Zoomy

2026年における創薬主要製品予測

【記事には広告を含む場合があります】

2026年における創薬主要製品予測

以下は、2026年における世界売上予測トップ10製品を示したものです。本データは Evaluate の売上予測に基づく「トップ10コホート」を整理したもので、2025年の見通しにおけるトップ10製品と顔ぶれは同一となっています。

これは、短期的に売上の主役が入れ替わる局面ではなく、がん免疫、免疫疾患、代謝(GLP-1)、慢性疾患といった主要治療領域が、引き続き医薬品市場の売上を牽引していることを示しています。

特に2026年に向けては、これら既存の大型フランチャイズの中で領域ごとの売上比重や成長スピードに変化が生じつつある点が特徴であり、製薬市場の構造的なトレンドを読み解く上で重要な示唆を与えています。

Rank
2026年売上予測の順位
Product
薬剤名(ブランド)
Company
販売会社
Pharmacological class
薬理クラス(作用機序)
2026 worldwide sales forecast (US$)
2026年の世界売上予測(十億ドル単位)
1 Keytruda / Qlex Merck & Co. Anti-PD1 mAb 33.8
2 Mounjaro Eli Lilly GLP-1/GIP receptor dual agonist 25.8
3 Skyrizi AbbVie Anti-IL-23 mAb 21.0
4 Dupixent Sanofi Anti-IL-4/IL-13 mAb 19.8
5 Zepbound Eli Lilly GLP-1/GIP receptor dual agonist 19.7
6 Ozempic Novo Nordisk GLP-1 receptor agonist 19.7
7 Darzalex Johnson & Johnson Anti-CD38 mAb 16.1
8 Wegovy Novo Nordisk GLP-1 receptor agonist 15.4
9 Biktarvy Gilead Sciences HIV INSTI/NRTI/NtRTI 14.8
10 Eliquis Bristol Myers Squibb Factor Xa inhibitor 12.1

トップ10合計$198B、その41%が GLP-1($80.6B)

上の10製品を合計すると $198.2B(≈ $198B)になります。そのうちの GLP-1 群が $80.6B(≈41%)、GLP-1 関連は4製品で、合計が $80.6B になります。

・Mounjaro(tirzepatide):25.8
・Zepbound(tirzepatide):19.7
・Ozempic(semaglutide):19.7
・Wegovy(semaglutide):15.4

合計 25.8 + 19.7 + 19.7 + 15.4 = 80.6($B)
シェアは 80.6 / 198.2 = 40.7% → “約41%”。

すでに巨大基盤の領域(守り+緩やか成長)

・がん免疫:Keytruda
・血液がん:Darzalex
・HIV:Biktarvy
・抗凝固:Eliquis

これらは、患者母数が大きい、標準治療に深く組み込まれている、売上は巨大だが、急成長ではない =「売上の土台を支える柱」

明確に成長を引率している領域 : GLP-1(肥満・代謝)

・Mounjaro / Zepbound
・Ozempic / Wegovy

2026年トップ10合計$198Bの約41%($80.6B)を占める。これは、2025年 → 2026年で 比重がさらに増す Evaluate が言いたい最大のメッセージ =「売上構造の重心がここに来ている」

フランチャイズ拡大型の免疫疾患

・Skyrizi(IL-23)
・Dupixent(IL-4/13)

適応拡大が続く、慢性疾患で継続率が高い、生物製剤の “理想的な商業モデル” =「安定 × 拡張」の中間ポジション

それぞれトップ10の薬について

1. がん免疫:Keytruda(33.8B)

・抗PD-1抗体で適応が広い、標準治療ポジションが強い。
・依然としてトップ。ただし同種競合や将来の特許崖は常に意識される領域。

2. 代謝(肥満・糖尿病):GLP-1 が4枠(合計80.6B)

・需要の裾野が大きく、*尿病(Mounjaro/Ozempic)と肥満(Zepbound/Wegovy)で巨大市場を二面取り。
・2026時点の「トップ10の成長エンジン」がこの領域となる予定。

3. 免疫疾患:Skyrizi(21.0B)/ Dupixent(19.8B)

・Skyrizi(IL-23)は乾癬/IBDなどで拡大しやすい。

AbbVie の薬「Skyrizi(risankizumab)」は、2019年4月23日に最初のFDA承認されました。その後、炎症性腸疾患(IBD)などへ適応拡大しており、例えば潰瘍性大腸炎(UC)は米国で2024年6月に承認されたと AbbVie が発表しています。

IL-23(p19)を標的とする抗体で、乾癬領域で強いポジションを取りつつ、Crohn/UC など IBD にも横展開しやすいタイプの薬です。

投与スケジュールも、乾癬/乾癬性関節炎では初期投与後は12週に1回の皮下注という設計で、慢性疾患での継続使用に向く点が普及を後押ししやすいです。

・Dupixent(IL-4/13)はアトピー/喘息/副鼻腔炎などで “フランチャイズ化” しやすい。

Sanofi と Regeneron の薬「Dupixent(dupilumab)」は、2017年3月28日、中等症〜重症アトピー性皮膚炎の標的生物学的製剤としてFDA承認されました。

IL-4/IL-13 経路を抑えることで、いわゆる Type 2炎症(アトピー、喘息、鼻茸、副鼻腔炎、好酸球性食道炎、痒疹など)にまたがって効きやすく、適応が増えるほど患者母数が一気に広がるのが最大の強みです。適応はFDAラベルにも列挙されています。

適応拡大の流れも速く、例えば喘息(2018)、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(2019)、などへ広がってきたことが「承認履歴」として整理されています。

その結果、皮膚科・呼吸器・耳鼻科・消化器など複数科で使われる「横断フランチャイズ」になり、処方の裾野が大きくなりました。

4. 血液がん:Darzalex(16.1B)

・多発性骨髄腫で長く使われる主力(皮下製剤も含め浸透)。

Johnson & Johnson の薬「Darzalex」は、2015年11月に米国で承認されたCD38抗体で、複数の適応(前治療あり〜フロントライン)に広がった」と整理されています。

2015年11月16日に米国で初回承認(再発・難治の多発性骨髄腫での承認が起点)。EUでは、2016年5月20日にEMAでも承認されました。

・“CD38抗体” が多発性骨髄腫の標準治療に入り込んだ

「Darzalex」は、CD38を標的にして、免疫学的メカニズムなど複数の作用で腫瘍細胞死に寄与すると説明されています。

その後、単剤から併用へ、さらに前治療ありからフロントラインへ…という形で「骨髄腫の治療レジメンの中核」に入りやすい薬になりました(FDA承認の併用適応の拡大例として、2016年に併用での承認が示されています)。

・投与形態が “皮下” になり、運用が一段ラクになった(Darzalex FASPRO)

皮下投与版「DARZALEX FASPRO」は 米国で2020年5月に承認とJ&Jがまとめています。皮下の利便性は施設運用(点滴チェア時間など)に効きやすく、普及の追い風になりがちです(※実臨床では「投与時間・運用負担」が大きいので)。

・患者母数が大きい領域で、長く使われる

J&Jは「Darzalex」ベース治療が世界で累計60万人超に使用された、といった普及規模を公表しています。さらに最近では「高リスクくすぶり型骨髄腫(SMM)」のような早期領域にも話題が広がっており、研究・臨床の関心が続いています。

5. HIV:Biktarvy(14.8B)

・1日1回の定番レジメンとして強い(ただし長期では競争・特許の見通しが論点)。

Gilead Sciences(ギリアド)の薬「Biktarvy」は、1日1回1錠の単剤配合(STR: single-tablet regimen)です。2018年2月7日に米国でFDAが承認。その後、EMAのEPARで「EU全域の販売承認:2018年6月21日」と明記されています。

・「1日1回1錠」+初回から使いやすい標準レジメンになった

固定用量配合(BIC/FTC/TAF)で服薬が簡単。米HHS/DHHSのガイドライン(成人/青年の抗HIV治療)で、初回治療の推奨レジメン枠組みに組み込まれていることが確認できます。

・高い耐性バリアを訴求できるクラス設計

「Biktarvy」は INSTI(インテグラーゼ阻害薬)+2剤の NRTI の STR で、現代HIV治療の中心クラス。ギリアド自身も「幅広い人に長期治療オプション」「高い耐性バリア」などを強く打ち出してきました。

・スイッチ需要まで取りに行って適応を拡張

2024年2月のFDA承認拡大で、ウイルス抑制中かつ M184V/I(代表的な耐性変異)を持つ人への適応が追加された、という会社発表があります。初回導入だけでなく「他剤から Biktarvy へ切り替える」市場でも戦いやすくなる、という読みです。

6. 抗凝固:Eliquis(12.1B)

・DOACの代表格。処方母数が大きい。

Bristol Myers Squibb(BMS)と Pfizer の薬「Eliquis(apixaban)」は、2011年5月18日にEUで承認され、翌年2012年12月28日に米国でFDA承認されています。

「Eliquis」が広く使われる理由は、“適応の大きさ × 使い勝手 × 標準治療ポジション” の掛け算です。

・適応が巨大:心房細動(NVAF)での脳卒中予防が母数の塊

FDAラベルの冒頭で、「Eliquis」は Factor Xa 阻害薬であり、非弁膜症性心房細動(NVAF)患者の脳卒中・全身性塞栓症リスク低減が主要適応として記載されています。心房細動の抗凝固は処方母数が非常に大きく、ここで “定番” になると売上が太くなります。

・「DOAC」の代表格として定着(ワルファリンの手間を減らす文脈)

「Eliquis」は、経口の直接作用型抗凝固薬(DOAC)の中でも長年メジャーで、実務的に使われ続けている薬です。Reuters も “米国で最も処方されている経口抗凝固薬” と表現し、累計で非常に多くの患者に処方されてきた点に触れています。

・心房細動以外にも “血栓” 適応で横に広い

Pfizer の情報ページでも、NVAFに加え、DVT/PEの治療・再発予防、整形外科術後のDVT予防など複数の適応が列挙されています(=処方の入口が多い)。

26年の売上予想トップ10から読み取れるポイント

・トップ10の売上の4割が GLP-1
2026の製薬売上の最上位層が、代謝領域(肥満/糖尿病)の影響を強く受ける構図。

・残り6割は「腫瘍 × 免疫 × 慢性疾患」
PD-1、IL-23、IL-4/13、CD38、HIV、抗凝固…と、依然として “巨大フランチャイズ” が中心。