
2025年Q4:RaDaR MRD アッセイに関する新技術アップデートと RaDaR 1.0 訴訟解決を発表。MRD 戦略の再構築に向けた第一歩。
2025年Q3:Natera との特許訴訟で RaDaR 1.0 に対する恒久的差止め(permanent injunction)が命じられ、米国での商業提供が制約を受ける。
2025年Q3:NeoGenomics のRaDaR MRD アッセイが初の商業保険カバレッジ承認を獲得(一部の適応で)。
2025年Q2:SABCS / ASCO / ESMO など主要学会で、乳がん・肺がん・大腸がんを中心としたRaDaR MRD の臨床データを多数発表。
2024年Q4〜2025年Q3:Neo Comprehensive CGP パネルやPanTracer 液体生検 CGPを拡充し、固形がん・血液腫瘍向けの包括的ソリューションを強化。
2024年Q4:Pharma Services とリアルワールドデータ事業が引き続き成長し、コア検査ビジネスとのツインエンジン体制を確認。
承認済み製品:多数のがん検査メニュー(LDT/NGS パネル)を商業提供中
主力候補:RaDaR(腫瘍インフォームド ctDNA MRD プラットフォーム)— 乳がん・肺がん・大腸がんなど固形がんを対象に、極めて高感度な MRD 検出を実現(ただし米国では特許訴訟により商業提供が制約)。
補足:Neo Comprehensive – Solid Tumor / Heme(包括的 CGP パネル)、PanTracer 系液体生検 CGP、NeoTYPE シリーズ・FISH・IHC・フローサイトメトリー・細胞遺伝学などのレガシー検査が Clinical Services の柱。
対象:乳がん、肺がん、大腸がんほか固形がん(術後/補助療法中/サーベイランス期の MRD 評価)
コンセプト:腫瘍個別の WES 等からカスタムパネルを設計し、血中 ctDNA を超高感度に検出する MRD プラットフォーム。
対象:固形がん・血液腫瘍(TMB・MSI・遺伝子変異・融合を包括的に評価)
コンセプト:治療選択・臨床試験組み入れ・予後評価を目的とした包括的ゲノムプロファイル(組織版+液体生検版)。
対象:固形がん患者の血中 DNA(治療選択・治療モニタリング)、治験検体、CDx 開発、リアルワールドデータ解析
コンセプト:液体生検ベースの CGP と Pharma Services を組み合わせ、薬剤開発〜臨床導入まで一気通貫でサポート。
| パイプライン | 対象 | 臨床フェーズ | 規制デザイン | 安全性(AESI) | 用法・用量 / 併用戦略 | 市場規模イメージ | ポイント(市場評価) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| RaDaR(腫瘍インフォームド ctDNA MRD) | 乳がん・肺がん・大腸がん等の固形がん(術後/補助療法中/サーベイランス) | 臨床バリデーション Phase 2〜3 相当 | 多施設・多癌種の前向き/後ろ向き試験と Pharma 主導試験で PoC〜予後予測を検証。保険収載・ガイドライン入りを見据えたエビデンス構築。 | 血液検査自体の安全性懸念は限定的だが、偽陰性/偽陽性に伴う治療判断リスク(過小治療・過剰治療)が重要な議論ポイント。 | 腫瘍インフォームドのカスタムパネルとして、術後・治療中に反復測定。新薬治験のサロゲートエンドポイントや患者層別化に併用。 | 大:グローバル MRD 市場(早期がん・アジュバント・再発モニタリングを含む) | 技術的には高感度・高特異度だが、Natera との特許訴訟により米国商業提供が制約されている点が最大のディスカウント要因。 |
| Neo Comprehensive – CGP パネル | 固形がん・血液腫瘍(TMB・MSI・ドライバー変異・融合 等) | 商業フェーズ(市販中 LDT) | CLIA 認定ラボでの LDT として提供。適応拡大や支払者カバレッジ拡大に向け、観察研究・アウトカム研究を継続。 | 検査に直接的な AESI はほぼないが、検査結果の解釈ミスによる治療選択への影響に留意。 | 組織版・液体生検版を状況に応じて使い分け。CDx・治験検査との併用で、治療選択から試験参加まで一気通貫のソリューションを提供。 | 大:オンコロジー全般の CGP 市場 | 既に日常診療で幅広く利用されており、病院パスへの組み込みが進むほど検体数の compounding growth が期待される。 |
| PanTracer / 液体生検 CGP | 固形がん患者の血中 DNA(治療選択・モニタリング) | 商業フェーズ+臨床バリデーション | Pharma 試験での利用と並行して、臨床現場での有用性を検証する観察研究を実施。 | 血液検査としての AESI は限定的。感度・特異度に依存した治療判断リスクに注意。 | 組織が取りにくい症例や再生検が困難なケースで、組織 CGP を補完。治療開始後のダイナミックモニタリングで治療効果や耐性出現を評価。 | 大:液体生検 CGP 市場 | 組織検体に依存しない強みから需要は構造的に伸長。競合も多く、差別化は感度・TAT・価格・サービス品質で評価。 |
| Pharma Services & CDx プログラム | 製薬企業の治験検体、伴走診断開発、RWD 解析 | 商業フェーズ(成長中) | 治験プロトコルに組み込まれたバイオマーカー解析や CDx 開発として、規制当局と連携しながら進行。 | ラボ業務としての AESI は限定的。試験デザインやカットオフ設定が薬剤開発の成否に直結する点が実務上の重要論点。 | 治験のスクリーニング検査、レスポンダー解析、CDx を通じて、薬剤開発〜市販後まで継続的に関与。 | 中〜大:グローバル BioPharma サービス市場 | 検査ビジネスと比較して利益率が高い領域。新規 CDx 採用や大型開発プログラムへの採用が長期の売上 visibility を高める。 |
| データ/インサイト & RWD サービス | ゲノム+表現型+アウトカムデータを用いた解析・ライセンス | 立ち上がりフェーズ | 匿名化された RWD として、規制要件やプライバシー保護を遵守しながら製薬・ペイヤーへ提供。 | 個人情報保護・データセキュリティが AESI。アクセス管理とガバナンスが重要。 | 既存検査・Pharma Services から得られるデータを二次利用し、インサイトレポートやデータライセンスとしてマネタイズ。 | 中〜大:オンコロジー RWD/データ市場 | 長期的には高マージン事業となり得るが、短期的には投資フェーズ。データ量と品質が最大の参入障壁。 |
- 事業基盤:全米規模のがん専門ラボ(Clinical Services)と Pharma Services の 2 本柱で、CGP/レガシー検査が安定収益を形成。
- MRD はオプション価値:RaDaR は技術的には強力な MRD プラットフォームだが、Natera との特許訴訟により米国商業提供が制約されており、IP リスクの収れんがキー。
- 成長ドライバー:CGP・液体生検メニューのボリューム成長と Pharma Services の拡大が EPS レバレッジの主因。MRD・RWD は中長期のアップサイド。
主要ファンドのポジションから、MRD の IP リスクをどう織り込んでいるか、CGP/Pharma Services 成長をどの程度評価しているかを確認する余地があります。
RaDaR 1.0 訴訟(Natera)で恒久的差止め判決
米国での RaDaR 1.0 商業提供が制約され、MRD ビジネスの再設計が必須に。
新 RaDaR 技術と訴訟解決の発表
RaDaR テクノロジーのアップデートと RaDaR 1.0 訴訟の解決を発表し、次世代 MRD 戦略の土台を構築。
CGP/液体生検メニューの拡張
Neo Comprehensive / PanTracer などのパネル拡張と、新規癌種・適応への展開を継続。
MRD 戦略の再構築
ライセンス、技術改良、ex-US 展開などを組み合わせ、MRD プラットフォームの商業化パスを再設計。
ガイドライン/保険・データビジネスの立ち上がり
特定癌種でのガイドライン入りや保険拡大、RWD/解析サービスの本格マネタイズにより、収益構造の高度化を目指す。
RaDaR 訴訟・戦略アップデート、新 CGP/液体生検メニューのローンチ・拡張、Pharma 向け新規 CDx / 試験採用。
RaDaR / MRD プラットフォームの再ローンチ or 代替戦略、CGP/液体生検のシェア拡大と病院パスへの組み込み状況。
特定癌種でのガイドライン入り・保険適用拡大、RWD/データライセンス事業の収益貢献。
