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【KALA】KALA BIO カタリストとロードマップ

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【KALA】KALA BIO カタリストとロードマップ

読出し後の規制パス:BLA 直行? それとも“もう1本”必要?

KALA は公式に、CHASE(P2b)が「BLAを支えるピボタルになり得る」と述べています。ただし「前向きな結果」かつ「当局との協議次第」という前提つき。

さらに同リリース文面では「BLAに必要な2つのピボタル試験のうち1つになり得る」と記載があり、もう1本のレジストラショナル試験が基本シナリオと読み取れます。

実務的には、Fast Track(ローリング提出可)+ODD(承認後7年独占)という追い風はあるものの、単一試験での BLA は「極めて大きな効果量+再現性ある補助的証拠」など特殊ケースでない限りハードルが高めです。

会社自身も “2本目” の必要性を想定しているため、ベースケースは :

1. CHASEトップライン →
2. FDA協議(EOP2相当) →
3. 第2のピボタル(一般にP3と呼ばれる規模感) →
4. BLA提出。

という流れが妥当と考えられます。ポジティブ読出し → 規制協議 → 第2ピボタル着手が基本線。

承認済み製品 / 現状

承認済み製品:なし(開発中)

主力候補:KPI-012(MSC secretome 点眼)— PCED(遷延性角膜上皮欠損)。

補足:KPI-014(MSC-S:網膜変性)も前臨床段階で探索中。

主要臨床成績
2025 Q3
KPI-012 CHASE 登録完了(7/9)

Q3 2025
KPI-012 P2b トップライン予定

ODD / FT
PCEDで Orphan / Fast Track 指定

2026 Q1
手元資金のランウェイ目安

臨床試験パイプライン
Phase 2b
KPI-012(PCED)— CHASE 試験

対象:遷延性角膜上皮欠損(PCED)

投与:MSC secretome(点眼)

設計:多施設・無作為化・二重盲検・プラセボ対照(2用量 vs vehicle, 56日)
主要評価:上皮化(完全/部分)・治癒速度等
進捗:登録完了(2025/07/09)/トップライン 2025年Q3

Preclinical
KPI-014(遺伝性網膜変性)

対象:IRDs(神経保護/抗炎症コンセプト)

所見:MSC-S の多因子作用を前臨床で評価中

進捗:前臨床継続(2025年Q1時点)
次ステップ:適応/投与計画の確定 → 初期臨床へ

ライン拡張候補

Registrational(計画)
KPI-012(PCED)ピボタル設計

対象:PCED(全エチオロジー横断)

所見:P2b 結果を踏まえ当局と協議(EOP2相当)

規制:Fast Track / Orphan の支援を活用
次ステップ:2025年Q4〜2026年Q2でレジ戦略確定

パイプライン早見表
パイプライン 対象 臨床フェーズ 規制デザイン 安全性(AESI) 用法・用量 / 併用戦略 市場規模イメージ ポイント(市場評価)
KPI-012(MSC secretome 点眼) PCED(遷延性角膜上皮欠損) Phase 2b(CHASE) 無作為化・二重盲検・プラセボ対照(2用量 vs vehicle, 56日) 眼表面の刺激/疼痛、感染リスク(管理下で低頻度想定) 点眼レジメン。上皮化達成・疼痛軽減・視機能を副次で評価 ニッチだがアンメット大(承認薬なし) 陽性ならピボタル移行の現実味。製造スケール/一貫性が鍵
KPI-014(MSC-S:網膜) 遺伝性網膜変性(IRDs) Preclinical 神経保護・抗炎症・抗酸化など多因子アプローチ 非臨床での局所/全身安全性の確認継続 投与経路・頻度の最適化を探索 希少だが高アンメット POC確立と適応選定が前進のトリガー

ポイント
  • 最大カタリスト:KPI-012 Phase 2b トップライン(2025年Q3)。上皮化率・治癒速度・安全性の一体評価が焦点。
  • アンメット:PCEDは米国で承認薬なし。有効性が明快なら規制パス加速(Fast Track/ODD)。
  • 資金余力:現金同等物で2026年Q1までのランウェイ。データ→当局協議→レジ設計の連鎖をカバーできるかがポイント。

開発ロードマップ
完了:2025年Q3(7月)

KPI-012 CHASE 登録完了

多施設・無作為化・二重盲検・プラセボ対照(2用量 vs vehicle, 56日)。

2025年Q3

KPI-012 P2b トップライン

上皮化・治癒速度・痛み/視機能(副次)・安全性の読出し。

2025年Q4〜2026年Q2

当局協議(EOP2相当)→ レジ戦略確定

単一試験ピボタル扱いの可否や追補試験の要否を決定。

2026年

製造/商用スケール計画の更新

スケールアップと品質一貫性の検証を進行。

ポスト-2026

ピボタル→BLA への移行

ピボタル成功を前提に申請フェーズへ。

注目すべきカタリスト
短期(〜2025年Q3)
KPI-012 P2b トップライン(CHASE)

中期(2025年Q4〜2026年Q2)
当局協議(EOP2相当)→ レジストラショナル設計確定

長期(2026年〜)
ピボタル開始/製造スケールアップ → BLA方針具体化