最新の Q2 2025 決算および企業発表に基づいて整理した、Taysha Gene Therapies(TSHA)の臨床試験ロードマップです。
TSHA-102(レット症候群向け遺伝子治療)のロードマップ
① REVEAL 試験:Pivotal Part B に向けた準備
サイト稼働開始:2025年第2四半期時点で、FDAおよびカナダ保健省からの設計要件確認を経て、REVEAL 試験のピボタル(Part B)に向けたサイトアクティベーションを開始しています。
患者登録開始予定:2025年第4四半期に患者登録を開始する予定と発表されています。
② Part A データの追加報告
良好な安全性プロファイルの確認:Part A(Phase 1/2)の高用量・低用量群12例の追跡において、重篤な有害事象(SAE)や投与制限毒性(DLT)はなく、安全であると確認されています。
100%反応率:Part A の主要評価項目である「発達マイルストーンの獲得・再獲得」において、**全被験者が反応(100%)**したことがIRS会議で報告されました。
追加データの公開タイミング:2025年第4四半期に Part A の追加サポートとなる臨床データを報告する予定です。
③ 製造・資金基盤の整備
製造能力:BLA提出を見込んだPPQ(Process Performance Qualification)に対応する製造体制強化が進んでいます(模写前四半期のR&D費用に反映)
資金供給:2025年5月に公募を実施し、$230M を調達。これにより現預金は $312.8M、運転資金は2028年まで確保されています。
投資視点での注目ポイント
第4四半期の報告(Part A追加データ):証拠が積み上がることによる株価への即時インパクトが期待されます。2025年末~2026年前半:Part B の進捗と規制対応フェーズの開始が重要なカタリストです。
設計・製造・資金の整備が揃っており、商用承認への体制が整備されつつある、という点が評価される可能性があります。FDAは希少疾患や遺伝子治療の場合、通常の Phase 3 を省略して Part B を承認用データとするケースがあります(例:Zolgensma, Elevidys など)
会社発表でも「Part B(ピボタル)が承認申請を見据えた試験」と明記されています。つまり従来型の Phase 3 が必ずあるとは限らず、Part B = Phase 3 的役割を担う可能性が高いです。
FDA が RMAT(再生医療先端治療指定)や Orphan/ Fast Track を与えていることもあり、規制当局が早期承認ルートを検討していると考えられます。
(該当なし:全プログラム開発中)
主力候補:TSHA-102(レット症候群向けAAV遺伝子治療)
現在地:REVEAL 試験 Part A(Phase 1/2)完了フォロー中 → Part B(Pivotal)準備
ピボタル移行準備
(発達マイルストーン)
対象:レット症候群(女児・若年成人)
目的:安全性・初期有効性
SAE/DLTなし
100% 反応(発達MS)
2025年Q4 予定
状況:当局(FDA/HC)と設計要件を確認済み
サイト:2025年Q2 サイトアクティベーション開始
2025年Q4 予定
BLA向け確証試験
目的:BLA提出を見据えた商用製造整備
資金:2025年5月 公募で $230M 調達
$312.8M
2028年まで
対象:FDA / Health Canada
内容:設計要件の整合・Part B 実施準備
REVEAL Part B:サイトアクティベーション開始
FDA/Health Canada との設計要件確認を経て、ピボタル試験立ち上げ前段階へ。
① Part A 追加データ公開 / ② Part B 登録開始
エビデンス強化と登録本格化で、BLAに向けた土台を確立。
Part B 登録・追跡継続 / BLA準備
主要評価の確証取得と並行し、CMC/PPQを含むBLA要件を進捗。
BLA提出 → 審査 → 商用展開フェーズへ
確証データ・製造・資金の3要素を基に承認申請と上市準備を推進。
Part A 追加臨床データ公開(安全性・有効性の裏づけ強化)。
Part B(ピボタル)登録進捗、当局対応の進展、製造PPQの前進。
確証データの蓄積 → BLA提出・審査 → 承認・商用展開。