
2025年10月:VTX3232 肥満+心血管リスク因子を対象としたPhase 2 試験 toplineを発表。hsCRP 約80%低下など強い抗炎症シグナルを確認。
2025年6月:VTX3232 パーキンソン病 Phase 2a topline を発表。CSF/血漿で NLRP3 下流バイオマーカー抑制と安全性良好を示す。
2025年5月:VTX2735 再発性心膜炎を対象としたPhase 2 試験の進捗アップデート。Q4 2025 に中間解析データ読み出し予定とガイダンス。
2025年3月:VTX002(Tamuzimod) 潰瘍性大腸炎 Phase 2 データの学会発表。Lancet 掲載で経口 S1P1R モジュレーターとして良好な寛解率を報告。
2025年2月:VTX958 クローン病 Phase 2 試験の結果をアップデート。用量依存的な内視鏡反応率改善と炎症マーカー低下を示し、パートナーシップ等のオプションを検討中とコメント。
承認済み製品:なし(開発中)
主力候補:VTX2735 / VTX3232(経口 NLRP3 阻害薬)— 再発性心膜炎、肥満+心血管リスク、パーキンソン病など慢性炎症・免疫疾患を対象。
補足:VTX002(S1P1 受容体モジュレーター;潰瘍性大腸炎)、VTX958(TYK2 阻害薬;クローン病)は Phase 2 完了段階で、提携・ライセンスを含む「複数の開発オプション」を検討中。
対象:再発性心膜炎(中等度〜重度、標準治療で再発を繰り返す患者)
作用:末梢型経口 NLRP3 阻害(CNS への移行を最小化)
対象:①肥満+心血管リスク因子を有する成人、②パーキンソン病患者
作用:CNS 浸透性の高い経口 NLRP3 阻害薬(1日1回投与)
対象:VTX002:中等度〜重度潰瘍性大腸炎 / VTX958:クローン病
作用:VTX002:S1P1 受容体モジュレーター / VTX958:選択的 TYK2 阻害
| パイプライン | 対象 | 臨床フェーズ | 規制デザイン | 安全性(AESI) | 用法・用量 / 併用戦略 | 市場規模イメージ | ポイント(市場評価) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| VTX2735(末梢型 NLRP3 阻害) | 再発性心膜炎 ほか全身性炎症疾患 | Phase 2 | RP Phase 2 オープンラベル → 結果次第で registrational Phase 3 / Phase 2/3 へ | 感染症・肝酵素・血液学的異常など慢性 NLRP3 阻害に伴う AESI を重点監視 | 経口 1日1回単剤。将来的にコルヒチン等標準治療との併用最適化余地 | 中:希少だが高アンメットな RP 市場 | 「NLRP3 × RP」初の PoC 候補。 2025年Q4 interim データが大きな分岐点。 |
| VTX3232(CNS浸透型 NLRP3 阻害) | 肥満+CVリスク、パーキンソン病など | Phase 2 完了 | 複数 Phase 2(肥満+CV、PD)でターゲットエンゲージメントとバイオマーカー PoC を取得済み | 感染症・肝酵素・中枢系症状(頭痛・めまい等)をモニタリング | 経口 1日1回。GLP-1 との併用や CV 予防での長期投与を想定 | 大:心血管リスク低減・神経変性領域 | hsCRP 約80%低下など強い PD シグナル。 どの適応を registrational に選ぶかが今後 1〜2年の焦点。 |
| VTX002(Tamuzimod, S1P1R) | 中等度〜重度潰瘍性大腸炎 | Phase 2 完了 | 誘導 Phase 2 を完了。今後の開発は提携・ライセンスなどを含め検討中 | 心拍数・血圧・肝酵素・感染症リスクなど S1P クラスでの AESI を管理 | 経口 1日1回。将来は他免疫調節薬との併用も検討余地 | 大:経口 IBD 治療薬市場 | データは良好だが、NLRP3 への集中のため“スリーパー資産”扱い。 パートナーシップニュースがアップサイド。 |
| VTX958(TYK2 阻害) | クローン病 | Phase 2 完了 | 12週の Phase 2 で内視鏡反応率・炎症マーカー低下を確認。次段階は共同開発など柔軟に検討 | 感染症、肝酵素変動、血液学的異常など JAK/TYK2 クラス AESI を監視 | 経口 1日1〜2回想定。既存バイオ製剤との併用・シーケンス最適化余地 | 大:IBD(特に生物学的製剤抵抗性の患者層) | 複数の経口 TYK2 との競合環境。 非コア資産としてパートナーに渡すことで価値最大化が期待される。 |
- NLRP3 二本柱:末梢型の VTX2735 と CNS浸透性の VTX3232 によって、心膜炎・CVリスク・神経変性といった複数領域にオプションを持つ構造。
- IBD 経口群は“隠れ資産”:VTX002 / VTX958 は Phase 2 を完了しており、提携やライセンスのアップフロントで非希薄資金を得られるポテンシャル。
- 資金ランウェイ:約1.9億ドルのキャッシュ等で2026年下期までの運営が可能とされ、VTX2735 RP PoC と VTX3232 Phase 2 拡張まで既存資金でカバーできる設計。
- リスク要因:RP はニッチ市場でピーク売上は適応拡大次第。NLRP3 クラス全体の長期安全性や、提携が進まない場合の 2026〜27年以降の追加増資リスクも意識が必要。
NLRP3 プログラムの Phase 2 データ質と、VTX2735 RP PoC/VTX3232 registrational 方針のアップデートが、機関投資家のスタンスを左右する局面です。IBD 経口群(VTX002 / VTX958)の提携進展は、バリュエーションの再評価や希薄化圧力の緩和材料として意識されやすいと考えられます。
VTX3232 パーキンソン病 Phase 2a topline
CSF/血漿で十分なターゲットエンゲージメントと炎症マーカー抑制、安全性良好を確認。
VTX3232 肥満+CVリスク Phase 2 topline
hsCRP 約80%低下など強い抗炎症効果と、GLP-1 併用での追加改善を確認。
VTX2735 再発性心膜炎 Phase 2 中間解析
疼痛スコア・hsCRP・QOL を含む PoC データを読み出し、RP での registrational 試験設計を固める。
VTX2735 RP 登録試験開始(想定)
希少・高アンメットの RP で単一 registrational 試験+長期拡張に向けた臨床プログラムを開始。
VTX3232 の registrational 方針決定+IBD 経口群のパートナーシップ
CV/メタボまたは神経変性での Phase 2b/3 デザイン公表と、VTX002 / VTX958 の提携ニュースが中期の価値ドライバー。
VTX2735 RP Phase 2 中間 topline、VTX3232 肥満+CV 試験の詳細解析。
VTX2735 RP 登録試験開始、VTX3232 の registrational 適応(CV/メタボ or CNS)に関する方針開示。
IBD 経口群(VTX002 / VTX958)の提携・ライセンスアップデート、NLRP3 クラスの長期安全性データ蓄積。
