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バフェットが2022年にポートフォリオに追加した銘柄を振り返る

image by Genuine Impact

投資業界の巨人 Warren Buffet (ウォーレン・バフェット) が2022年に、バフェットのの持株会社であるバークシャー・ハサウェイにポートフォリオに追加した11銘柄を振り返りながら、バフェットの投資戦略、投資ストラテジーについて見ていきたいと思います。バフェットの持ち株については、バークシャー・ハサウェイが2022年に提出した13Fファイルを元に参照しています。

バフェットのコア・ポジション

まずバフェット (バークシャー・ハサウェイ) のポートフォリオで、核となる大きなポジションの銘柄を見ていきましょう。トップ画像のように、バフェットのコア銘柄としては、Apple (アップル / AAPL)、Bank of America (バンク・オブ・アメリカ / BAC)、Coca-Cola (コカ・コーラ / KO)、Chevron (シェブロン / CVX)、American Express (アメリカン・エキスプレス / AXP) が知られています。

ここに今年は7番目に大きなポジションとして、石油・ガス大手の Occidental Petroleum (オクシデンタル・ペトロリアム / OXY) が加わりました。バフェットはWTI価格が下落し、押し目となったタイミングで何回か同銘柄を追加しています。そしてバフェットの鋭い洞察は見事的中し、オクシデンタル・ペトロリアム (OXY) は、8月の高値に迫る勢いで上昇を続けています。

バフェットが2022年に追加した銘柄

ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイは、今年8つの新しい株式ポジションをポートフォリオに加えました。今年最も積み上げたポジションがオクシデンタル・ペトロリアム (OXY) です。そして今年の株価の低迷期には、Hewlett-Packard (ヒューレット・パッカード / HPQ)、Citigroup (シティグループ / C) に投資したことが知られています。

2022年の第1四半期には、専門保険会社 Markel Corporation (マーケル・ホールディングス / MKL) 42万株ポートフォリオに追加しています。第一四半期の取引となりますので金利上昇を見据えたトレードになるのだと思います。セクター的に保険ビジネスは金利の影響を受けにくいとされています。

また最新の13F提出書類によると、2022年9月30日に終了した第三四半期に、Taiwan Semiconductor TSMC (台湾セミコンダクター / TSM) に41億ドルの新たな株式を取得し、コングロマリットで10番目に大きなポジションを取得しました。

しかしバフェット氏は、2023年2月にTSMCの株式の大半 (86%) を購入からわずか数カ月で手放したことが明らかになっている。手放した理由としてバフェット氏は、地政学的な緊張を考慮した決定だったと明らかにしています。

他にも、林産物会社の Louisiana-Pacific (ルイジアナ・パシフィック / LPX)、Jefferies Financial (ジェフリーズ・フィナンシャル / JEF) の新しいポジションを取得しました。

その他には、資産運用会社 Brookfield Asset Management (ブルックフィールド・アセット・マネジメント / BAM)、ハイテク企業 Alphabet (アルファベット / GOOG) / GOOGL)、住宅リフォームの小売チェーン、Home Depot (ホーム・デポ / HD) の計11銘柄を追加しています。

バフェットが2022年に売却した銘柄としては、キャッシュ・モンスターの Royalty Pharma (ロイヤルティー・ファーマー / RPRX) という銘柄があります。バフェットは2021年第3四半期に Royalty Pharma のポジションを積み上げ始めたが、それ以来、2021年第4四半期から2022年第2四半期にかけて、1310万株を完全に売却しています。

Royalty Pharma については、フロリダ在住の日本人の投資家広瀬さんのイチオシ銘柄として知られていましたが、現在 Royalty Pharma の持っているパテントの魅了がいまひとつだとして、同銘柄からは離れています。

バフェットが持っているハイテク銘柄

バフェットが持っているハイテク銘柄を見てみると、アップル (APPL) を一番大きなポジションとして持っていますが、他にも VISA (ビザ /VISA) を0.54%、Mastercard (マスターカード / MA) を0.42%、Amazon (アマゾン / AMZN) を0.38%、Snowflake (スノウフレイク / SNOW) を0.28%、NU (ヌー / NU) 0.13%、Stone (ストーン / STNE) 0.03% などのハイテク株を微量ながら持っています。

一部の個人投資家の間では、バフェットがブラジルのフィンテック企業 NU (ヌー / NU) の株式を持っていることが話題になっており、NU は買いだー!というようなツイートを散見しますが、バークシャーのポートフォリオ全体で見ると、非常に小さいポジションだということが分かります。

投資を始めて資産を何万倍に成長させた

バフェット率いるバークシャー・ハサウェイは、1955年以来、1株当たりの純資産を14,123倍に成長させた。

『バフェットの投資戦略 ’00~’22』

この記事を書いているタイミングで、バフェットが2000年以降持った投資ポジションを漫画で解説した『バフェットの投資戦略 ’00~’22』が発売されています。バフェットのバリュー投資に興味のある方は、こちらの著作を読んでみても面白いかもしれません。

株式投資で世界的富豪に昇りつめ、さらに賢人として世界中から尊敬される投資家「ウォーレン・バフェット」。 彼が率いるバークシャーハサウェイは、21世紀に入り、どのようにして時代の先行きを見て、新しい投資先を選んだのでしょうか? バフェットの投資手法だけでは見えない、米国、海外、IT、そして日本などの投資戦略を解説! 22年のポートフォリオからこれまでと今後の動きを総括します!

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