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【WVE】Wave Life Sciences のカタリストとロードマップ

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【WVE】Wave Life Sciences のカタリストとロードマップ

Wave Life Sciences(WVE)は、RNA医薬の幅広い可能性を解き放ち、人類の健康を変革することに注力するバイオテクノロジー企業です。

Wave は、RNA編集(ADAR活性化)+ RNA干渉(siRNA)+ スプライシング調整(アンチセンス/エクソンスキップ)の “3本柱” で創薬するRNA創薬プラットフォーム企業です。

Wave の RNA 医薬プラットフォーム PRISM® は、複数のモダリティ、化学的イノベーション、人類遺伝学に基づく深い洞察を組み合わせ、希少疾患から一般的な疾患までを対象にした科学的ブレークスルーを実現します。

同社の RNA 標的化モダリティのツールキットには、編集・スプライシング・RNA干渉・アンチセンスサイレンシングが含まれており、疾患生物学を的確に捉えた候補物質を持続的に設計・開発する比類なき能力をWaveに与えています。

Wave の多角的なパイプラインには、α1アンチトリプシン欠損症、肥満、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ハンチントン病における臨床プログラムに加え、同社の幅広い RNA 医薬ツールキットを活用した複数の前臨床プログラムが含まれています。

「Reimagine Possible(不可能を再構想する)」という使命に突き動かされ、Wave は疾病の重荷によって人間の可能性が阻害されない世界の実現に向けた先導役を担っています。

承認済み製品

(該当なし:全プログラム開発中)

主力パイプライン:WVE-006(AATD)、WVE-007(肥満/INHBE)、WVE-N531(DMD)、WVE-003(HD)

提携先:

開発中

臨床試験パイプライン
Phase 1b/2a
WVE-006(AATD)

対象:α1アンチトリプシン欠損症

設計:GalNAc-AIMerによるRNA編集(RestorAATion-2 試験)

状況:
2025年中に多回投与データ発表予定
今後:
新規RNA編集プログラムは2026年に臨床入り見込み

計画中

Phase 1
WVE-007(肥満)

対象:INHBE(肥満治療ターゲット)

設計:GalNAc-siRNAを用いたINLIGHT試験

状況:
コホート3の投与完了、Q4 2025にデータ発表予定

進行中

Phase 2
WVE-N531(DMD)

対象:デュシェンヌ型筋ジストロフィー

設計:FORWARD-53試験で48週中間結果がポジティブ

今後:
2026年 NDA提出予定

計画中

Pre-IND → Phase 2/3
WVE-003(HD)

対象:ハンチントン病

設計:初のアレル選択的オリゴヌクレオチド

状況:
CSF mHTT減少データ取得済み、2025年後半にIND提出予定

計画中

Corporate
財務・組織戦略

資金:現金約$208.5M、ランウェイは2027年まで

収益:Q2 2025 売上 $8.7M(前年同期比▲56%)、純損失 $50.5M

懸念:
売上減とキャッシュ消費拡大、今後は資金調達・提携が鍵

運営継続

主要臨床成績・財務トピック(WVE)
$8.7M
Q2 2025 売上

-$50.5M
Q2 2025 純損失

$208.5M
現金残高

2027
運転資金ランウェイ

パイプライン早見表
パイプライン 対象 臨床フェーズ 規制デザイン 安全性(AESI) 用法・用量 / 併用戦略 市場規模イメージ ポイント
WVE-006(GalNAc-RNA編集/AIMer:SERPINA1 Z) α1-アンチトリプシン欠乏症(AATD:肺/肝) Phase 1b/2a(RestorAATion-2:SAD+MAD) HV試験(RestorAATion-1)完了。
2024/10に人での治療的RNA編集を初めて確認。
Q3–Q4 2025:多回投与データ更新(200mg反復で総AAT≈11.9μM/M-AAT≈7.2μM)。
核酸/GalNAcクラス留意:注射部位反応肝酵素変動、軽度インフル様症状など。
これまで概ね良好な忍容性報告。
皮下(SC)。
200mg反復投与コホート完了、400mg単回コホート進行中。
編集持続性に応じて投与間隔の最適化を探索。
希少:AATD(高未充足) 単回/反復投与で総AAT・M-AAT上昇持続編集を提示。
PoMの確度が次段階設計とパートナリング価値を左右。
WVE-N531(DMD エクソン53スキッピング/PN化学) デュシェンヌ筋ジストロフィー(エクソン53群) Phase 2(FORWARD-53:Q2W 10 mg/kg) 24週で有意なジストロフィン発現を確認。
48週解析(2025/03)でエクソンスキップ持続・筋内濃度・ジストロフィン回復を示し、AA経路に向けたFDA対話継続。
月1投与(Q4W)移行の根拠(t1/2)も提示。
核酸クラス留意:腎/肝機能、注入関連反応、CK変動。
48週まで概ね良好な安全性
静注(IV)Q2W 10 mg/kg
曝露に基づきQ4Wレジメンへ最適化検討。
希少:DMD(高関心・AA検討領域) 機序一貫のバイオマーカー→機能指標改善を示唆。
2026年NDA(AA)目標の現実味が上昇。
WVE-007(INHBE 標的 GalNAc-siRNA) 肥満(体重・体組成・代謝) Phase 1(INLIGHT:単回→多回) CTA承認→2025/02 解析開始。
ADA 2025で脂肪選択減量・筋量維持の前臨床機序を口演。
Q3–Q4 2025に初回臨床PoC(安全・PD・体重/組成)。
GalNAc-siRNAクラス:肝酵素変動、注射部位反応。
長作用設計ゆえ用量間隔広めに留意。
皮下(SC)単回→多回。
年1–2回維持も視野。
GLP-1後の維持/リバウンド抑制や併用の検討余地。
巨大:肥満(GLP-1補完/維持療法ポテンシャル) INHBE抑制で脂肪特異的減量+筋温存の新機序。
臨床PDと体組成の一致性が差別化の鍵。
WVE-003(アレル選択的ASO:mHTT低下) ハンチントン病(SNP3陽性) Phase 2/3 計画(SELECT-HD 終了) FDA初期フィードバック(2024/11)でAA経路に前向き。
主要評価に尾状核萎縮(画像BM)案を協議。
H2 2025にP2/3 IND提出予定。
IT-ASOクラス:頭痛/腰痛、CSF関連事象、まれに無菌性髄膜炎。
SELECT-HDで概ね良好
髄腔内(IT)Q12W案。
mHTT選択↓・wtHTT温存を臨床で実証、BM主導で確証化へ。
希少:HD(修飾療法の本命領域) アレル選択の臨床実証により安全域/有効性の両立を示唆。
BM(画像+体液)でのAA設計が価値ドライバー。

これまでの臨床フェーズ
2025年 Q2

Q2 決算発表

売上減少と純損失拡大を報告。研究開発費は前年同期より増加。

2025年 前半

FORWARD-53中間結果

WVE-N531で筋機能改善・ドストファリン増加などポジティブデータ取得。

開発ロードマップ
Q3 2025

WVE-006

RestorAATion-2 多回投与データ発表予定。

Q4 2025

WVE-007

コホート3のデータ発表予定。

2025年後半

WVE-003

IND提出(Phase 2/3計画)。

2026年

WVE-N531

NDA提出予定。

注目すべきカタリスト
短期(2025年Q3–Q4)
WVE-006 多回投与データ、WVE-007 コホート3 データ。

中期(2025年後半)
WVE-003 IND提出。

長期(2026年以降)
WVE-N531 NDA提出、RNA編集新規プログラム臨床入り。