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株式がトークン化されるとどうなるのか?

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株式がトークン化されるとどうなるのか?

Coinbase のCEOブライアン・アームストロング氏は、今後暗号資産の法整備が進むことで、株式のトークン化を進めたいと考えています。例えば、NVIDIA や Tesla のような株式をトークン化して取引できるようにすることで、多くの利点があると言います。

また、米国外では非常に成功している「パーペチュアル(無期限)先物」も米国内で承認されていませんが、もし承認されれば、米国でも非常に大きなビジネスチャンスになると未来像を語っています。

今後このような流れが加速することで、暗号資産と伝統的金融が融合し、NVIDIA 株や Tesla 株をウォレット1つで保有・取引できる未来が来るかもしれません。

株式のトークン化とは?

「株式のトークン化」とは、実際の企業の株式をブロックチェーン上のデジタル資産(トークン)として発行することを意味します。たとえば、NVIDIA 株を裏付けとした「NVDAトークン」を発行し、それをブロックチェーン上で取引できるようにするイメージです。

メリットとしては、24時間365日取引可能になります。通常の株式市場(NASDAQなど)は平日・営業時間内しか取引できませんが、トークン化されるといつでも世界中からアクセス可能です。

グローバル投資家のアクセス向上します。銀行口座や証券口座を持たない人でも、スマホ1つで株式に投資できるようになります。

少額投資(フラクショナル・オーナーシップ)が可能になります。1株が高額な株式(例:Amazon や Berkshire Hathaway など)でも、0.01株単位で保有可能になるかもしれません。

ブロックチェーンを使えば、取引後の決済(清算)を即座に完了可能です。

課題としては、法規制(米国では証券法により証券トークンの発行は厳格に制限されている)、カストディ(保管・信託)や清算の信頼性確保、トークンと実株の「1対1裏付け」の透明性などの問題があります。

パーペチュアル(無期限)先物とは?

「パーペチュアル先物(Perpetual Futures)」とは、満期(期限)のない先物取引のことを指します。一般的な先物契約と異なり、定められた満期日に決済されることなく、トレーダーはポジションを継続して保有し続けることが可能です。

価格の調整は「ファンディングレート(資金調整率)」と呼ばれる仕組みによって行われ、現物価格との乖離を自動的に是正するよう設計されています。このため、仮想通貨取引所では非常に一般的かつ人気の高い金融商品となっています。

このパーペチュアル先物にはいくつかのメリットがあります。まず、トレーダーはロールオーバー(契約の延長手続き)なしでポジションを保持し続けられるため、継続的な取引戦略が可能になります。

また、価格が現物価格に追随しやすいため、市場価格との整合性が保たれやすいという特徴もあります。さらに、レバレッジ(証拠金取引)を活用した取引が容易であり、多くのトレーダーにとって流動性の高い魅力的な選択肢となっています。

一方で、米国ではこのパーペチュアル先物の提供はまだ承認されていません。その主な理由は、これらが高リスクな金融商品と見なされており、特に個人投資家の保護を重視する米国の金融当局(SECやCFTC)による規制が厳しいためです。

また、レバレッジによって生じる過度なリスクや、相場の急変による破綻リスクなど、市場の安定性に対する懸念も承認を妨げる要因となっています。

どのように「今」と変わるのか?

項目 従来の金融システム Coinbaseが描くトークン化金融
株式 営業時間内のみ・高額 24時間取引・少額でも可能
先物 期限付き、複雑な管理 無期限・ダイナミックな運用
利用者層 銀行口座や証券口座のある人中心 全世界のスマホユーザーも対象に

「トークン化された金融」が実現した場合、従来の金融システムとは根本的に異なる形で、私たちの資産運用や投資のあり方が変わっていく可能性があります。

まず株式取引において、従来の金融システムでは株式市場は平日の決められた時間帯にしか取引できず、1株あたりの価格も高額なものが多く、参入のハードルが高いのが現状です。

これに対し、Coinbase が構想するトークン化された金融では、株式がブロックチェーン上でトークンとして発行されることで、24時間365日いつでも取引が可能になり、少額からの分割保有(フラクショナル・オーナーシップ)も実現します。

これにより、より多くの個人が自由に株式投資に参加できるようになります。次に先物取引については、従来は取引期限があり、ポジションの管理やロールオーバーなど煩雑な手続きが必要でした。

しかしトークン化により、期限のない「パーペチュアル先物」の導入が進めば、より柔軟でダイナミックな運用が可能になります。これにより、プロトレーダーだけでなく、個人投資家にもアクセスしやすい先物市場が形成されることが期待されます。

そして最も大きな変化は利用者層の拡大です。従来の金融システムでは、銀行口座や証券口座を持つ一部の人々に限定されていました。

しかし、トークン化によって資産の保有・売買がスマートフォン一つで可能になることで、世界中の誰もが金融市場にアクセスできる時代が訪れようとしています。これは金融の民主化とも言える大きなパラダイムシフトです。

このように、Coinbase が描くトークン化金融は、時間・金額・場所の制限を取り払うことで、金融のあり方そのものを根底から変えていく可能性を秘めています。