
主力「BCA101(ficerafusp alfa)」のデータは2027年
BCAX の主力「BCA101(ficerafusp alfa)」は、現在 “第2/3相の一体型(pivotal Phase 2/3)試験” を進行中で、初期の読み切りデータは最短でも2027年のORR(奏効率)中間解析という会社ガイダンスです。したがって、主要なデータはまだ先と見ておくのが妥当です。
試験名:FORTIFI-HN01(1L R/M HNSCC:再発/転移性頭頸部扁平上皮がん、HPV陽性OPSCCは除外)。
デザインは二重盲検・プラセボ対照・ペムブロリズマブ併用で、用量最適化のランイン(Project Optimus準拠)→ 選択用量で継続というシームレス設計。目標登録は約650例。
タイムライン:2025年2月に初回患者登録。約415例でのORRベース中間解析を2027年に想定。その後はOSでの確証(最終)解析へ、という2段構え。従ってトップラインの決定的な生存データは2027年以降~更に先になる見込みです。
MRUS とのライバル対決?
同じ1L HNSCC領域では、Merus の「petosemtamab+Keytruda」が強い更新データを出し、比較対象として取り沙汰されました。開発競争は熾烈で、外部データの動向が投資家センチメントに影響しやすい段階です。
BCAX は第2/3相の登録初期~中盤で、最初の “意味のある”レジストリ級シグナル(ORR中間)は2027年目線。従って「データは大分先?」というご認識は概ね正しく、短期での主要マイルストンは限定的と見ておくのが無難です。
承認済み製品:なし(開発中)
主力候補:ficerafusp alfa(BCA101:EGFR抗体 × TGF-βトラップ)— R/M HNSCC(主に HPV陰性・1L、Phase 2/3)。
補足:BCA101 の Phase 1/1b 拡大(HNSCC・cSCC 単剤/併用)を継続。
対象:再発/転移性頭頸部扁平上皮がん(1L, PD-L1陽性)
試験:FORTIFI-HN01 — 無作為化・二重盲検・プラセボ対照
対象:HPV陰性 HNSCC(1L)
所見:mDOR 21.7か月、奏効者の80%で腫瘍縮小≥80%
対象:cSCC ほか固形がん
所見:単剤/併用で前向きシグナルを探索中
| パイプライン | 対象 | 臨床フェーズ | 規制デザイン | 安全性(AESI) | 用法・用量 / 併用戦略 | 市場規模イメージ | ポイント(市場評価) | 
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| BCA101 + ペムブロ(EGFR × TGF-β 二機能) | 1L PD-L1+ R/M HNSCC | Phase 2/3(FORTIFI-HN01) | — | EGFRクラス(発疹/下痢)+ 免疫関連事象、INF反応 等 | BCA101 QW 750/1500mg + ペムブロ Q3W、二重盲検・プラセボ対照 | 大:1L HNSCC 併用市場 | Phase 2 で用量確定 → Phase 3 継続。登録速度とPFS/OSが焦点。 | 
| BCA101(単剤/併用 拡大) | HPV陰性 1L HNSCC/cSCC ほか | Phase 1/1b | — | 上記に同じ(皮膚/消化器事象・肝酵素上昇などクラス留意) | 1500mg QW を基軸に 750mg QW も検討/併用は試験規定 | 中:深い/持続奏効で差別化余地 | mDOR 21.7 mo、深い奏効80%。追加データは2025年Q4〜2026年Q1更新。 | 
 ・中核は1L HNSCC(HPV陰性, PD-L1+)での併用確証:P1/1bの深い/持続奏効をPhase 2/3二重盲検で検証。
 ・拡大コホートで750mg QW / 1500mg QWの最適化を進め、P3に橋渡し。
 ・資金余力:現金等$437M(2025年Q2)、ランウェイは〜2029年Q2。
 ・競合環境も活発(他社 Keytruda 併用等)。エンドポイント(PFS/OS)とHPV陰性サブ群での差別化が重要。 
HPV陰性 1L HNSCC(P1/1b)更新解析の公開/拡散
mDOR 21.7か月・深い奏効80%などの認知拡大。
拡大コホート追加データ
750mg QW と 1500mg QW の最適化、併用レジメン裏付け。
FORTIFI-HN01(P2/3)登録・進捗
無作為化・二重盲検・プラセボ対照で有効性/安全性を検証。
P1/1b 追加解析のアップデート
最適用量・投与設計の確証と次段計画の明確化。
資金ランウェイ
長期ランウェイを背景に P2/3 推進と商業前活動を準備。
HPV陰性 1L(P1/1b)更新解析の公表/学会発表、FORTIFI-HN01 登録アップデート
拡大コホートの追加データ更新(用量・レジメン確証)
FORTIFI-HN01 のP3移行/追跡アップデート、cSCC等の適応拡大進展
