Palisade Bio (PALI) は、自己免疫疾患、炎症性疾患、線維化疾患を抱える患者に向けた新規治療薬の開発と進展に取り組む臨床段階のバイオ医薬品企業です。同社は、革新的な治療薬に対してターゲットを絞ったアプローチを用いることで、治療のあり方を大きく変革できると考えています。
承認済み製品:なし(開発中)
主力候補:PALI-2108(経口 PDE4 プロドラッグ|腸管局所活性化)— 潰瘍性大腸炎(UC)/線維狭窄型クローン病(FSCD)。
補足:LB1148(消化管術後領域)は2023年の米国P2未達を受けて開発中止、IBD領域へ完全ピボット。
対象:潰瘍性大腸炎
作用:腸内細菌酵素で大腸末端〜回腸末端で活性化する PDE4B/D 阻害(局所作動)
対象:線維狭窄型クローン病
作用:局所活性化 PDE4 阻害(腸管局所曝露の増大と全身曝露の最小化)
対象:術後癒着/腸機能回復
備考:2023年の米国P2で主要評価未達→プログラム停止。リソースをIBD(PALI-2108)へ集中。
パイプライン | 対象 | 臨床フェーズ | 規制デザイン | 安全性(AESI) | 用法・用量 / 併用戦略 | 市場規模イメージ | ポイント(市場評価) |
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PALI-2108(PDE4 局所活性化) | 潰瘍性大腸炎(UC) | Phase 1a/b 完了 → Phase 1b/2a 準備 | 短期投与での探索 → 2026年上期に拡大型 P1b/2a へ | クラス留意(嘔気・頭痛等)は局所化で低減期待。初期試験で重篤な薬剤関連事象なし | 経口。バイオマーカー選択で単剤最適化、標準治療との併用余地 | 中:中等症UCの未充足 | 7日で強い初期反応シグナル。精密医療の実装が鍵 |
PALI-2108(PDE4 局所活性化) | 線維狭窄型クローン病(FSCD) | Phase 1b | Health Canada 承認でP1b着手 → 2026年Q1 トップライン | 忍容性重視(全身曝露低減設計)。炎症/線維化バイオマーカーで安全性・PDを評価 | 経口。局所作動で長期投与を視野、既存治療との併用検討 | 中:高未充足・慢性管理 | 線維化ドミナント集団での有効性示唆に市場の注目 |
LB1148(参考) | 術後癒着/腸機能回復 | —(開発中止) | — | — | — | — | PALI-2108 へ経営資源を集中 |
- 一本化戦略:PALI-2108 に集中し、UC と FSCD の二本立てで臨床価値を検証。
- 精密医療:機械学習×PDE4 バイオマーカーによる患者選択で反応率とリスク/ベネフィットを最適化。
- 安全性設計:腸管局所活性化により全身曝露を抑制、PDE4 クラスの忍容性課題を回避する狙い。
- 資本面:2025年10月の大型公募により、Phase 2 着手資金の可視化(希薄化管理と使途開示を四半期で追跡)。
2025年10月に行われた公募には、B Group Capital と Columbia Threadneedle Investments が主導し、Adage Capital Partners LP, ADAR1 Capital Management, Boxer Capital Management, Coastlands Capital, Deep Track Capital, Janus Henderson Investors, Octagon Capital, Perceptive Advisors, RA Capital Management, Squadron Capital Management そして大手ヘルスケア専用投資信託が参加し「PALI-2108」の潰瘍性大腸炎を対象とした第2相臨床開発プログラムを支援するための資金調達しました。
PALI-2108(UC)Phase 1a/b 完了
7日投与で臨床反応 5/5、寛解 2/5、改変Mayo −62.8%。安全性良好。
PALI-2108(FSCD)Phase 1b 投与開始
Health Canada 承認を受けて被験者登録・投与を本格化。
PALI-2108(FSCD)Phase 1b トップライン
炎症/線維化バイオマーカー、臨床症状、忍容性の初期セットを読み出し。
PALI-2108(UC)Phase 1b/2a 開始
IND/同等手続き完了後に多施設試験を開始、用量域と選別基準を確定。
PALI-2108(FSCD)Phase 2a へ移行
Phase 1b 結果を踏まえ、線維化ドミナント集団で拡大型へ。
FSCD P1b の投与進行、UC P1b/2a のデザイン開示、資金使途の明確化
FSCD P1b トップライン(Q1)、UC P1b/2a 開始と登録状況アップデート(上期)
FSCD P2a 着手、UC の拡大コホートとバイオマーカー選別の外部検証