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【STTK】Shattuck のカタリストとロードマップ

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【STTK】Shattuck のカタリストとロードマップ

ハイライト

2026年6月8日:SL-325 のPhase 1データを発表。健康成人72例を対象としたSAD/MAD試験で、ADAは3.7%(2/54例)、0.1 mg/kg以上で全例DR3占有、TL1A結合阻害は10週超持続。重篤TEAE/SAEなし、治療関連AEはすべてGrade 1で、DR3アゴニズムの証拠も認められなかった。

2026年Q3予定:SL-325 のCrohn病向けPhase 2b試験 RECEPTIVE-CD1 を開始予定。中等症〜重症Crohn病患者約174例を、低用量SL-325、高用量SL-325、プラセボに1:1:1で割り付け、Week 12の内視鏡的反応を主要評価項目とする。主要データは2028年上半期に公表予定。

2026年6月:リード二重特異性抗体候補として SL-846(DR3×IL-23R) を開示。現在IND-enabling GLP毒性試験中で、2026年下半期に安全性・免疫原性データ、2027年上半期にIND提出・Phase 1開始を目指す。

2026年6月9日:2025年8月PIPE由来ワラントの約96%にあたる約5,060万株分の行使通知を受領し、約$54.9Mの総資金流入を見込むと発表。

2026年6月10日:普通株10,879,376株を$4.00、pre-funded warrants7,870,624株分を$3.9999で発行する約$75Mの公募価格を決定。引受人の追加購入オプション2,812,500株も全行使され、追加で約$11.25Mの資金流入余地。

2026年3月31日時点:現金・短期投資は$90.4M。ワラント行使資金を含め、会社は2029年までの運転資金を確保できる見込みと説明。公募により財務余力はさらに強化。

承認済み製品 / 現状

承認済み製品:なし(開発中)

主力候補:SL-325(DR3 blocking antibody)— Crohn病、潰瘍性大腸炎などIBDを中心とする炎症性・免疫介在性疾患を標的。

次世代候補:SL-846(DR3×IL-23R二重特異性抗体)— DR3/TL1A経路とIL-23/IL-23R経路を同時に阻害する設計。IBDや炎症性皮膚疾患などでの展開余地。

補足:旧記載のSL-425は、2026年6月時点の会社発表では主力候補として前面に出ておらず、最新の開発優先順位ではSL-325とSL-846が中心。

主要指標
ADA 3.7%
SL-325 Phase 1
低免疫原性プロファイル

10週超
TL1A結合阻害の持続
1 mg/kg超で3か月超の可能性

Q3 2026
SL-325 Crohn病 Phase 2b
RECEPTIVE-CD1開始予定

2028 H1
RECEPTIVE-CD1
Week 12主要データ予定

$4.00
2026年6月公募価格
普通株 / pre-funded warrant

2029
ランウェイ見込み
ワラント行使後の会社説明

臨床試験パイプライン
Phase 1 完了 → Phase 2b予定
SL-325(DR3 blocking antibody)

対象:Crohn病、潰瘍性大腸炎、その他炎症性・免疫介在性疾患

Phase 1:健康成人72例、SAD 6コホート、MAD 3コホート。安全性、PK、受容体占有、PD、免疫原性を評価。

免疫原性:ADA 3.7%(2/54例)。低力価でPK/受容体占有への影響なし。
受容体占有:0.1 mg/kg以上で全例DR3占有。TL1A結合阻害は10週超持続。
安全性:重篤TEAE/SAEなし。治療関連AEはすべてGrade 1。DR3アゴニズムの証拠なし。
次段階:Crohn病Phase 2b RECEPTIVE-CD1を2026年Q3に開始予定。

Phase 2b予定
RECEPTIVE-CD1(SL-325 Crohn病)

対象:中等症〜重症Crohn病

試験内容:無作為化、二重盲検、プラセボ対照Phase 2b。約174例を、低用量SL-325、高用量SL-325、プラセボに1:1:1で割り付け。

投与:静脈内投与。12週間の導入期+40週間の維持期、合計52週間。
主要評価:Week 12の内視鏡的反応。
副次評価:Week 12の臨床的寛解。
データ予定:Week 12主要データは2028年上半期予定。

IND-Enabling
SL-846(DR3×IL-23R bispecific antibody)

対象:IBD、炎症性皮膚疾患、その他炎症性・免疫介在性疾患

概要:DR3/TL1A経路とIL-23/IL-23R経路を同時に阻害する、Fc-silenced、half-life extendedのIgG1二重特異性抗体。

前臨床:risankizumab、icotrokinraの配列相当対照と同等またはそれ以上のin vitro活性を示したと会社説明。
進捗:NHPでIND-enabling GLP toxicology試験中。
次読出し:2026年下半期に安全性・免疫原性データ予定。
次段階:2027年上半期にIND提出 / Phase 1開始を目指す。

旧記載 / 優先度低下
SL-425(長時間作用型DR3拮抗)

対象:IBDなど

状況:過去資料では長時間作用型DR3プログラムとして記載されていたが、2026年6月の最新アップデートでは、主力はSL-325とSL-846に整理されている。

現時点では主要カタリストとしては扱いにくい

パイプライン早見表
パイプライン 対象 臨床フェーズ 規制デザイン 安全性(AESI) 用法・用量 / 併用戦略 市場規模イメージ ポイント(市場評価)
SL-325(DR3 blocking antibody) Crohn病、潰瘍性大腸炎、IBD、炎症性・免疫介在性疾患 Phase 1完了 / Phase 2b予定 健康成人Phase 1完了。次は中等症〜重症Crohn病のRECEPTIVE-CD1 Phase 2b。無作為化、二重盲検、プラセボ対照、約174例、1:1:1割付。 Phase 1では重篤TEAE/SAEなし、治療関連AEはすべてGrade 1。ADA 3.7%。DR3アゴニズム、リンパ球増殖、サイトカイン変動の証拠なし。今後は感染症、過敏反応、免疫抑制関連イベント、ADA再現性が焦点。 Phase 2bではIV投与、低用量/高用量/プラセボ。12週導入+40週維持。Phase 1結果から将来的には四半期投与・皮下注オートインジェクターの可能性も示唆。 大:IBDは大型市場。TL1A阻害薬、IL-23薬、JAK、S1P、抗TNFなど競合多数。 DR3を直接ブロックする初のヒト臨床データ。低ADA、長い受容体占有、DR3アゴニズムなしはポジティブ。本当の価値決定は2028年上半期のCrohn病Phase 2bデータ。
RECEPTIVE-CD1(SL-325 Crohn病) 中等症〜重症Crohn病 Phase 2b開始予定 約174例、米国・カナダ・欧州で実施予定。Week 12の内視鏡的反応が主要評価項目、Week 12の臨床的寛解が主要副次評価項目。プラセボ群は導入期後にSL-325投与へ移行可能。 IBD治療共通の感染症、免疫抑制、過敏反応、infusion reaction、ADA、疾患悪化。DR3遮断による免疫バランスへの影響も要確認。 IV投与。12週間導入+40週間維持。単剤でSL-325のPoCを確認する設計。 大:Crohn病は商業価値が大きく、内視鏡的反応で差が出れば高評価。 Phase 1のPK/ROを実疾患で検証する最重要試験。Week 12内視鏡的反応が競合TL1A/IL-23薬と比較される。
SL-846(DR3×IL-23R bispecific) IBD、炎症性皮膚疾患、その他I&I疾患 IND-Enabling NHP GLP toxicology中。2026年下半期に安全性・免疫原性データ、2027年上半期にIND提出/Phase 1開始を目指す。 二重特異性抗体としての免疫原性、ADA、過敏反応、感染症、IL-23経路阻害に伴うリスク、DR3遮断に伴う免疫調整リスク。 DR3/TL1AとIL-23/IL-23Rを1剤で同時阻害。Fc-silenced、half-life extended IgG1。将来的には単剤で二経路遮断を狙う。 大:IL-23薬が確立済みのIBD/皮膚疾患市場に、DR3を組み合わせる拡張戦略。 SL-325のDR3遮断データを活用した次世代候補。IL-23Rとの二重阻害により、TL1A単独/IL-23単独を上回る可能性を狙う。前臨床段階のため評価はまだオプション価値。
SL-425(長時間作用型DR3) IBDなど Preclinical / 優先開示限定 過去資料では長時間作用型DR3候補として言及。2026年6月時点の最新アップデートでは、主要開発候補としてはSL-325とSL-846が中心。 DR3/TL1A経路遮断に伴う免疫関連リスク、ADA、感染症、過敏反応など。 長時間作用型DR3遮断を狙う設計と見られるが、最新の具体的な臨床タイムラインは限定的。 中:SL-325との差別化次第。 現時点では主力カタリストから外して見るのが妥当。再浮上には会社側の明確な開発再開・INDタイムラインが必要。

ポイント

STTKは、がん領域から炎症・免疫疾患領域へ事業の軸足を移し、現在はDR3/TL1A経路を中心にした会社として再評価されている。主力のSL-325は、DR3を直接ブロックする抗体として初めてヒトPhase 1データを示し、低ADA、長いTL1A結合阻害、重篤AEなし、DR3アゴニズムなしという、Phase 2入りに十分なプロファイルを示した。

ただし、現時点のデータは健康成人Phase 1であり、患者での有効性は未確認。市場評価の本番は、2026年Q3開始予定のCrohn病Phase 2b RECEPTIVE-CD1 で、Week 12の内視鏡的反応が2028年上半期に出るタイミングとなる。

資金面では、2025年PIPE由来ワラントの行使で約$54.9M、公募で約$75M、さらにオーバーアロットメント全行使で約$11.25Mが加わる構造となり、Phase 2b開始・遂行に向けた資金不安は大きく低下した。OrbiMedやRedmileなどの既存大口が追加で関与している点も、データ後の資金調達としてはポジティブに見られる。

一方、株式数は大きく増えるため、希薄化は大きい。短期的には「良好なPhase 1データ+厚い資金調達」と「公募による希薄化」の綱引きだが、中長期ではSL-325のPhase 2bでCrohn病における内視鏡的反応を示せるかがほぼすべて。

ファンドのポジション

2026年6月の公募では、開示上確認できる範囲でOrbiMedRedmile Groupがpre-funded warrantsを追加取得している。

  • OrbiMed:公募に関連してpre-funded warrants1,250,000株分を取得。内訳はOrbiMed Private Investments IXが1,041,667株分、OrbiMed Genesisが208,333株分。
  • Redmile Group:公募でpre-funded warrants1,000,000株分を取得。加えて、2025年PIPE由来ワラントの行使・転換も実施。
  • Clay B. Siegall:ファンドではないが、取締役として公募で普通株62,500株を取得。

考察:OrbiMedとRedmileがSL-325 Phase 1データ後の$4.00公募で追加資金を入れている点は、Phase 2b開始を支える資金面・投資家層の観点でポジティブ。ただし、今回の13D/13G上の増加分には、公募参加分だけでなく、2025年PIPE由来ワラント行使・pre-funded warrant転換分も混在している点には注意。

開発ロードマップ
完了:2025年Q3

SL-325:INDクリア / Phase 1開始

DR3 blocking antibodyとして健康成人SAD/MAD試験を開始。

完了:2026年Q2

SL-325:Phase 1登録完了・データ発表

ADA 3.7%、0.1 mg/kg以上で全例DR3占有、TL1A結合阻害10週超、重篤AEなしを示す。

完了:2026年6月

資金調達:ワラント行使+公募

約$54.9Mのワラント行使見込みに加え、$4.00公募で約$75Mを調達。オーバーアロットメントも全行使。

2026年Q3

SL-325:RECEPTIVE-CD1開始予定

中等症〜重症Crohn病患者約174例を対象に、Phase 2bで低用量/高用量/プラセボを比較。

2026年下半期

SL-846:NHP毒性・免疫原性データ

DR3×IL-23R二重特異性抗体のIND-enabling GLP toxicologyデータを予定。

2027年上半期

SL-846:IND提出 / Phase 1開始目標

SL-325に続く次世代DR3ベース候補として、ヒト臨床入りを目指す。

2028年上半期

SL-325:Crohn病Phase 2b主要データ

Week 12の内視鏡的反応データを公表予定。STTKの最大カタリスト。

注目すべきカタリスト
短期(2026年Q3)
SL-325:Crohn病Phase 2b RECEPTIVE-CD1開始。登録ペース、試験施設、投与用量の確認。
中期(2026年下半期〜2027年上半期)
SL-846:NHP GLP毒性・免疫原性データ → IND提出 / Phase 1開始。DR3×IL-23Rの前臨床評価が焦点。
長期(2028年上半期)
SL-325:RECEPTIVE-CD1のWeek 12内視鏡的反応データ。Crohn病でPoCを示せるかが最大の価値決定イベント。