HOME > 臨床バイオ

【GERN】Geron Corporation カタリストとロードマップ

【記事には広告を含む場合があります】

【GERN】Geron Corporation カタリストとロードマップ

GERN の近況

Q2’25売上:「RYTELO」の売上$49.0M、前四半期比+24%と公式に開示。需要(新規導入)が+17%に改善、販促人員20%増も完了と説明。

EU承認と展開:2025年3月にEU承認。2026年に一部EUでの上市準備を進めると会社は述べています。

MF(IMpactMF)P3のタイムライン:登録95%超、2025年末に登録完了見込み。OSの中間解析はH2’26、最終解析はH2’28予定

MFでの有効性根拠(P2):IMbark 9.4mg/kg群でOS中央値29.9か月。JAK阻害薬不応集団のRWD/BAT(実臨床対照)~12–16か月より良好という解析が複数提示されています。ただし非ランダム化比較の限界に留意。

どこが強く、どこが弱い?評価点

・強み
– Q2の実績($49M、QoQ+24%)と需要の実増は明確。ストーリーが“完全に死んでいない”ことは数字が示す。
– MFのオッズ:P2/外部比較のOSシグナルは一貫。P3の主要評価項目がOSで、H2’26中間という見通しも投資上の“待てる”材料。
– 知財/独占:2037/2038のシナリオが“会社想定のベース”。「2031年で終わる」だけを拠り所にしたベア説は単純化が過ぎる。

・弱み
– ボラタイルな四半期:導入の山谷(大型施設→中小)や骨髄抑制(好中球・血小板)に起因する治療中断・減量が実需のノイズに。(FDA承認記事・PIでも血液毒性が主要AE)
– 価格とアクセス:WACは高額。ペイヤーの事前認可やステップ療法の影響で1/2Lの広がりは時間差が出やすい。
– MFは“勝てば天国、負ければ…”:OSエンドポイントは時間もイベント数も左右されやすく、中間データの解釈も難しい。

承認済み製品 / 現状

承認済み製品:あり(上市済み)

主力候補:RYTELO®/imetelstat(テロメラーゼ阻害オリゴ:点滴)— 低~中間-1 リスクMDSにおける輸血依存性貧血(ESA不応/不適合)。

補足:米国(2024/06 承認)/EU(2025年 承認)。MF(再発/難治)では継続開発中。

主要臨床成績
$49.0M
RYTELO 売上(Q2 2025)

>95%
IMpactMF 登録率(2025/7 末時点)

H2 2026
IMpactMF 中間解析(OS)予定

$432.6M
現金等残高(2025/6/30)

臨床試験パイプライン
Approved / Commercial
RYTELO®(imetelstat)— LR-MDS 輸血依存性貧血

対象:成人の低~中間-1 リスクMDS(non-del(5q)含む)、ESA不応/不適合で8週にRBC≥4単位輸血が必要

投与:静注 q4w(US ラベル)

承認状況:米国:2024/06 承認/EU:2025年 承認
商用進捗:Q2 2025 売上 $49.0M、注文施設 >1,000
安全性:好中球/血小板減少、肝酵素上昇等をモニター

Phase 3(Registrational)
imetelstat(R/R MF)— IMpactMF

対象:JAK阻害剤 再発/難治 の中~高リスク骨髄線維症

投与:静注(プロトコール規定)

設計:オープンラベル無作為化、対照:BAT、主要評価:OS、目標約320例
進捗:>95% 登録(2025/7 末)/2025年Q4 までに登録完了見込み
読出し:H2 2026 中間OS/H2 2028 最終OS

Phase 2
imetelstat(Frontline MF)— IMproveMF

対象:初発MF領域(ruxolitinib 併用等の探索)

所見:症状・脾容積・生物学的指標の改善シグナルを評価

進捗:国際学会(ASCO/EHA 2025)で進捗発表
次ステップ:用量・併用最適化 → 後期試験方針に反映

ライン拡張候補

パイプライン早見表
パイプライン 対象 臨床フェーズ 規制デザイン 安全性(AESI) 用法・用量 / 併用戦略 市場規模イメージ ポイント(市場評価)
RYTELO® / imetelstat LR-MDS(輸血依存性貧血) Approved(US/EU) US:成人 LR-MDS の RBC輸血依存(ESA不応/不適合)
EU:very low/low/intermediate-risk のTD-MDS(non-del5q含む)
好中球減少・血小板減少、肝酵素上昇、感染 静注 q4w(US ラベル)/RWE・市販後要件を遂行 希少だが明確なアンメット。
実臨床での広がりに期待
四半期売上の伸長と施設拡大が指標。
アクセス整備と安全性管理が継続論点。
imetelstat(R/R MF) JAK阻害剤 R/R のMF Phase 3(IMpactMF) 無作為化/対照:BAT/主要:OS/登録完了 2025年Q4 目標 骨髄抑制(好中球・血小板)、肝機能、感染 静注(プロトコール)/症状・脾縮小等も副次 中~高リスクMFで潜在市場 OS中間(H2 2026)で方向性判定。
安全性とベネフィットのバランスが鍵。

ポイント
  • 商用軌道:RYTELO は Q/Qで需要・施設が拡大。販売・MSL 体制を増強し採用を促進。
  • MFピボタル:IMpactMF は2025年Q4 登録完了見込み、H2 2026 中間OS、H2 2028 最終OS を想定。
  • EU展開:2026年にかけて段階的な国別ローンチ準備を進行。
  • 資金・収益性:手元資金と米国売上で当面の運転資金を賄える見通し(会社見解)。

開発ロードマップ
完了:2025年Q2

RYTELO 商用拡大(米)/EU 承認取得

Q2 売上 $49.0M、注文施設 >1,000。EUは2025年に承認、国別ローンチ準備へ。

2025年Q4

IMpactMF 登録完了見込み

約320例の登録完遂を目標に運用最終化。

2026年H2

IMpactMF 中間OS解析

全生存期間(約35%イベント)で初回の主要解析。

2026年

EU 国別ローンチ

価格・償還プロセスを経て販売開始国を順次拡大。

2028年H2

IMpactMF 最終OS解析

約50%イベントで最終解析・規制戦略の最終化へ。

注目すべきカタリスト
短期(〜2025年Q4)
IMpactMF 登録完了/米国での RYTELO 採用拡大とアクセス整備

中期(2026年)
IMpactMF 中間OS(H2)、EU 国別ローンチ開始

長期(2028年〜)
IMpactMF 最終OS → 規制・商用戦略の最終化