買収されたバイオ企業一覧

買収発表日 会社名/ティッカー 臨床フェーズ 買収されたパイプライン 規制デザイン 買収価格(1株) 治療領域 市場規模 買収企業
2026/06/09 Nuvalent, Inc.
(NUVL / Nasdaq)
clinical-stage / 後期臨床〜FDA審査中

Nuvalent は、がん領域における精密標的治療薬を開発する
clinical-stage biopharmaceutical company です。

買収対象の中心は、非小細胞肺がん(NSCLC)向けの
ROS1阻害薬 zidesamtinib(NVL-520)と、
ALK阻害薬 neladalkib(NVL-655)です。

この2剤はいずれも後期開発段階にあり、買収発表時点で
米FDA審査中です。GSKは、承認されれば2026年中の上市が可能な
late-stage / near-commercial assets として評価しています。

さらに、HER2-altered NSCLCを対象とする
NVL-330 はPhase 1段階で開発中です。

Zidesamtinib / NVL-520
ROS1陽性NSCLC向け次世代ROS1阻害薬

Neladalkib / NVL-655
ALK陽性NSCLC向け次世代ALK阻害薬

NVL-330
HER2-altered NSCLC向けHER2阻害薬

Nuvalent の薬剤群は、既存のキナーゼ阻害薬で問題となる
耐性変異、忍容性、中枢神経系転移、治療継続性などの課題を
克服することを狙って設計されています。

GSKは今回の買収により、肺がん領域への本格参入を加速し、
既にPhase 3開発中のB7-H3 ADC Ris-Rez と組み合わせて、
lung cancer platform を構築する狙いがあります。

買収対象は単一アセットではなく、
ROS1、ALK、HER2という複数の精密医療アセットをまとめて取得する
multi-product oncology deal
です。

FDA審査中 / Breakthrough Therapy・Orphan Drug指定あり

Zidesamtinib(NVL-520)と neladalkib(NVL-655)は、
いずれも FDA Breakthrough Therapy designation
Orphan Drug designation を取得しています。

両剤は買収発表時点でFDA審査中であり、
PDUFA / target decision date は以下の通りです。

Zidesamtinib:2026年9月18日
Neladalkib:2026年11月27日

承認されれば、GSKは2026年中の上市を見込んでいます。

規制面では、既に臨床的に検証されたROS1 / ALKという標的に対して、
より高い選択性、耐性変異へのカバレッジ、中枢神経系移行性、忍容性の改善を示せるかが
承認後の差別化ポイントになります。

1株あたり $124.00 現金

GSK は Nuvalent のClass AおよびClass B普通株式すべてを対象に、
1株$124.00の現金で公開買付けを開始します。

取引の総株式価値は約 $10.6B です。

取得現金を差し引いたGSKの純投資額は約 $9.4B とされています。

この1株$124は、直近終値に対して 40%プレミアム
30日VWAPに対して 26%プレミアムです。

取引は、公開買付けで過半数の株式が応募されること、
Hart-Scott-Rodino法に基づく待機期間の終了または解除などを条件とし、
2026年第3四半期の完了が想定されています。

Oncology / Lung cancer / NSCLC / Precision oncology

治療領域は、非小細胞肺がん(NSCLC)を中心とする精密がん治療です。

主要対象は、ROS1陽性NSCLC
ALK陽性NSCLC、および
HER2-altered NSCLCです。

ROS1およびALK陽性NSCLCは、比較的若年・非喫煙者に多い分子サブタイプとされ、
既存薬が存在する一方で、耐性変異、中枢神経系転移、副作用、治療継続性が課題です。

Nuvalent の薬剤群は、これらの既存治療の限界を改善する
potential best-in-class targeted therapiesとして位置づけられています。

大:NSCLC精密医療領域のmulti-blockbuster機会

GSKは、zidesamtinib と neladalkib について、
承認されれば multi-blockbuster potential があると説明しています。

NSCLCは肺がんの中で最も一般的なタイプであり、
ALK、ROS1、HER2などの遺伝子変異・融合を持つ患者では、
分子標的薬が治療の中心になります。

既存のALK / ROS1阻害薬市場は既に確立されていますが、
耐性変異、脳転移、忍容性の問題が残っているため、
より選択性が高く、長期治療に適した次世代薬には大きな商業機会があります。

GSKにとって今回の買収は、
単なる1製品買収ではなく、
肺がん領域へ一気に参入するためのプラットフォーム型M&Aです。

2027年から売上成長に貢献し、2029年にはcore EPSにもプラス寄与する見込みとされています。

GSK plc
(GSK / LSE・NYSE)
2026/06/08 Firefly Bio, Inc.
(非上場 / Private)
preclinical-stage / 前臨床段階

Firefly Bio は、がん領域における新しい抗体創薬モダリティである
degrader antibody conjugate(DAC)を開発する
biotechnology company です。

買収対象となった Firelink™ DAC platform は、
KRAS-driven tumors を対象とする前臨床候補群を生み出すプラットフォームであり、
J&J はこの買収により、pan-KRAS および治療困難ながんドライバーを標的とする
オンコロジー・パイプラインを拡張します。

現時点では、特定の臨床試験入りした単一アセットというより、
KRAS変異がんに対する次世代DACプラットフォーム買収
と見るのが適切です。

Firelink™ degrader antibody conjugate(DAC)platform
KRAS-driven tumors 向けDACプラットフォーム

Firelink™ は、抗体を使って腫瘍細胞へ選択的に
protein degrader / タンパク質分解薬を届けることを狙う
新しい抗体コンジュゲート技術です。

従来のADCが主に細胞毒性ペイロードを腫瘍細胞に届けるのに対し、
DAC は標的タンパク質を分解する targeted protein degradation の考え方を
抗体送達と組み合わせたものです。

J&J はこの技術について、健康な細胞への影響を抑えながら、
腫瘍細胞に高選択的なprotein degraderを届けることで、
既存治療の限界を克服できる可能性があると説明しています。

買収対象は、単一薬剤というよりも、
pan-KRASやその他の難治性がんドライバーを狙う複数候補を生み出す創薬基盤
です。

未承認 / 前臨床段階 / 規制指定は未公表

Firefly Bio の Firelink™ DAC platform 由来候補は、
買収発表時点では preclinical candidates とされており、
FDA承認済みではありません。

また、Fast Track、Breakthrough Therapy、Orphan Drug、Priority Review などの
規制上の指定についても、買収発表時点では明確には公表されていません。

規制面では、まず前臨床候補からIND申請可能な開発候補を選定し、
毒性、安全性、薬物動態、腫瘍選択性、ペイロード放出・分解活性などを確認した上で、
初期臨床試験へ進める必要があります。

KRASは膵がん、大腸がん、非小細胞肺がんなど複数の固形がんで重要なドライバーであるため、
最初の適応選択とバイオマーカー戦略が今後の開発上のポイントになります。

非上場企業のため1株あたり買収価格は非開示

Firefly Bio は非上場企業であり、
公開株式を対象とした 1株あたり買収価格はありません

Johnson & Johnson は Firefly Bio を
現金$1.0B で買収します。

発表内容では、取引額は $1.0B cash とされており、
Curevo や Vega Therapeutics のような明確なマイルストーン込み最大額は示されていません。

取引完了は、規制当局の承認および通常のクロージング条件を満たした上で、
2026年中が予定されています。

Oncology / Solid tumors / KRAS-driven cancers / Targeted protein degradation

治療領域は、KRAS変異を持つ難治性固形がんです。

KRASは長らく「undruggable target」と見なされてきた代表的ながんドライバーであり、
KRAS-driven cancers では依然として治療選択肢が限られています。

想定される対象には、膵がん、大腸がん、非小細胞肺がんなど、
KRAS変異が関与する複数の固形がんが含まれると考えられます。

J&J にとっては、既存のオンコロジー基盤に、
抗体工学 × protein degradation × KRAS
という次世代モダリティを加える買収です。

大:KRAS変異がんは複数の主要固形がんにまたがる大型機会

KRAS変異はヒトがん全体の大きな割合に関与するとされ、
特に膵がん、大腸がん、非小細胞肺がんなどで重要な治療標的です。

既にKRAS G12C阻害薬は市場に登場していますが、
G12Dなど他のKRAS変異や、より広い pan-KRAS アプローチには
まだ大きな未充足ニーズがあります。

Firelink™ DAC platform が成功すれば、
単一のがん種だけでなく、複数のKRAS-driven solid tumorsに展開できる可能性があります。

そのため、今回の買収は特定の1本の臨床アセットを買う取引というより、
KRAS変異がん市場全体に対する次世代プラットフォーム投資
と位置づけられます。

Johnson & Johnson
(JNJ / NYSE)
2026/06/08 Vega Therapeutics, Inc.
(非上場 / Private)

Star Therapeutics, LLC の完全子会社

clinical-stage / Phase 3 pivotal development

Vega Therapeutics は、希少血液疾患・出血性疾患に対する抗体医薬を開発する
clinical-stage biotech company です。

買収対象の主力アセット VGA039 は、
フォン・ヴィレブランド病(von Willebrand disease / VWD)を対象に
Phase 3 VIVID-6試験へ進んでいる後期臨床アセットです。

Incyte にとっては、既存の血液疾患フランチャイズに、
がん血液領域ではなく出血性疾患を加える買収です。

VGA039
Protein S標的モノクローナル抗体

VGA039 は、Protein Sを標的とする新規メカニズムの抗体医薬です。

Protein Sを調節することで、血小板付着とフィブリン沈着を促進し、
止血機能を高めることを狙う薬剤です。

最初の適応は von Willebrand disease(VWD) ですが、
Incyte はVGA039について、VWD以外の出血性疾患にも応用可能な
universal hemostatic therapyとしての可能性を見ていると考えられます。

既存のVWD予防治療では、週に複数回の静脈内投与が必要になるケースがありますが、
VGA039 は月1回の皮下注射による予防治療を目指しており、
投与利便性の改善が大きな差別化ポイントです。

未承認 / FDA指定あり

VGA039 は現時点では未承認薬ですが、FDAから以下の指定を受けています。

Breakthrough Therapy designation
Fast Track designation
Orphan Drug designation
Rare Pediatric Disease designation

現在は Phase 3 VIVID-6試験 に進んでおり、
あらゆるタイプのVWD患者を対象に、皮下投与による出血予防効果と安全性を評価する
global single-arm cross-over study とされています。

規制面では、Breakthrough Therapy / Fast Track を取得しているため、
臨床データが良好であれば、承認申請・審査プロセスで一定の優遇を受ける可能性があります。

非上場企業のため1株あたり買収価格は非開示

Vega Therapeutics は非上場企業であり、
公開株式を対象とした 1株あたり買収価格はありません

Incyte は Vega Therapeutics を
$1.25B upfront で買収します。

さらに、販売マイルストーン達成に応じて
最大$750M の追加支払いが発生する可能性があります。

したがって、取引総額は
最大$2.0B です。

取引完了は、Hart-Scott-Rodino法に基づく審査などを経て、
2026年第3四半期が予定されています。

Hematology / Bleeding disorders / von Willebrand disease

治療領域は、血液疾患の中でも
出血性疾患です。

最初の対象疾患であるフォン・ヴィレブランド病(VWD)は、
von Willebrand factor(VWF)の不足または機能異常により、
血液が正常に固まりにくくなる遺伝性出血性疾患です。

患者は鼻血、月経過多、手術時出血、外傷時出血などのリスクを抱え、
重症例では予防的な止血治療が必要になります。

Incyte は既に血液疾患領域で商業基盤を持っているため、
VGA039 は同社のHematologyフランチャイズに比較的自然に組み込めるアセットです。

中〜大:希少疾患だが、既存治療の負担が大きく差別化余地あり

Incyte によると、米国では約135,000人
VWDと診断されています。

VWDは希少疾患寄りの市場ですが、現在の予防治療では
週に2〜3回の静脈内投与が必要になるケースがあり、
投与負担・QOL・治療継続性の面で未充足ニーズがあります。

VGA039 は、月1回の皮下注射で予防治療が可能になる可能性があり、
既存のfactor replacement therapyに対して利便性で差別化できる可能性があります。

また、VWD以外の出血性疾患への展開余地もあるため、
アナリストからは pipeline-in-a-product 的なアセットとして見られています。

一部報道では、VGA039 のピークセールスは
2036年に約$1B規模に達する可能性があるとされています。

Incyte Corporation
(INCY / Nasdaq)
2026/05/26 Curevo Inc.
(非上場 / Private)
clinical-stage / Phase 2完了〜後期開発準備段階

Curevo は、帯状疱疹予防ワクチン amezosvatein / CRV-101 を開発する
clinical-stage vaccine company です。

CRV-101 は、50歳以上の成人を対象としたPhase 2試験で、
GSKの既存標準ワクチン Shingrix と比較され、
免疫原性で非劣性を示したと報告されています。

Lilly は、CRV-101 が既存標準薬に近い有効性を維持しながら、
reactogenicity / 副反応負担の軽減を狙える可能性を評価して買収したと見られます。

Amezosvatein / CRV-101
次世代帯状疱疹ワクチン

CRV-101 は、帯状疱疹の原因となる varicella zoster virus(VZV)を標的とする
adjuvanted subunit vaccineです。

Curevo は、CRV-101について、
non-mRNA / アジュバント添加サブユニットワクチンとして開発しており、
Shingrixと比較して、同等レベルの予防効果を狙いつつ、
接種後の発熱、倦怠感、局所反応などの副反応負担を下げることを目指しています。

買収対象は、特定疾患1本の臨床アセットであり、
Lilly にとっては感染症・ワクチン領域への再参入を象徴する比較的分かりやすいアセットです。

未承認 / Phase 3・BLA前段階

CRV-101 は現時点でFDA承認済みではなく、
Fast Track、Breakthrough Therapy、Priority Reviewなどの指定も、
Lilly買収発表時点では明確に公表されていません。

規制面のポイントは、Phase 2でShingrixとの比較データを得た後、
より大規模な後期試験で有効性・安全性・副反応プロファイルを確認し、
承認申請へ進めるかどうかです。

帯状疱疹ワクチンは既にShingrixという強力な標準薬が存在するため、
規制上は単なる免疫原性だけでなく、
予防効果、忍容性、接種完了率、実臨床での使いやすさ
が差別化ポイントになります。

非上場企業のため1株あたり買収価格は非開示

Curevo は非上場企業のため、公開株式を対象とした
1株あたり買収価格はありません

Lilly は Curevo を最大 $1.5Bで買収する予定です。

取引額には、非開示の upfront payment と、
特定マイルストーン達成時の追加支払いが含まれます。
したがって、$1.5Bは即時支払いではなく、
upfront + milestone込みの最大取引額です。

Infectious disease / Vaccine / Shingles / Herpes zoster

治療領域は、成人の帯状疱疹予防です。

帯状疱疹は、加齢に伴う免疫低下によりVZVが再活性化して発症する疾患で、
高齢者では痛み、帯状疱疹後神経痛、生活の質低下が問題になります。

米国では50歳以上の成人に帯状疱疹ワクチン接種が推奨されており、
Curevo のCRV-101は、既存標準薬の副反応負担を改善することで、
接種率・接種完了率の改善を狙うワクチンと位置づけられます。

大:既存市場が大きい帯状疱疹ワクチン市場

帯状疱疹ワクチン市場は、既にGSKのShingrixが大型製品化している
確立済みの商業市場です。

Curevo自身も、varicella zoster virus vaccine市場を
現在$4B超、2030年には$21B規模を狙える市場として説明しています。

投資家目線では、Curevo買収は、
ゼロから市場を作るワクチンではなく、
既に巨大市場が存在する帯状疱疹領域で、
Shingrixより忍容性に優れる可能性のある次世代品
を取りに行った取引です。

Eli Lilly and Company
(LLY / NYSE)
2026/05/26 LimmaTech Biologics AG
(非上場 / Private)
clinical-stage / Phase 1中心、Phase 2アセット経験あり

LimmaTech は、薬剤耐性が問題となる細菌感染症に対する
ワクチンを開発するスイス拠点のclinical-stage biotechです。

Lilly買収時点での中核は、
Staphylococcus aureusを対象とする
LBT-SA7で、Phase 1開発段階にあります。

さらに、Neisseria gonorrhoeae、Chlamydia trachomatis など、
抗菌薬耐性や長期合併症が問題となる細菌感染症に対する
前臨床・初期臨床パイプラインも有しています。

LBT-SA7 / S. aureus vaccine platform
および細菌感染症ワクチン・プラットフォーム

買収対象の中核は、LBT-SA7です。

LBT-SA7 は、Staphylococcus aureus感染症を予防するための
multivalent vaccine candidateで、
手術部位感染、皮膚・軟部組織感染、肺炎などを含む
S. aureus関連感染症の予防を狙います。

LimmaTech のプラットフォームは、
複雑な細菌標的に対して広く持続的な免疫応答を誘導することを狙い、
毒素やsuperantigenなど、疾患を駆動する病原性因子を標的とします。

Lillyは、単一アセットだけでなく、
抗菌薬耐性時代の細菌ワクチン・プラットフォーム
を取り込んだと見るのが自然です。

未承認 / Phase 1段階

LBT-SA7 はPhase 1段階のため、FDA承認済み製品ではありません。

Lilly買収発表時点で、LBT-SA7に対する
Fast Track、Breakthrough Therapy、Priority Reviewなどの
特定の規制デザイン指定は明確に公表されていません。

規制上のポイントは、S. aureusワクチンが過去に開発難度の高い領域だったことです。
そのため、初期安全性、免疫原性、標的抗原の妥当性に加え、
将来的には手術前投与など明確な使用場面で
感染予防効果を示せるかが重要になります。

非上場企業のため1株あたり買収価格は非開示

LimmaTech は非上場企業のため、
公開株式に対する1株あたり買収価格はありません

Lilly は LimmaTech を最大 $780Mで買収する予定です。

取引額には、非開示の upfront payment と、
臨床・規制マイルストーンに基づく追加支払いが含まれます。
したがって、$780Mは
upfront + milestone込みの最大取引額です。

Infectious disease / Bacterial vaccines / Antimicrobial resistance

治療領域は、細菌感染症の予防です。

主要対象は、Staphylococcus aureus
Neisseria gonorrhoeae、Chlamydia trachomatis などです。

特にS. aureusは、手術部位感染、皮膚・軟部組織感染、肺炎、血流感染などを引き起こし、
MRSAを含む薬剤耐性の観点からも公衆衛生上の重要性が高い病原体です。

Lillyにとっては、抗菌薬そのものではなく、
ワクチンによる感染予防という形で
antimicrobial resistance領域へ入る取引です。

中〜大:未承認領域だが医療ニーズは大きい

S. aureusワクチンは、現時点で広く承認・普及したワクチンがなく、
成功すれば手術前予防、ハイリスク患者、慢性疾患患者などで
大きな市場機会があります。

一方で、S. aureusワクチンは過去の開発失敗も多く、
臨床的な有効性証明のハードルは高い領域です。

投資家目線では、LimmaTech買収は、
短期商業化アセットではなく、
Lillyが長期的に細菌ワクチン領域のプラットフォームを構築するための
early-stage platform acquisitionと見るべきです。

Eli Lilly and Company
(LLY / NYSE)
2026/05/26 Vaccine Co.
(非上場 / Private)
early clinical / 開発段階詳細は限定開示

Vaccine Co. は、Epstein-Barr virus(EBV)に対する
予防ワクチンを開発する非上場ワクチン企業です。

Lilly買収発表では、Vaccine Co. の具体的な候補品名、
詳細な臨床フェーズ、試験デザインは限定的にしか開示されていません。

ただし、LillyはEBVワクチンを、
infectious mononucleosisの予防だけでなく、
将来的には多発性硬化症などEBV関連疾患リスクの低減可能性も含めて評価していると見られます。

EBV vaccine candidate
Epstein-Barr virus予防ワクチン

買収対象は、EBV感染を予防するワクチン候補です。

EBVは非常に一般的なヘルペスウイルスで、
infectious mononucleosisの原因として知られています。

さらに、EBVは一部のリンパ腫、上咽頭がん、
多発性硬化症などとの関連が示唆されており、
予防ワクチンが成功すれば、
単なる急性感染症ワクチンを超えた長期的な疾患予防価値を持つ可能性があります。

ただし、EBVワクチンはまだ承認薬が存在しない未開拓領域であり、
開発難度は高いです。

未承認 / 規制デザイン詳細は未開示

EBVワクチンは現在、承認済みワクチンが存在しない領域です。

Vaccine Co. の候補品について、Lilly買収発表時点で
Fast Track、Breakthrough Therapy、Priority Reviewなどの
具体的な規制デザイン指定は明確に公表されていません。

規制上の大きな論点は、
何を主要評価項目にするかです。

infectious mononucleosisの発症予防を主要評価にするのか、
EBV感染そのものの予防を評価するのか、
あるいは長期的なMS・がんリスク低減まで視野に入れるのかで、
必要な試験規模・期間・開発リスクが大きく変わります。

非上場企業のため1株あたり買収価格は非開示

Vaccine Co. は非上場企業のため、
公開株式に対する1株あたり買収価格はありません

Lilly は Vaccine Co. を最大 $1.55Bで買収する予定です。

取引額には、非開示の upfront payment と、
臨床・商業マイルストーンに基づく追加支払いが含まれます。
したがって、$1.55Bは
upfront + milestone込みの最大取引額です。

Infectious disease / EBV / Mononucleosis / EBV-associated disease prevention

治療領域は、Epstein-Barr virus感染症の予防です。

EBVは世界的に非常に感染率が高く、
infectious mononucleosisの主要原因であるだけでなく、
一部の悪性腫瘍や自己免疫疾患との関連が報告されています。

Lillyにとっては、感染症ワクチンでありながら、
長期的には神経免疫・腫瘍予防にも接続し得る
high-risk / high-upside vaccine assetです。

潜在的には大:ただし市場形成はこれから

EBVは非常に広く感染するウイルスであり、
ワクチンが実用化されれば対象人口は大きいです。

ただし、現時点では承認済みEBVワクチンが存在しないため、
商業市場はまだ形成されていません。

投資家目線では、Vaccine Co.買収は、
既存市場に参入するCurevoとは異なり、
EBVワクチンという未開拓市場をLillyが先取りする取引です。

infectious mononucleosis予防に加えて、
将来的にMSやEBV関連がんのリスク低減まで示せるなら、
市場規模は非常に大きくなる可能性があります。

Eli Lilly and Company
(LLY / NYSE)
2026/05/20 Engage Biologics
(非上場 / Private)
preclinical-stage / 前臨床段階

Engage Biologics は、臨床段階の開発品を持つバイオ企業というより、
非ウイルス性の遺伝子医薬デリバリー技術を持つ前臨床バイオです。

会社は2021年設立のカリフォルニア州サンカルロス拠点のスタートアップで、
Y Combinator、Cystic Fibrosis Foundation などからシード資金を調達し、
Gates Foundation や NIH 傘下の NCATS からも助成を受けています。

現時点で、Engage は自社プラットフォーム由来の
具体的な開発プログラムを公表していません

したがって今回の買収は、特定の臨床アセットを買った取引ではなく、
Lilly が次世代の非ウイルス性遺伝子医薬プラットフォーム
取り込むための技術買収と見るのが自然です。

Tethosome platform / 非ウイルス性DNAデリバリー技術

買収対象の中核は、Engage Biologics が開発する
“Tethosome” platformです。

Tethosome は、従来のAAVなどのウイルスベクターではなく、
脂質ナノ粒子(LNP)を使ってDNA payloadを送達する非ウイルス性デリバリー技術です。

Engage のアプローチは、DNA payload をLNPで包み、
さらに細胞核へ直接輸送するためのタンパク質をコードする
mRNA配列を組み合わせる設計とされています。

狙いは、既存の遺伝子医薬が持つ
potency / durabilityを維持しながら、
tolerability / redosabilityを改善することです。

ただし、Engage は買収時点で
具体的な疾患別プログラムや開発候補品を開示していません

前臨床プラットフォーム買収 / 特定のFDAデザイン指定は未開示

Engage Biologics は前臨床段階の企業であり、
買収時点でFDA承認済み製品や臨床段階アセットは確認されていません。

また、特定プログラムに対する
Fast Track、Breakthrough Therapy、RMAT、Orphan Drug
などの規制デザイン指定も公表されていません。

今回のポイントは規制イベントではなく、
Lilly が遺伝子医薬における
AAV依存からの脱却
再投与可能性
製造・安全性・投与制約の改善
を狙って、非ウイルス性デリバリー技術を取り込んだ点です。

AAVベースの遺伝子治療は、安全性リスク、投与量制約、
製造難度、高コストといった課題があり、
Engage の技術はその制約を回避するための代替アプローチとして位置づけられます。

非上場企業のため1株あたり買収価格は非開示

Engage Biologics は非上場企業のため、
公開株式を対象とした
1株あたり買収価格はありません

取引は全額現金で行われ、
総額は最大$202Mとされています。

ただし、内訳は
非開示の upfront paymentに加え、
研究開発・商業化マイルストーン達成に応じた
将来支払いを含む構造です。

そのため、$202M 全額が即時支払いではなく、
Engage の技術開発や将来のプログラム進展に連動する
マイルストーン込みの最大取引額と見るべきです。

Genetic Medicine / Gene Therapy / Gene Editing / 非ウイルス性デリバリー

治療領域としては、特定疾患に限定された買収ではなく、
遺伝子医薬全般を支える基盤技術の取得です。

Engage のTethosome platform は、
DNA payload を非ウイルス性に送達する技術であり、
将来的には遺伝子治療、遺伝子編集、mRNA・DNAベース治療などへの応用が想定されます。

Lilly は近年、遺伝子医薬領域への投資を強めており、
これまでにも難聴、高コレステロール血症、その他疾患を対象とする
遺伝子治療・遺伝子編集関連アセットを買収してきました。

今回の買収は、Lilly の糖尿病・肥満薬中心のイメージとは別に、
次世代 genetic medicines への中長期投資
を継続していることを示すディールです。

単一疾患のTAMではなく、遺伝子医薬デリバリー基盤としての市場価値

Engage Biologics は具体的な疾患別プログラムを開示していないため、
今回の買収を特定疾患の市場規模で評価するのは難しいです。

むしろ市場性は、
AAVなど既存ウイルスベクターの限界を補完・代替できるか
というプラットフォーム価値にあります。

AAV遺伝子治療は、長期発現という利点がある一方で、
安全性、再投与、製造、コスト、投与量の制約が課題になってきました。

Engage の技術が、LNPを使ってDNA payloadを効率的に送達し、
かつ再投与可能性や忍容性を改善できるなら、
希少疾患だけでなく、より広い慢性疾患・大規模疾患にも
遺伝子医薬を拡張できる可能性があります。

投資家目線では、今回の$202M規模の買収は、
臨床PoC済みアセットへの大型買収ではなく、
Lilly が将来の遺伝子医薬パイプライン構築に必要な
delivery technology optionを早期に押さえた取引と見るべきです。

Eli Lilly and Company
(LLY / NYSE)
2026/05/18 Orphai Therapeutics Inc.
(非上場 / Private)
clinical-stage / Phase 2段階

Orphai Therapeutics は、重篤で治療選択肢の限られた肺疾患を対象に、
疾患修飾型治療薬の開発を目指す clinical-stage biotechnology company です。

中核プログラムは、LAM-001です。
LAM-001 は、sirolimus / rapamycin
1日1回吸入製剤であり、mTOR阻害を通じて肺血管リモデリングや線維化に作用することを狙っています。

開発段階としては、
PH-ILDを含む肺高血圧患者でのPhase 2a試験が完了しており、
BOSではPhase 2試験が進行中です。

また、PH-ILDではPhase 2b試験を2026年半ばに開始予定
SAPHではPhase 2試験を2026年後半に開始予定とされています。

したがって今回の買収は、前臨床プラットフォーム買収ではなく、
Phase 2データを持つ肺疾患パイプラインをQuinceが取り込む取引です。

LAM-001 / once-daily inhaled sirolimus(rapamycin)

買収対象の中核は、Orphai のリードプログラムである
LAM-001です。

LAM-001 は、独自の吸入型sirolimus / rapamycin製剤で、
mTOR阻害薬として肺疾患における病態進行の抑制を狙う治療薬です。

主な対象疾患は以下です。

PH-ILD
間質性肺疾患に伴う肺高血圧症。
Quince は、ATS 2026で発表されたPhase 2aデータを踏まえ、
2026年半ばにPhase 2b試験を開始予定です。

BOS
肺移植後の bronchiolitis obliterans syndrome。
現在Phase 2試験が進行中で、
2027年Q1にデータが見込まれています。

SAPH
サルコイドーシス関連肺高血圧症。
2026年後半にPhase 2試験開始予定で、
2028年Q4にデータが見込まれています。

LAM-001 は、肺局所への送達を高め、全身曝露を抑える設計とされており、
既存の経口・全身投与型mTOR阻害薬と比べて、
肺疾患向けに最適化された吸入製剤として位置づけられます。

特定のFDAデザイン指定は未開示 / Phase 2開発中心

今回の発表では、LAM-001 に対する
Fast Track、Breakthrough Therapy、Orphan Drug、RMAT
などの規制デザイン指定は明示されていません。

規制面でのポイントは、デザイン指定よりも、
複数の希少・重篤肺疾患でPhase 2開発を進めるロードマップにあります。

PH-ILDでは、既にPhase 2aデータが得られており、
その結果をもとにPhase 2b試験へ進む計画です。

BOSでは現在進行中のPhase 2試験から、
2027年Q1にデータリードアウトが予定されています。

SAPHでは、承認済み治療薬がない重篤な合併症として、
2026年後半にPhase 2試験開始が予定されています。

したがって、現時点では
規制デザイン指定による加速開発というより、
Phase 2データを積み上げながら複数適応へ展開する肺疾患パイプライン
と見るのが自然です。

非上場企業のため1株あたり買収価格は非開示

Orphai は非上場企業のため、公開株式に対する
1株あたり買収価格はありません

買収はstock-for-stock mergerとして実施され、
Orphai の全ての発行済み持分は、固定交換比率に基づき、
Quince の普通株式、Series C non-voting convertible preferred stock、
および普通株式購入オプションに交換されます。

具体的には、Orphai の株主には、
3,258,517株のQuince普通株
67,101.235株のSeries C優先株
などが交付される構造です。

また、Orphai の既存ワラントは、
Series C優先株を購入するワラントへ交換され、
行使された場合には最大で約$10.9Mの追加資金が入る可能性があります。

重要なのは、買収と同時にQuinceが
最大$187MのPIPE資金調達を発表した点です。

PIPEは、$115Mの upfront proceedsと、
ワラント行使による最大約$72Mの追加資金で構成されます。

資金調達後、Quince は2028年末までのキャッシュランウェイを見込んでいます。

Pulmonary disease / PH-ILD / BOS / SAPH

治療領域は、重篤な肺疾患、特に
肺高血圧症および移植後肺合併症です。

中核となる適応は、
PH-ILD
BOS
SAPHです。

PH-ILD は、間質性肺疾患に肺高血圧症を合併する進行性疾患で、
肺機能や運動耐容能の低下、入院、肺移植、死亡につながる重篤な病態です。

BOS は、肺移植後に発症する重篤な合併症で、
移植後の長期予後に大きく関わる疾患です。

SAPH は、サルコイドーシスに伴う肺高血圧症で、
現時点で承認済み治療薬がない重篤な合併症とされています。

LAM-001 は、mTOR阻害により
肺血管平滑筋細胞の過増殖
肺血管リモデリング
線維化関連シグナル
に作用する可能性がある点が開発根拠です。

希少・重篤肺疾患だが、複数適応で一定の市場性

LAM-001 の市場性は、単一の巨大TAMというより、
PH-ILD、BOS、SAPHという複数の重篤肺疾患への展開
にあります。

PH-ILD は、米国で約86,000人
欧州で約120,000人が対象患者として推定されています。

BOS は、肺移植後の重篤な合併症で、
米国で約17,000人
欧州で約11,000人が対象患者として推定されています。

SAPH は、米国および欧州で合計約60,000人が対象患者として推定され、
承認済み治療薬がない領域とされています。

投資家目線では、今回の買収は、
PH-ILD単独のアセット買収というより、
吸入型mTOR阻害薬を複数の肺疾患へ横展開する
pulmonary pipeline platformを取り込む取引です。

また、Balyasny Asset Management を主導投資家とし、
Cormorant、Foresite、Janus Henderson、Logos、Perceptive、Woodline などが参加した
大型PIPEが同時に実施されている点は、
LAM-001 のPhase 2データと今後の肺疾患展開に対する
投資家シンジケートの関心を示すものです。

Quince Therapeutics, Inc.
(QNCX / Nasdaq)
2026/05/07 Catalyst Pharmaceuticals, Inc.
(CPRX / Nasdaq)
commercial-stage / 承認済み製品あり
Catalyst Pharmaceuticals は、希少神経筋疾患・神経疾患を中心に、
承認済み医薬品を米国で販売する commercial-stage biopharmaceutical companyです。

主力製品は、FIRDAPSE®(amifampridine)です。
FIRDAPSE は、Lambert-Eaton myasthenic syndrome(LEMS)を対象とする治療薬で、
米国では6歳以上のLEMS患者に対してFDA承認されています。

そのほか、AGAMREE®(vamorolone)
Duchenne Muscular Dystrophy(DMD)を対象に、
米国では2歳以上で承認済みです。

また、Catalyst は2023年に Eisai から
FYCOMPA®(perampanel)の米国権利を取得しており、
てんかん領域の既承認製品も保有しています。

したがって今回の買収は、未承認パイプライン企業の買収ではなく、
米国で実売上を持つ希少疾患・神経疾患商業プラットフォーム
Angelini Pharma が取り込む取引です。

FIRDAPSE® / AGAMREE® / FYCOMPA® を中心とする承認済みポートフォリオ

買収対象の中核は、Catalyst が米国で販売する
希少神経筋疾患・神経疾患の商業製品群です。

FIRDAPSE®(amifampridine)は、
LEMSに対する米国承認薬で、Catalyst の主力収益源です。

AGAMREE®(vamorolone)は、
DMDに対する新規コルチコステロイド系治療薬で、
2023年にFDA承認を受けています。

FYCOMPA®(perampanel)は、
部分発作および一次性全般強直間代発作を対象とする抗てんかん薬で、
Catalyst は2023年に米国権利を Eisai から取得しています。

Angelini Pharma にとっては、既存の
Brain Health / epilepsy / rare disease領域に、
Catalyst の米国商業インフラ・希少疾患ポートフォリオを加えることで、
米国市場参入と神経希少疾患フランチャイズ拡大を同時に実現する買収です。

承認済み製品中心 / 規制リスクは比較的低い

Catalyst は、未承認の単一開発品に依存する会社ではなく、
FDA承認済み製品を複数保有する commercial-stage companyです。

FIRDAPSE は、米国で
6歳以上のLEMS患者に対してFDA承認済みです。

AGAMREE は、米国で
2歳以上のDMD患者に対してFDA承認済みです。

FYCOMPA は、米国で
partial-onset seizuresおよび
primary generalized tonic-clonic seizuresを対象とする抗てんかん薬として承認済みです。

今回の発表で特に重要なのは、
Catalyst が Hetero USA による FIRDAPSE ジェネリック申請に関連した
米国FIRDAPSE特許訴訟を解決した点です。
これにより、FIRDAPSE に関する係争リスクが一定程度クリアになった形です。

取引完了には、Catalyst 株主の承認、必要な規制当局承認、
その他通常のクロージング条件が必要で、
2026年Q3のクロージングが見込まれています。

$31.50 / share in cash

Angelini Pharma は、Catalyst の全発行済み株式を
1株あたり $31.50 の現金で取得します。

取引総額は、約$4.1B
(約€3.5B)です。

この買収価格は、2026年4月22日の影響を受けていない終値に対して
21%のプレミアム
2026年4月22日時点の30日VWAPに対して
28%のプレミアムとされています。

取引は、Angelini Pharma の子会社が Catalyst に合併し、
完了後は Catalyst が Angelini Pharma の
完全子会社として存続する形です。

資金調達は、Angelini Pharma の現金および負債により行われ、
financing condition は付されていません

Brain Health / Rare Disease / 神経筋疾患 / てんかん

中核領域は、
希少神経筋疾患
神経疾患
てんかん
DMDです。

Catalyst の主力である FIRDAPSE は、
LEMSという希少神経筋疾患を対象としています。

AGAMREE はDMDを対象とする希少疾患治療薬であり、
FYCOMPA はてんかん領域の神経疾患治療薬です。

Angelini Pharma は、すでに
Brain Healthを重点領域としており、
Ontozry® などを通じててんかん領域で事業を展開しています。

今回の買収により、Angelini は
米国市場に本格参入し、
Brain Health と Rare Disease を軸にした
グローバル商業基盤を強化する狙いです。

希少疾患ながら高収益・商業化済み市場

LEMS、DMD、てんかんはいずれも患者数だけで見ると巨大慢性疾患とは異なりますが、
希少疾患・神経疾患領域では、
高価格、専門医チャネル、患者支援プログラム、長期投与により、
商業価値を作りやすい領域です。

特に FIRDAPSE は、Catalyst の主力製品として
すでに米国で商業化されており、
Angelini Pharma にとっては
即時に売上・営業基盤を取り込める資産です。

AGAMREE はDMD領域、FYCOMPA はてんかん領域における
既承認製品であり、Angelini の Brain Health 戦略との親和性があります。

投資家目線では、今回の買収は
未承認パイプラインの将来価値を買ったというより、
米国の希少疾患商業インフラと既存売上をまとめて買ったディール
と見るのが自然です。

そのため、市場規模は単一疾患のTAMよりも、
Angelini が米国で希少疾患・神経疾患事業を拡張するための商業基盤価値
として評価された取引です。

Angelini Pharma S.p.A.
(イタリア / Angelini Industries Group)
2026/05/03 Candid Therapeutics, Inc.
(未上場 / private)
clinical-stage / Phase 1〜Phase 2移行前
Candid Therapeutics は、自己免疫疾患・炎症性疾患を対象に、
T-cell engager(TCE)抗体を開発する臨床段階のバイオ医薬品企業です。

主力アセットは、cizutamigです。これは
BCMA×CD3 二重特異性抗体で、BCMAを発現する
形質細胞・B細胞をT細胞を介して除去することで、
自己抗体産生に関わる病的B細胞系譜を深く枯渇させ、
immune resetを狙う設計です。

UCBの発表時点で、cizutamig は
多発性骨髄腫および自己免疫疾患を含む100例超で臨床評価されており、
10以上の自己免疫疾患で複数の臨床試験が進行中です。

また、Candid は cizutamig に加えて、
CND261(CD20×CD3 TCE)
CND319(CD19/CD20/CD3 TCE)
CND460(BCMA/CD19/CD3 TCE)など、
複数のB細胞・形質細胞標的TCEを持つ
自己免疫TCEプラットフォーム企業として評価された買収です。

cizutamig
BCMA×CD3 T-cell engager。BCMAを発現する
形質細胞・B細胞にT細胞を誘導し、自己抗体産生の根本に関わる細胞集団を
深く除去することを狙う二重特異性抗体です。

cizutamig は、Candid の中核アセットであり、
UCBはこれを自己免疫疾患向けのpotential best-in-class BCMA TCE
と位置づけています。

主要な開発対象は、
重症筋無力症(MG)および
リウマチ性疾患に伴う間質性肺疾患(ILD secondary to rheumatological diseases)です。
Candid / Rallybio の資料では、2026年にこれらの領域で
グローバルPhase 2試験開始が予定されていました。

さらに買収対象には、
CND261(CD20×CD3)
CND319(CD19/CD20/CD3)
CND460(BCMA/CD19/CD3)などの
次世代TCEパイプラインも含まれます。

つまり今回の買収は、単一のcizutamig買収というより、
自己免疫疾患におけるB細胞・形質細胞枯渇TCEプラットフォーム
UCBがまとめて取り込む取引と見るのが適切です。

未承認 / FDA承認なし
cizutamig は、UCBの発表時点で
FDAまたはその他規制当局から承認されていない治験薬です。

規制デザインとして、BTD、Fast Track、RMAT、Orphan Drug Designation などの
明確な指定は、今回の買収発表では確認されていません。

ただし開発面では、cizutamig はすでに
複数のPhase 1 / early clinical studiesで評価されており、
Candid は2026年に
MGおよびリウマチ性疾患関連ILDでPhase 2試験を開始する計画を示していました。

Candid / Rallybio の開発計画では、MGについては
QMGおよびMG-ADLの変化
ILDについては
FVCの変化などが主要評価項目として想定されていました。

UCB側から見ると、既存の免疫領域ポートフォリオに、
immune resetを狙う次世代B細胞枯渇TCEを加えることで、
FcRn阻害薬、B細胞標的薬、抗炎症薬とは異なる
より深い疾患修飾アプローチを取り込む狙いがあります。

未上場企業のため1株価格は非開示
取引総額は、最大$2.2Bです。

内訳は、UCBによる
$2.0Bのupfront paymentに加えて、
将来の条件達成に応じた
最大$200Mのマイルストーン支払いです。

Candid は未上場企業であるため、
Esperion のような1株あたり買収価格
株価プレミアムは提示されていません。

取引は、必要な反トラスト承認および通常のクロージング条件を前提に、
2026年Q2末〜Q3初めの完了が見込まれています。

なお、Candid は2026年3月に Rallybio との逆さ合併を発表しており、
その際には$505M超の同時私募により、
上場後のCandidとして2030年までの資金ランウェイを確保する計画でした。
しかし今回、UCBがその上場化プロセス前後のタイミングで
最大$2.2Bで早期に買収する形となりました。

自己免疫疾患 / 炎症性疾患 / B細胞・形質細胞 driven disease
主な対象は、自己抗体や病的B細胞・形質細胞が関与する
免疫介在性疾患です。

具体的には、Candid / Rallybio の開発計画上、
重症筋無力症(MG)
リウマチ性疾患に伴う間質性肺疾患(ILD)
全身性エリテマトーデス(SLE)
全身性強皮症
関節リウマチ
IgA腎症
シェーグレン症候群
ANCA関連血管炎など、
幅広い自己免疫疾患での展開余地が示されていました。

投資家目線で重要なのは、cizutamig が単なる抗炎症薬ではなく、
病的なB細胞・形質細胞を深く枯渇させ、薬剤不要の寛解や長期疾患制御を狙う
可能性がある点です。

これは、自己免疫疾患におけるCAR-T的な
immune resetコンセプトを、
よりスケーラブルな抗体医薬として実装しようとするアプローチです。

大型 / multi-billion dollar opportunity
Candid / Rallybio の資料では、開発対象は
multibillion dollar market opportunitiesと位置づけられていました。

初期の主要開発対象であるMGは、既に
FcRn阻害薬や補体阻害薬が大型市場を形成しつつある自己免疫疾患であり、
cizutamig がより深いB細胞・形質細胞枯渇と少ない投与頻度を示せる場合、
既存薬とは異なるポジションを取れる可能性があります。

もう一つの主要対象である
リウマチ性疾患関連ILDについては、
Candid / Rallybio の資料で
米国だけで10万人超の患者機会が示されており、
既存治療ではFVC低下の安定化が中心で、疾患修飾余地が大きい領域です。

さらに、Candid は10以上の自己免疫疾患で臨床評価を進めており、
成功すれば単一疾患ではなく、
自己免疫疾患横断のB細胞・形質細胞枯渇フランチャイズとして
展開できる点が、UCBが高額買収に踏み切った背景と考えられます。

ただし、現時点では承認済み製品ではなく、
主要価値はPhase 2以降の有効性・安全性データで確認される開発リスク付きの市場機会です。

UCB
(ベルギー / グローバル・バイオ医薬品企業)
2026/05/01 Esperion Therapeutics, Inc.
(NASDAQ: ESPR)
commercial-stage / 承認済み
Esperion は、心血管代謝疾患(cardiometabolic disease)を中心に、
経口・非スタチン系のLDL-C低下薬を販売する商業化済みバイオ医薬品企業です。

主力製品は、NEXLETOL®(bempedoic acid)および
NEXLIZET®(bempedoic acid + ezetimibe)で、
LDL-C低下および心血管イベントリスク低減を目的とした
経口・1日1回投与の非スタチン治療薬です。

Esperion は、米国で商業基盤を構築済みであり、
NEXLETOL / NEXLIZET は40か国以上で承認されています。
また、2026年に買収した Corstasis の
ENBUMYST®(bumetanide nasal spray)も、
将来のCVR対象アセットとして買収価値に組み込まれています。

NEXLETOL® / NEXLIZET®
bempedoic acid franchise。ACLY阻害を介してLDL-Cを低下させる
経口・非スタチン系の脂質低下薬です。

スタチン不耐またはスタチン抵抗性の患者に対して、
注射剤ではなく経口薬で追加的なLDL-C低下と心血管リスク低減を狙える点が差別化ポイントです。

また、CVRには ENBUMYST® を含む
bumetanide製品の米国売上マイルストーンも含まれており、
ARCHIMED は Esperion の既存心血管商業基盤に加えて、
心不全・浮腫・腎疾患・肝疾患周辺の商業拡張余地も評価した買収と見られます。

FDA承認済み / commercial-stage
NEXLETOL および NEXLIZET は、米国で
LDL-C低下および
主要心血管イベントリスク低減に関する適応を持つ承認済み製品です。

Esperion は、bempedoic acid フランチャイズについて、
特許・知財保護の強化を進めており、
ANDA訴訟の和解により一部ジェネリック参入を
2040年まで制限する枠組みを確保しています。

さらに、同社は次世代の
oral triple combination productsも進めており、
2027年の商業化を目指す方針を示していました。

$3.16 / 株
全額現金で支払われる買収対価。

加えて、株主には非上場のCVRが付与され、
将来の米国売上マイルストーンに応じて
最大$100Mの追加支払いを受け取る可能性があります。

取引総額は、マイルストーン全達成を前提に
最大約$1.1B
$3.16 / 株の現金対価は、2026年4月30日の終値に対して
58%のプレミアムです。

CVRの内訳は、bempedoic acid製品の2027年米国売上が
$300M〜$350M超となった場合に最大$40M
bumetanide製品の米国売上が2030年末までに単年で
$160M以上となった場合に$60Mです。

取引は Esperion 取締役会が全会一致で承認
株主承認および規制当局の承認などを前提に、
2026年Q3の完了予定です。

心血管代謝疾患 / 脂質異常症 / LDL-C低下 / 心血管イベント予防
主対象は、LDL-C管理が不十分な患者、特に
スタチン不耐またはスタチン抵抗性の患者層です。

心血管疾患は世界的に主要な死亡原因であり、
LDL-C管理は長期的な心血管イベント抑制における重要領域です。
Esperion の製品は、スタチンやPCSK9阻害薬など既存治療の間に位置する
経口・非スタチンの選択肢として商業化されています。

ENBUMYST については、うっ血性心不全、肝疾患、腎疾患に伴う浮腫を対象とする
鼻腔投与型利尿薬であり、Esperion の心血管・腎疾患周辺ポートフォリオ拡張に関わるアセットです。

大型
Esperion は、NEXLETOL / NEXLIZET の対象となる治療可能患者数について、
米国だけで7,000万人超と説明しています。
そのうち、同社が重点的に商業化している
スタチン不耐・スタチン抵抗性市場は、
全体の約30%とされています。

2025年の米国純製品売上は
$159.6M、前年比+38%
また、NEXLETOL / NEXLIZET は商業保険・Medicareの双方で
90%超のカバレッジを確保しており、
処方医数も2025年に36,311人から44,991人へ拡大しました。

ENBUMYST については、Esperion は米国市場機会を
$4B超と説明しており、
今回のCVR設計にも bumetanide 製品の売上達成条件が組み込まれています。

ARCHIMED
(フランス系 / ヘルスケア専門投資会社)
2026/04/29 KalVista Pharmaceuticals, Inc.
(NASDAQ: KALV)
commercial-stage / 承認済み
KalVista は、遺伝性血管性浮腫(HAE)に対する経口オンデマンド治療薬
EKTERLY®(sebetralstat)を開発・販売する希少疾患バイオ企業です。

EKTERLY は、米国で2025年7月
成人および12歳以上の小児HAE患者における急性発作治療としてFDA承認済みです。
その後、EU、英国、スイスでも承認され、追加の主要市場でも申請・上市が進んでいます。

さらに、2〜11歳の小児HAE患者を対象とした
KONFIDENT-KID Phase 3も進行中で、小児年齢層へのラベル拡大余地があります。

EKTERLY®(sebetralstat)
oral plasma kallikrein inhibitor。HAE急性発作に対する
初の経口オンデマンド治療薬です。

HAEの急性発作治療は、従来は注射・点滴・皮下注などの投与が中心でした。
EKTERLY は経口投与で急性発作時に使用できるため、
患者がより早く、より簡便に治療を開始できる点が差別化ポイントです。

Chiesi にとっては、既存の希少疾患フランチャイズに
commercial-stage の希少免疫疾患アセットを加える買収であり、
特に米国商業基盤の拡大と、
rare immunology portfolioの強化が狙いです。

FDA承認済み / Orphan Drug + Fast Track
sebetralstat は、米国でOrphan Drug Designationおよび
Fast Track Designationを受けて開発されました。

FDAは当初、2025年6月17日をPDUFAとしていましたが、
FDA側の業務負荷・リソース制約により判断が数週間遅延。
その後、2025年7月にEKTERLY としてFDA承認されました。

欧州では、European CommissionおよびSwissmedicが承認。
日本では、科研製薬との提携により商業化が進められており、
小児2〜11歳ではKONFIDENT-KID Phase 3を通じた適応拡大が焦点です。

$27.00 / 株
全額現金の公開買付け。

取引総額は約$1.9B
$27.00 / 株は、KalVista 株の直近30日間VWAPに対して
36%のプレミアムとされています。

取引は両社取締役会で全会一致で承認済み
規制当局の承認など通常条件を前提に、
2026年Q3の完了予定です。

希少疾患 / 免疫疾患 / 遺伝性血管性浮腫(HAE)
HAEは、C1インヒビター関連の異常などにより、
皮膚、消化管、上気道などに急性の腫れを起こす希少疾患です。

急性発作は生命を脅かすこともあり、オンデマンド治療では
発作時にどれだけ早く、確実に、患者自身が治療できるかが重要です。
EKTERLY はこの点で、注射剤中心だった市場に対して
経口・携帯性・早期服用という新しい価値を提供します。

中〜大型
HAEは希少疾患ですが、既存薬の薬価が高く、
予防薬・オンデマンド薬の両方で商業市場が確立しています。

KalVista は EKTERLY について、上市後8か月間で
グローバル純製品売上 $49.1Mを計上。
米国では発売から2026年2月末までに
1,702件の patient start formsを受領しており、
経口オンデマンド治療への需要が示されています。

外部アナリストでは、EKTERLY のピークセールスを
$470M〜$700M規模と見る向きもあり、
Chiesi は本買収により、2030年売上目標
€6Bに向けた希少疾患ポートフォリオ強化を狙っています。

Chiesi Farmaceutici S.p.A.
(イタリア / 非上場・家族所有系製薬企業)
2026/04/27 Ajax Therapeutics, Inc.
(未上場)
clinical-stage / Phase 1
Ajax は骨髄増殖性腫瘍(MPNs)向けの次世代 JAK inhibitorを開発する未上場バイオ企業です。
リード品目の AJ1-11095 は、once-daily oral / first-in-class Type II JAK2 inhibitorで、現在 Phase 1 clinical trial(AJX-101)で評価中です。

対象は、既存の Type I JAK2 inhibitorによる治療歴を持つ骨髄線維症(myelofibrosis)患者。Phase 1試験は2024年後半に開始され、2026年後半に初回 proof-of-concept データ、さらに2026年中に今後の開発用量選択が期待されています。

AJ1-11095
selective Type II JAK2 inhibitor。既存の承認済み JAK2 inhibitor は、骨髄線維症や真性多血症を含む MPNs において、主に Type I conformation の JAK2 に結合する薬剤です。

AJ1-11095 は、JAK2 への独自の結合様式により、既存薬よりも深く、持続的な疾患コントロールを狙う設計です。
特に、既存の Type I JAK2 inhibitor で効果減弱・耐性・持続性不足が生じる患者に対して、新しい治療選択肢になり得る点が買収価値の中心です。

Lilly は、AJ1-11095 を1L / 2L の両方で使える可能性に言及しており、今後は PoC データを経てregistrational clinical trialsへ迅速に進める方針です。

現時点で特定の FDA expedited designation は未公表
リリース上では、Fast Track / Breakthrough Therapy / Orphan Drug / RMATなどの具体的な規制デザインは確認されていません。

ただし、Lilly は 2026年後半の proof-of-concept データを見据え、その後 registrational clinical trialsへ進める意向を示しています。
規制面での価値は、現時点では特定デザインではなく、MPNs における高アンメットニーズ、既存 JAK2 治療後の耐性・効果減弱、first-in-class Type II JAK2 という差別化にあります。

非開示(1株当たり価格なし)
Ajax は未上場企業のため、1株当たり買収価格は公開されていません

取引対価は、Ajax 株主が最大$2.3B の現金を受け取る可能性がある構成です。
これにはupfront paymentと、一定の臨床・規制マイルストン達成時の追加支払いが含まれます。

つまり、Phase 1段階の未上場企業としては大型ですが、全額が即時支払いではなく、PoC・開発進展・規制進展に連動する earnout 型の買収です。

血液がん / MPNs / 骨髄線維症 / 真性多血症
主な対象は、myeloproliferative neoplasms(MPNs:骨髄増殖性腫瘍)です。
具体的には、myelofibrosis(骨髄線維症)polycythemia vera(真性多血症)が中心です。

既存の JAK2 inhibitor は症状改善や脾腫縮小に有効ですが、持続的な効果不足、効果減弱、治療中止が課題です。
AJ1-11095 は、既存薬とは異なる Type II JAK2 阻害により、より深く長い疾患制御を狙う新規アプローチです。

中〜大型
MPNs は希少がん寄りの血液疾患ですが、JAK2 阻害薬がすでに確立した商業市場を形成しており、骨髄線維症・真性多血症の両方を狙える点で市場性は大きいです。

外部市場調査では、myelofibrosis 治療市場は主要7市場で2024年に約 $2.2B、polycythemia vera 市場は7MMで2025年に約 $2.0B規模とされています。
さらに広い MPN / MPD 薬市場では、2030年に$8B〜$14B規模を見込む調査もあります。

Ajax の買収価値は、単に現在の Phase 1 アセットを買うだけでなく、既存 JAK2 阻害薬の限界を超える可能性がある next-generation JAK2 franchiseを Lilly が早期に押さえた点にあります。

Eli Lilly and Company
(NYSE: LLY)
2026/04/27 XOMA Royalty Corporation
(Nasdaq: XOMA)
royalty aggregator / commercial-stage royalty portfolio
XOMA は自社で臨床開発を進める通常のバイオ企業ではなく、医薬品のロイヤルティ権利・マイルストン権利を取得し、将来の売上や開発進展から収益を得る royalty aggregator です。

ポートフォリオには承認済み製品に紐づくロイヤルティと、後期臨床・開発中アセットに紐づくマイルストン / ロイヤルティが含まれます。
2025年通期では、XOMA は現金受領 $50.5Mを記録し、その内訳はロイヤルティ・商業支払い $33.6Mマイルストン等 $16.9Mでした。

ロイヤルティ / マイルストン権利ポートフォリオ全体
買収対象は特定の単一パイプラインではなく、XOMA が保有する医薬品ロイヤルティ・マイルストン権利のポートフォリオ全体です。

XOMA は、承認済み製品として VABYSMO®(faricimab)OJEMDA™(tovorafenib)MIPLYFFA™(arimoclomol)XACIATO™IXINITY®DSUVIA® などに関連する権利を持つと説明しています。

WSJ 報道では、XOMA は7つの承認済み医薬品に対する権利を持ち、代表例として Roche の眼科薬 Vabysmo、Day One の小児脳腫瘍薬 Ojemda が挙げられています。
Ligand は本件により、合計ポートフォリオを200品目超の医薬品・開発品へ拡大する見込みです。

該当なし / 個別開発品ではなく権利ポートフォリオの取得
本件は、Fast Track、BTD、RMAT、Priority Reviewなど特定の規制デザインを持つ開発品を買収する案件ではありません。

規制面での価値は、XOMA が保有する権利の一部がすでに承認済み医薬品に紐づいており、さらに一部が後期臨床・承認申請・上市前後のアセットに紐づいている点です。
つまり、Ligand は単一の規制イベントではなく、複数アセットの承認・上市・売上成長から発生する分散されたキャッシュフロー権利を取得する構図です。

$39.00 / share(全額現金)
Ligand Pharmaceuticals が XOMA を1株あたり $39.00で買収する全額現金取引です。

取引総額は約 $740M。WSJ によると、XOMA の直近時価総額は約$450M、完全希薄化ベースでは約$700Mとされています。
1株価格ベースでは、XOMA の株主に対して現金で即時価値を提供する買収です。

医薬品ロイヤルティ / バイオ医薬品 / 眼科 / 腫瘍 / 希少疾患 / 血液・免疫など
XOMA 自体は特定疾患に集中する開発企業ではなく、複数の治療領域にまたがるロイヤルティ権利保有会社です。

代表的な商業化済みロイヤルティ関連アセットには、Vabysmoのような眼科領域、Ojemdaのような小児がん領域、Miplyffaのような希少疾患領域が含まれます。
そのため、治療領域としては単一疾患ではなく、承認済み・後期開発医薬品にまたがる分散型バイオ医薬品ポートフォリオと見るべきです。

大きい / 分散型ロイヤルティ収益モデル
本件の市場規模は、単一薬剤の TAM ではなく、複数の承認済み医薬品・後期開発品から生じるロイヤルティ収益機会として評価されます。

XOMA は2025年に現金受領 $50.5Mを記録し、商業ロイヤルティ収入が伸びていました。Ligand は XOMA を取り込むことで、自社のロイヤルティ・権利ポートフォリオを200品目超へ拡大します。

投資家目線では、これは単一パイプラインの臨床リスクを買う案件ではなく、Vabysmo、Ojemda などの承認済み製品に加え、後期開発品の将来マイルストンも含めたバイオ医薬品ロイヤルティ・キャッシュフロー基盤の拡大です。

Ligand Pharmaceuticals Incorporated
(Nasdaq: LGND)
2026/04/26 Organon & Co.
(NYSE: OGN)
commercial-stage
Organon は商業化済みのグローバル製薬会社
2021年に Merck(米国外では MSD)からスピンオフして設立された企業で、Women’s Health、General Medicines、biosimilarsを中心に、70品目超140カ国以上で展開しています。

2025年通期売上は$6.2B、Adjusted EBITDA は$1.9B。臨床開発企業の買収というより、既存製品・ブランド・販売網・製造能力をまとめて取得する大型商業化企業買収です。

Organon の製品ポートフォリオ全体
買収対象は特定の単一パイプラインではなく、Organon が保有するWomen’s Health、General Medicines、biosimilarsを含む製品群・商業基盤全体です。

Sun Pharma は本件により、Established Brands / Branded Generics事業を強化しつつ、Organon のバイオシミラー事業を取り込むことで、グローバル biosimilars で上位プレイヤーになることを狙っています。

また、Organon のグローバル販売網、医療関係者・規制当局との関係、6つの製造施設も買収価値の中心です。

該当なし / 商業化済み製品群の取得
本件は、Fast Track、BTD、RMAT、Priority Reviewのような特定パイプラインの規制デザインを取得する案件ではありません。

規制面での価値は、Organon がすでに多数の製品を各国で承認・販売している商業化済みポートフォリオを持つ点にあります。
特に、Women’s Health、Established Brands、biosimilars の各領域で、既存承認品・販売実績・国際展開力を Sun Pharma が取り込む構図です。

$14.00 / share(全額現金)
Sun Pharma が Organon の発行済み株式を1株あたり $14.00で取得。

取引はall-cash transactionで、企業価値は$11.75Bとされています。
買収資金は、Sun Pharma の手元資金および銀行からのコミット済みファイナンスを組み合わせて調達する予定です。

Women’s Health / General Medicines / Biosimilars / Established Brands
Organon は女性の健康領域を中核に、避妊・不妊・更年期など女性特有または女性に偏って影響する医療ニーズに注力してきた企業です。

さらに、General Medicines と biosimilars も保有しており、Sun Pharma にとっては女性医療・ブランドジェネリック・バイオシミラーを一気に拡張する案件です。
買収後の統合会社は、グローバル Women’s Health で top 3global biosimilars で第7位規模になるとされています。

非常に大きい
Organon 単体で2025年売上は$6.2B。Sun Pharma との統合後は、合計売上$12.4B規模の製薬会社となる見込みです。

市場機会としては、単一疾患のTAMではなく、Women’s Health、Established Brands、Branded Generics、Biosimilarsを横断する大型商業基盤の取得です。
特に biosimilars では、大型バイオ医薬品の特許切れ・医療費抑制ニーズを背景に、Sun Pharma が新たな成長領域として取り込む意味合いが強いです。

Sun Pharmaceutical Industries Limited
(NSE: SUNPHARMA / BSE: 524715)
2026/04/22 Kashiv BioSciences, LLC
(未上場)
commercial-stage / advanced clinical-stage
Kashiv はバイオシミラーの開発・製造・承認取得までを担う垂直統合型企業
すでに複数のバイオシミラーで販売承認・商業化実績を持ち、さらにadvanced clinical-stage assetsを含むパイプラインを保有しています。
バイオシミラー・プラットフォーム全体
Kashiv のR&D、臨床、製造、規制、IP機能を取得。

Amneal は本件により、Kashiv のend-to-end biosimilars capabilitiesを取り込み、2030年までに12品目超の商業化バイオシミラー、さらに20品目超のパイプラインを持つ体制を目指します。

複数品目で承認・商業化実績あり
Kashiv は、米国拠点企業として複数のバイオシミラーで marketing authorization を取得し、製造も担える数少ない企業の一つです。

特定の Fast Track / BTD / RMAT などの規制デザインではなく、規制面では「バイオシミラーの承認取得・製造・申請能力」そのものが買収価値の中心です。

非開示(1株当たり価格なし)
Kashiv は未上場企業のため、1株当たり買収価格は公開されていません

取引対価は、クロージング時に現金 $375MAmneal 株式 $375M、さらに規制マイルストン最大 $350M、商業マイルストンに基づくロイヤリティ等を含む構成です。

バイオシミラー / Affordable Medicines / 複雑医薬品
主眼は、今後特許切れを迎える大型バイオ医薬品に対するバイオシミラー開発・製造・商業化です。
Amneal の既存の Affordable Medicines 事業に、Kashiv のバイオシミラー能力を統合する案件です。
非常に大きい
Amneal は、今後10年で$300B超のグローバル biologics LOE機会があると説明しています。
本件は単一製品の買収というより、大型バイオ医薬品の特許切れ波を取りに行くためのバイオシミラー基盤買収です。
Amneal Pharmaceuticals, Inc.
(Nasdaq: AMRX)
2026/04/20 Kelonia Therapeutics, Inc.
(未上場)
Phase 1 / clinical-stage
Kelonia はclinical-stageの遺伝子医薬・in vivo CAR-T企業。
主力候補 KLN-1010 は、再発/難治性多発性骨髄腫(r/r multiple myeloma)を対象とするPhase 1試験段階です。
KLN-1010
BCMA を標的とする in vivo anti-BCMA CAR-T
1回静注のlentiviral in vivo gene deliveryにより、体内でCAR-T細胞を作らせる設計です。

さらに本件では、Kelonia のiGPS®(in vivo gene placement system) というin vivo遺伝子送達・組込みプラットフォーム自体も取得対象で、単一候補薬というよりプラットフォーム買収の色合いが強い案件です。

KLN-1010:Phase 1進行中
Lilly の公式発表では、Fast Track / Breakthrough Therapy / RMAT などの明示的な規制デザイン開示はありません。

したがって現時点では、規制面の中心は「Phase 1 の臨床開発段階」であり、特別指定の開示は未確認と整理するのが自然です。

非開示(1株当たり価格なし)
Kelonia は未上場企業のため、1株当たり買収価格は公開されていません

取引条件は、Kelonia 株主が最大 $7.0B の現金対価を受け取る内容で、$3.25B の upfrontに加え、臨床・規制・商業マイルストン達成時の追加支払いが含まれます。

血液がん / 多発性骨髄腫 / in vivo CAR-T / 遺伝子医薬
主眼はr/r multiple myelomaに対するanti-BCMA CAR-Tです。
Lilly は本件を、in vivo CAR-Tおよび遺伝子医薬基盤の拡張として位置づけています。

会社側は具体的なTAMや売上予測を開示していません。
ただし、対象が多発性骨髄腫であることに加え、Lilly は Kelonia の技術をbroad applicabilityのあるプラットフォームとして説明しており、単一適応を超えた大きな市場機会を見込んだ案件と考えられます。
特に本件は、KLN-1010単体より iGPS プラットフォーム価値が重要です。
Eli Lilly and Company
2026/04/14 CrossBridge Bio, Inc.
(未上場)
pre-clinical
CrossBridge Bio は前臨床段階のADC企業。
主力候補 CBB-120 は、2026年にIND申請予定とされており、まだ臨床入り前です。
CBB-120
TROP2 を標的とする TOP1阻害薬 + ATR阻害薬dual-payload ADC
既存のTROP2 ADCよりも治療域の改善耐性機序への対応を狙う設計。

さらに本件では、CrossBridgeのnext-generation dual-payload ADC platform 自体も取得対象で、単一候補薬買収というよりADC基盤技術の取得という色が強い案件です。

CBB-120:2026年にIND申請予定
現時点でFast Track / Breakthrough / RMAT などの明示的な規制デザイン開示はありません。

したがって本件の規制面の中核は、「2026年のIND提出予定」と見るのが自然です。

非開示(1株当たり価格なし)
CrossBridge Bio は未上場企業のため、1株当たり買収価格は公開されていません

取引条件は、CrossBridge株主が最大$300Mの現金対価を受け取る可能性があり、upfront paymentspecified development milestone達成時の追加支払いを含みます。

オンコロジー / ADC / 固形がん
主眼はTROP2発現固形腫瘍
Lillyは本件を、next-generation dual-payload ADC を通じた差別化ADC開発の強化として位置づけています。

会社開示では具体的なTAMや売上予測は示されていません。
ただし、対象がTROP2という広い固形がんで使われる標的であり、さらにdual-payload ADC platform 全体を取得することから、市場機会は大きい案件と位置づけられます。
特に本件は、単一アセットよりもプラットフォーム価値を買っている点が重要です。
Eli Lilly and Company
2026/04/14 Avanos Medical, Inc.
(NYSE: AVNS)
該当なし(commercial-stage medtech company)
本件は創薬・臨床段階のバイオ企業買収ではなく、すでに事業展開している医療機器会社の買収です。
したがって、通常の意味での「臨床フェーズ」はありません。
単一パイプライン買収ではなく、医療機器ポートフォリオ全体の取得案件。
会社は、nutrition(経腸栄養)pain management & recoveryIV therapy などの領域で事業を展開。
リリースでも、病院から在宅までの栄養管理や、オピオイド使用低減を含む医療ニーズへの対応を強調。
M&A案件としての規制承認が焦点
取引はAvanos株主の承認Hart-Scott-Rodino法の待機期間満了、その他通常の規制承認が条件。
資金調達条件(financing condition)はなし

※ 医薬品のFast TrackやBreakthroughのような開発上の規制デザイン案件ではありません。

$25.00 / 株(現金)

全額現金買収で、EV約 $1.272B
2026年4月13日終値に対して約72.1%プレミアム、30日VWAPに対して約82.8%プレミアム

医療機器 / 病院向け消耗品 / 在宅ケア
主に経腸栄養疼痛管理・回復IV therapy など。
中〜大
会社開示で明確なTAMは示されていません。
ただし、対象が単一製品ではなく、病院から在宅までをまたぐ医療機器ポートフォリオ全体であり、複数カテゴリでリーディングポジションを持つことから、事業基盤としては比較的大きい案件です。
American Industrial Partners(AIP)
2026/04/07 Tubulis GmbH
(未上場)
clinical-stage
中核資産の TUB-040 は、platinum-resistant ovarian cancer(PROC) および NSCLC を対象にPhase 1b/2で開発中。
もう一つの主要資産 TUB-030 は、advanced solid tumors を対象にPhase I/IIaで開発中。
会社全体としては、次世代ADCを開発する非上場の臨床段階企業として買収される案件です。
TUB-040
NaPi2b を標的とするTOPO1阻害薬ADC
主適応はplatinum-resistant ovarian cancerおよびNSCLC

TUB-030
5T4 を標的とするADC。
各種solid tumorsで初期臨床データが示されている。

さらに本件では、TubulisのTubutecan linker-payload technologyおよび次世代ADCプラットフォームも取得対象で、単一アセット買収というよりADC基盤ごとの取得です。

TUB-040:FDA Fast Track Designation
適応はplatinum-resistant ovarian cancer
Fast Track は2024年6月に付与。

TUB-030:明示的な規制デザイン開示なし。
したがって本件の規制面の中核は、TUB-040 の Fast Track と見るのが自然です。

非開示(1株当たり価格なし)
Tubulis は未上場企業のため、1株当たり買収価格は公開されていません

取引条件は、upfront $3.15B(cash-free / debt-free basis、closing時払い、調整あり)に加え、最大 $1.85B の contingent milestone payments
合計では最大 $5.0B 規模の買収案件です。

オンコロジー / ADC / 固形がん
主眼は卵巣がん肺がん(NSCLC)、および5T4発現固形腫瘍
Gileadは本件を、oncology pipelineADC capabilities の強化として位置づけています。

会社開示では具体的なTAMや売上予測は明示されていません。
ただし、対象がPROCNSCLC、および複数のsolid tumorsにまたがること、さらにADCプラットフォーム全体を取得することから、市場機会は大きい案件と位置づけられます。
特に Gilead は、単一候補薬だけでなく次世代ADC技術基盤を得る点を強調しています。
Gilead Sciences
2026/04/06 Soleno Therapeutics
(NASDAQ: SLNO)
承認済み / commercial stage
買収対象の中核資産は VYKAT XR(diazoxide choline)
同剤は2025年3月26日にFDA承認を取得しており、Prader-Willi syndrome(PWS)に伴う hyperphagiaに対する初かつ唯一のFDA承認治療薬
Neurocrine は本件を、既存商業ポートフォリオを拡張する案件として位置づけている。
VYKAT XR™(diazoxide choline)
PWSに伴う過食(hyperphagia)を対象とする、1日1回経口の徐放性製剤
Neurocrine リリースでは、2025年の売上は $190M、うち2025年Q4売上は $92Mとされ、商業初期から強い立ち上がりが示されている。
Breakthrough Therapy / Fast Track / Orphan Drug(米国)
さらにOrphan Drug Designation(EU)
NDA受理時にはPriority Reviewが付与されていた。
承認後の製品としては、Neurocrine はmid-2040s まで続くと見込む知財保護も強調している。
$53.00 / 株(現金)
総株式価値は約$2.9B
2026年4月2日終値に対して約34%のプレミアム、30日VWAPに対して51%のプレミアム
希少疾患 / 内分泌・神経発達疾患
適応はPrader-Willi syndrome(PWS)の中核症状であるhyperphagia
Neurocrine は本件を、endocrinology and rare disease 領域の強化として説明している。
中〜大(希少疾患としては大きい)
Neurocrine リリースでは、米国のPWS患者は約10,000人
Soleno 資料では、米国PWS市場機会は $2B超と説明されている。
加えて、VYKAT XR はPWSのhyperphagiaに対する初の承認薬であり、先行者利益と高いアンメットニーズが市場価値を支える構図。
Neurocrine Biosciences
2026/04/03 Coefficient Bio
(未上場)
非臨床 / 該当なし
Coefficient Bio はAI創薬・バイオR&D支援スタートアップであり、臨床段階の医薬品パイプライン企業としての買収ではない
記事では、Anthropic が生物学特化AIモデルを構築していたチームを取り込んだ案件として説明されている。
AI-driven biotech / drug discovery platform
記事では、同社の技術はdrug R&D plans の作成clinical regulatory strategies の管理new drug candidates の発見を支援するものとされる。
いわゆる単一の候補薬ではなく、創薬・開発ワークフロー全体を支援するAI基盤が取得対象。
該当なし / 明示なし
本件は臨床候補薬の買収ではなくAI企業の買収であり、記事中にBreakthrough Therapy / Fast Track / Orphan Drug などの規制指定の記載はない
ただし、プラットフォーム機能としてclinical regulatory strategyへの対応が触れられている。
非開示(1株当たり価格なし)
記事ではstock deal valued at just over $400 million と説明。
未上場企業のため、1株当たり買収価格は公開されていない
AI創薬 / バイオR&D / ライフサイエンス
特にdrug discoverybiotech R&D planningclinical / regulatory strategy support を含む領域。
中〜大
記事では具体的なTAMやドル市場規模は示されていない。
ただし Anthropic は本件を通じて、ライフサイエンス / 創薬領域への本格的な垂直展開を進める文脈で説明されている。
Anthropic
2026/03/31 Centessa Pharmaceuticals plc
CNTA
臨床段階
主力の cleminorexton(旧 ORX750) は、ナルコレプシー1型(NT1)ナルコレプシー2型(NT2)特発性過眠症(IH)Phase 2a 実施済み。
買収発表では、Phase 2a clinical studies across NT1 / NT2 / IHpotential best-in-class profile を示したと説明。
さらに、Centessa の OX2R agonist portfolio には、追加の臨床段階および前臨床段階アセット が含まれる。
cleminorexton(旧 ORX750)orexin receptor 2 (OX2R) agonist
買収発表では、過度の日中の眠気(EDS)impaired wakefulness を伴う睡眠・覚醒障害向けの主力資産として説明。
主な対象は NT1NT2IH
さらに ORX142 を含む OX2R パイプラインも取得対象で、neurological / neurodegenerative / neuropsychiatric conditions への展開可能性が示されている。
本文で明示されている規制上の要点は、将来の米国FDA承認マイルストン
CVRの支払条件として、cleminorexton または ORX142 について、NT2IH、および いずれかの適応 での U.S. FDA approval が設定されている。
具体的には、NT2承認で $2 / CVRIH承認で $5 / CVR、さらに 2030年1月1日以前の初回FDA承認で $2 / CVR
なお、買収リリース本文では Breakthrough / Orphan / Fast Track の記載なし
$38.00 / 株(現金)
譲渡不可のCVR 1個
CVRは最大 $9.00 / 株 で、cleminorexton または ORX142 の米国FDA承認マイルストン に連動。
総対価は最大 $47.00 / 株
睡眠・覚醒障害 / 神経領域
中心は 過度の日中の眠気(EDS)ナルコレプシー特発性過眠症(IH)
加えて、neurological / neurodegenerative / neuropsychiatric disorders への拡張可能性が示されている。
中〜大
買収発表では、sleep-wake disorders を中心に、より広い神経疾患への展開余地があると説明。
Lilly は本件を、sleep medicine への本格参入neuroscience portfolio の拡充 と位置付けている。
なお、本文・公式リリースでは具体的な市場規模のドル金額は明示されていない
Eli Lilly and Company
2026/03/31 Apellis Pharmaceuticals, Inc.
APLS
商業化段階
SYFOVRE は米国で 地図状萎縮(GA) に承認済み、EMPAVELI は米国で PNH および C3G / primary IC-MPGN に承認済み。
さらに、EMPAVELIFSGSDGF で pivotal trial が進行中。
買収発表時点で、2025年のEMPAVELI+SYFOVRE合計売上は$689M
SYFOVRE(pegcetacoplan injection):C3標的の補体系薬。米国で加齢黄斑変性に伴う地図状萎縮(GA)に承認済み。
EMPAVELI(pegcetacoplan):同じくC3標的。米国でPNH、およびC3G / primary IC-MPGNに承認済み。
そのほか、FSGSDGFでも開発中。
買収リリースでは、Biogenはこれらを“two approved, best-in-class medicines”として取得すると説明。
承認済み資産中心
買収発表本文では、EMPAVELIはFDA承認3適応(うち2つは希少腎疾患)、SYFOVREはFDA承認済みと記載。
追加開発としては、Apellis側の2025年通期決算でEMPAVELIのFSGS / DGFでpivotal trials underwaySYFOVRE prefilled syringeの規制申請を2026年上期予定と開示。
なお、本文では Breakthrough / Orphan / Fast Track の包括的列挙まではしていない
$41.00 / 株(現金)
1株あたり非譲渡CVR 1個
CVRは、SYFOVREの年間グローバル売上閾値達成時に $2 + $2 / 株 を支払う条件付き。
免疫 / 希少疾患 / 眼科
主な対象は GAPNHC3Gprimary IC-MPGN
さらに腎領域の FSGSDGF へ拡張中。
中〜大
GA は商業的に大きい眼科市場、PNH・C3G・IC-MPGN は希少疾患市場。
Apellisは2026年2月時点で、C3G / primary IC-MPGN の米国患者集団を約5,000人と説明。
一方で買収リリースでは、既存2製品の2025年売上合計$689M、かつ少なくとも2028年まで mid-to-high teens成長を見込むとしており、Biogenは即時売上と成長余地の両方を評価した形。
Biogen Inc.
2026/03/30 Kezar Life Sciences, Inc.
KZR
臨床段階
主力の zetomipzomib は、自己免疫性肝炎(AIH)で臨床開発中。
買収発表では、PORTOLA Phase 2 AIH試験で clinically meaningful and durable steroid-sparing remissions を示したと説明。
直近では、再発/難治性AIHを対象とする global randomized Phase 2b の協議を FDA Type C meeting で進めていた。
zetomipzomibfirst-in-class / selective immunoproteasome inhibitor
買収発表では、主にautoimmune hepatitis(AIH)、加えて lupus nephritissystemic lupus erythematosus (SLE) 向け開発資産として説明。
なお対価の一部であるCVRには、zetomipzomib の今後の開発・処分価値に加え、Everest Medicines提携およびEnodia TherapeuticsへのSec61プログラム売却関連収入も含まれる。
本文で明示されている規制上の要点は FDA Type C meeting
2026年1月の会社開示では、relapsed / refractory AIH向け global randomized Phase 2b を FDA と協議すると説明。
買収発表文では、recent Type C meeting で AIH開発加速に向けた前向きなやり取りがあったと記載。
なお、本文では Breakthrough / Orphan / Fast Track の記載なし
$6.955 / 株(現金)
譲渡不可のCVR 1個
CVR は、zetomipzomib の開発・処分関連支払いEverest提携Enodia取引、および$50M超のclosing net cash 等に連動。
自己免疫 / 免疫疾患(AIHLNSLE 小〜中
中心適応の AIH は希少疾患寄り で、Kezar の2026年1月開示では米国で約10万人に影響すると説明。
一方で買収発表では、LN / SLE など複数の慢性免疫疾患へ広がる可能性にも言及。
なお、本文・公式リリースとも市場規模の具体的ドル金額の開示なし
Aurinia Pharmaceuticals Inc.
2026/03/27 Transcend Therapeutics
非上場 / ティッカーなし
臨床段階
主力の TSND-201(methylone)PTSD向け Phase 3 に進行中。
Otsuka リリースでは、Phase 2「IMPACT-1」で良好な結果を示し、米国では現在 Phase 3 の患者登録が進行中と説明。
2025年9月にFDAと協議し、開発加速計画および Phase 3 デザイン確認を実施。
TSND-201(methylone)rapid-acting neuroplastogen
主に心的外傷後ストレス障害(PTSD)向けに開発。
Otsuka は本剤を、神経可塑性(neuroplasticity)の回復・改善を狙う新しい精神・神経領域資産として位置づけ。
公表資料上、買収の中心資産として明示されているのは TSND-201
Breakthrough Therapy Designation を米FDAから取得
PTSD 向け、2025年7月)。
Otsuka リリースでは、2025年9月にFDAと Phase 3 試験デザインを協議現在米国で Phase 3 登録進行中と説明。
なお、本文では Orphan / Fast Track の記載なし
非上場のため1株価格の開示なし
対価は upfront $700M販売マイルストン最大 $525M
(合計最大 $1.225B
精神・神経 / 精神科(PTSD 中〜大
Otsuka は本件を 精神・神経領域ポートフォリオ強化 と位置づけ。
PTSD は未充足ニーズの高い領域で、報道では neuropsychiatric / psychiatry franchise の拡充案件 と整理。
なお、本文・公式リリースとも市場規模の具体的ドル金額の開示なし
Otsuka Pharmaceutical
2026/03/25 Terns Pharmaceuticals, Inc.
TERN
臨床段階
主力の TERN-701Phase 1/2 で開発中。
Merck リリースでは、TERNS のリード候補として、特定の CML 患者向けに Phase 1/2 開発中 と説明。
2026年の会社開示では、mid-2026 に pivotal dose 選定mid-2026 に EOP2 規制協議late 2026 / early 2027 に 2L+ pivotal trial 開始予定 と案内。
TERN-701経口 allosteric BCR::ABL1 tyrosine kinase inhibitor(TKI)
慢性骨髄性白血病(CML)向けの主力パイプラインで、Ph+ chronic phase CML かつ 少なくとも1剤以上の prior TKI 治療歴がある患者 を対象に開発。
Merck は本剤を hematology pipeline 拡充の中核、かつ potential best-in-class candidate と位置づけ。
Orphan Drug Designation を米FDAから取得
CML 向け、2024年3月)。
会社開示では、Fast Track DesignationQ4 2025 に取得。
あわせて、mid-2026 に EOP2 規制協議、その後 pivotal trial へ進む計画が示されている。
$53.00 / 株(現金)
equity value 約 $6.7B
(取得現金控除後で 約 $5.7B
血液がん / 腫瘍(慢性骨髄性白血病:CML 中〜大
本件買収リリースでは、CML を中心とした hematology / oncology 領域の拡充案件として位置づけ。
一方で、本件リリース本文では市場規模の具体的ドル金額の開示なし
会社側は commercial potential の最大化 を言及しており、Merck も oncology portfolio の多様化・強化 の一環として説明。
Merck
2026/03/23 Ouro Medicines
非上場 / ティッカーなし
臨床段階
主力の OM336(gamgertamig)Phase 1/2 で開発中。
Gilead リリースでは、AIHA(自己免疫性溶血性貧血) および ITP(免疫性血小板減少症) などの重篤な抗体介在性希少自己免疫疾患で、進行中の Phase 1/2 臨床試験 において有効性シグナルと差別化された安全性プロファイルを示したと説明。
Ouro の公開パイプラインでは、Phase 1b AIC および Phase 1b SAI の自社試験も案内。
OM336(gamgertamig)BCMA×CD3 二重特異性 T-cell engager
限られた皮下注投与コースで、迅速かつ深いB細胞/形質細胞枯渇を狙う設計。
重篤な 抗体介在性自己免疫疾患 において、durable immune reset(持続的な免疫リセット) の可能性を狙う。
初期適応は AIHA / ITP、加えて公開パイプラインでは Sjögren’s disease(SjD)idiopathic inflammatory myopathies(IIM) への展開も示されている。
Fast Track Designation および Orphan Drug Designation を米FDAから取得
AIHA / ITP 向け)。
Gilead リリースでは、2027年に registrational studies 開始見込み と説明。
非上場のため1株価格の開示なし
対価は upfront $1.675Bマイルストン最大 $500M
(合計最大 $2.175B
自己免疫 / 炎症(AIHA / ITP / 抗体介在性自己免疫疾患
初期適応は AIHA / ITP などの 希少自己免疫疾患 だが、
買収リリースでは 自己免疫疾患全般 における first-in-class T-cell engager として位置づけ。
さらに公開パイプラインでは Sjögren’s diseaseIIM への拡張も示されている。
なお、本件リリース本文では市場規模の具体的ドル金額の開示なし
Gilead Sciences
2026/03/20 Pikavation Therapeutics, Inc.
非上場 / ティッカーなし
早期臨床段階
主力の SNV4818Phase 1/2 で開発中。
Synnovation側の過去開示では、2025/02/24に最初の患者投与開始
試験は、単剤および fulvestrant併用で、乳がんおよび他の固形がんを対象。
SNV4818経口 pan-mutant-selective PI3Kα inhibitor
野生型PI3Kαを温存しつつ、PIK3CA変異を選択的に標的化する設計。
対象は主に HR陽性 / HER2陰性(HR+/HER2-)乳がん で、他の進行固形がんへの展開余地もある。
Novartisリリースでは、Pikavation が保有する pan-mutant selective PI3Kα inhibitor ポートフォリオSNV4818 を含む)を取得すると説明。
本件買収リリース上、特段の規制指定(Fast Track / Breakthrough / Orphan など)の開示なし
現時点では 早期臨床段階の開発資産 とみられる。
非上場のため1株価格の開示なし
対価は upfront $2.0Bマイルストン最大 $1.0B
(合計最大 $3.0B
腫瘍(乳がん / HR+/HER2- / PIK3CA変異固形がん
標的市場は 乳がん という大市場。
とくに HR+/HER2- は女性乳がんで最も一般的なサブタイプ で、Novartisは HR+/HER2- 乳がん患者の約40%に PIK3CA変異 があると説明。
なお、本件買収リリース本文では 市場規模の具体的ドル金額の開示なし
Novartis
2026/03/06 Day One Biopharmaceuticals, Inc.
DAWN
商業化段階+臨床段階
主力の OJEMDA / tovorafenib米国承認済み(販売中)
追加パイプラインとして、DAY301 は Phase 1Emi-Le は Phase 1
OJEMDA(tovorafenib)type II RAF阻害薬
米国では、BRAF異常を有する再発/難治性小児低悪性度神経膠腫(pLGG)で承認済みの主力商業製品。
併せて、DAY301PTK7標的ADC、固形がん、Phase 1)および、Mersana買収で加わったEmi-Le / emiltatug ledadotinB7-H4標的ADC、腺様嚢胞がんACC、Phase 1)を含むパイプラインを取得。
OJEMDA:米国でAccelerated Approval取得済み
適応は生後6か月以上再発/難治性BRAF異常pLGG
FDA審査時にはBreakthrough TherapyRare Pediatric Disease指定、Priority Reviewの対象。
継続承認は確認試験での臨床的有用性検証が前提。
$21.50/株(現金)
総株式価値は約$2.5B
※2026年3月5日終値に対して約68%プレミアム、1か月VWAPに対して約86%プレミアム
腫瘍(希少がん / 小児腫瘍 / 脳腫瘍 / 固形がんADC 中〜大
主力のpLGG自体は希少がん領域だが、OJEMDAはすでに商業化済みで、Day Oneは2026年米国売上ガイダンスを$225M〜$250Mと提示。
さらにADC群(DAY301、Emi-Le)を含めると、希少がん中心ながら将来的な拡張余地あり。
※本件買収リリース本文では市場規模の具体的金額開示なし
Servier
2026/02/23 Arcellx, Inc.
ACLX
臨床段階(Phase 1 + pivotal Phase 2
※主力 anito-cel のBLAはFDA受理済み(審査中)
anitocabtagene autoleucel(anito-cel)BCMA標的 CAR-T(多発性骨髄腫)。
4L r/r多発性骨髄腫向けBLAは、Phase 1(NCT04155749)pivotal Phase 2 iMMagine-1(NCT05396885)結果で申請・受理済み。
併せて、ArcellxのD-Domain CAR技術プラットフォーム(次世代CAR-T / 二重特異性抗体への応用可能性)も取得対象。
BLA受理済み(成人の再発/難治性多発性骨髄腫・4L)
PDUFA:2026年12月23日(会社発表ベース)
$115/株(現金)CVR $5/株(条件付き)
※CVRは anito-cel の累計世界売上が2029年末までに $6.0B到達で支払い
腫瘍(血液がん:多発性骨髄腫 大(グローバル多発性骨髄腫市場は大きく、既存BCMA CAR-T/二重特異抗体が競合する高成長領域)
※本件リリース本文では市場規模の具体的金額開示なし
Gilead Sciences, Inc.
GILD(Kite)
2026/02/18 Faeth Therapeutics, Inc.
(非公開)
臨床段階(Phase 2 PIKTORserabelisibsapanisertib全経口コンビネーション。
PI3K/AKT/mTOR経路の複数ノードを同時阻害(PI3K-αdual mTORC1/2)。
開発:2L進行子宮体がん Phase 2(進行中)HR+/HER2-進行乳がん Phase 1b(年末2026までに開始予定)
—(発表文で規制指定の明記なし) —(株式交換(stock-for-stock)のため、現金買収の1株価格の開示なし 腫瘍(子宮体がん/乳がん など固形がん) —(発表文で市場規模の具体的数値開示なし) Sensei Biotherapeutics, Inc.
SNSE
2026/02/09 Orna Therapeutics, Inc.
(非公開)
臨床準備段階(clinical trial-ready / IND前 ORN-252
CD19標的in vivo CAR-T(患者体内で免疫細胞をエンジニアリング)で、
B細胞ドリブン自己免疫疾患を対象に設計。
併せて、engineered circular RNA(環状RNA)+新規LNPによる
in vivo cell engineering / genetic medicineプラットフォームを獲得。
—(買収発表時点で規制指定の明記なし) —(非公開企業のため 1株価格の開示なし 免疫・自己免疫(B細胞ドリブン自己免疫疾患 大(B細胞介在の自己免疫領域は対象疾患が広く、治療コストも高い) Eli Lilly and Company(LLY)
2026/01/20 RAPT Therapeutics, Inc.
RAPT
臨床段階(Phase 2b ozureprubart(長時間作用型の抗IgEモノクローナル抗体):
食物アレルゲン曝露に対する予防的防御を目的にPhase 2b(prestIgE)開発中。

※単剤のPhase 2bデータは2027年想定、Phase 3は成人+小児の両集団で計画。
—(買収リリース上、規制指定の明記なし) $58.00(全額現金) 呼吸器・免疫・炎症(食物アレルギー 大(米国で食物アレルギー診断1,700万人超、重篤反応130万人超/家計負担推計$33B(2024年) GSK plc
2026/01/07 Ventyx Biosciences, Inc.
VTYX
臨床段階(複数がPhase 2 炎症性疾患向け経口小分子パイプライン(主にNLRP3阻害):
VTX2735:末梢制限型 NLRP3阻害(再発性心膜炎、Phase 2)
VTX3232:CNS移行性 NLRP3阻害(心血管リスク因子のPhase 2/早期パーキンソン病のPhase 2バイオマーカー試験完了)
tamuzimod(VTX002):S1P1Rモジュレーター(IBD、Phase 2)
VTX958:TYK2阻害(IBD、Phase 2)
—(買収リリース上、個別プログラムの規制指定の明記なし) $14.00(全額現金) 炎症性疾患(IBD、心血管/心膜炎、神経変性など) 大(炎症性疾患は巨大市場:IBD等を含む) Eli Lilly and Company
2025/11/14
公表 : 2026/01/07
Cidara Therapeutics, Inc.
CDTX
後期(CD388:Phase 3 インフルエンザ予防向け長時間作用型抗ウイルス(DFC):
CD388:長時間作用・strain-agnostic(A/B)抗ウイルス。高リスク(合併症リスクが高い成人/青年)で症候性インフルエンザ予防を評価
  • FDA:Breakthrough Therapy Designation
  • FDA:Fast Track Designation
  • Phase 3:ANCHOR(無作為化・二重盲検・プラセボ対照)
$221.50(全額現金) 感染症(季節性/パンデミック含むインフルエンザ予防) 大(季節性インフルは世界で年10億感染、重症例300〜500万、死亡年29万〜65万推計) Merck & Co., Inc.(MRK / MSD)
2026/01/06 Dark Blue Therapeutics Ltd.
(非上場)
前臨床(Investigational / Preclinical) AML向け 小分子「標的タンパク質分解薬(TPD)」:
MLLT1/3 を標的として分解する investigational molecule
非上場企業の買収(最大$840M:アップフロント+マイルストン想定、詳細非開示) —(非上場のため「1株」価格なし) オンコロジー(血液がん:急性骨髄性白血病 AML) 大(アンメット高) Amgen
2025/12/24 Dynavax Technologies Corporation
DVAX
商用(HEPLISAV-B:成人B型肝炎ワクチン)/Phase 1/2(帯状疱疹:Z-1018) HEPLISAV-B(成人B型肝炎ワクチン:販売品)
Z-1018(帯状疱疹ワクチン候補:Phase 1/2)+追加のワクチン開発プロジェクト
現金TOB(Cash Tender Offer)→合併(Merger) $15.50/株(現金) ワクチン(成人B型肝炎/帯状疱疹) 大(成人ワクチン市場) Sanofi
2025/12/19 Amicus Therapeutics
FOLD
商用(Fabry:Galafold)/商用(Pompe:Pombiliti+Opfolda) Galafold(Fabry病:経口シャペロン)
Pombiliti+Opfolda(Pompe病:酵素補充+経口併用)
現金買収(All-cash)・合併 $14.50/株(現金) 希少疾患(リソソーム病:Fabry/Pompe) 希少疾患(Fabry/Pompe) BioMarin Pharmaceutical(BMRN)
2025/10/24 Adverum Biotechnologies
ADVM
Phase 3(Ixo-vec:wAMD)/Phase 2 追跡(LUNA) Ixoberogene soroparvovec(Ixo-vec;AAV.7m8・IVT抗VEGF遺伝子)
ADVM-076(CFI/GA;前臨床)
Pivotal Phase 3(ARTEMIS);第2のP3(AQUARIUS)開始計画/LUNA 長期追跡 $3.56/株(現金)+条件付対価 最大$12.47/株相当 眼科(網膜:湿性AMD/地理的萎縮) 特大(AMD/網膜疾患) Eli Lilly and Company(LLY)
2025/10/22 Avadel Pharmaceuticals
AVDL
承認済み(LUMRYZ 市販中) LUMRYZ(一次就寝時用ナトリウムオキシベート ER;FT218) FDA承認/REMS運用 1株当たり18.50ドル、追加で現金1株当たり1.50ドルのCVR(転換価値権利)付き、総対価は1株当たり最大20.00ドル 睡眠(ナルコレプシー:カタプレキシー/日中過眠) 中〜大(ナルコレプシー治療薬) Alkermes plc(ALKS)
2025/10/10(報道) Protagonist Therapeutics
PTGX
後期段階:icotrokinra(乾癬/UC)/Phase 3:rusfertide(PV) icotrokinra(経口IL-23R拮抗ペプチド)/rusfertide(ヘプシジン模倣ペプチド) —(未公表) —(協議中・未公表) 免疫(乾癬・UC)/血液(PV) 大(免疫:数十B規模)/中(PV) Johnson & Johnson(JNJ)※協議中
2025/10/10 Orbital Therapeutics
(非公開)
前臨床(OTX-201:IND準備中) OTX-201(in vivo CD19 CAR-T:自己免疫疾患向け)/統合RNA×LNPプラットフォーム —(該当なし) —(総額 $1.5B 現金) 自己免疫(B細胞枯渇/免疫リセット) 大(自己免疫全般で数十B規模) Bristol Myers Squibb(BMY)
2025/10/09 Akero Therapeutics
AKRO
Phase 3(SYNCHRONY 計3試験進行中)/Phase 2b結果有(HARMONY・SYMMETRY) efruxifermin(EFX:長時間作用型FGF21アゴニスト|MASH/代謝性肝疾患・代償性肝硬変を対象) FDA Breakthrough Therapy Designation(MASH/NASH) $54 + CVR $6(米国フル承認:~2031/06 条件) 肝疾患(MASH) 大(高有病率・数十B規模) Novo Nordisk(NVO)
2025/09/29 Merus N.V.
MRUS
Accelerated Approval(Bizengri:NRG1+ NSCLC/膵)/Phase 3(petosemtamab:HNSCC) Bizengri®(zenocutuzumab-zbco:HER2×HER3)/petosemtamab(MCLA-158:EGFR×LGR5) Bizengri:迅速承認(AA)/petosemtamab:BTD×2・Fast Track $97.00(全額現金) がん(頭頸部・NRG1融合) ニッチ〜中(NRG1融合は稀少、HNSCCは中規模) Genmab(GMAB)
2025/09/22 Metsera, Inc.
MTSR
Phase 2(GLP-1 / アミリン系:MET-097i・MET-233i ほか) 次世代肥満治療:月1回想定の注射製剤、アミリン単剤・GLP-1併用、経口候補 主に無作為化・PBO対照の早期試験(12週・36日などの短期指標) $47.50 現金+最大 $22.50 CVR(合計最大 $70.00)予定 肥満・代謝 特大(肥満市場は今後$100B規模見込み) Pfizer
2025/09/18 89bio, Inc.
ETNB
Phase 3(pegozafermin:MASH) pegozafermin(FGF21アナログ)— MASH(中等度~重度) P3開発中(無作為化・PBO対照) $14.50/株 現金+最大$6.00/株 CVR(合計最大$20.50) 肝疾患・代謝(MASH) 特大:肥満・メタボ関連で対象広い Roche
2025/09/09 Tourmaline Bio, Inc.
TRML
Phase 2(TRANQUILITY:トップライン陽性) TOUR006(pacibekitug, 抗IL-6)— ASCVD 無作為化・PBO対照/低頻度SC(Q4W/Q12W)レジメン。
Q4 2025:P3設計アップデート予定
$48/株 現金(総額約$1.4B) 心血管(ASCVD・炎症) 特大:二次予防層中心に対象広い Novartis
2025/08/25 Gilgamesh Pharmaceuticals
未公開
Phase 2 bretisilocin(新規作用機序の抗うつ薬、psychedelic系化合物) ファストトラック指定(bretisilocin) 最大$12B(段階的マイルストーン含む) 精神科(うつ病) 大:MDD・TRD市場は数百億ドル規模 AbbVie
2025/08/25 scPharmaceuticals
SCPH
市販(承認済み製品あり) FUROSCIX®:慢性心不全/慢性腎疾患の体液過剰に対する皮下フロセミド投与デバイス $5.35 現金/株 + 最大 $1.00 CVR 心血管/腎(cardiorenal) 大:米国のみで $10B 超のTAM MannKind Corporation
2025/08/21 Interius BioTherapeutics
未公開
Phase 1 in vivo CAR-T(静注・体内改変) $350M 細胞療法 Kite(Gilead)
2025/08/05 Y-mAbs Therapeutics
YMAB
市販+前臨床 DANYELZA®(naxitamab-gqgk), PRITプラットフォーム オーファン指定, 加速承認(DANYELZA) $8.60/株 小児希少がん SERB Pharmaceuticals
2025/07/09 Verona Pharma
VRNA
市販 Ohtuvayre™:COPD維持療法 ファストトラック指定(Ohtuvayre) $107/株 呼吸器(COPD) 特大 Merck & Co.
2025/06/30 Capstan Therapeutics
未公開
前臨床~Phase 1移行 LNP×mRNA in vivo 細胞治療 最大$2.1B 遺伝子/細胞治療 AbbVie
2025/06/25 IDRx
Phase 1 経口キナーゼ阻害薬(GIST想定) 最大$1B 腫瘍 GSK
2025/06/02 Blueprint Medicines
BPMC
市販+Phase 2/3 Ayvakit/Ayvakyt(SM)、BLU-808 オーファン指定, ブレイクスルーセラピー指定(Ayvakit) $129 + $6 CVR 希少・免疫疾患 Sanofi
2025/06/01 Catalent, Inc.
CTLT
商業製造(CDMO) 遺伝子・細胞治療、バイオ製造の受託開発・生産能力 $63.50/株(総額約 $16.5B) CDMO(受託製造、遺伝子/細胞治療含む) 特大:グローバルCDMO市場、成長加速 Danaher(ダナハー)
2025/05/21 Vigil Neuroscience
VIGL
Phase 2-ready VG-3927(TREM2アゴニスト) オーファン指定 $8 + $2 CVR 神経変性疾患(AD) Sanofi
2025/05/16 Inozyme Pharma
INZY
Phase 3 INZ-701:ENPP1欠損症治療 オーファン指定, 希少小児疾病指定 $4.00/株 希少血管・骨疾患 BioMarin
2025/05/14 Boston Pharmaceuticals
未公開
Phase 3準備完了(Phase 2完了) efimosfermin alfa(BOS-580):長作用型FGF21アナログ/月1回投与|SLD(MASH/ALD) —(該当なし) $1.2B upfront+最大$0.8Bマイルストン(総額 最大$2.0B) 肝疾患(SLD:MASH/ALD) 大(高有病率・数十B規模) GSK(GSK)
2025/05/14 SiteOne Therapeutics
未公開
Phase 1 選択的NaV阻害薬(NaV1.7など)による疼痛治療プログラム 総額約$1B(非公開) 疼痛・免疫 大:慢性疼痛市場は巨大、既存薬の限界大 Eli Lilly
2025/04/30 Regulus Therapeutics
RGLS
Phase 1/2 farabursen(miR-17阻害):ADPKD オーファン指定 $7 + $7 CVR 遺伝性腎疾患 Novartis
2025/03/17 EsoBiotec
Phase 1 in vivo CAR-T プラットフォーム 最大$1B 細胞療法 AstraZeneca
2025/03/11 2seventy bio
TSVT
市販 Abecma®(BCMA CAR-T) オーファン指定, RMAT指定(Abecma) $5.00/株 現金 血液がん Bristol Myers Squibb
2025/03/09 Checkpoint Therapeutics
CKPT
市販 UNLOXCYT™(コシベリマブ):cSCC $4.10/株+$0.70 CVR 免疫腫瘍 Sun Pharma
2025/03/05 Chimerix
CMRX
Phase 3 ONC201(ドーダビプロン):小児浸潤性膠芽腫 ファストトラック指定, オーファン指定 $8.55/株 現金 小児脳腫瘍 Jazz Pharmaceuticals
2025/02/12 Anthos Therapeutics
未公開
Phase 3 abelacimab(FXI阻害抗体):VTE・心房細動関連適応 ファストトラック指定, オーファン指定 総額$925M 心血管(抗凝固) 大:血栓症予防市場は数百億ドル規模 Novartis
2025/02/11→04/28 SpringWorks Therapeutics
SWTX
市販(Ph3進行) Ogsiveo®, Ojemda®(希少がん) オーファン指定(Ogsiveo, Ojemda) $47/株 腫瘍 中~大 Merck KGaA
2025/01/13 Intra-Cellular Therapies
ITCI
市販(Ph3適応拡大) Caplyta®(ルマテペロン):気分障害、適応拡大 $132 現金/株 中枢神経/精神科 Johnson & Johnson(Janssen)
2025/01/08 Poseida Therapeutics
PSTX
Phase 1/2(CAR-Tプログラム) オールジェニック CAR-T(血液がん・自己免疫・固形腫瘍) RMAT指定, オーファン指定(P-BCMA-ALLO1) 現金 $9.00/株 + 最大 $4.00/株 CVR 細胞療法(CAR-T) 大:CAR-T世界市場、拡大中 Roche

2025年の買収動向

2025年の買収の流れとしては、ある領域で大手製薬会社の買収が出ると、他の大手が似たような臨床段階のバイオ企業に追随して買収するディールが増えています。

例えば、MASH 領域では、2025年5月に未公開の Boston Pharmaceuticals が GSK に買収されました。それから数ヶ月後の9月には 89bio (ETNB) がロシュに買収されると、その後を追うように10月に Novo Nordisk が Akero Therapeutics (AKRO) の買収を同じくCVRで発表しています。

CAR-T 領域でも同様の “連鎖” が見られます。まず2025年6月に AbbVie が未公開の Capstan Therapeutics を最大約$2.1Bで買収し、in-vivo CD19 CAR-T(自己免疫)という新しいアプローチを本流に押し上げました。

これに続き、10月には BMS が未公開の Orbital Therapeutics を約$1.5Bで取得し、circRNA × tLNP を用いた in-vivo CAR-T(OTX-201) を取り込み、既存の ex-vivo CAR-T フランチャイズに “体内製造” という選択肢を重ねています。

結果として、自己免疫×CAR-Tの覇権を巡って、大手各社が臨床初期〜前臨床段階の資産であっても積極的に押さえに行く “フォロースルー型M&A” が顕在化しています。

2024年に買収されたバイオ企業の詳細

買収発表日 会社名/ティッカー 臨床フェーズ 買収されたパイプライン 規制デザイン 買収価格(1株) 治療領域 市場規模 買収企業
2024/04/10 Alpine Immune Sciences
ALPN
povetacicept(IgAN)P2→P3 へ BAFF/APRIL 二重阻害(自己免疫) —(※後年にBTD取得報道あり) $65.00 腎(IgAN)/自己免疫 中〜大 Vertex
2024/04/02 Cardior(非公開) CDR132L(miR-132 阻害)P2 心不全/心筋リモデリング —(非公開) —(非公開;最大 €1.025B) 循環器 特大 Novo Nordisk
2024/03/25(2024/05/23完了) Landos Biopharma
LABP
NX-13(NLRX1 アゴニスト)P2 炎症性腸疾患(UC など) Fast Track(社外発表ベースなし) $20.42+CVR 上限$11.14 免疫/消化器 AbbVie
2024/03/19(2024/06/04完了) Fusion Pharmaceuticals
FUSN
FPI-2265(PSMA RC)P2 放射性コンジュゲート(アクチニウム系) $21.00+CVR $3.00 がん(放射線標的) AstraZeneca
2024/02/12(2024/03/22完了) CymaBay Therapeutics
CBAY
seladelpar(PBC)P3→NDA PPARδ アゴニスト(Livdelzi) BTD・Orphan(PBC) $32.50 肝(胆汁うっ滞性疾患) Gilead Sciences
2024/02/07 Redx Pharma(プログラム売却) KRAS 阻害(前臨床) G12D選択/ pan-KRAS プログラム —(前臨床資産:前払$10M+最大$870M 里程金) がん Jazz Pharmaceuticals(プログラム買収)
2024/01/22 Inhibrx
INBRX
INBRX-101(AATD)P2 α1-AT 欠乏症向け持続型 AAT $30.00(+スピンオフ/追加CVR 条件) 希少疾患(肺) Sanofi
2024/01/09 Aiolos Bio(非公開) AIO-001(TSLP 抗体)P2 好酸球性喘息 等 —(非公開) —(非公開;総額約$1B+マイルストン) 呼吸器/免疫 GSK
2024/01/08 Ambrx
AMAM
ARX517(PSMA ADC)P1/2 ほか 抗体薬物複合体(PSMA/GRPR など) $28.00 がん Johnson & Johnson
2024/01/08 Harpoon Therapeutics
HARP
HPN328(DLL3 TCE)P1/2 TriTAC®/ProTriTAC®(T 細胞エンゲイジャー) $23.00 がん Merck(MRK)
2023/12/26(2024/02/22完了) Gracell Biotechnologies
GRCL
GC012F(BCMA×CD19 CAR-T)P1/2 多発性骨髄腫/自己免疫向け自家 CAR-T $10.00(ADS)+CVR $1.50 がん/自己免疫 AstraZeneca
2023/12/22(2024/03/18完了) Karuna Therapeutics
KRTX
KarXT(統合失調症)P3→NDA ムスカリン作動薬複合(M1/M4) $330.00 精神科 特大 Bristol Myers Squibb

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