米の投資アナリスト Lyn Alden (リン・オールデン) が2023年8月に出版し話題となっています、お金の過去、現在、未来を包括的に概観している著書『Broken Money: Why Our Financial System is Failing Us and How We Can Make it Better (壊れたお金: 金融システムはなぜ破綻したのか、そしてどうすれば改善できるのか？)』をご紹介します。
I mean, read Broken Money. That's why I wrote the book and why it's selling so well.
Writing books is bad ROI, and I put most of the money back into charity and education anyway.
I wrote it because I wanted people to understand this.https://t.co/ZzOF1lEElZ
— Lyn Alden (@LynAldenContact) October 24, 2023
『Broken Money (ブロークン・マネー)』
『Broken Money (ブロークン・マネー)』は、テクノロジーのレンズを通してマネーの歴史を探る。政治は一時的かつ局所的に物事に影響を与えるが、テクノロジーは世界的かつ永続的に物事を前進させるものである。本書のゴールは、読者が理論的な基礎と実際的な意味合いの両面から、貨幣と貨幣の歴史を深く理解することである。
貝殻から金へ、パピルスの為替手形から中央銀行へ、そして電信の発明からビットコインの誕生まで、リン・オールデンは、私たちが貨幣として使っているものを形成してきた新しいテクノロジーの出現を、時代を追って読者に紹介する。さらにオールデンは、さまざまな貨幣技術や貨幣理論を分析・比較するための枠組みを読者に提供するために、貨幣とは何かという概念をその根底から探求している。
本書はまた、貨幣が現実の人々の生活にどのような影響を与えているのか、そして新しい貨幣技術が社会の権力構造をどのように形成しているのか、といった人間的な視点にも立っている。
現代において、エネルギーの豊かさと技術の向上は人間の幸福を幅広く向上させたが、世界の通貨制度はそれに遅れをとっている。世界には160を超える通貨が存在し、それぞれが自国の通貨を独占している。これらの通貨の多くは急速に希薄化し、その結果、その管轄内で生活し働く何十億もの人々の貯蓄や賃金が継続的に切り下げられることになる。間違った」国に生まれることは、お金を貯めることを必要以上に難しくする。
ナイジェリアは2億人以上の人口を抱え、過去10年間のインフレ率は年率平均13％だった。エジプトは過去10年間に2度、ドルに対して自国通貨を半分に切り下げ、1億人の国民の貯蓄と賃金を即座に切り下げた。過去40年間に少なくとも前年比3桁のインフレを経験した国は数十カ国あり、その中には1990年代に世界で5番目に人口の多い国でありながら、あからさまなハイパーインフレに陥ったブラジルも含まれている。
欧州と日本は、インフレの波が購買力を一掃する直前の2019年に、18兆ドル相当のマイナス利回りの債券を保有していた。2021年、米連邦準備制度理事会（FRB）の議長は、パンデミック刺激策によるマネーサプライの急増が物価インフレにつながるという考えを否定した。2022年になると、大規模なインフレが出現したため、議長は急速に見通しを変え、金融引き締めを行ったため、国内の大手銀行のいくつかは破綻した。
なぜこんなことになってしまったのか？なぜ21世紀になっても、私たちのマネーはこれより改善されないのだろうか？『Broken Money』は、このような限界に至った現在のテクノロジーの組み合わせを検証し、現代にふさわしい通貨システムを提供できるかもしれない新たなテクノロジーを探求することで、これらの疑問に答える。
ビットコインに強気
リン・オールデン氏は、2023年10月下旬のツイートで、地政学リスクなど様々の理由を背景に上昇している暗号通貨ビットコインに強気である旨の内容をスレッドにして紹介しています。
Yes, I'm structurally bullish.
No, I don't know what it will do in the next six months.
Yes, institutions increasingly understand this more than you do. If you've not followed this in detail, you're going to follow eventually.
Chart via @PositiveCrypto pic.twitter.com/Mfz6wVEs9p
— Lyn Alden (@LynAldenContact) October 24, 2023
はい、私は構造的に強気です。いや、この先6ヶ月でどうなるかは分からない。そう、金融機関の方がこのことを理解している。もし、あなたがこのことを詳しく追っていないのなら、いずれ追うことになるだろう。
ビットコインはデジタルマネーの代表格だ。情報がオンラインに集約され始めると、やがて価値もそうなったが、それには時間がかかった。インターネット・ブラウザが誕生したのは1994年。ビットコインは2009年に登場した。ビットコインはブラウザーの半分の歴史があり、その普及率は伸び続けている。
ビットコインとそのレイヤーは、部族主義が私たちを引き裂こうとする中でも、交換という点で世界をつないでいる。それは感情と混沌の世界における数学と合理主義だ。ビットコインは機会によって国境を突き破る。
そして、それは時間とともに強くなっていく。ビットコインに関する私の見解は、ほとんどの人がゼロではないポジションを持つべきだが、意見を持つためには数百時間を費やす必要があるということだ。
-ユーザー vs ノード vs マイナー
-PoW対PoS
-ブロックサイズ戦争の歴史
-セグウィット
-タップルート
-ライトニング
-その他のスケーリング・ソリューション
-その他の暗号
つまり、『Broken Money』を読めばいい。それが私が本を書いた理由であり、売れている理由だ。本を書くことはROI（投資収益率）が悪いし、どうせならそのお金のほとんどをチャリティや教育に還元したい。このことを理解してほしかったから書いたんだ。
前のサイクルでビットコインについて意見を持っていたとしても、それに乗っかってはいけない。一度リセットしてください。今、事実を見直してください。ビットコインは謙虚に再評価する人に報います。
ビットコインがどのようにエネルギーを消費するのか、何を修正するのかなどを理解しよう。強気であれ弱気であれ、それに数百時間を費やしてください。
次のサイクルは、前回のサイクルのように不安定になりそうだ。私は「ビットコインを買う」というミームは好きではない。私は「ビットコインを勉強する」というミームが好きだ。時間をかけて理解すればいい。インターネットを研究しなさいと言っているようなものだが、対話よりも価値がある。
私はこの弱気相場をビットコインの買い増しに費やし、このサイクルのUXを構築するのに役立ったビットコイン新興企業へのベンチャー投資に資金と時間を費やした。だから、私は強気だ。しかし、私が強調したいのは学習です。グローバルな視点から学ぶこと。