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【CTMX】CytomX Therapeutics カタリストとロードマップ

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【CTMX】CytomX Therapeutics 今後のカタリストとロードマップ

バイオファンドの2025年第2四半期(Q2)の13F報告書を見ていて気になったのが、CTMX です。私も以前ロングしていたのですが、ものすごいハイボラで一度手放していました。

かなり多くのバイオファンドや、バイオにセンスの良いコーエンの Point72 Asset Management も新規ポジをこのタイミングで開始しており注目したいと思います。

「CX-2051」の総合評価

強い初期シグナル:ORR 28%、DCR 94% は既承認薬と比べ突出。
mPFS も良好:Bev併用のFTD/TPIに並び、それを単剤で実現。
課題:OS データ未成熟、安全性プロファイルの開示不足(初期Ph1なのでサンプル小)。

もし再現性があるなら「3L+ CRC でのベストインクラス候補」。既存薬のORRが低い領域で、これだけのレスポンスを出す新規メカニズムは価値が高い。しかし、Ph1データは往々にしてポジティブに見えがち。サンプルサイズ拡大で成績が下がるリスクは常にある。

「CX-2051」は初期ながら、現行標準治療を圧倒的に上回る奏効率と病勢制御率を示しており、非常に有望なシグナルです。ただし、まだ 全生存データと安全性の検証が不足しており、今後の拡大試験(Phase 2/3)で「再現性」が確認されることが最大のカタリストになります。

大腸がん(CRC)以外にも “パン・チューマー” で広く狙える?

CTMX(の EpCAM 標的ADC「CX-2051」は、大腸がん(CRC)以外にも “パン・チューマー” で広く狙えると主張している図です。円グラフは各がん種で “高発現の EpCAM 陽性患者の割合” を示しています。

見出しの “Beyond CRC” は、CRC 以外のがんでも EpCAM 高発現が多い=適応拡大の余地が大きいです。

がん種別の想定アドレス可能患者(米国)

・NSCLC:135,000人 × 80% ≈ 108,000人
・卵巣がん:45,000人 × 83% ≈ 37,350人
・膵がん(PDAC):32,000人 × 50% ≈ 16,000人
・胃がん:31,000人 × 79% ≈ 24,490人
・子宮体がん:36,000人 × 73% ≈ 26,280人
・TNBC:21,000人 × 83% ≈ 17,430人

合計:約23万人/年(これでも “CRC を除く” 分だけ)。CRC を足せば TAM はさらに大きい。(円グラフの患者数 × 緑の割合 ≒ EpCAM高発現の人数)

EpCAM は多くの固形がんで高頻度に発現しており、CX-2051 は CRC だけでなく複数腫瘍で試せる。TAM がかなり大きいので、臨床で安全性と有効性が確認できれば横展開のスピード感が出る。

これは患者 “数” ベースのトップダウン試算で、実際の “治療対象” は ライン・バイオマーカー閾値・競合治療などで目減りします。EpCAM は正常上皮にも発現するためオンターゲット/オフターマー毒性が課題になりがち。CTMX の強みは “マスク付き” ADC(Probody)で正常組織での活性を抑え、腫瘍局所で外すという設計にあります。

要するに、CX-2051 が臨床で当たれば、CRC以外にも広い横展開が見込めるかもしれません。

承認済み製品

(該当なし:全プログラム開発中)

主力パイプライン:CX-2051(EpCAM PROBODY® ADC)、CX-801(PROBODY® IFN-α2b)、(参考)研究提携プログラム:EGFR/CD3ほか TCE 群

提携先:Amgen、Astellas、Bristol Myers Squibb、Moderna、Regeneron

開発中
提携あり

臨床試験パイプライン
Phase 1a/1b 進行中
CX-2051(EpCAM PROBODY® ADC / Topo-1)

対象:EpCAM高発現固形がん(中核は大腸がん)

治療:単剤(Q3W)用量拡大→拡大中

状況:
拡大コホートを7.2 / 8.6 / 10 mg/kg(Q3W)で実施中。
Q1 2026のPhase 1データ更新時点で~100例組入れ見込み。
併用:
Q1 2026にCRCでbevacizumab併用のP1b開始予定。
次イベント:
Q1 2026 Phase 1データ更新(登録的試験の是非判断の材料)。

用量拡大中

Phase 1(単剤→併用)
CX-801(PROBODY® IFN-α2b)

対象:主に進行メラノーマ(他固形腫瘍含む)

構成:単剤用量漸増→KEYTRUDA®併用用量漸増(進行中)

最新:
SITC 2025で単剤の初期バイオマーカー/機序データを発表(腫瘍内IFNシグナル活性化、ISG発現↑、T/NK細胞活性化、循環系での過度なIFN活性は抑制)。
安全性:
単剤は承認IFNα2bの公称用量超でも概ね良好な忍容性を報告。
次イベント:
併用(KEYTRUDA)初期臨床データを2026年に見込む。

進行中

Research〜前臨床(パートナー主導)
PROBODY® TCE 群(Amgen / Astellas / Regeneron ほか)

内容:固形腫瘍向けTCE(腫瘍選択活性化)の創薬を継続。
注:旧CX-904は2025年Q1の再編で終結。

参考:
SITC 2025でCDH3×CD3のCX-908前臨床を発表(未マスク比で~100倍の許容性改善とサイトカイン低減を示唆)。

創薬継続

Corporate
財務・組織戦略

資金:$143.6M(2025/9/30時点)/ランウェイ Q2 2027

収益:Q3’25 売上$6.0M、費用最適化でR&D/G&Aいずれも前年同期比減。

人事:
2025/10、Chief Business Officer就任。

効率化継続

パイプライン早見表
パイプライン 対象 臨床フェーズ 規制デザイン 安全性(AESI) 用法・用量 / 併用戦略 市場規模イメージ ポイント
CX-2051(EpCAM 指向 PROBODY® ADC/Topo-1) EpCAM高発現固形がん(CRC中心) Phase 1a→拡大(Q1 2026更新予定) 用量拡大・拡大コホート(7.2 / 8.6 / 10 mg/kg, Q3W)。
Q1 2026よりbevacizumab併用P1b開始。
Topo-1 ADCクラス:骨髄抑制、消化器症状、肝酵素↑、輸注反応 等の監視 単剤Q3W→併用最適化(抗VEGF 等)。登録的試験はCRC後期ラインから想定 大:CRCほか上皮系腫瘍 腫瘍局在化(Probody)で治療域拡大を狙い、登録的試験可否を早期に判断。
CX-801(IFN-α2b PROBODY® サイトカイン) 進行メラノーマ 他 Phase 1(単剤→KEYTRUDA併用) 単剤で腫瘍内IFN活性化の機序データ提示(SITC 2025)。併用の初期臨床は2026年見込み IFNクラス由来の全身毒性をProbody化で低減志向(インフル様症状、骨髄抑制、肝酵素↑ 等) IV。単剤→抗PD-1併用へ段階移行、バイオマーカー同定 中:IO不応領域の補完 機序裏付けにより併用での臨床活性最大化が焦点。
PROBODY® TCE 群(提携) 固形腫瘍 研究〜前臨床 パートナー創薬継続(例:CX-908の前臨床データをSITCで提示) CRS/ICANS 等のクラスリスクに留意 静注。ステップアップ投与・初期サイクル厳格管理 大:固形腫瘍TCEの未充足 腫瘍選択性で安全域×有効域の両立を狙う。

開発ロードマップ
Q4 2025

(参考)SITC 2025:CX-801 単剤 機序データ

腫瘍内IFNシグナル活性化などの初期バイオマーカー所見を提示。

Q1 2026

CX-2051 Phase 1 データ更新

~100例規模の拡大コホートを含む更新。CRC登録的試験へ向けた判断材料。

Q1 2026

CX-2051 × bevacizumab(CRC)P1b 開始

前倒しライン・併用戦略の検証を開始。

2026年

CX-801 × KEYTRUDA 初期臨床データ

併用での臨床活性シグナルと安全性プロファイルの初期評価。

Q2 2027

資金ランウェイ目安

手元資金$143.6M(9/30/2025)に基づく運営可能期間の会社見通し。

注目すべきカタリスト
短期(〜Q1 2026)
CX-2051 Phase 1 データ更新(単剤)、CRCでのP1b併用開始。

中期(2026年)
CX-801 × KEYTRUDA 初期臨床データ、CX-2051 次相/登録的試験の方針明確化。

長期(2026年以降)
CX-2051 の前倒しライン/他腫瘍への拡大、追加提携・資金戦略。