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【CAI】Caris Life Sciences が新規株式公開 (IPO) 上場

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【CAI】Caris Life Sciences が新規株式公開 (IPO) 上場

テキサス州アービング、2025年6月17日、患者中心の次世代AIテックバイオ企業であり、精密医療のパイオニアである Caris Life Sciences®(Caris)は、新規株式公開(IPO)において普通株式23,529,412株を1株あたり21.00ドルで販売する価格を決定したと発表しました。

加えて、Caris は引受幹事会社に対して、最大3,529,411株の追加株式を30日間以内に取得できるオプション(オーバーアロットメントオプション)を、IPO価格から引受手数料・手当を除いた価格で付与しています。

これらの株式は、2025年6月18日にNasdaqグローバル・セレクト・マーケットにてティッカーシンボル「CAI」で取引開始予定です。なお、取引の完了は2025年6月20日を予定しており、通常のクロージング条件に従います。

引受幹事・共同幹事

主幹事:BofA Securities、J.P. Morgan、Goldman Sachs & Co. LLC
共同主幹事:Citigroup
追加主幹事:TD Cowen、Evercore ISI、Guggenheim Securities
共同マネージャー:BTIG、Wolfe | Nomura Alliance

Caris Life Sciences とは?

Caris Life Sciences(Caris)は、次世代シーケンシング技術とAIを活用した精密医療の先駆者です。全エクソーム解析(WES)と全トランスクリプトーム解析(WTS)を通じて、包括的な分子プロファイリングを実現し、AIおよび機械学習を大規模に応用することで、分子レベルの疾患理解を深化させる大規模臨床ゲノムデータベースを構築しています。

この高度なプラットフォームにより、早期診断・治療選択・疾患モニタリング・新薬開発において、最先端の診断ソリューションを開発することが可能となっています。

本社・グローバル拠点
本社:テキサス州アービング
支社:フェニックス、ニューヨーク、マサチューセッツ州ケンブリッジ、東京(日本)、バーゼル(スイス)
Caris およびそのパートナーは、米国および国際市場でサービスを提供中です。

市場成長と技術力

がん診断市場は2034年までに世界で9038億ドル、米国だけで4169億ドルに成長すると予測されており、Caris のAIと分子プロファイリング技術は競争力が高いと評価されています。

特に、Caris Assure が2024年にFDAの承認を取得したことで、早期診断や治療モニタリングでの需要拡大が期待されています。

収益成長

2019年から2024年までの売上高は年平均成長率(CAGR)28%で、2024年には4億1230万ドルに到達。分子プロファイリングサービス(3億4910万ドル、YoY+25.2%)と製薬R&Dサービス(6310万ドル、YoY+130.6%)が成長を牽引。

損失も2023年の3億4140万ドルから2024年には2億8190万ドルに縮小し、キャッシュフローの改善も見られます。

パートナーシップ

Merck や AbbVie など100社以上の製薬・バイオ企業との提携が、技術の信頼性と商業的ポテンシャルを示しています。

機関投資家の関心

Neuberger Berman がIPOで最大7500万ドルの株式購入を表明し、Sixth Street や Canada Pension Plan Investment Board などの既存投資家も支持を表明。

リスク面

・収益性の課題
依然として大幅な赤字(2024年純損失:2億8190万ドル)で、収益化までの道のりが長いとの指摘。競争が激しい精密医療市場での優位性を証明する必要があると、IPOXアナリストのLukas Muehlbauer氏はコメント。

・高バリュエーション
売上高倍率15~16倍は割高で、持続的な赤字や技術リスクを考慮すると投資に慎重な姿勢を推奨するアナリストも。Seeking Alpha のアナリストは「競争リスクと技術的不確実性」を理由に「ホールド」と評価。

・インサイダー支配
経営陣や主要投資家が発行済株式の63.6%を支配し、少数株主の影響力が限定的である点が懸念されています。

・市場リスク
FDAやCMSの規制変更、主要サービスの依存度の高さ、追加資金調達による希薄化リスクが投資の障壁とされています。

まとめ

Caris Life Sciences のIPOは、がん診断とAI技術の成長市場への期待から成功を収め、株価は好調な滑り出しを見せました。投資家は、同社の収益成長や技術力、製薬企業との提携に魅力を感じる一方、収益性の課題や高バリュエーション、競争リスクに慎重な見方を示しています。

市場の動向や規制環境を注視しつつ、Caris の技術が臨床的成果にどう結びつくかが今後の評価の鍵となりそうです。