米国の特別目的買収会社(SPAC)1RT Acquisition Corp. は、2025年7月2日にNASDAQ上場(ティッカー:$ONCHU)を予定しており、1.5億ドル規模の新規株式公開(IPO)を通じて資金調達を目指していることが明らかになった。
同社は米証券取引委員会(SEC)に修正済みのS-1届出書を提出済みで、主に暗号資産(Crypto)、ブロックチェーン技術、フィンテック領域における企業との合併・買収(M&A)を目的として設立された投資ビークルである。
デジタル資産の未来への深掘り
1RT Acquisition のスポンサーである 1RoundTable Partners(1RT)は、これまでに最大8億ドル規模のグロースステージ向け暗号ファンドを組成してきました。
同社CEOの Dan Tapiero 氏は「現在はこれまでで最良の投資タイミング」と語り、成熟した収益基盤を持つ企業への戦略的出資を狙っています。
ファンドの戦略的焦点は以下の通り:
・インフラストラクチャー、ブロックチェーン、金融サービスがメイン枠
・Web3ゲーム、NFT、メタバースなどの新興領域にも積極投資
・約10~15件の投資および5~10件程度のボードポスト確保を計画
投資対象は “デジタル資産経済圏”
1RT Acquisition は、暗号通貨インフラ、DeFi(分散型金融)、NFT、Web3関連企業、およびデジタル資産の直接購入も視野に入れており、デジタルエコノミーの中核領域に本格的な投資を展開する方針。
このIPOにより得られる資金は、一定期間信託口座に保管された上で、有望な買収先と合意に達した際に使用される。SPACとしては典型的な枠組みを踏襲しており、通常18〜24ヶ月以内に買収案件を成立させることが求められる。
1RT とは?
1RoundTable Partners は、米コネチカット州グリニッジに拠点を置く成長段階特化型(グロースステージ)デジタル資産エコシステムへの投資ファームです。主にミッド〜レイターステージ企業への資本提供を通じ、ブロックチェーン/暗号通貨/Web3関連事業の価値向上を支援しています
再び仮想通貨関連の SPAC が再燃
次世代デジタル金融のインフラ企業が求められる中、1RT Acquisition の動きは、暗号市場の資本市場回帰の兆しとして注目されている。今後のターゲット企業や買収戦略の進展にも要注目だ。
SPAC 上場に合わせて、コーエンの Point72、Saba Capital などのファンドが早速新規ポジションを開始している。
企業が続々とビットコイン・トレジャリー戦略に手を出しているなど、大手企業がステーブルコイン導入を検討、トランプ政権の追い風なども相まって、再びこの分野が加熱傾向にある。