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【GHRS】GH Research PLC 今後のカタリストとロードマップ

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【GHRS】GH Research PLC  の今後のカタリストとロードマップ

GH Research PLC (GHRS) は、精神疾患・神経疾患の治療を変革することを目的にした、臨床ステージのバイオ医薬品企業です。主に、5‑MeO‑DMT(メブフォテニン)を活用した治療候補(製剤技術)を複数開発中です。

開発中の中核製品「GH001(吸入型5‑MeO‑DMT)」をはじめとして、トリートメント抵抗性うつ病(TRD)、双極性II型うつエピソード(BDII)、産後うつ(PPD)など、難治の抑うつ症に着目した開発プログラムが進行中です。

GHRS の現状

「GH001」の臨床保留について、FDAと協議継続中。GHRS は、2026年にグローバルpivotal開始を明言。米国外は各国規制下で進め得ます(米国用には解除後に合流)。

今後の進行、超前倒し・うまく行った場合でも、pivotal開始=2026年 → 読出し・安全性データ積み上げ → NDAドラフトまで考えると、“早くても2027年後半” が限界ライン。

現実的なベースケースは、2028年以降の方が妥当です(2本の十分かつ適切な試験、曝露安全性データ、製造CMC、米国IND事情を踏まえると)。

※“外国データのみ” でもFDAは受理可能ですが、厳格なGCP要件を満たし、全体証拠の一貫性が必要。

承認済み製品 / 現状

承認済み製品:なし(開発中)

主力候補:GH001(吸入型メブフォテニン)— TRD を対象。

補足:GH002(静注型メブフォテニン)も前臨床/初期臨床から IND 提出準備中。

主要臨床成績
−15.5
MADRS差 (Day 8, GH001 P2b)
p<0.0001

73%
寛解維持 (6か月, OLE)

Q4 2025
GH002 IND 提出予定

2026
GH001 グローバル P3 開始予定

臨床試験パイプライン
Phase 2b
GH001(TRD)

対象:治療抵抗性うつ病(TRD)

投与:吸入型メブフォテニン(用量最適化レジメン)

主要評価項目:MADRS 改善 達成
Day 8 差:−15.5(p<0.0001)
安全性:重篤な懸念なし

OLE
GH001 オープンラベル延長

解析:寛解維持と安全性の継続評価

6か月寛解:73%
安全性:自殺関連/重篤事象なし

Phase 1
GH002(静注)

対象:健常/初期臨床

所見:安全性および迅速な精神作用を確認

PK:GH001 と同様プロファイル
次ステップ:IND を 2025年Q4 提出予定

ライン拡張候補

パイプライン早見表
パイプライン 対象 臨床フェーズ 規制デザイン 安全性(AESI) 用法・用量 / 併用戦略 市場規模イメージ ポイント
GH001(吸入型メブフォテニン) 治療抵抗性うつ病(TRD) Phase 2b 2023年にFDAよりclinical hold
プロトコール最適化・追加要件と当局対話を継続
急性の精神症状(不安・解離・パニック)、
血圧・心拍上昇など循環器変動、悪心/頭痛、
希少な過敏反応。自殺念慮の系統的モニタ
吸入による単回〜少回投与(監視下)。
併用注意:MAOI/SSRI等セロトニン作動薬はプロトコールに準拠
大:MDD領域のサブセット(既治療難治群) 主要評価(MADRS)達成:Day 8差 −15.5(p<0.0001)
重篤な安全性懸念は現時点で報告なし。
GH001 オープンラベル延長(OLE) TRD(寛解維持・安全性追跡) 継続解析 オープンラベル延長で長期曝露と維持効果を評価 上記AESIを長期でモニタ(精神症状・循環器・過敏反応)。
自殺関連事象の継続監視
必要時に追加投与(施設監視下)。
維持間隔や基礎薬の調整は症状に応じ最適化
大:既存TRD患者層の長期管理 6か月寛解率73%。自殺関連/重篤事象なし(報告範囲内)。
長期データがP3/BLA設計の根拠に。
GH002(静注メブフォテニン) 健常/初期臨床 Phase 1 FIH(SAD/MAD)設計。
INDを2025年Q4提出予定
急性の精神症状、循環器変動、悪心/頭痛、
注入関連反応。自殺念慮・行動の早期スクリーニング
静注の単回/短時間投与で急速発現を確認。
GH001と同様のPKプロファイルを想定/併用注意は同上
ライン拡張候補(適応拡大余地) 安全性と迅速な精神作用を確認。
GH001とのPK整合性がプラットフォーム価値を補強。

ポイント

2023年9月に FDA から受けた臨床保留(Clinical Hold)がまだ解除されておらず、保留トピックは残り1つとなりました。FDA は、先に発表したラットにおける呼吸器組織学的所見に関する追加データまたは更なる正当な理由の提出を求めています。

この臨床保留がクリアされると、GHRS の株価の重しが取れると思います。

【関連記事】FDAから臨床保留(Clinical Hold)を受けるとどうなる?

開発ロードマップ
完了:2025年2月

GH001 P2b 主要達成 / OLE 73%

主要評価項目(MADRS)達成。OLE 6か月で寛解維持 73% を確認。

2025年前半〜中

FDA 対応(IND 残件) & EOP2 準備

ラット肺のヒストロジー所見(種特異的)への対応。P3 プロトコール設計・サイト準備。

2025年Q4

GH002 IND 提出

静注製剤 GH002 の IND 提出でポートフォリオ拡張。

2026年

GH001 グローバル ピボタル試験(P3)開始

EOP2 を経て、国際的な確証試験を開始予定。

早くても、2027年後半

申請(NDA / Accelerated Approval の選択肢)

ピボタル成功を前提に申請フェーズへ。

注目すべきカタリスト
短期(〜2025年前半)
FDA IND 残件の解消、EOP2 資料整備、KOL/CRO 選定・サイト準備

中期(2025年後半)
GH002 IND 提出・受理、P3 デザイン確定と開始準備

長期(2026年〜)
GH001 ピボタル開始 → 中間解析 → 申請(BLA/AA)