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橘玲さんが Twitter で紹介されていたオススメの本まとめ

橘玲さんが Twitter で紹介されていたオススメの本まとめ

人気作家の橘玲 (たちばな あきら) さんが、自身の Twitter で紹介されていた本をまとめてご紹介します。橘玲さんのファンや、面白い最新の本を探されている方のご参考になればと思います。

橘玲さんは近年、今の日本や世界で何が起きているかを論じた三部作、『無理ゲー社会 (2021)』、『裏道を行け ディストピア世界をHACKする (2021)』、『上級国民 / 下級国民 (2019)』を書いています。こちらも必見ですので、まだ読んでいない方は是非チェックして下さい。

それでは橘玲さんが、Twitter でオススメしている本をまとめてご紹介します。

「ぴえん」という病 SNS世代の消費と承認

2021/12/22 | 佐々木チワワ (著)

21歳・現役女子大生ライターが送る、衝撃のデビュー作。歌舞伎町に誕生した「ぴえん系女子」、「トー横キッズ」、「自殺カルチャー」、「新世代ホスト」、「SNS洗脳」……etc、なぜ未成年たちは深い闇に落ちてしまうのか――。

そのリアルを著者自身の実体験と寄り添う取材で書き上げた現代若者論。巻末には『闇金ウシジマくん』『九条の大罪』の真鍋昌平氏との対談も実現。混迷な時代を生きる “ぴえん” な若者たちのリアルを刮目せよ!

『「ぴえん」という病 SNS世代の消費と承認』読了。新宿歌舞伎町の映画館周辺で見かける若者たち(トー横キッズ)が気になって手に取った本。15歳から歌舞伎町に通い、現在は慶応大学在学中の著者による興味深いフィールドワーク。「ぴえん系女子」についてもよくわかります。 – 2022年2月10日 橘玲

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漫画 人間とは何か?

100年前、匿名で出版するしかなかった名著は、生きづらさを抱える現代人に必要な劇薬だった!!『トムソーヤの冒険』『ハックルベリーフィンの冒険』世界的文豪マーク・トウェインが「匿名」で遺した名著がついに漫画化「人間は機械である」だからこそ、自由に生きられる

『漫画 人間とは何か?』文響社の大橋弘祐さんの企画・脚本。マーク・トウェイン をマンガにしているという話は聞いていたのですが、「なるほど、こうなるのか」という驚きがありました。 – 2022年2月7日 橘玲

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未来は決まっており、自分の意志など存在しない。心理学的決定論 (光文社新書)

あなたが本書を手にすることは、138億年前から決まっていた。

心理学、生理学、脳科学、量子論、人工知能、仏教、哲学、アート、文学、サブカルを横断し、世界の秘密に挑む。気鋭の心理学者による “トンデモ本”

解説は心理学者の妹尾武治さん。自由意思を錯覚として全否定するこの本も面白いです。「自由意思がなければ社会が成り立たない」という理由で表立って議論されることはありませんが、このように考える研究者は多いです。 – 2022年2月7日 橘玲

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ゴーイング・ダーク 12の過激主義組織潜入ルポ

5つの顔を駆使し、12の過激主義組織に潜入した女性研究者

・カリスマ白人至上主義インフルエンサー
・愛国主義者専用の出会い系アプリ
・ハマったら最後、Qアノンの陰謀論
・ISISのハッカー集団による初心者講座
・反フェミニスト女性のチャットルーム
・ネオナチのロックフェスティバル

過激主義者はどうやって「普通の人びと」を取り込むのか?白人至上主義、ミソジニー、移民排斥……差別的で攻撃的なイデオロギーを掲げる組織は、オンラインプラットフォームを駆使して、周縁のムーブメントをメインストリームへと押し上げる。オンラインで始まった憎悪が、次第に現実世界へと移行していく様子をとらえた、緊迫のノンフィクション。

ユリア・エブナー『ゴーイング・ダーク 12の過激主義組織潜入ルポ』女性研究者が白人至上主義者など過激な集団に潜入したら、そこで出会ったのは、主義主張にかかわらず「アイデンティティ」を求める若者たちばかりだったという話。面白いです。 – 2022年2月7日 橘玲

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いつも「時間がない」あなたに (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) 文庫

いつも時間に追われていて、思うように物事が片付けられない。それなりの収入はあるのに、借金を重ねてしまう。ダイエットをしようとたびたび取り組むが、長続きしない。これらの原因は必ずしもその人の資質ではなく、ある共通の要因があった。

金銭や時間などの “欠乏” が人の処理能力や判断力に大きく影響していたのだ…多くの実験・研究成果を応用し、期待の行動経済学者コンビが初めて世に送る1冊。

お金は増やせますが、時間は1日24時間以上増やせない制約があり、金融資産が一定額を超えたビジネスエリートにとって、「時間貧乏」が最大の問題になります。AIで自分の分身をつくり、知的作業をすべてアウトソースすることは、その究極の解決策になるかも。 – 2022年2月7日 橘玲

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産業政策論の誤解―高度成長の真実

2002/12/1 | 三輪 芳朗 (著)、J.マーク ラムザイヤー (著)

日本の経済発展は政府主導の産業政策によるという通念が根強く生き続けている。高度成長期に産業政策は有効に機能したか否かを、事実をもとに詳細に検証する。

ラムザイヤー氏は法と経済学が専門で、三輪芳朗氏との共著で戦後日本の産業政策を検証し、城山三郎的な「通産省神話」は虚構だと論じています(この本は面白かったです)。それがなぜ、わざわざ火中の栗を拾うようなことをしたのか。 – 2022年1月31日 橘玲

THE LONELY CENTURY なぜ私たちは「孤独」なのか

2021/7/14 | ノリーナ・ハーツ (著), 藤原 朝子 (翻訳)

「本書は、現代人の「孤独」をチャンスに変える処方箋だ」茂木健一郎氏(脳科学者)推薦!!

無力感・孤立感、メンタルヘルスの危機、政府・企業の無関心、孤独ビジネスの拡大、小犯罪・クレームの増大、極右・極左への傾倒など…… 世界に広がる絶望の連鎖を断ち切るヒントは?

ノリーナ・ハーツ『THE LONELY CENTURY なぜ私たちは「孤独」なのか』孤独についての最新の知見や社会現象が手際よくまとめれていて参考になります。解決策はあまりありません。 – 2022年1月27日 橘玲

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AI監獄ウイグル

2022/1/14 | ジェフリー・ケイン (著), 濱野 大道 (翻訳)

新疆ウイグルは、米中テック企業が作った「最悪の実験場」だった。衝撃の告発ノンフィクション!

成毛眞氏(実業家・元マイクロソフト日本法人社長)
「驚愕した。恐ろしい話なのに、手が止まらない。あっという間の300ページ!」

橘玲氏(作家)
「AIと監視テクノロジーが生み出す『デジタルの牢獄』というわたしたちの未来世界」

DNA採取、顔と声を記録する「健康検査」、移動・購入履歴ハッキング、密告アプリ――そしてAIが「信用できない人物」を選ぶ。社会のすみずみにまで張り巡らされた「AIの眼」が、人々を統治していた。

顔認証や音声認証を含めて、米国で生まれ、中国で完成した最先端技術が生活に入り込み、知らぬ間にテクノロジー企業へ情報が漏れ続ける。「デジタルの牢獄」と化したウイグルの恐るべき実態は、人類全体の未来を暗示していた。

少女の危険な逃避行を軸に、世界がまだ知らない「ウイグル問題」の真相を、圧倒的な取材力で描き出す。成毛眞氏、橘玲氏、驚愕!!

この本はゲラで読みましたが、衝撃的です。 – 2022年1月14日 橘玲

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老いて男はアジアをめざす-熟年日本男性のタイ・カンボジア移住事情

2008/8/2 | 瀬川正仁 (著)

「昔は金なんていくらでもあったんだけどね。女にすべて貢いじまって、今ではスッカラカンさ」

人生の終盤の時期を、日本から離れ、タイ、カンボジアなど東南アジアの国で生きることを選ぶ高齢者たちが少なからずいる。物価の安さ、気候の温暖さ、ホスピタリティなど魅力のポイントはいくつかあるが、とりわけ男性たちにとって大きいのは「若い女性との出会い」である。

夜な夜な「出会い系カフェ」で相手を探す人、娘のような年齢の愛人と暮らす人、真剣に結婚相手を求める人。全財産はおろか年金もすべて貢いだあげく捨てられる男性もいれば、日本では望めなかった幸福な家庭生活をいとなむ男性もいる。

高齢男性にとって、タイははたして天国なのか地獄なのか? タイ、カンボジアで暮らす日本人男性たちの、悲喜こもごもの世界を描く哀愁のノンフィクション。

タイで中高年日本人男性を取材したジャーナリストの瀬川正仁さんも、「なぜか元教師が多かった」と述べています。彼らが映画の撮影に応じることはないでしょうが。 – 2022年1月13日 橘玲

刑務所の精神科医――治療と刑罰のあいだで考えたこと

2021/9/14 野村俊明 (著)

〈私には、非行少年少女や受刑者の多くが人生の偶然や不運に翻弄されているように見えた。そして、人生のほんのわずかな何かが変わっていれば、自分も少年院に入って反対側の椅子に座っていたかもしれないと感じていた〉

刑務所や少年院などの受刑者・被収容者の中には、精神障害が理由となって法を犯した者もいれば、矯正施設という特殊な状況下で精神障害を発症する者もいる。しかし、受刑者たちの治療の前には、つねに法の「平等主義」が立ちはだかってきた。

親の顔も知らずに育った青年。身寄りもなく、万引きを繰り返して刑務所と外の世界を行き来する老人。重度の精神障害のため会話もままならず、裁判すらできずに拘置所に収容されつづける男性――。著者は精神科医として、矯正施設でありとあらゆる人生を見てきた。

高い塀の向こうで、心の病いを抱えた人はどう暮らし、その人たちを日夜支える人々は何を思うのか。私たちが暮らす社会から隔絶された、もうひとつの医療現場を描くエッセイ。

野村俊明『刑務所の精神科医』読了。哲学、臨床心理学(博士)を経て医大に入り直し、精神科医になった著者が、少年院や刑務所・拘置所で考えたこと。日本では、さまざまな社会の矛盾が少年施設や刑法施設に集中していることがわかります。 – 2022年1月10日 橘玲