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スタンレー・ドラッケンミラー氏が語る株式投資の魅力

スタンレー・ドラッケンミラー氏が語る株式投資の魅力

伝説の投資家スタンレー・ドラッケンミラー氏が語る、株式投資の魅力についてご紹介します。スタンレー・ドラッケンミラー氏は、2023年5月9日に開催された Sohn Investment Conference 2023 に出演し、その成功を可能にした自身の投資哲学について語っています。

スタンレー・ドラッケンミラー氏が Sohn Investment Conference 2023 で語った事

ドラッケンミラー氏は、Sohn Investment Conference 2023 の最後に次のような質問を受けました。

アメリカでも有数の慈善家であり、プライベートでも良い家庭を築いており、驚異的な業績を上げ、全てが上手くいっているように見える。どうすればそのようになれるのでしょうか?

この質問に対して、ドラッケンミラー氏は次のように応えている。

私はただ、とても幸運だった。私はアメリカンドリームを生きてきた。

義母は私を “バカサヴァン (ごく特定の分野に突出した能力を発揮する人)” だと言うが、私もそう思う。

なぜか、複利計算が得意なんだ。このビジネスが好きだし、世の中のあらゆる出来事がどこかの証券価格に影響を与えることを知り、そのパズルを解き明かそうとする知的刺激も好きです。

世の中のあらゆる出来事がどこかの証券価格に影響を与えるのか?という視点

ドラッケンミラー氏は、株式市場において、「世の中のあらゆる出来事がどこかの証券価格に影響を与えるのか?」という視点を常に持っている。その視点の明度を上げるには、マクロ経済、金融史、金利、パターン、トレンド、サイクル、コモディティ、市場心理など多岐に渡る指標や長年の経験値を駆使し、パズルのピースを埋めるかのように、その謎 (世界の事象がどこの価格に影響を与えるか) を解き明かす。

今見えている世界と未来の世界の違い

参考になるか微妙ですが、気候変動はこれまで人の居住や農業に適していないとされた土地を一転して希望の地に変えるという。21世紀には、高緯度地域 (グリーンランドやシベリア) のような、これまで人の居住や農業に適していなかった場所が一転して希望の地になるかもしれない。

アメリカの国家情報会議によれば、農業可能地域が増え、その支配的地位が盤石になるため、ロシアは地球温暖化の進行から最大の利益を得る可能性を秘めているという。

2023年の夏現在、ロシア経済はウクライナとの戦争に疲弊しており、通貨ルーブル安、労働力不足に陥っていることからロシア経済は暗いように伺えるが、世界のトレンドである気候変動の観点、今からもっと先の未来では、地球温暖化から最大の利益を得る可能性を秘めているというのだから驚きである。

このように現状のロシア経済には暗雲が立ちこめているが、ある要因、未来に時間軸を動かすことによってその状況が大きく変わってくる。つまり見方や未来を先読みすることで、今見えている世界とは異なる世界が見えてくるのです。

ドラッケンミラー氏は、世の中のあらゆる出来事を観察し、その出来事がどんな影響をもたらすのか?どんな未来をもたらすのか?を計算し、誰よりも早く資産をベットします。

パズルを解き明かそうとする行為

ドラッケンミラー氏は、株式投資は単なる数字やデータの分析だけでなく、それを超えた「パズル」のようなものとして捉えていることがわかります。ドラッケンミラー氏が「世の中のあらゆる出来事がどこかの証券価格に影響を与える」と語ることは、市場は単に経済指標や企業の業績だけでなく、金利、政治的な出来事や社会的な動向など、様々な要因によって突き動かされているというドラッケンミラー氏の哲学が伺えます。

このようなアプローチは、市場の動きを予測するための多くの要因を考慮し、それらを組み合わせて最も確からしいシナリオを導き出すためのものであり、これがドラッケンミラー氏の投資の成功の秘訣の一部であるかもしれません。

話が変わりますが、ドラッケンミラー氏は、宮崎駿監督の最新映画『君たちはどう生きるか』に出てくる、世界のカギを握る登場人物 “大叔父” ような存在かもしれません。

映画に出てくる大叔父は、世界を積み木として、どう積み重ねて世界のバランスを保つか?のように説いていますが、アイテムは違えど、ドラッケンミラー氏は、ある出来事の挙動を世界のパズル解くように判断し、そのピースを埋めるような作業をしている、と言えるかもしれません。

ある分野に対する真の情熱や好奇心が必要

最後に、ドラッケンミラー氏が「このビジネスが好きだし、知的刺激も好き」と語ることから、彼の情熱や好奇心が、彼の投資の成功を支えている大きな要因であることが伺えます。成功するためには、単なる技術や知識だけでなく、その分野に対する真の情熱や好奇心が必要であるということを、ドラッケンミラー氏は体現しています。