Zoomy

ドラッケンミラー氏が語る「現在」に投資すべきではない理由

ドラッケンミラー氏が語る「現在」に投資すべきではない理由

海外の投資家の間で、過去ににドラッケンミラー氏が話したとされる、次のツイートが話題になっていますのでご紹介します。非常に示唆に富む内容で、「現在、今」ばかり見て投資している個人投資家には、目から鱗の内容になっています。

ドラッケンミラーは、現在に投資すべきではない理由をこう語っている。

その企業の収益や過去の実績は問題ではない… 18ヵ月後の状況を想像する必要がある。

1935年生まれの投資家で億万長者のケン・ランゴーンは、私の最初のメンターをよく知っている。彼はあまり知られていませんが、非常に優秀で、ちょっと破天荒な人でした。

彼はピッツバーグ・ナショナル銀行にいました。私がそこに入ったのは23歳のとき。私は調査部にいた。私たちは8人でした。MBAを持っていないのは私だけで、32歳以下も私だけだった。私は23歳でした。

1年半ほどして、私は銀行と化学のアナリストだったのですが、ある男が私をオフィスに呼んで、私を調査部長にすると言い出したのです。それで私は、ここはかなりいいところだと思い始めた。

しかし、彼は即座にこう言った。私はノーと答えた。彼は、

18歳の若者を戦争に行かせるのと同じ理由だ。君はあまりに間抜けで、あまりに若く、あまりに経験が浅いから、突撃することを知らないんだ。このあたりでは1968年以来、弱気相場が続いているんだ。

1978年のことだ。

世俗的な強気相場がやってくると思う。みんな傷だらけだ。引き金は引けないだろう。だから、若くて経験の浅い男が必要なんだ。でも、君にはその先頭に立てるだけの力がある。

だから、彼は破天荒だと言ったし、もうおわかりのように、ちょっと変わり者なんだ。私をあそこに入れた後、彼は3カ月でいなくなった。その話はまた後で。

しかし、彼が去る前に私に2つのことを教えてくれた。

その1. 決して現在に投資しないこと。18ヵ月後の状況をイメージし、それがどうであれ、現在の価格ではなく、将来の価格がそこにあることを教えてくれた。

そして、あまりにも多くの人が現在を見がちだが、この会社は素晴らしい会社で、こんなことをやっている。未来に目を向けるべきだ。

現在に投資していたら、ひっくり返されてしまう。

その2. 彼が教えてくれたもう一つのことは、収益が市場全体を動かすのではなく、連邦準備制度理事会(FRB)が市場を動かすということだ。

彼が3ヵ月後に去ったことはお話ししましたが、ここで私の投資哲学の面で不運が起こりました。彼が去った直後、イランの国王が倒れた。それで原油は300%上昇するように見えた。私は25歳。経験もない。

ポートフォリオ・マネージャーについて何も知らない。だから、これは簡単だ。資金の70%を石油株に、30%を国防株に振り向け、債券は全部売ろう。

しかし、私とトップ争いを繰り広げていたポートフォリオ・マネージャーたちは、もちろん私のことをクレイジーだと思った。しかし、私が提案したものは100%上昇した。

S&Pは横ばいだった。そして26歳の私は、全社の最高投資責任者に任命されたのです。私がこのようなことを言ったのは、多くの運が絡んでいたことと、私のメンターが予言したとおり、私の若さと経験のなさが原因でした。

型にはまらない考え方と運

ドラッケンミラー氏のこの話は、型にはまらない考え方とちょっとした運が、投資の世界でいかに重要な役割を果たすかを示しています。

・破天荒なメンター

ピッツバーグ・ナショナル銀行でのメンターは、破天荒な人物、つまり慣習にとらわれず、リスクを取ることを厭わない人物の特徴を示しています。若く経験の浅いアナリストであるドラッケンミラー氏を調査部長に任命したのは、従来の常識を覆す大胆な行動でした。

・現在ではなく未来に投資する

現在に投資するのではなく、18ヶ月先の状況をイメージするようにというアドバイスは、非常に示唆に富むものです。前のめりな投資家は常に “今、現在” を見がちです。

現在のデータだけに頼るのではなく、将来の市場動向や状況を予測することの重要性を強調しています。この戦略は、ダイナミックで変化の激しい市場において特に有効です。

・FRBの役割

連邦準備制度理事会(FRB)の役割を知ることは重要です。株式市場は金利が7割、実績が3割と言われたりしますが、その7割を占める金利を上下に動かす (影響を与える) ことができるのが、FRBの金融政策です。

つまりFRBの動向、金融政策を理解することは重要です。

・運とタイミング

ドラッケンミラー氏も認めているように、ドラッケンミラー氏の成功には「運」の要素もありました。投資の世界では、理論的には説明できない、「運」という要素も確かに存在します。