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スーパーバブル崩壊までの時間軸と流れを学ぶ

スーパーバブルの時間軸と、そのメカニズムとは?

英の金融史家エドワード・チャンセラー氏が語る、スーパーバブルの警告に耳を傾けてみましょう。エドワード・チャンセラー氏は、2023年6月下旬に受けたインタビューで「私は特に不動産について考えている」と述べています。

チャンセラー氏は、2008年の世界金融危機を例に、スーパーバブルが形成されるまで時間軸と、バブルが長い時間をかけてシステムに影響を与えるまでのメカニズムについて詳しく解説してくれています。

2008年、世界金融危機の始まり

人々は既に忘れがちですが、2007年〜2008年にかけての信用不安は、実は2005年の米国不動産下落 (米国住宅バブル) の始まりというピークから始まっていました。2006年までには、サブプライム証券というよくわからない証券で損失が発生していました。

システムを通じて伝わるまでには非常に長い時間がかかった

当時エドワード・チャンセラー氏は、ニューヨークで金融ジャーナリズムを書いており、人脈もあったので、このスローモーションのような列車事故に気づいていた。それがシステムを通じて伝わるまでには非常に長い時間がかかった。

2007年初頭、HSBCの米国子会社であるハウスホールド・ファイナンシャルがサブプライムローンで損失を出した。そして夏には、サブプライム・ローン担保証券に投機したり、レバレッジをかけたりしていたベアー・スターンズのヘッジファンドがいくつか破たんした。

2007年10月にアメリカの株式市場が最高値を更新した

2007年10月にアメリカの株式市場が最高値を更新した

欧州の金融市場でも問題が発生し、マネー・マーケット・ファンドが凍結された。なぜこのような話をしたかというと、2007年10月にアメリカの株式市場が最高値を更新したからです。

そのため、金融メディアの一面を飾るような重大な問題であったにもかかわらず、このニュースを報道していない人々はこの問題に気づかなかったのである。

スーパーバブルは大暴騰する傾向がある

リアルタイムでは、物事の成り行きに一種の焦りがあるため、人は「なぜもっと早く解明されなかったのか」と考える。その答えは、振り返ってみると、このようなことが起こるには長い時間がかかることが多く、スーパーバブルは大暴騰する傾向がある、ということだと思う。

デッドキャット・バウンスに終わる

これは間違いなくスーパーバブルである。一流のラリーができたのは間違いない。問題は、その一級品の上昇が続くかどうかだ。私の予感では、この上昇は続かず、いわばデッドキャット・バウンスに終わるだろう。しかし、実に興味深い見方だ。

チャンセラー氏が提示したスーパーバブルの洞察

チャンセラー氏が提示してくれた、2008年の世界金融危機が起こる前のスーパーバブルでは、2007年10月にアメリカの株式市場が最高値を更新していたという事実がある。

また、2008年の世界金融危機は突如として始まったものではなく、その最初の兆候は2005年の米国不動産下落の始まりというピークから始まっていたという、その後の金融機関の玉突き事故的な問題や破綻も含め、長い時間をかけシステムに到達し、じわじわと蝕んでいく一連の流れを観察することができる。