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ポール・クルーグマン、米経済の行く末について見解を示す

米経済の行く末について見解を示す

アメリカの経済学者 Paul Krugman (ポール・クルーグマン)、米経済の行く末 (ハードランディングか?ソフトランディングか?) についての見解「米国経済は “ソフトランディング” するのか?」をニューヨークタイムズのオピニオン記事で公開しました。以下はクルーグマン氏自身が Twitter でその見解を説明したものをご紹介します。

というわけで、ソフトランディングの見通しに関する私のプロジェクトがアップされました。私は、この議論 (しばしば険悪になる) の共通点を強調し、また、2種類の問題を区別することを心がけました。

米経済の加熱はコンセンサスを得ている

米国経済が熱くなりすぎているという点については、かなり広いコンセンサスが得られていると思うが、どの程度の冷却が必要なのかについては多くの議論がある。

経済を冷やすには

冷却が何を伴うかについての議論もある。失業率の大幅な上昇を伴う必要があるのか、それとも大規模な雇用喪失なしに事態を正常化できるのか。合理的な人々は異なる!

あまり痛みを伴わない冷却サイド

私はこの議論の「あまり痛みを伴わない冷却 (ソフトランディング)」側にいるが、高い自信はない。今、高い自信を持っている人は、ダニング・クルーガー (マクロ経済学版) に苦しんでいる可能性が高い。

ダニング=クルーガー効果 (Dunning-Kruger effect)

ダニング=クルーガー効果とは、自身の能力や知識を過大評価する傾向があるという心理学の現象を指します。この概念は、1999年に社会心理学者のデイヴィッド・ダニングとジャスティン・クルーガーによって初めて提唱されました。

具体的には、この効果により、知識やスキルが低い人々は自身の能力を過大に評価し、逆に知識やスキルが高い人々は自身の能力を過小に評価する傾向があるとされています。つまり、低能力者は自分がどれほど無知であるかを理解するためのスキルすら持っていないのに対し、高能力者は自分がどれほど優れているかを理解する能力はあるものの、他人も自分と同じレベルで理解していると誤って推測することがあります。

この現象は、認知の歪みの一例であり、人間が自己評価や他者評価を行う際の誤りを示しています。それはまた、教育や職場環境、さらには政治や社会問題への誤った認識など、様々なコンテクストで現れる可能性があります。

FRBのスタンス、データ依存リスクを懸念

しかし、私が最も心配しているのは、たとえソフトランディングが可能であっても、データや政策の遅行効果に関する不確実性を考えると、FRBがそれを維持するのは非常に難しいということです。「データ依存」であることは、あなたが考えているほどには役に立ちません。

クルーグマンは、現在のFRBが示すインカミングデータによって采配を下すのでは、それらが示すデータの遅延効果による不確実性を拭い去れないのではないか?と懸念しています。

FRBが重視するCPIのコアデータなど、経済データは過去の状況を反映しており、現在や未来の状況を正確に捉えることは難しい。さらに、データはしばしば修正され、初期の推定が後の修正で大きく変わることもあります。

債務不履行はハードランディングを保証する

もちろん、債務不履行は、何があってもハードランディングを保証する一つの方法だろう …