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【VOYG】宇宙×防衛の新星、Voyager Technologies がNYSE上場

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【VOYG】宇宙×防衛の新星、Voyager Technologies がNYSE上場

宇宙×防衛の新星、Voyager Technologies がNYSE上場 — 初日に株価2倍超の急騰

2025年6月10日、宇宙・防衛分野に特化した米企業 Voyager Technologies Inc.(ボイジャー・テクノロジーズ / ティッカー:VOYG) がニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場しました。

初日の株価は公募価格の31ドルから始まり、69.75ドルまで上昇、一時125%高を記録するなど、大きな注目を集めました。

IPOでは、当初の予想レンジ(26〜29ドル)を上回る価格設定で1,235万株を発行、約3.83億ドルを調達。完全希薄化後の時価総額は19億ドル超と評価されている。

Voyager Technologies のIPOは、近年稀に見る注目度の高い「宇宙関連銘柄」の新規上場でした (本当にIPOの最初だけ)。

実際、ここ数年で純粋な宇宙企業(特に衛星・宇宙インフラ中心)によるIPOは非常に少なかったため、久しぶりの宇宙銘柄のIPOでした。

宇宙IPOの低迷期(2022〜2024)

2020〜2021年のSPACブームで、Momentus、Astra、Rocket Lab、BlackSky、Spire など複数の宇宙企業がSPAC上場を果たしました。しかしその後、SPAC銘柄の失速・財務悪化などが影響し、投資家の宇宙セクターへの熱が一時冷却。

2022〜2024年にかけては、宇宙企業の新規IPOはほぼ皆無で、特にNASDAQやNYSEへの従来型IPOは極めて珍しい状況でした。

宇宙・防衛の2軸事業モデル

Voyager Technologies は以下の3つの柱で事業を展開している:

・国防・国家安全保障部門
米国防総省を中心とした衛星・推進システム等の提供。

・宇宙インフラ部門
民間・政府向けの衛星通信や誘導システム、宇宙用光学センサーを開発。

・Starlab 計画
NASAと提携し、次世代民間宇宙ステーション「Starlab」の設計・開発を進めている。2024年には2.18億ドル規模のNASA契約を獲得。

同社の収益のうち、実に84%が政府系機関からの契約であり、そのうち25%以上はNASAからの受注で占められている。これは、同じく宇宙銘柄で月面探査で知られる Intuitive Machines (LUNA) と似ています。

同社も収益は主にNASAや米国政府機関からの契約によって支えられています。

IPO後、株価は調整

初日には熱狂的な取引が見られたが、現在の株価は39ドル前後(2025年7月8日時点)まで調整。しかし、これでも依然としてIPO価格比で25%高の水準を維持している。

今回のIPOの資金は、宇宙用推進・誘導システムの開発加速、Starlab 宇宙ステーション関連インフラの研究投資、事業買収・運転資金補填などに充てられる。

市場・業界からの評価

宇宙分野のベンチャーキャピタル SpaceFund の Meagan Crawford 氏は、今回のIPOについて「宇宙企業のIPO第2波の先陣」と位置付けており、民間宇宙市場が再び資本市場からの関心を取り戻している証と述べている。

防衛×宇宙という2大成長テーマを抱え、Voyager Technologies は今後も政府支援プロジェクトや Starlab の進展が期待される。