伝説の投資家 Mark Minervini(マーク・ミネルヴィニ)氏が語る、「待つ力」こそが勝利を呼ぶ──投資における規律の絶対的な重要性についてご紹介します。
I’ll be the first to admit—this rally has unfolded with very few stocks truly in buyable position (at least, speaking for my strategy), and for me, the results have been mixed at best. I did manage to latch onto a few nice winners, but the volatility whipped me in and out on a…
— Mark Minervini (@markminervini) May 13, 2025
株式市場で一貫して成功を収めるには、一貫したルールと、それを守り抜く “規律” が不可欠です。これは、単なる美辞麗句ではありません。数々の大相場を乗り越え、驚異的なリターンを記録してきた伝説の投資家、マーク・ミネルヴィニ氏自身が、それを体現しています。
成果が出ない時期にこそ「規律」が問われる
マーク・ミネルヴィニ氏は、現在の相場についてこう述べています
この上昇局面 (トランプ関税による下落からの上昇) は、私の戦略から見ると“買えるポジション”にある銘柄が非常に少なく、成果も今ひとつだった。いくつかの銘柄では利益を出せたが、多くはボラティリティに振り回され、ポジションを出たり入ったりするだけで、進展はほとんどなかった。
しかし彼は、こうした状況を「異常」とは捉えていません。むしろ、底打ち直後やベアマーケット明けの第一波ではよくあることだと言います。
ここで重要なのが、「無理に追いかけない姿勢」です。焦って飛び乗れば、そこには高い確率でリスクが潜んでいます。だからこそ、規律を持って “待つ”。これがプロの判断です。
数々の成功の裏にある「待つ力」
2020年のCOVID後の急回復では、マーク・ミネルヴィニ氏が初めてポジションを取ったのは4月6日。それも慎重に、数ヶ月間は大きなリスクを取らなかった。それにもかかわらず、年間リターンは100%超え。彼のアシスタントは、350%超えという驚異の成果を残しました。
2003年、2009年のV字回復の年も、彼は焦らず、「機が熟すまで」エントリーを我慢し、後に続く大相場で大きな成果を得ています。
1995年には、市場が長期の横ばいを抜けて上昇し始めてからも、何ヶ月も様子見を続け、新高値をつけた後にようやく参入。結果、その年は400%以上のリターンを達成しました。
このように、ミネルヴィニ氏の実績は、「先に動く」ことよりも、「適切なタイミングまで “動かない” ことを徹底する」ことによって得られています。
真のプロとは「ブレない者」である
マーク・ミネルヴィニ氏は、こう断言しています
真のプロフェッショナルの証は、忍耐と一貫性。それは、突き詰めれば規律に尽きる。
チャンスが目の前にありそうに見えるとき、手を出したくなる。何もしていないと、「何かしなければ」と不安になる。でも、「自分のルールを守る」ことこそが、最大の勝機を生むのです。
ストライクが来るまで待てないなら、三振を覚悟すべきだ。
これが、ミネルヴィニ流の “規律” の本質です。
「取り残された」と感じても、それは敗北ではない
現在の相場でポジションが取れず、「出遅れた」「取り残された」と感じている投資家も多いかもしれません。しかし、ミネルヴィニ氏はこう励まします。
この相場に置いていかれたように感じているなら、あなただけではないし、それは決して珍しいことではない。珍しいのは “規律を貫くこと” であり、だからこそ “大きな成果” もまた珍しいのだ。
自分のルールを持ち、それを守る勇気を持て
投資で成功したければ、予測ではなく、準備と規律に集中すること。焦って動くのではなく、自分のルールが指す “確かなシグナル” が現れるまで、じっと待つ。
規律こそが、荒れる市場の中で自分を守り、やがてやってくるチャンスに最大の成果をもたらす唯一の道です。