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ハワード・マークスの「メモ」は、すべての投資家が内面化すべき珠玉の一冊

今回は日本でも人気の著名な投資家 Howard Marks (ハワード・マークス) 氏の「メモ」について触れたダニエルさん (@MnkeDaniel) のツイッタースレッドを翻訳してご紹介します。

Oaktree Capital (オークツリーキャピタル) を率いる億万長者の投資家 Howard Marks (ハワード・マークス) は、32年以上にわたって「メモ」を発行してきた。私の意見では、すべての投資家が内面化すべき珠玉の一冊です。以下は、あなたが知るべき重要な概念である。

1. 災害がないこと

平均以上のリターンを得るための最良の基盤は、災害がないことである。多くの人が他の投資を凌駕する驚異的なリターンを求める一方で、平均を少し上回る程度が秘訣である。時間軸が長ければ長いほど、このことはより重要になる。

2. 需要の役割

経済理論では、「ホモ・エコノミクス (自己の経済利益を極大化させることを唯一の行動基準として行動する人間の類型のこと)」はリスクに応じた意思決定を行う合理的な投資家であるとされる。

現実には、そのようなことはほとんどない。投資家は非合理的である。彼らは過剰に興奮し、苛立ちを覚える。そして、需要が価格を動かすので、これはチャンスである。

3. リスクの理解

合理的投資家理論と同じように、経済理論にも別の問題がある。彼らはリスクをボラティリティ、つまり株の標準偏差として測定する。しかし、現実には、これは投資家が直面するリスクではない。

本当のリスクは、資金が永久に失われることである。したがって、よりリスクの高い投資とは、結果が確実でないものである。リスクに関する私の好きな言葉は、経済学者 Elroy Dimson (エルロイ・ディムソン) の言葉です。

“リスクとは、起こるであろうことよりも、起こりうることの方が多いことを意味する。”

標準偏差は、それについて何も教えてくれない。

4. ミクロ経済学101

企業を見るとき、投資の成功を決めるのは2つの要素だ。「価格」と「価値」です。どんなに素晴らしい会社でも、価格が間違っていれば、悪い投資になってしまう。

マークスはよく言ったものだ。

“There’s always a price too high.” (高すぎる価格というのは常に存在する)

同時に、最低の会社が適切な価格で良い投資先になることもある(!)。しかし、長期的な投資では、その両方が必要だ。適切な価格での品質。

5. 常に有効なルールはない

投資に近道はない。常に通用するルールもない。優れた投資家は、投資をさまざまな角度から見る能力を持っている。彼らは、物事を多角的に捉え、大局的な視野を持つ。

6. マクロ経済学入門

サイクルは市場における感情的な判断の結果である。マークスは、陶酔と憂鬱の間を行き来する振り子を表現している。ほとんどの場合、それは真ん中、つまり健康な状態にあるであろう。

しかし、時折、極端に振れることがある。覚えておくべき重要なことは、サイクルの自己修正性である。振り子が極端になると、揺り戻しが起こり、最終的には定常状態になる。このことを意識している投資家にはチャンスが生まれる。

ハワード・マークスの書籍

ハワード・マークスの著作は個人投資家なら誰しもが読んでいるはずだ。日本でも『投資で一番大切な20の教え 賢い投資家になるための隠れた常識』、『市場サイクルを極める 勝率を高める王道の投資哲学』が発売されており、多くの個人投資家のバイブルとなっている。まだ読んだことのない投資初心者は必ず手に取って頂きたい本です。

オークツリーキャピタルのインサイト

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