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【WHWK】Whitehawk Therapeutics カタリストとロードマップ

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Whitehawk Therapeutics (ホワイトホーク・セラピューティクス / WHWK) は、確立された腫瘍生物学に先進技術を応用し、効率的に改良されたがん治療を届けるオンコロジー治療企業です。

Whitehawk の先進的な3つのADCポートフォリオは、第一世代の先行技術が抱える限界を克服し、治療が困難ながん患者に有意義な効果をもたらすよう設計されています。

これらの資産は、独占的開発およびグローバル商業化契約に基づき、WuXi Biologics (ウーシーバイオロジクス) から導入しています。

Aadi Bioscience から戦略転換

WhiteHawk は2025年3月に Aadi Bioscience (AADI) から社名変更し、同月に「FYARRO®」事業(Aadi子会社)を加研(Kaken)へ売却してADC専業へと戦略転換しています。

これは既存事業の売却と新規ADC群の導入による事業再編です。つまり(旧)Aadiの商用資産を売却 → 資金確保 → WuXi 由来のADC群を核に再始動という、再編ピボット型のストーリーです。

ADC 資産

ADC 3資産(HWK-007/PTK7、HWK-016/MUC16、HWK-206/SEZ6)は、2024年12月に WuXi Biologics から独占的にライセンスし、2025年にかけてIND提出(007と016はQ4 2025、206は2026中頃)を目標に前臨床最終化中です。

承認済み製品 / 現状

承認済み製品:なし(開発中)

主力候補:HWK-007(PTK7・ADC)— NSCLC/白金耐性卵巣がんを想定。

補足:HWK-016(MUC16・ADC、膜結合部位を標的/antigen sink 回避設計)、HWK-206(SEZ6・バイパラトピックADC)が続く。

主要臨床成績
Q4 2025
HWK-007 IND 提出(NSCLC/白金耐性卵巣)目安

Q4 2025
HWK-016 IND 提出(卵巣がん)目安

Q2 2026
HWK-206 IND 提出(SCLC/神経内分泌腫瘍)目安

2028
運転資金の目処(Q2’25時点開示)

臨床試験パイプライン
IND-enabling
HWK-007(PTK7・ADC)

対象:NSCLC、白金耐性卵巣がん(将来GI/婦人科系へ拡張余地)

作用:PTK7 標的 ADC(専有 TOPO1 ペイロード × 高安定クリーバブルリンカー)

進捗:前臨床最終化中(IND-enabling)
安全性/PD:血中遊離低減とTI拡大を狙う設計(DAR/PK 最適化)
次読出し:Q4 2025 IND 提出 → 受理後に FIH 開始見込み

IND-enabling
HWK-016(MUC16・ADC)

対象:卵巣がん(+子宮体/頸がん拡張余地)

作用:膜結合 MUC16 部位を標的(可溶型 CA125 による antigen sink を回避)

進捗:前臨床最終化中(IND-enabling)
PoC背景:MUC16 標的の過去課題(可溶型)を回避する設計仮説
開始予定:Q4 2025 IND 提出 → 受理後 FIH(卵巣がん)

前臨床(候補選定中)
HWK-206(SEZ6・バイパラトピックADC)

対象:SCLC、神経内分泌腫瘍

作用:SEZ6 二重エピトープ結合のバイパラトピック ADC

進捗:候補選定中/非臨床でクラス内比較優位を探索
初回データ:Q2 2026 IND 提出目安

SCLC 領域での差別化(唯一のバイパラトピック設計)

パイプライン早見表
パイプライン 対象 臨床フェーズ 規制デザイン 安全性(AESI) 用法・用量 / 併用戦略 市場規模イメージ ポイント(市場評価)
HWK-007(PTK7・ADC) NSCLC/白金耐性卵巣がん IND-enabling(Q4 2025 IND FIH P1:用量漸増→腫瘍種別拡大(予定) ADCクラス留意:骨髄抑制(好中球/血小板)、消化器、肝酵素、ILD様所見 初期は単剤→将来はプラチナ再挑戦/IO/抗体薬との併用探索 大:肺・婦人科腫瘍で適応拡張余地 PTK7 の広範過剰発現と低正常発現に基づく治療指数拡大仮説
HWK-016(MUC16・ADC) 卵巣がん(+子宮体/頸がん) IND-enabling(Q4 2025 IND FIH P1:卵巣がんで用量漸増→拡大(予定) ADCクラス留意:骨髄抑制、GI、肝酵素、眼毒性の監視 単剤→標準治療(白金/タキサン/抗VEGF/IO)との併用余地 大:卵巣がん主要市場 可溶型 CA125 による sink を回避する膜結合部位標的で差別化
HWK-206(SEZ6・バイパラトピックADC) SCLC、神経内分泌腫瘍 前臨床(Q2 2026 IND 目安) FIH P1:SCLC/NE 腫瘍で探索(予定) ADCクラス留意:骨髄抑制、GI、神経毒性、肝酵素 単剤→化療/IOとの併用最適化を検討 中〜大:高未充足の SCLC 領域 二重エピトープ結合による内在化・細胞殺傷の向上仮説

ポイント
  • 事業基盤強化:FYARRO 事業売却(Kaken へ)と資本調達により ADC 専業へ転換、ランウェイは2028年まで。
  • プラットフォーム:専有 TOPO1 ペイロード × 高安定クリーバブルリンカー × DAR/PK 最適化で“低遊離×TI拡大”を狙う。
  • 標的戦略:PTK7/膜結合 MUC16/SEZ6(バイパラトピック)と、抗原生物学×ケミストリーの両輪で差別化。

開発ロードマップ
完了:2025年Q2

Q2’25 決算&事業アップデート

ADC専業化の方針とキャッシュ・ランウェイ(2028年まで)を再確認。

2025年Q4

HWK-007 IND 提出

受理後、NSCLC/白金耐性卵巣がんで FIH(P1)開始へ。

2025年Q4

HWK-016 IND 提出

受理後、卵巣がんで FIH(P1)開始へ。

2026年Q1–Q2

HWK-007 / HWK-016 FIH 開始

用量漸増→拡大コホートで初期安全性・PK・初期活性シグナルを評価。

2026年Q2

HWK-206 IND 提出

SCLC/神経内分泌腫瘍での P1 開始準備。

注目すべきカタリスト
短期(〜2025年Q4)
HWK-007 / HWK-016 の IND 提出、ADCプラットフォーム技術アップデート

中期(2026年Q1–Q2)
HWK-007 / HWK-016 の FIH 開始、初期安全性/PK 所見

長期(2026年〜)
HWK-206 IND、主要腫瘍領域での拡大コホート→初期奏効シグナル