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投資における「楽観主義」と「悲観主義」の中間的思考

投資における「楽観主義」と「悲観主義」の中間的思考

株式投資における一般的な人々の心理、「楽観主義」と「悲観主義」の人の例を参考に、「楽観主義」と「悲観主義」に偏った思考の弊害、それを打ち破る「楽観主義」と「悲観主義」の中間における思考についてご紹介します。

何かしらの悲観ニュースを探す人

私の知り合いに株式投資をの話をすると、今は経済が良くない、今は戦争のリスクがある、暴落するかもしれない … と言ったように、何かしら悲観的な理由を付けて株式はとてもじゃないけど買えない、という人がいます。

勿論、株式を買う/買わないはその人の自由であり、他人にとやかく言われるものではありません。しかしこの人は、常にTVニュースやメディアを通じて得た何かしらの悲観ニュースを取り出して買わない理由をあげるのです。

投機的な楽観主義者

一方で、投資をしていると、株式市場が近いうちに暴落する!というような噂を信じ込んでしまい、投機なポジションを取ってしまい、何百万、何千万という損益を抱えてしまう、株式投資のビギナーみたいなギャクみたいな投資家もいます。

先日も、ビックショートで有名なマイケル・バーリーが株式のショートポジションを取り、近いうちに株式は大暴落する、と言ったような情報をどこからか仕入れてきて、マイケル・バーリーの真似をして現物のベアETFを大量に購入し、結局相場は暴落せずにベアETFを何百万も損切りするという人がいました。

しかも、この人が損切りして少し経ってから相場は-10%くらいの大きめの調整を迎えており、もう少し待ってから損切りした方が痛手も浅く済んだかもしれません。

自分の建てたポジションに楽観的過ぎたことから、相場が全然下がらない、どちらかというと相場が上がってきたことに驚いてしまい損切りすることになってしまいました。この人の X (旧 Twitter) のアカウント名は、”日本のマイケル・バーリー” でした。

偏った「楽観主義」と「悲観主義」

株式投資にはこのように、極端な楽観主義(すべてがうまくいくという過信)と極端な悲観主義(常に最悪のシナリオを想定する)を持つ人が存在しますが、大切なことはこの間でバランスを取ることだと『Same As Ever』の著者モーガン・ハウセルは言います。

【関連記事】モーガン・ハウセルの新書『Same As Ever: A Guide To What Never Changes』

もしあなたの楽観主義の定義が、すべてが素晴らしくなることだとしたら、それは問題であり、自己満足だ。合理的な楽観主義とは、短期的には驚きと挫折の連続であり、弱気市場と不況である。

もうひとつの方法は、悲観主義者のように貯蓄し、楽観主義者のように投資することだ。経済の歴史はすべて、驚きと挫折の連続にすぎないが、それに耐えることができれば素晴らしいことだ。

そのためには、楽観主義と悲観主義を同じ心で共存させる必要があるが、これはほとんどの人にとって非常に難しいことだ。

この考え方は、楽観主義と悲観主義のバランスを取ることの重要性を強調しています。

楽観主義者のように投資する

これは、長期的な視点を持ち、市場や経済の将来に対して基本的に前向きな姿勢を保つことを意味します。歴史的に見て、株式市場は長期的には上昇傾向にあり、経済は成長を続けています。

この楽観主義は、市場の変動や短期的な不況にもかかわらず、長期的な投資戦略を維持することを支えます。

悲観主義者のように貯蓄する

これは、リスク管理と財務的な慎重さを意味します。不確実性や予期せぬ出来事に備えて、十分な貯蓄や緊急資金を持つことが重要です。

これにより、市場が下落したときや個人的な財務危機が発生したときに、安定した基盤を維持することができます。

「楽観主義」と「悲観主義」の間

この記事の冒頭で述べた、楽観主義に偏ったの人、悲観主義に偏った人の両者はトラブルに巻き込まれる可能性が高いということです。両方が問題になるのは、永久に弱気であるか、相場の綾 (強気/弱気) に唆されてレバレッジや信用などでポジションを積んでしまい後に引けなくなってしまうことです。

楽観主義と悲観主義のどちらかに偏ることなく、この2つを共存させる (中間的な思考) ことで、もっと合理的な判断が下されるかもしれません。