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DM1 領域の新薬を開発するバイオ企業の比較表

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DM1 領域の新薬を開発するバイオ企業の比較表

DM1、筋強直性ジストロフィー1型(Myotonic Dystrophy Type 1)とは、筋力低下や筋強直、白内障、不整脈などを引き起こす多臓器性遺伝性疾患です。こちらのページでは、臨床段階のバイオ企業が DM1 領域で開発中の新薬を比較してご紹介します。

企業 / ティッカー 開発品(通称) モダリティ / 作用機序 臨床フェーズ 主要デザイン / 評価 有効性シグナル(抜粋) 安全性・特記事項 今後のカタリスト(Q表記) メモ(差別化ポイント)
Avidity / RNA AOC 1001(通称:deldesiran* 抗TfR1ペプチド結合siRNA(AOC)でDMPK mRNA低減 → スプライシング是正 Phase 2(拡大中) 多施設P1/2→P2拡大。
分子(スプライシング)+機能(握力/手指タップ/歩行等)
初期試験でスプライシング是正と一部機能指標の改善傾向 一時的臨床ホールド(過去)→解除後は概ね良好管理 Q4 2025–Q1 2026:拡大データアップデート / P3方針 先行ポジション。
機能転帰の頑健さがレジデンシャル化の鍵
Dyne / DYN DYNE-101 抗TfR1 Fab結合siRNA(FORCE)でDMPK mRNA低減 Phase 2(ACHIEVE) RDBPC。分子(スプライシング)+機能(握力・疲労・PRO) 初期で用量相関のスプライシング是正、機能にポジティブ傾向 安全性プロファイルは現時点良好レンジ Q4 2025:追加解析、2026:P3設計提示メド 送達一貫性と中長期機能持続の検証に注目
PepGen / PEPG PGN-EDODM1 EDOペプチド結合AONで核内送達↑ → スプライシング是正 Phase 1(SAD)→ Phase 2(MAD)準備 FREEDOM(SAD)/FREEDOM2(MAD)。
分子指標中心+選択筋生検
初期SADで分子是正の初期シグナル 用量漸増での忍容性評価進行中 Q4 2025:SAD後半アップデート、2026H1:MAD初期データ 核内デリバリー最適化が強み。反復投与での持続性が鍵
Ionis / IONS IONIS-DMPKRx(過去) ASO(アンチセンス) Phase 1で中止(開発終了) 初期安全性・PK/PD探索 臨床で十分な有効性示せず撤退 先行失敗の教訓
骨格筋・核内へのデリバリーが最大ボトルネック

読み解きポイント

・分子是正 → 機能転帰への橋渡し
DM1は「毒性RNAがスプライシングを乱す」病態。まずスプライシング是正が出るか、ついで握力・疲労・手指タップなど機能指標にどれだけ反映されるかを見ると比較がしやすいです。

・デリバリーの質が勝負
AOC/FORCE/EDOいずれも「筋・核内への到達」を競う構図。投与量を上げずに効果を上げられる設計が中長期の安全性にも効いてきます。

・レジストレーショナル設計
P2→P3移行時の主要評価項目(複合機能指標+分子)、観察期間、**患者層(成人/先天型)**の切り方が差別化に。

DM1 の新薬を開発するバイオ企業

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