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日本は自分の力で民主主義を勝ち取ったことがない

日本は自分の力で民主主義を勝ち取ったことがない

日本人の戦後に渡る平和ボケについて、考えていると、最もらしい解のようなものを目にしました。日本人、特に若い世代は平和ボケがすごいと思いますが、それには島国だから、日本がガラパゴスだから … など様々な見解がありました。

以前、タモリさんが「もはや戦前」と言い放ったように、2022年のロシアのウクライナ侵攻、その後の中東で激化する紛争のニュースや報道を目にすると、その言葉の現実味が迫ってきます。

たまたま目にしたツイートで、ジャーナリストの青木理氏は、若者政治離れについてTV番組サンデーモーニングで、次のように話していたそうです。

昔、韓国の大統領だった金大中さんにインタビューしたことがあって凄く印象的だった言葉が、日本は…いい国だけど、一個だけ心配なのは自分の力で民主主義を勝ち取ったことがないのでは?と言っていた、確かに言われてみるとそうなんですよ。

戦争が終わって『おもらい民主主義』みたいなところがあった、それに比べると韓国は軍事独裁から民主化を勝ち取った、台湾もそうですよね。欧米各国もそうなんです。

だから私達は目の前にある民主主義、言論の自由とか、投票が出来るとか、政治的自由っていうのは、本当に大切なんだということを考えれば若者達だけじゃなくて “今の政治に我々はもっと怒って変えなくちゃいけない” んですよね。

だから若者にいい政治、民主主義を残していくために我々が何を出来るかってことを問わなくちゃいけないのかなって気はします。

この韓国第15代大統領、金大中氏が指摘した、”日本は、自分の力で民主主義を勝ち取ったことがない” という視点は実に真理を得ているように思いました。現在日本が享受している平和は、第二次世界大戦という実に多くの人が亡くなった歴史の上に成り立っています。

そのことすら感じれなくなった人は多いのではないでしょうか。韓国の元大統領、金大中氏が語ったとされる、この視点は非常に重要であり、民主主義は与えられるものではなく、ある意味勝ち取るものなのかもしれません。

日本は、自分の力で民主主義を勝ち取ったことがない

金大中氏が指摘した「日本は、自分の力で民主主義を勝ち取ったことがない」という視点は、日本における平和ボケや若者の政治への無関心という問題を考える上で、非常に興味深い洞察を提供します。

この指摘は、日本の民主主義がどのようにして形成され、発展してきたのか、そしてその過程が現代の日本社会にどのような影響を与えているのかを理解する上で重要な視点となります。

日本の民主主義の形成

日本の民主主義は、第二次世界大戦後の連合国、特にアメリカ合衆国の強い影響下で導入されました。敗戦国として、日本は連合国による占領政策の一環として民主主義的な政治体制を受け入れることになり、1947年には新憲法が施行されました。

この憲法により、天皇の政治的権力は大幅に制限され、平和主義、基本的人権の尊重、主権在民の原則が確立されました。この過程は、日本が自ら民主主義を選択し、それを勝ち取ったというよりは、外部からの圧力によって民主主義が導入されたという側面が強いと言えます。

平和ボケと政治への無関心

金大中氏の指摘は、日本人が民主主義を自らの手で勝ち取った歴史がないことが、現代における平和ボケや若者の政治への無関心につながっているのかもしれません。民主主義や自由などの価値がある種の戦いを通じて獲得されたものではなく (日本は敗戦という形で獲得)、GHQによる民主化の流れを受けて導入されたため、これらの価値への理解や尊重が分からないのかもしれません。

また、長期にわたる経済成長と社会の安定が、政治に対する緊迫感を薄れさせ、特に若者世代においては政治への関心が低下しているとも考えられます。これは幸福なことだと思いますが、いざ世界に出れば平和ボケと言われても仕方がないのでしょう。