国の金利、インフレ、財政赤字、景気循環の影響を受ける。

また債券市場、株式市場、為替市場も米国の動き次第だ。その動向のポイントを具体的に知るための手引書。ハント博士は、経済や連邦準備制度 (FRB) に関するコメンテーターとして尊敬を集めている経済学者です。

金融機関での長年のキャリアに加え、ダラス連邦準備銀行でシニアエコノミストを務めました。見たままのことを言うオーソドックスな分析が明快で学びの多い本です。

【読んだ感想】

1987年の本ですが、経済分析に関する最高の本です。経済サイクルを学び、サイクルのそれぞれの局面では、どのような投資を行うべきか?について、ハント博士が簡単に説明してくれます。どの経済指標を使うか、そしてどこで見つけるかについて書かれています。

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『市場サイクルを極める 勝率を高める王道の投資哲学』ハワード・マークス

バフェット、マンガー、ダリオ、ガーリー、ガンドラック、アイカーンら、著名投資家が推薦!マクロ情勢の予測はするな、サイクルに耳を傾けよ。投資において、たった一つの最も重要なことなど存在しない。

だが、最重要項目にまちがいなく一番近い要素は、「市場サイクル」を理解することだ。これまで私が知り合ったすぐれた投資家の大半は、サイクルの一般的な動き方と、「今、サイクルのどこに位置しているのか」を察知する類まれな感覚を身につけている。

残念なことに、サイクルの根本的な性質について書かれた文献はほとんど存在しない。そこで私は、サイクルとは何かというテーマに的を絞った本を書く決意をした。投資家はサイクルを認識し、評価し、どうすべきかをそこから読み取り、それが示すとおりに動く術を身につけなければならない。

サイクルに耳を傾ける投資家は、サイクルが引き起こす大混乱を理解し、それに乗じて著しいアウトパフォーマンスを得られるだろう。

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『投資で一番大切な20の教え 賢い投資家になるための隠れた常識』ハワード・マークス

世界最大級の資産運用会社の創業者が、長年にわたり顧客に送り続けてきたレターを元に、成功する投資哲学を伝授。本書は成功した投資家が教える投資のノウハウ本ではありません。

著者が強調するのは投資の難しさです。しかし、その難しい投資の世界で市場に40年以上にわたって勝ち続けてきた著者が語る哲学に満ちた本書は、投資の基本書として古典となりうる珠玉の名言に溢れています。

市場の見方、リスクの捉え方、市場コンセンサスとは別の見方をする「逆張りの思考法」、ミスプライシングが起こる非効率市場の見つけ方など、根本的かつ重要な投資哲学が1冊に!

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相場のサイクルを学べば、不況期が投資のベストタイミングだと分かる

不況期は投資のベストタイミング?

金融について学ぶ

相場を学ぶには、マーケットメイカーとされる FRB の役割、金融政策について学びましょう。

マーケットメイカーとしての FRB (中央銀行) に注目

『21世紀のロンバード街』ペリー・メーリング

金融市場のあり方をつぶさに観察して書かれた古典的名著、バジョットの『ロンバード街』。この本では、中央銀行の役割について「最後の貸し手」と整理して、金融関係者の間では、それが常識となってきた。

しかし、ここ最近の金融危機では、中央銀行はその役割を超えて、金融市場の崩壊を防ぐためにあらゆる手段で買い支えを行う「最後の買い手」(Dealer of last resort)、つまりだれもポジションを取って価値のバックストップを提供しないときに、あえて大量の資産購入を通じて現在の価値の根拠を提供する機能を果たしている。

従来の経済学や金融論が見落としてきた金融市場の特質をとらえたユニークな一冊。

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【読んだ感想】

2020年のパンデミックによって、FRBは2008年のリーマンショックを教訓に大規模な金融緩和に乗り出しました。それにより金利が低下し、金融相場が始まりました。それからワクチンの登場により、止まっていた経済が動き出すと景気は上向いていき、2022年には手に負えないインフレが起こりました。するとFRBは、今度は金融引締めに着手し、スルスルと金利は上昇し、後は皆さんが知っての通りとなっています。

相場のサイクルの起点がマーケットメイカーである FRB (中央銀行) によって決まるのであれば、FRB や金融政策について知りたくなり、本屋で見つけたのが本書『21世紀のロンバード街』です。著者のペリー・メーリング教授は、2022年の年始に放送された『欲望の資本主義2022』にも出演しており、この番組を見て覚えていましたが、まさかその本を手に取るとは思いませんでした。

ボストン大学の国際政治経済学の教授を務めているペリー・メーリング教授は、経済学と金融の両方のアイデアを統合した金融経済学への説得力のあるアプローチ「マネー・ビュー」の明確化に取組んでいます。

この本は、1913年の連邦準備制度 (FRB) の設立から、2007年〜2008年にかけての世界金融危機の余波を受け、米国の中央銀行がどのように発展してきたかを描いています。特に追加された冒頭、今回のコロナ危機のFRBの考察や、翻訳した山形浩生氏による「訳者あとがき」が非常にエキサイティングで、それだけでも読む価値があります。

山形浩生氏の「あとがき」が東洋経済のオンラインで「ほとんどの日本人が知らない金融危機の裏側」公開されていますので、是非一読下さい。

Zoltan Pozsar と Perry Mehrling によるドルの将来についての議論

この本にも少しだけ出てくる、Perry Mehrling の盟友 Zoltan Pozsar との「ドルの将来に対する対談」が秋に公開されているので聞いてみると面白いかもしれません。

ある程度の相場の知識と、このFRBの金融政策についての本、そして金利の本『改訂版 金利を見れば投資はうまくいく』を読んで知識と経験値をクロスオーバーさせれば、あら不思議、FRBが景気後退の懸念から金融緩和すると金利が低下し = 株式のバリエーションにとっては Good。経済が過熱し過ぎると、FRBは金融引締めを行い、金利は上昇 = 株式のバリエーションにとっては Bad … のように、相場の大きな流れと転換点が見えてきます。

そうすれば、どこで強気になって株をアクティブ買っていくか、どこで弱気になって株を利確していくか、現金に換えていくか … などマーケットタイミングが自然と見えてきます。

『脱線FRB』ジョン・B・テイラー

アメリカで広く論議を呼んだ “Getting off Track :How Government Actions and Interventions Caused,Prolonged, and Worsened the Financial Crisis? “の翻訳。

原著は索引を含めて92ページの小品だが、内容は大著に匹敵するレベル。著者は、金融論の権威でノーベル経済学賞の有力候補ともなっている元米財務次官で現スタンフォード大学教授のジョン・テイラー。

金融危機が「なぜ発生したか」、「なぜ長引いたか」、「なぜ深刻化したか」について、裏づけとなるデータとグラフを使って簡潔に説明する。米国ではこの著書をめぐって新聞などで論戦が繰り広げられた。ウォールストリート紙でテイラーがグリーンスパンを批判、それにグリーンスパンが反論している。本書にはテイラーのウォールストリート紙への寄稿論文を収録した。

竹森俊平氏が解説を執筆。テイラー、グリーンスパン論争の理論的な解説を上智大学の大津敬介助教が執筆している。

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『インフレ、雇用、そして金融政策―現代経済学の中心的課題』ロバート・M. ソロー、ジョン・B テイラー、その他

インフレと雇用をめぐる問題は、現代経済学のもっともホットな領域だ。本書はまずノーベル賞受賞経済学者ロバート・ソローが金融政策とインフレについて基調を提示し、それを受けてジョン・テイラーが合理的期待革命の視点から同じテーマを展開、さらに続いてフリードマン、ガルブレイス、グレゴリー・マンキュー、ウイリアム・プールがそれぞれ意見を述べて議論を深めている。現代経済学の課題が総まくり的に展開されているため、学問の最前線を知るには最適の一冊。

ハーバード大学で開催された第一回アルビン・ハンセン・シンポジウムの議事録をまとめる。ソローとテイラーが報告した論文のほか、論文に関するガルブレイスら超一級の経済学者によるコメントとそれに対する回答を収める。

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『現代の金融入門 [新版]』池尾 和人

金融のビジネス・モデルに大きな変革が求められている今、第一人者が金融を原点から考え直す。

情報とは何か、信用はいかに創り出されるのかといった、金融の本質に鋭く切り込み、平明かつ簡潔に解説した定評あるロングセラー『現代の金融入門』を、金融危機の経験を総括すべく全面改訂。

アメリカの金融におけるリスク取引の功罪を明らかにし、金融システムの安定に必要な規制・監督の仕組みを考察。あわせて、資産価格バブルと非伝統的な金融政策の効果についても検討する。

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金利を学ぶ

『改訂版 金利を見れば投資はうまくいく』堀井正孝

ベストセラー改訂版。ITバブル以来22年半ぶりの米国大幅利上げから、混迷の世界、そして日本の景気を把握する!運用のプロが教える金利の見方。「金利」は金融市場における「炭鉱のカナリア」である。コロナの発生なんて想定外だから、今回の景気悪化に気づけなくても仕方なかったと思っていませんか?

しかし「金利」は、コロナの流行前に、何度も景気減速を示唆する警報を鳴らしていたのです。「金利」の見方がわかっていれば、景気悪化の予兆に気づき、想定外の事態にも多少なりとも対応できたのではないでしょうか。

「経済指標」よりも「金利」見るべし。金利は景気の 「今」を表します。経済指標と比べてシンプルでわかりやすく、判断に適したデータです。季節ごとに、どんな株がいいのかがわかり、「金利」を知ることで「投資」の確実性は向上します。

GDPなどの経済指標で今の景気を判断することは、発表時期が遅い指標、何度も修正される指標が多いため、とても難しいです。

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【読んだ感想】

市中金利と株価はシーソーの関係というくらい、株式のバリュエーションを占う上で「金利」の存在はとても重要です。”金利 7 : 業績 3 の割合” と言われるくらい重要な金利の勉強をまずは始めましょう。

バブル、金融危機を学ぶ

『バブルの経済理論 低金利、長期停滞、金融劣化』櫻川 昌哉

利子率が成長率を下回るとき、バブルは必然化する。「低金利の経済学」誕生!世界のバブルを分析、「バブル経済」の本質を歴史と理論から解明。バブルを介して現代のマクロ経済を捉え直す。

理論経済学者が、世界のバブルを分析、「バブル経済」の本質を歴史と理論から明きらかにする。バブルを介して現代のマクロ経済を捉え直す。長期停滞に陥った現在の日本経済の謎を解き明かし、大胆な政策提案も示す、知的刺激に富む独創力にあふれた本格経済書。

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『教養としての金融危機』宮崎 成人

激動の世界史と時代の大転換点――。「100年間」に起きた「9つの危機」を「ストーリー」で一気に学ぶ…!

世界的な金融危機はなぜ起きたのか? なぜ金融危機は10年に1度起こるのか? 新型コロナショックは新たな金融危機を引き起こすのか? 危機を何度も乗り越えたこの世界は、いったいどこに向かうのだろうか?

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『12大事件でよむ現代金融入門』倉都 康行

今こそ、危機に学べ! 次なる震源地はどこだ? 【ストーリーで読む現代金融入門の決定版】ここ数年、メディアで「経済危機」や「金融危機」といった言葉を目にする機会が増えている、と感じる方が多いのではないでしょうか。

「リーマン危機」の嵐が吹き荒れた後には、「ドバイ危機」や「ギリシャ危機」といった文字が躍り、「ユーロ崩壊の危機」が去ったと思ったところに「新興国危機」が浮上しました。そうした誰もが耳にしたことのある危機のストーリーを通して、現代までの金融の流れや今日の経済の仕組みがざっくり理解できる、というのが本書です。

具体的には、世界の市場経済が本格的なグローバル化に踏み出した1971年のニクソン・ショックから、リーマン危機後の落ち着きを取り戻しはじめた最中に起きた2013年の新興国市場パニックまで、40年余の間に起きた12のケースを取り上げています。

では、なぜニクソン・ショック危機以降なのでしょうか? そのヒントは、最近の経済や金融に関する危機にみられる2つの特徴にあります。

・危機が発生するインターバルが短くなっている
・資本市場や実体経済に対する影響の波及経路が、わかりづらくなっている

前者には、銀行や資産運用業といった金融セクターが保有する資産や負債が急拡大していること、そして後者には、デリバティブズや証券化などの先端金融技術が急速に発展したこと、が関係しています。そして、その2つの現象が増幅されたのが、1970年代以降の国際資本市場の拡大でした。

だとすれば、グローバル化と金融技術の高度化が進んだ直近の数十年を十分理解しておくことこそが「現在の状況と課題」を知るうえで特に重要ではないでしょうか。本書では、それぞれの「事件=危機」の多くに実務家として直接・間接に関わってきた筆者ならではの視点から、それらが資本市場と実体経済にもたらした混乱や苦悩、その背景、政治対応や教訓などが整理されています。

気になっていたけど専門書は敷居が高すぎる・・・と感じていた一般のビジネスパーソンや学生の方が、日々の経済金融ニュースがより深く面白く読めるようになる1冊です。

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『大暴落1929』ジョン・K・ガルブレイス

会社型投資信託のブーム、レバレッジ効果、バブル紳士の跋扈。動きの鈍いFRB。今も昔も変わらない人間の織り成すバブル崩壊劇を活写する。1954年初版。1929年の大暴落、その後の世界恐慌につながるアメリカのバブル当時の話である。

「本書は1955年に初版が発行された。以来、40年、版を重ねている。この本がこれだけ長いこと売れ続けているのは、著者はともかく中身がいいからだと評価していただいているようだ。まずいくらかは役に立つかも知れない。だがこの本が時代を超えて長寿を保っているのは、別に理由がある。増刷され本屋に並ぶたびに、バブルや株安など何事かが起きるのだ。すると、この本への関心が高まる。そう遠くない昔に好景気が一転して深刻な恐慌につながったときのことを、多くの人が知りたいと考えるからだろう」(1997年版まえがき)

ガルブレイスの作品の中では小品だが、中身は濃い。サブプライム危機が世界経済危機に拡大しそうな現在の状況を考えるうえで、貴重なテキストといえる。

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エネルギー、地政学について知る

『新しい世界の資源地図: エネルギー・気候変動・国家の衝突』ダニエル・ヤーギン

原油価格はなぜ激しく変動するのか?米中関係はどうなるのか?地政学とエネルギー分野の劇的な変化によって、どのような新しい世界地図が形作られようとしているのか?地政学リスクから第一人者が読み解く『ウォール・ストリート・ジャーナル』ベストセラー

エネルギー問題の世界的権威で、ピューリッツァー賞受賞者の著者が、エネルギー革命と気候変動との闘い、ダイナミックに変化し続ける国際政治の地図を読み解く衝撃の書。

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【読んだ感想】

2022年はこの本を読まずして終わることはできません。ロシアによるウクライナ侵攻の背景、その後を巡るエネルギー危機の背景など全てを知ることができます。

『資源の世界地図』飛田 雅則

菅首相が、2050年までに温室効果ガスをゼロにする方針を打ち出した。これを受けて、各業界・企業は急激に動き出した。あと30年で何ができるのか。現場記者が日本・世界の最新の動向を追う。
 
 コロナ禍で外出が制限された20年の3~5月。イタリア・ベネチアの海が浄化され、インド・デリーの大気汚染が解消されたというニュースを聞いた人も多いだろう。EUではもともと環境規制が厳しかったが、これを契機に、脱炭素化を一気に進めようという機運が高まっている(これをグリーンリカバリーという)。

そうなるといよいよ再生可能エネルギーの時代となるわけだが、同時に再生エネの基幹部品に使われるレアアースやレアメタルなど鉱物資源の重要さが高まる。この「資源争奪」争いで一歩も二歩もリードしているのが中国である。

 国連のSDGsの発表もあり、グリーンリカバリーの流れは世界に広がるだろう。石油に依存してきたサウジアラビアほか中東諸国は、「普通の国」になるべく努力をはじめ、アフリカは資源の戦場と化す。米国もバイデン大統領が、パリ協定への復帰を皮切りに脱炭素社会への道に舵を切った。
 
 本書は資源・エネルギーをテーマに、現状を手っ取り早く理解するための基本書。これらの動きが、新しい地政学リスクを引き起こす事情も見えてくる。

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『原油暴落の謎を解く』岩瀬 昇

世界を読み解くには原油価格の知識が必要だ!2016年年明け早々から下がり始めた原油価格は、わずか3週間の間に20ドル台まで暴落し、世界の金融市場が連鎖反応を起こして、株価までもが下落するという大パニックを引き起こしました。

世界経済に大きく影響するこの原油価格とは、一体、どのようなメカニズムで動いているのでしょうか。中東の石油王たちが裏で取引をしている?欧米の石油メジャーがそれに横やりを挟んで決定される?

それとも投機筋が陰で暗躍しているのでしょうか?『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?』で、エネルギーアナリストとしての信頼を得た著者が、元商社マンの経験と最新データを駆使して、そのからくりと今後の予想に挑みます。

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【読んだ感想】

原油の需給に合わせて、原油のブルベアETFでトレードしており、もっと原油相場の歴史や知識をつけたいと思い購入しました。原油価格がどのように決まるのか?過去の原油暴落の背景などを知ることができます。

『THE WORLD FOR SALE 世界を動かすコモディティー・ビジネスの興亡』ハビアー・ブラス

フィナンシャル・タイムズ紙2021年ベスト・ビジネス書、エコノミスト誌2021年ベストブックスの1冊。ウクライナ危機の唯一の勝者ともいわれるエネルギー企業。その最たる存在が世界最大級の資源会社、グレンコアに代表されるコモディティー商社だ。グレンコア、ビトル、トラフィギュラ、カーギル。

彼らコモディティー商社の存在なくしては世界の資源・穀物・金融取引、そして、国家運営さえもが成り立たない。そして彼らは、日本経済の生命線を握る石油、石炭、鉄鋼、銅、アルミ、その他金属、穀物など、天然資源、農産物取引を牛耳るグローバル資本主義の最後の冒険者でもある。

内戦下のリビアから、コンゴ、クルディスタン、イラク、キューバ、カザフスタン、中国、そしてプーチンのロシアまで。コモディティー商社のトレーダーたちは現金の詰まったブリーフケースを手に世界を飛び回り、脱法行為、賄賂も辞さず、新興国・資源国の権力者に食い込む。そしてグローバル化とスーパー・コモディティー・サイクルの波に乗って巨万の富と巨大なビジネス王朝を築き上げてきた。

だが、その歴史と実像はほとんど知られてこなかった。石油ショックから、ソ連崩壊と冷戦の終焉、中国台頭、新興国・資源ブーム、デリバティブ取引の拡大、世界金融危機に至る世界の大きな変化に、コモディティー商社はどう商機を見出してきたのか。

コモディティー業界を長年徹底取材してきたジャーナリストが、その成功・失敗、驚くべき興亡の物語を、規制強化、グローバル化の減速という逆風の強まり、新型コロナ・パンデミックでの本領発揮、新世代トレーダーの登場も交え、スリラーさながらに描き出した話題の書。

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マクロ経済について学ぶ

『世界のエリートが学ぶマクロ経済入門: ハーバード・ビジネス・スクール教授の実践講座』デヴィッド モス

ノーベル賞学者 ロバート・ソロー氏推薦!「この短く、専門用語のない入門書は、本質のみを伝えてくれる」マクロ経済学は「ビジネス常識」だ!ハーバード・ビジネス・スクールで20年教えてきた現役教授による実践テキスト!

中央銀行が金利を操作するのはなぜか?現実のビジネスを振り回す「為替レート」は、なぜ予測しづらいのか?通貨危機や金融危機をいち早く察知し、対策を打つには?インフレ期待は、どのように物価や賃金に影響を与えるのか?なぜどの国も貿易黒字を望むのか?──

「マクロ経済学」というと、数式や経済モデルが多数登場し、日々の生活やビジネスと縁遠い印象が強い。本書は、ビジネスに役立つという視点を徹底的に追求。具体例を挙げながら、わかりやすく解説する。

「本書はハーバード・ビジネス・スクールの多くのプログラムで必読書に指定されてきた。このアプローチは標準的なマクロ経済学の教科書におけるものとはかなり異なっているが、きわめて効果的な解説法であると高く評価され、学生やエグゼクティブの方々にも好評をいただいているものである」

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『グローバル資本主義の危機: 開かれた社会を求めて』ジョージ・ソロス

グローバル資本主義は開かれた社会の不完全な姿だ。時の申し子が語る重厚・壮大な時代認識。グローバルと資本主義。この2つの言葉を連ねて、その2つながらの危機を語る。そこに圧倒的な時代性を示しているのが本書である。

グローバリズムもキャピタリズムも、それぞれに19世紀から20世紀前半にかけて形成期から成熟期の一つの歴史を有している。そして、そのいずれもが、20世紀という一つの時代の終末の時期において改めて脚光を浴び、改めてその意味を問われる位置づけにおかれることとなった。

グローバリズムとキャピタリズムとは、最も本源的なところにおいて相支え合うべき概念なのか、はたまた相対峙するほかにすべはない概念なのか。この深遠なるテーマに対して,地球経済を駆け巡るグローバル・キャピタルのチャンピオン、時代の寵児たるジョージ・ソロス氏が、実にオーソドックスにそして実に真摯に取り組もうとしている。

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『物価とは何か』渡辺 努

話題書『世界インフレの謎』(講談社現代新書)の”理論篇”!インフレもデフレもない世界をめざす経済学、あのバブル絶頂時、そしてその崩壊、いずれのときも意外なほどに物価は動かなかった。それはなぜか?お菓子がどんどん小さくなっている……なぜ企業は値上げを避けるのか?インフレもデフレも気分次第!?物価は「作る」ものだった?

経済というものの核心に迫るための最重要キーである、物価という概念。国内第一人者が初歩の初歩から徹底的にわかりやすく説き起こし、社会にくらす私たち全員にとって、本当に知るべき経済学のエッセンスを教える、画期的入門書の登場!

ハイパーインフレやデフレと闘う中央銀行や政府の実務家(ポリシーメーカー)たちは、何を考え何をしているのか。それらの成果と教訓を研究者たちはどのように学び、理論を発展させてきたか。私たちの生活そのものと直結する、生きた学問としての経済学が立ち上がっていく様を生き生きと描く!万人のための学問としてのマクロ経済学を希求する、真摯な社会科学探究。

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『世界インフレの謎』渡辺 努

なぜ世界は突如として物価高の波に飲み込まれたのか?ウクライナの戦争はその原因ではないことは、データがはっきりと示している。では”真犯人”は……?元日銀マンの物価理論トップランナー、異例のヒット『物価とは何か』の著者が、問題の核心を徹底考察する緊急出版!

なぜ急にインフレがはじまったのか?だれも予想できなかったのか?――経済学者も中央銀行も読み間違えた!ウクライナ戦争は原因ではない?――データが語る「意外な事実」米欧のインフレ対策は成功する?――物価制御「伝家の宝刀」が無効になった!

慢性デフレの日本はどうなる?――「2つの病」に苦しむ日本には、特別な処方箋が必要だ!本書の「謎解き」は、世界経済が大きく動くダイナミズムを描くのみならず、日本がきわめて重大な岐路に立たされていることをも明らかにし、私たちに大きな問いかけを突きつける――前著よりさらにわかりやすくなった、第一人者による待望の最新論考!

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経済学を学ぶ

『現代経済学の直観的方法』長沼 伸一郎

わかりやすくて、おもしろくて、そして深い。世界の状況が刻々と変わる現在、文系理系問わず、経済を知らずに世の中を知ることはできない。そんな時代に「経済をなんとなく避けてきた」読書人におすすめ。

かつて『物理数学の直観的方法』で理系世界に一大センセーションを巻き起こした著者による、この一冊で資本主義の本質をガツっと直観的につかむ、どこにもなかった経済書。

西成活裕氏(東京大学大学院教授 『渋滞学』『とんでもなく役に立つ数学』著者)「私は30年前にこの本のベースとなる論考に出会い大きな衝撃を受けた。経済の『非』成長モデルのヒントがここにある。SDGsを目指す中で、我々はどのように生きればよいか迫ってくる本書は、万人に読んでいただきたい一冊である」

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『アメリカの高校生が学んでいる経済の教室』デーヴィッド・A・メイヤー

金融教育の先進国・アメリカでは、高校生のからお金の流れと世の中の仕組みについて学校で勉強する。アメリカの高校生が学んでいる、「日本の学校では教えてくれない」一生ものの経済のきほんの授業を一冊に凝縮!

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『ウォールストリート・ジャーナル式 経済指標 読み方のルール』サイモン・コンスタブル、ロバート・E・ライト

世界No.1経済紙「ウォールストリート・ジャーナル」の記者と経済学者が、本当に役立つ50の経済指標を厳選!

経済の動向を示すデータの動きが読み解けるスキルが身につき、経済の変化をいち早く察知できるようになるので、景気の変動に左右されることなく大切な資産を守り、着実に増やすことができる。基本的な経済指標を押さえつつ、知る人ぞ知る指標も多数紹介。

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『教養としての決済』ゴットフリート・レイブラント

ビジネスも戦争も犯罪も「決済」を制する者が勝つ!世界の決済コストはロシアのGDPに匹敵?100ドル札の7割は米国に存在しない?北朝鮮ハッカー集団の鮮やかな詐欺手口とは?イスラム独自の海外送金方法「ハワラ」って何?

SWIFTの元CEOが解説する「支払い」の歴史・仕組み・未来、これ一冊で「決済」についての歴史と未来がよくわかる!私たちがほぼ毎日おこなっている「決済(=支払い)」について、少し考えてみると不思議なことだらけじゃないでしょうか?

なぜ地球の裏側の相手に支払えるのか、なぜクレジットカードはこの形なのか、なぜ今も紙幣や貨幣がなくならないのかーー。日常生活に欠かせない「決済」の歴史や仕組みを、教養として学べる一冊をご紹介します。

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中国経済を学ぶ

『中国経済の謎―なぜバブルは弾けないのか?』トーマス・オーリック

いま最も優れた資本主義経済の担い手は、中国共産党である―― WSJ北京支局記者、ブルームバーグのチーフエコノミスト等を歴任する著者が、政府の中心人物からビジネスに邁進する市民の肉声までをもとに明かす

「強大な隣国」のリアルとは?そして中国政府は、「世界金融危機」「株バブルの崩壊」「不動産市場の不安」「シャドーバンクの台頭」などをどのように乗り越えたのか?現代中国の経済史を5つのサイクルに分けて詳細に解説する。

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【読んだ感想】

ニュースだけ見ていると中国株、中国ADRはいよいよ大暴落だな … と思うのですが、株に目を向けると大きく売られてからバウンスして元に戻ったりと、そう簡単にはいかないようです。2022年の中国ADRはボロボロの有様でしたが、ではこのままオワコンなのか?というと、秋の共産党全国代表大会の材料待ちといった感じだと思います。

中国のGDPから見ると、中国経済は確かにかつての勢いを失っており、ゼロコロナ政策も後手に回っていますが、この本を読むと中国という国の底堅さ、良い意味でも悪い意味でもとにかく読めない (本当の数字が分からない) … ということが理解できます。中国をまた違う側面から捉えた内容で非常に面白いです。

『中国減速の深層「共同富裕」時代のリスクとチャンス』福本 智之

変貌する巨大市場とどう向き合うべきか――。世界最大の人口は、ほぼピークアウトし、中国社会は成熟化への歩みを進めている。経済の高度成長は終焉を迎え、深刻な所得格差などの歪みを覆っていたベールが剥がされ、社会の安定が揺らぐとの懸念が拭えない。

習近平政権は、「共同富裕」というスローガンを掲げ、この難題への対応を始めた。高騰する不動産価格の抑制、脱炭素への対応、巨大IT企業に対する統制、さらには米中対立によるデカップリング……。減速過程に入っている経済をさらに抑え込むことになりかねない政策が並び、難題への対応に苦悶する姿が浮き彫りになっている。

はたして中国はどこまで減速するのか。世界経済への影響はどれほどのものか。本書は詳細な現状分析を踏まえ、三つの予測シナリオを提示するともに、日本企業の活路を探る。

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新興国、フロンティア市場

次の投資テーマは新興国、フロンティア市場なのか?

『外国株一筋26年のプロがコッソリ教える日本人が知らない海外投資の儲け方』


26年間、外国株一筋のプロフェッショナルが初めて明かす外国株投資の極意。世界の投資家が注目する本当のお宝銘柄(ETF・ADR)75を掲載。実際に69ヶ国に足を運んで得た情報の深さ、面白さ、意外性について触れています。

こちらはマネックスのハッチさんこと、岡元兵八郎による著書です。外国株投資の極意について学ぶ内容になっており、新興国やフロンティア投資、ADR銘柄についても非常に詳しく語られています。新興国、フロンティア投資に興味がある投資家なら読んでおきたい一冊です。

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ハイテク企業、イノベーションを学ぶ

『2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ』

医療、長寿、金融、不動産、教育、小売、広告、エンタテインメント、交通、環境……テクノロジーの“融合”によって、大変化は従来予想より20年早くやってくる。エリック・シュミット(Google元CEO)、クリントン元大統領ら世界のビジョナリーが支持する「シリコンバレーのボス」が、この先10年のビジネス・産業・ライフスタイルを1冊で解説!

「あと10年で、あらゆる産業と社会は根底から変わる——。今日の最先端テクノロジーがこれから加速し、かつ、互いに「融合」するからだ。本書はこの新しい未来を全方位的にマッピングした、世界初の本である。起業家、CEO、リーダーたちはもちろん、ぼくらを待ちうける大変革を理解したいすべての人に、本書を推薦する」 – レイ・カーツワイル

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『GAFA next stage ガーファ・ネクストステージ: 四騎士+Xの次なる支配戦略』

コロナで肥え太った巨大帝国が「再び」世界を変える!彼らは何を壊し、何を創るのか? 私たちは彼らの世界でどう生きるのか?GAFA+Xが狙う「次なる獲物」は、あなたの業界かもしれない。

GAFAは今後5年で収益を1兆ドル増やす必要がある。 そのためには新しい市場への参入が求められ、さまざまな領域に入り込んでいくことになる。 ウサギの肉で都市を満たすことはできない。もっと大きな獲物が必要だ。(本文より)

あらゆるビジネスや私たちの日常が、彼らに脅かされる時代。もはや誰も無縁ではいられない!希望か?絶望か?今後10年を決める「生存戦略」が登場。

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半導体について知る

『2030 半導体の地政学 戦略物資を支配するのは誰か』太田 泰彦

米中対立の激化に伴い、戦略物資としての半導体の価値が高まっています。米バイデン政権は政府助成による国内企業のテコ入れを急ぎ、中国への技術移転を阻止する政策を矢継ぎ早に打ち出しました。日本でも半導体産業の復興を目指した国家戦略が始動しています。自動車で進むCASE革命をはじめ経済のデジタル化において半導体は不可欠な存在であり、需要は高まり高度化もますます進んでいます。

経済のグローバル化が進み、半導体をはじめとするテクノロジー産業では、国際的な分業・物流が発達しました。米中で二極化する世界では、複雑化したサプライチェーンの要衝を戦略的に支配下に置かなければ、経済の安定と競争力を保てなくなっています。
政府が経済を管理する国家安全保障の論理と、市場競争に基づくグローバル企業の自由経済の論理が相克し、半導体をめぐる世界情勢はますます不透明になっていきます。

日本は20世紀に「半導体大国」と呼ばれ、世界の市場を席巻しました。だが、米国、韓、台湾との競争に破れ、かつての権勢は見る影もありません。大きく変わる国際情勢の中で日本に再びチャンスは訪れるのでしょうか。半導体産業の復興を夢見て、水面下では政府、企業がにわかに動き始めています。

本書は、米中対立の情勢分析、最先端の技術開発の現場ルポ、過去の日米摩擦の交渉当事者の証言などを交えながら、技術覇権をめぐる国家間のゲームを地政学的な視点で読み解き、ニッポン半導体の将来像を展望します。

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量子コンピュータを学ぶ

以下の記事では、米国の株式市場に上場しているピュアプレイの量子コンピュータ企業を紹介しています。

【米国株】世界の量子コンピュータ企業に投資する

『ゼロからわかる量子コンピュータ』小林 雅一

経済安全保障の最優先課題「量子コンピュータ」についてわかりやすく解説した入門書!自動車・金融・化学・製薬・物流、メタバース・AI……量子コンピュータは世界をどう変えるのか?

いま世界各国では、既存のスーパーコンピュータを遥かに凌ぐとされる「量子コンピュータ」の大規模な開発プロジェクトが進み始めている。本書はそれを無条件に肯定したり、あるいは逆に頭ごなしに否定するといった内容ではない。

量子コンピュータの基本的な原理から産業的側面、さらには社会・政治的インパクトに至るまで、多面的な事実を積み上げ考察を加えることにより、その際どい実現可能性を検証していくのが本当の狙いである。

はたして「夢の超高速計算機」は本当に実現するのか――。IBM,グーグル、マイクロソフト、アマゾン……ビッグテック参入のウラで報じられていない実態とは?

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バイオテクノロジーについて知る

『クリスパー CRISPR 究極の遺伝子編集技術の発見』ジェニファー・ダウドナ

「君の技術を説明してほしい」ヒトラーは私にこうたずねた。その顔は豚である。恐怖にかられて目が覚める━━。ヒトゲノムを構成する32億文字のなかから、たった一文字の誤りを探し出し、修正するという離れ業ができる、その技術CRISPR-Cas9(クリスパー・キャス9)。

2012年にその画期的遺伝子編集技術を「サイエンス」誌に発表したジェニファー・ダウドナ博士は、またたく間に自分の開発した技術が、遺伝病の治療のみならず、マンモスを含む絶滅動物の復活プロジェクト、農作物の改良など燎原の火のように使われていく様におののく。

豚の内蔵を「ヒト化」し、臓器移植するための実験も行なわれた。人間は自らの種の遺伝子までも「編集」し、進化を操るところまで行ってしまうのか?ノーベル賞確実と言われる画期的技術を開発した科学者の唯一の手記を独占出版。

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宇宙ビジネスを学ぶ

宇宙ビジネスを学ぶ参考図書 (おすすめの本)

チャート、テクニカル分析

『マーケットのテクニカル分析 ――トレード手法と売買指標の完全総合ガイド』ジョン・J・マーフィー

この1冊でテクニカル分析のすべてをマスターできる!世界的権威が著したテクニカル分析の決定版!テクニカル分析の教科書――『投資苑』を超える圧倒的実例<目で見てよくわかる>チャート400以上掲載。

1980年代後半に世に出された『テクニカル・アナリシス・オブ・ザ・フューチャーズ・マーケット(Technical Analysis of the Futures Markets)』は大反響を呼んだ。そして、先物市場のテクニカル分析の考え方とその応用を記した前著は瞬く間に古典となり、今日ではテクニカル分析の「バイブル」とみなされている。

そのベストセラーの古典的名著の内容を全面改定し、増補・更新したのが本書である。本書は各要点を分かりやすくするために400もの生きたチャートを付け、解説をより明快にしている。

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『テクニカル投資の基礎講座 ──チャートの読み方から仕掛け・手仕舞いまで』スタン・ウエンスタイン

チャートを見ればすべてがわかる!きつい下落はチャンス到来!テクニカルのイロハからプロの奥義まで分かる入門書。

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『買占め』清水 一行

山協証券営業部長の美川道三は、熱海の旅館業者・大林、山県たちと組んで、北千住に工場をもつ東部ゴムの株の買い集めに狂奔した――。減配をうわさされるような業績のふるわない不良会社の株を、なぜ、美川たち一派は買いまくっていったのであろうか……。

地下鉄工事にからむ工場買収で、33億円という大金が手に入るという情報をひそかににぎった大林たちが、東部ゴム乗っ取りのための株集めの先鋒として、美川をもひきこんだのであったが……。

資本主義の裏側に仕組まれた巨大企業の利潤追求のカラクリに敢然と挑戦する、一匹狼の物語を巧みに描く野心的長編。

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