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レストラン向けソフトウェア企業 Toast が IPO

投資

Toast (TOST)

レストランの決済とソフトウェアを提供する Toast Inc (ティッカー : TOST) が2021年8月27日に、新規株式公開 IPO を申請、評価額は200億ドルを見込んでいます。Toast は、レストランコミュニティ全体を対象に構築されたクラウドベースのエンドツーエンドのテクノロジープラットフォームです。

既に IPO したレストラン・テックの OLO とも競合するこの新興企業は、新形コロナのパンデミックの中で、デジタル化が加速するレストランのオンラインおよび店舗での注文を支援するソフトウェアを販売しています。Toast の財務状況は、パンデミックにもかかわらず一定の収益を上げており、利益率やキャッシュフローも改善されています。

レストラン向けにPOSサービスやソフトウェアを提供している Toast は、2011年に Aman Narang、Jon Grimm、Steve Fredette の3人によって設立されました。Toast は、レストランのステークホルダーの生活をより快適にすることを目指しています。同社はS-1ファイリングで「レストランの経営は大変です。私たちが Toast を始めたのは、レストランの仕事を少しでも楽にするためです。」と述べており、「テクノロジーの民主化」を実現し、あらゆる規模のレストランが平等に競争できるようにすると主張しています。

Toast 決済

2013年にサービスを開始した Toast は、レストランがオンライン注文の管理、オンデマンド配送ネットワークの運営、決済の統合などを支援するソフトウェアプラットフォーム、タブレットやハンドヘルドデバイスを含むレストランの決済処理用ハードウェアと、注文、給与、マーケティングを管理するクラウドベースのソフトウェアを販売しています。

Covid-19 パンデミックの影響

2020年4月、Toast は Covid-19 の後、スタッフを50%削減、役員報酬を削減して1300人にしました。これにより2020年11月には市場評価額を再び$8Bに引き上げています。コロナ禍ではオンライン注文、テイクアウト、ゴーストキッチン、ダークキッチンなどの新しいトレンドが現れ、それが Toast に利益をもたらすと考えられています。

また、Toast は Toast Capital を使ってレストランにお金を貸しています (SQ の Loans and Lend に似ています)。

Reuters の記事によると同社は、

ボストンに本社を置く同社は、2021年上半期に7億400万ドルの収益を計上し、前年同期比で105%の伸びを示しました。パンデミックの中で、レストランが第三者の手数料を節約し、利用者との直接的な関係を築きたいと考えていることから、支持を得ています。

同社は、約48,000のレストラン拠点と提携しており、過去12ヵ月間で380億ドル以上の総支払額を処理しています。

アプリや製品

Toast の製品、「Toast Now」は、あらゆる規模のレストランが、オンライン注文、配送、ギフトカード、Eメールマーケティング機能を迅速に有効化できるデジタル専用プラットフォームであり、「Toast TakeOut」や「Toast Online Ordering」などのプラットフォームを提供しています。

Toast のアプリや製品は、2020年6月30日には3万3,000店以上、2019年には2万店以下であったのに対し、2021年6月30日時点では4万8,000店近くのレストランが同社のプラットフォームに登録されています (同社資料)。

IPO の時期

Toast は、IPOが最も盛んな年のひとつである今年の秋9月頃に上場を予定しています。引き受け幹事は Goldman Sachs & Co. LLC、Morgan Stanley および J.P.Morgan が主幹事を務めます。

レストランのPOS端末の巨大市場

Toast は大きな市場でシェアを獲得しています。Grand View Research は、レストランの POS (Point of Sales) 端末市場は、2020年の155億ドルから、今後7年間で年複利6.4%で成長すると予測している。グランドビュー社の予測では、2028年までに、レストランPOSソフトウェア市場は2020年の93億ドルから年平均9.5%で増加するとしています。

急成長のストーリー

Toast には多くのレストラン顧客がいます。21年6月30日現在、Toast は約48,000のレストランで使用されており、今年6月までの1年間で380億ドルの総支払額を処理しました (1日平均550万人のゲストオーダー)。

その顧客数は、この3年半で非常に急速に増加しており、S-1 によると、2017年の6,000店から今年6月の47,912店まで、年複利で約79%の成長を遂げています。米国には86万のレストラン拠点があり、Toast は市場の約6%にしか導入されていないため、大きな成長の可能性を秘めています。

コロナのパンデミックを境に、一層早いスピードで加速するレストランのデジタル化の流れ。レストランはテクノロジーに適応していかなければ、今の時代に対応できないでしょう。加えて、Toast は優れた財務内容を持っています。このことからも大きな可能性を秘めています。

レストランソフトウェアの競合関係

Toast は、レストラン向けの決済市場で、Square、Lightspeed commerce、Fiserv と競合しています。また、OLO とも競合していますが、個人経営のレストランのみを対象とするのではなく、チェーン店にエンド・ツー・エンドのソリューションを提供することに注力している。

Toast は、Square、Lightspeed、Clover といった既存のPOSソリューションや、Doordash や Uber Eats といったテイクアウトも可能なデリバリープラットフォームとの競争にさらされています。しかし、彼らはレーザーフォーカスによって良い製品を作り、それをレストランに提供し、成長し、現在ではFCFで利益の出るビジネスを構築しました。

競合相手? OLO との比較

OLO は企業をターゲットにしているのに対し、Toast は中小企業をターゲットにしていまが、いずれにせよ競合するようになると思います。OLO は、2021年3月に株式を公開し、その後、株価は29%上昇し、時価総額は69億ドルに達しています。2021年の上半期の OLO の売上高は7,200万ドル(80%増)で、OLO の価値は上半期の売上高の96倍となっています。Toast は OLO よりもはるかに速い成長(105% = パンデミックによる影響で異常値とも言える成長)を遂げている。

米の個人投資家のなかには、OLO は機能、TOST はプラットフォームと表現している人もいます。しかし、OLO に精通している投資家の Brad Freeman 氏の意見では、

OLO は機能ではなく、3つ(もうすぐ4つ)のモジュールのプラットフォームです。長期的には OLO を愛していますが、高価なので、現在は小さなポジションで蓄積していきます。OLO の CEO である Noah Glass はインタビューで、同じ規模の顧客を取り合うことはないと言っていました。TOST は1つのクライアントにつき2つの拠点を持っています。 – Brad Freeman

と回答しています。

TOST のリスク

Toast の主なリスクは、売上総利益率が非常に低く(合計10%)、決済ビジネスの粗利益率が9%未満であり、レストランソフトウェアの競争環境、支払い、レストランの解約率が高い(毎年、顧客の11%が廃業)、成長が遅い … などのリスクが挙げられます。

TOST ハイライト

・レストランの支払い処理業者
・H1’21 rev $704M、前年比105%増、$235Mの損失
・48Kの顧客アカウント、86万の米国レストランの約6%
・評価:〜$200B(〜13X 2021 rev)を探します
・2011年に設立され、ボストンを拠点としています

Toast の S-1 をチェックしよう!

<S-1 ポイント>

1. Toast の製品群は、POS(販売時点情報管理)、レストランオペレーション、ロイヤリティ、決済処理、ファイナンスなど、レストラン経営のあらゆる側面に対応しています。

2. Toast の4つの主要な収益源のうち2つは、ハードウェアの販売と、製品のインストールや使用方法のトレーニングから得られるプロフェッショナルサービスの収益です。

3. SaaS 3.0 のビジネスモデル

4. COVID-19 によるリカバリー

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参考記事

Toast S-1の感想 〜レストランにとっては、パンのように美味しいもの?〜

Toast の200億円のIPOに投資すべき3つの理由