株価が下げている要因 (25年10月2日時点)
・初速は出ているが、モデルほど“速く・高粗利”ではない
Q2’25は売上 $15.7M(うち米国 neffy 純売上 $12.8M)。処方は伸び、商業カバレッジも**93%**まで拡大しましたが、販管費が重く赤字継続で、強気モデルの“高回転・高利益化”にはまだ到達せず → リレーティングが一服。
・ドイツでの欧州ローンチ開始=グローバル拡大は“これから”
6/26にドイツで初発売。とはいえ、EU各国での償還と供給拡大は段階的で、短期の売上寄与は限定的 → 目先の数字に反映しにくい。
・9月初に年初来安値圏まで売り込まれた(地合い+期待の剥落)
9/5に52週安値の報道。ローンチ初期の“数字の伸び方”が強気想定に届かず、セクター地合いの弱さも重なって評価修正。
・10/1の “デバイス供給を巡る訴訟” で不確実性が上乗せ
ARSがAptar を独禁法違反で提訴(neffy の重要部材供給を巡る紛争)。供給コスト・安定性への懸念が短期の上値を抑える材料に。
販売は伸びている
Q2’25で処方は四半期末までに約+180%、商業保険のカバレッジ93%。“針なし”という製品価値は浸透し始めている一方、粗利の立ち上がりと販管費のてこ入れがまだ重い、という立ち上げ特有のフェーズです。
ここからの“株価ドライバー”
米国:処方の季節性(新学期など)に合わせたDTC施策→新規患者捕捉、再処方率の可視化。
欧州/UK:国別償還・上市国の拡大でロイヤルティ基盤を立ち上げ。
供給/法務:Aptar 係争の帰趨(代替サプライ確保含む)がマージンと供給安定性を左右。
承認済み製品:あり(neffy® 鼻噴霧アドレナリン)
主力:neffy® 2 mg(成人・小児 ≥30kg)— 米国:2024年8月9日 FDA承認/EU:2024年8月22日 承認。2025年6月にドイツで欧州初発売(ALK-Abelló 販売)。
補足:neffy® 1 mg(小児 15–<30kg)— 米国:2025年3月5日 FDA承認。UKも2025年7月に承認(ALK が供給)。
対象:アナフィラキシー等の緊急時治療(米/EU 承認)
作用:エピネフリン鼻噴霧(針なし・迅速送達)
対象:小児のアナフィラキシー等(米/UK 承認)
作用:エピネフリン鼻噴霧(小児用用量)
対象:学校・公共施設・法人導入、保険償還拡充
作用:「針なし」デバイスの即時使用率向上を狙う実装
パイプライン | 対象 | 臨床フェーズ | 規制デザイン | 安全性(AESI) | 用法・用量 / 併用戦略 | 市場規模イメージ | ポイント(市場評価) |
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neffy® 2 mg(鼻噴霧アドレナリン) | 成人・小児(≥30kg)のアナフィラキシー等 | 承認済(米/EU)/市販後 RWE 収集中 | 米:2024年8月承認/EU:2024年8月承認 | 承認時に評価済(ラベリング準拠) | 単回噴霧(必要時反復)。学校・公共施設への導入促進 | 大:AAI からのスイッチ潜在 | “針なし”の利便性で即時使用率向上→実需化が株価ドライバー |
neffy® 1 mg(鼻噴霧アドレナリン) | 小児(15–<30kg)のアナフィラキシー等 | 承認済(米/UK)/市販後 RWE 収集中 | 米:2025年3月承認/UK:2025年7月承認 | 小児用量の安全性を継続モニター | 家庭・学校での携行性と反復投与の実行率を改善 | 中〜大:小児領域での未充足 | 小児適応の拡大が全体の普及率を底上げ |
RWE / アクセス拡大(米/EU/UK) | 実臨床(学校・企業・公共インフラ) | 市販後データ蓄積フェーズ | 国別償還・ガイダンス整備 | 重篤有害事象の監視(市販後) | 普及策(neffy in Schools)、パートナー(ALK)と共同展開 | 中〜大:地域拡大に連動 | 償還×RWE が売上曲線の傾きを決定/ローン枠で販促を前倒し |
- 商業の二軸:米国直販(2 mg/1 mg)と EU/UK(ALK)が並走し、国別償還の拡大で分布を拡張。
- 資本構成:RA Capital/OMERS の $250M ローンで米国コマーシャルを強化(トランシェ開放はKPI連動)。
- デバイス供給:サプライ集中リスクの低減(部材セカンドソース化等)が中期の肝。
- RWE ドリブン:即時使用・二回目投与の実行率など RWE 指標が評価を牽引。
neffy® 2 mg 米FDA承認
成人・小児(≥30kg)を対象に米国で承認取得。
neffy® 1 mg 米FDA承認
小児 15–<30kg で承認、米国でラインアップを拡充。
欧州初発売(ドイツ)
EU 承認後、ALK-Abelló が独で発売開始→他国へ展開準備。
RWE 公表・償還拡充
使用性・安全性の市販後データ、国別償還の前進状況を開示。
米国での処方拡大、EU/UK 上市国の増加、RWE 初期リードアウト、$250M ローンのトランシェ進捗
EU/UK のロイヤルティ立ち上がり、学校/法人導入のKPI、供給安定化の可視化
RWEを基にした適応/レジメン最適化、地域拡大による収益基盤の強化