読出し後の規制パス:BLA 直行? それとも“もう1本”必要?
KALA は公式に、CHASE(P2b)が「BLAを支えるピボタルになり得る」と述べています。ただし「前向きな結果」かつ「当局との協議次第」という前提つき。
さらに同リリース文面では「BLAに必要な2つのピボタル試験のうち1つになり得る」と記載があり、もう1本のレジストラショナル試験が基本シナリオと読み取れます。
実務的には、Fast Track(ローリング提出可)+ODD(承認後7年独占)という追い風はあるものの、単一試験での BLA は「極めて大きな効果量+再現性ある補助的証拠」など特殊ケースでない限りハードルが高めです。
会社自身も “2本目” の必要性を想定しているため、ベースケースは :
1. CHASEトップライン →
2. FDA協議(EOP2相当) →
3. 第2のピボタル(一般にP3と呼ばれる規模感) →
4. BLA提出。
という流れが妥当と考えられます。ポジティブ読出し → 規制協議 → 第2ピボタル着手が基本線。
承認済み製品:なし(開発中)
主力候補:KPI-012(MSC secretome 点眼)— PCED(遷延性角膜上皮欠損)。
補足:KPI-014(MSC-S:網膜変性)も前臨床段階で探索中。
対象:遷延性角膜上皮欠損(PCED)
投与:MSC secretome(点眼)
対象:IRDs(神経保護/抗炎症コンセプト)
所見:MSC-S の多因子作用を前臨床で評価中
対象:PCED(全エチオロジー横断)
所見:P2b 結果を踏まえ当局と協議(EOP2相当)
パイプライン | 対象 | 臨床フェーズ | 規制デザイン | 安全性(AESI) | 用法・用量 / 併用戦略 | 市場規模イメージ | ポイント(市場評価) |
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KPI-012(MSC secretome 点眼) | PCED(遷延性角膜上皮欠損) | Phase 2b(CHASE) | 無作為化・二重盲検・プラセボ対照(2用量 vs vehicle, 56日) | 眼表面の刺激/疼痛、感染リスク(管理下で低頻度想定) | 点眼レジメン。上皮化達成・疼痛軽減・視機能を副次で評価 | ニッチだがアンメット大(承認薬なし) | 陽性ならピボタル移行の現実味。製造スケール/一貫性が鍵 |
KPI-014(MSC-S:網膜) | 遺伝性網膜変性(IRDs) | Preclinical | 神経保護・抗炎症・抗酸化など多因子アプローチ | 非臨床での局所/全身安全性の確認継続 | 投与経路・頻度の最適化を探索 | 希少だが高アンメット | POC確立と適応選定が前進のトリガー |
- 最大カタリスト:KPI-012 Phase 2b トップライン(2025年Q3)。上皮化率・治癒速度・安全性の一体評価が焦点。
- アンメット:PCEDは米国で承認薬なし。有効性が明快なら規制パス加速(Fast Track/ODD)。
- 資金余力:現金同等物で2026年Q1までのランウェイ。データ→当局協議→レジ設計の連鎖をカバーできるかがポイント。
KPI-012 CHASE 登録完了
多施設・無作為化・二重盲検・プラセボ対照(2用量 vs vehicle, 56日)。
KPI-012 P2b トップライン
上皮化・治癒速度・痛み/視機能(副次)・安全性の読出し。
当局協議(EOP2相当)→ レジ戦略確定
単一試験ピボタル扱いの可否や追補試験の要否を決定。
製造/商用スケール計画の更新
スケールアップと品質一貫性の検証を進行。
ピボタル→BLA への移行
ピボタル成功を前提に申請フェーズへ。
KPI-012 P2b トップライン(CHASE)
当局協議(EOP2相当)→ レジストラショナル設計確定
ピボタル開始/製造スケールアップ → BLA方針具体化