COGT (Cogent Biosciences) が、2025年4月ごろのトランプ関税発動によるショックによる低位株から、その後40ドル近辺までの大相場は、ほぼ主力薬のKIT変異阻害薬「bezuclastinib」の臨床・規制進展によるものです。
ただし、1つのパイプラインというより、同じ「bezuclastinib」が3つの適応で連続して成功したことが大きいです。
主な適応はこの3つ
| 適応 | 試験 | 株価への影響 |
|---|---|---|
| NonAdvSM 非進行性全身性肥満細胞症 |
SUMMIT | 最初の大きな再評価材料 |
| GIST 消化管間質腫瘍 2L |
PEAK Phase 3 | 最大の急騰要因 |
| AdvSM 進行性全身性肥満細胞症 |
APEX | 追加の価値補強 |
2025年初の会社計画では、Cogent は 2025年7月に SUMMIT、2025年末までに GIST の PEAK Phase 3、2025年下半期にAdvSM の APEX のトップラインを出す予定としていました。
つまり、2025年は最初から「bezuclastinib」の3連続カタリスト年でした。
最初の転換点:NonAdvSM / SUMMIT
2025年7月に、「bezuclastinib」の SUMMIT 試験が成功しました。対象は NonAdvanced Systemic Mastocytosis(NonAdvSM)です。
結果はかなり強く、24週時点の総症状スコア TSS の変化は、「bezuclastinib」群が -24.3点、プラセボ群が -15.4点で、プラセボ調整差は -8.91点、p=0.0002。
さらに、血清トリプターゼ50%以上低下は「bezuclastinib」群 87.4%、プラセボ 0% でした。会社は主要評価項目と主要副次評価項目すべてで統計学的有意差を達成したと発表しています。
これで市場は、COGT を単なる開発バイオではなく、初の商業化が見えるKIT阻害薬企業として見始めました。
最大の爆発材料:GIST / PEAK Phase 3
その後の株価を一気に40ドル近辺まで押し上げた最大材料は、GIST 向けの PEAK Phase 3 成功です。「bezuclastinib + sunitinib」は、イマチニブ治療後のGIST患者で、sunitinib 単剤に対して明確に上回りました。
FDAのNDA受理リリースでも、PEAK試験では mPFS 16.5か月 vs 9.2か月、HR 0.50、p<0.0001、ORR 46% vs 26% と説明されています。 ここが特に大きかった理由は、2L GIST で20年以上ぶりの明確な前進と見られたからです。報道でも、この結果を受けて COGT 株は1日で 119%〜136% 急騰し、7年ぶり高値圏に入ったとされています。 つまり、5月の3ドル台からの本格的なリレートは SUMMIT で始まり、PEAK で爆発しました。
2026年の規制進展も上昇を支えた
その後も上昇・高値維持に効いたのが、NDA受理です。2026年3月、FDAは NonAdvSM 向け「bezuclastinib」のNDAを受理し、PDUFA を2026年12月30日に設定しました。
また、アドコム予定なし、現時点でレビュー上の問題指摘なしとされています。さらに2026年5月には、GIST 向け「bezuclastinib + sunitinib」のNDAもFDAが受理し、Priority Review を付与。
PDUFA は2026年11月30日です。これにより、COGT は「データが良い会社」から「2つの承認・ローンチが見える会社」へ見方が変わりました。
なぜここまでリレートされたのか?
COGT の上昇は、単に「1本のデータが良かった」だけではありません。市場が評価したのはこの構図です。
| 評価された点 | 内容 |
|---|---|
| 同一薬剤で複数適応 | SMとGISTの両方で使える可能性 |
| KIT変異に対する選択性 | mast cell disease / GIST で明確な標的 |
| SUMMIT成功 | NonAdvSMでNDA可能なデータ |
| PEAK成功 | 2L GISTで標準治療を上回るPhase 3 |
| 規制進展 | NonAdvSMとGISTでNDA受理、PDUFA設定 |
| M&A連想 | BPMC / BlueprintがSanofiに買収されたことで、KIT / mast cell領域への関心が上昇 |
特に、以前の投稿にあった BPMC → COGT read-through はここにつながります。
Blueprint Medicines は Sanofiに買収されましたが、同じくKIT / systemic mastocytosis 領域で商業化が見える COGT は、自然に「次の買収候補」と見られやすくなりました。
まとめ
COGT が3ドル台から40ドル近辺まで上がった主因は、「bezuclastinib」の連続成功です。流れとしては、
2025年7月:NonAdvSM / SUMMIT成功
→ 症状改善・mast cell burden低下で商業化期待が出る
2025年11月:GIST / PEAK Phase 3成功
→ mPFS 16.5か月 vs 9.2か月、ORR 46% vs 26%で株価が爆発
2026年:NonAdvSMとGISTでNDA受理・Priority Review
→ 承認・ローンチが見え、M&A候補としても再評価
という流れです。

