BridgeBio Pharma (BBIO) からのスピンアウトしたオンコロジー部門 BridgeBio Oncology Therapeutics (BBOT) が SPAC 上場しました。2025年8月12日からティッカーシンボル「BBOT」で取引が開始されています。

Helix Acquisition Corp. II（HLXB）との合併

2025年2月28日、BridgeBio Oncology Therapeutics は SPAC である Helix Acquisition Corp. II（ティッカー：HLXB）と逆合併（ビジネス・コンビネーション）することで、NASDAQ上場を目指すと発表しました。

これにより、BridgeBio Oncology は SPAC を通じてパブリックマーケットへの登壇を果たします。Helix のトラスト口座から約1.96億ドル（redemptionなければ全額引き継ぎ）PIPE（民間投資家による公開株投資）により 約2.6億ドルを確保。

これらを合わせた資金により、約5.5億ドルの現金を手にすることとなり（BBOT自身のキャッシュ約1億ドルを含む）、プロフォーマの株式時価総額は約9.49億ドルに達しました。

HLXB → BBOT へマージ完了

2025年8月11日に SPAC との合併が正式に完了。翌12日から、新たに「BridgeBio Oncology Therapeutics, Inc.」としてNASDAQ（ティッカーシンボル：BBOT）上場が開始されました。

Helixトラスト口座残高から約1.2億ドル（redemption率約39%）。PIPEによる2.61億ドルの大規模な調達。合併後、約3.82億ドルのグロス資金を確保 ― これは同種の de‑SPAC 取引において2番目に低い償還率として注目されています。

これらの資金は BridgeBio Oncology の3つの主要臨床プログラム（以下に列挙）を一気に加速させるために活用されます。

BBOT の主なパイプライン

・BBO-8520
KRAS^G12C に対する直接阻害剤。KRASの“ON／OFF”状態の両方を標的にするユニークな作用機序。Phase 1（ONKORAS‑101試験）進行中。

・BBO-10203
RASとPI3Kαの相互作用を阻害する新機構薬。高血糖リスクを回避しながらRAS‑PI3K‑AKT経路を遮断。Phase 1（BREAKER‑101試験）進行中。

・BBO-11818
Pan‑KRAS阻害剤。KRASのON/OFF両状態で、G12DやG12V変異体にも有効な幅広い選択性。2025年前半に臨床投与開始予定。

Cantor のレポート

BridgeBio Oncology は、KRASのON/OFF阻害剤やPI3Kaの新規阻害剤を含む、RAS経路を標的とした、潜在的にクラス初かつ最高クラスの薬剤を開発しています。RASとPI3Kは、がんで最も一般的に変異する2つの経路です。

同社は、乳がん、肺がん、大腸がん、膵がんの最大25万人の米国患者に対応できる可能性がある、3つのフェーズ1候補を開発しています。

その名前が示すように、BridgeBio Oncology (BBOT) は BridgeBio（BBIO、オーバーウェイト、ジョシュ・シマーによるカバレッジ）からのスピンオフです。

同社は、オンコロジーにおける新規かつ独自の創薬/開発プログラムを追求しながら、約4年間 BridgeBio 内で育成されてきました。BridgeBio Oncology は2024年5月にスピンオフし、今月上旬にSPAC合併と同時の私募を通じて上場企業となりました。同社は約4億9000万ドルの現金を保有しており、2027年後半まで資金を賄えると予想しています。

BridgeBio Oncology はまさに今のところ、スピンアウト＋SPAC上場による次世代バイオベンチャーの典型的な成功モデルといえます。