2022年11月以降に登場した ChatGPT がもたらした、2023年のAIバブルの相場に乗る投資家に対して、作家で投資家の Brian Feroldi 氏が、Gartner Hype Cycle (ガートナー・ハイプ・サイクル) を見るように勧めている。
Every AI investor should study this image closely: pic.twitter.com/FgYX85T3rf
— Brian Feroldi (🧠,📈) (@BrianFeroldi) June 27, 2023
すべてのAI投資家は、このイメージをよく研究する必要がある。
Gartner Hype Cycle (ガートナー・ハイプ・サイクル) とは、調査会社ガートナーによって開発された、あるテクノロジーが開発当初から商業的に利用可能になり、採用され、最終的に衰退し、陳腐化するまでのライフサイクルの段階を図式化したものです。
ガートナー・ハイプ・サイクル、5つのフェーズ
ガートナー・ハイプ・サイクルは、以下5つのフェーズで構成されています。
1. テクノロジー・トリガー
潜在的なテクノロジーのブレークスルーが物事を始める。初期の概念実証のストーリーやメディアの関心が大きな宣伝のきっかけとなる。使用可能な製品が存在せず、商業的な実現性も証明されていないことが多い。
2. 膨らんだ期待のピーク
初期の宣伝により、多くの成功事例が生まれるが、多くの失敗事例を伴うことが多い。行動を起こす企業もあるが、そうでない企業も多い。
3. 幻滅の谷
実験や実装がうまくいかず、関心が薄れる。技術の生産者は淘汰されるか倒産する。投資は、生き残ったプロバイダーがアーリーアダプターの満足のいくように製品を改善した場合にのみ継続される。
4. 啓蒙の斜面
その技術が企業にどのような利益をもたらすかについて、より多くの事例が結晶化し始め、より広く理解されるようになる。テクノロジー・プロバイダーから第2世代、第3世代の製品が登場する。より多くの企業がパイロットに資金を提供。
5. 生産性のプラトー
主流の採用が始まる。プロバイダーの実行可能性を評価する基準がより明確に定義される。テクノロジーの広範な市場適用性と関連性が明らかに実を結びつつある。
ガートナー社のハイプ・サイクルは、企業がテクノロジーに投資するタイミングを決定するための有用なツールです。期待や誇大宣伝が高まっているときに投資するのを避け、技術がより成熟し、その利点がより理解されるまで待つのに役立ちます。
AIバブルは当てはまるのか？
ある投資家は、2023年現在、ChatGPT のようなAIテクノロジーは「期待のピーク」の段階にあると主張する。これらの技術には興奮と誇大宣伝が渦巻いており、多くの応用が成功しているが、規制の面など、まだ不確定事項が多過ぎると。今は模索と実験の時期である、という見方を提示している者もいる。
今回のAIバブルに関しては、インターネットの登場以来となるような革命的なインパクトを持っていることは、既に皆さんご存知だろうと思います。筆者の見方では、慶應義塾大学准教授の小幡績氏が著書『アフターバブル―近代資本主義は延命できるか』などで、口を酸っぱくして何度も繰り返す「全てのものはバブルである」という暗示のような、この言葉が全てだと思っています。
しかし、だからといってバブルだと決め付け、危険視するのではなく、どこまでこのバブルに乗れるのか？というような、市場心理を観察することは大切だと思います。バブルを形成するのは、人の欲望です。この人々の欲望のメカニズムを研究することで、様々な投資のチャンスを掴むことができるでしょう。