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【MLTX】MoonLake Immunotherapeutics カタリストとロードマップ

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【MLTX】MoonLake Immunotherapeutics カタリストとロードマップ

MoonLake Immunotherapeutics (MLTX) は、SPAC を通じて設立され、創業者である Jorge Santos da Silva 博士がCEOを務め、Cormorant Asset Management のCEOビフア・チェンが支援したことで知られるバイオ企業です。

創業と SPAC 上場経緯

創業:2021年スイス(ツーク)で設立され、創業時に CEO に就任したのはホルヘ・サントス・ダ・シルバ博士です。彼は共同創設者・CEOとして現在も経営の舵を取っています。

SPAC参入:2021年10月、Helix Acquisition Corp.(SPAC:特別買収目的会社)とのビジネスコンビネーション(合併)によって Nasdaq 上場を果たしました。これにより、上場時に約2億3000万ドル(Helixによる資金+PIPE)の資金を調達しています。

ティッカー:上場後、「MLTX」のティッカーで取引されています。

承認済み製品 / 現状

承認済み製品:なし(開発中)

主力候補:sonelokimab(IL-17A/F二重中和のNanobody®)— まずは化膿性汗腺炎(HS)での確証試験。

補足:乾癬性関節炎(PsA)、掌蹠膿疱症(PPP)、軸性脊椎関節炎(axSpA)、HS思春期などに横展開中。

主要臨床成績
≈800
HS P3(VELA-1/2)対象者規模
主要:HiSCR75/Week16

Q3 2025
VELA-1/2 トップライン予定

Mid-2026
HSでの BLA提出目標(米国)

$425.1M
手元資金(Q2 2025)/$500Mノンディリューティブ枠

臨床試験パイプライン
Phase 3
Sonelokimab(HS:成人)

対象:中等度〜重度 化膿性汗腺炎(成人)

試験:VELA-1 / VELA-2(無作為化・PBO対照)。主要はHiSCR75(Week16)。

規模:計 ≈800例
次:Q3 2025 トップライン → Mid-2026 BLA

Phase 3(PK/安全性)
VELA-TEEN(HS:思春期)

対象:12–17歳のHS

レジメン:120 mg 皮下 Q2W×6週 → Q4W

規模:約30–40例/主要は安全性・PK(24週)
進行:登録・投与進行中

Phase 2(完了)→P3計画
PsA(ARGO)

所見:P2 ARGOでACR50等で優越。FDA/EMAとP3移行前提で前向き合意。

次:P3デザイン/開始のアップデート(今後12か月)

Phase 2
PPP(LEDA)

指標:ppPASI%変化、ppPASI75 等(多施設、オープンラベル)。

次:H2以降にデータ更新見込み

Phase 2
axSpA(S-OLARIS)

所見:PET/MRIで炎症低下を評価。スクリーニング進行中。

次:登録進捗・初期所見の適時更新

パイプライン早見表
パイプライン 対象 臨床フェーズ 規制デザイン 安全性(AESI) 用法・用量 / 併用戦略 市場規模イメージ ポイント(市場評価)
sonelokimab — HS(成人) 中等度〜重度HS Phase 3(VELA-1/2) 無作為化・二重盲検・PBO対照/主要:HiSCR75(Week16)/Q3 2025 TL → Mid-2026 BLA カンジダ症(粘膜皮膚)、上気道感染、注射部位反応、IBD悪化の既往注意 120 mg SC(Q2W×6週 → Q4W維持) 大:生物学的製剤の競合は多いが未充足高 HiSCR75の高バーをクリアできるかが評価転換点
sonelokimab — HS(思春期) 12–17歳 Phase 3(PK/安全性単群) 小児PK・安全性でラベル拡張の基盤を整備 成人同様の感染症/AESIをモニタ 120 mg SC:Q2W→Q4W 中:成人適応に連動した拡張需要 同時期承認に向けた補完データ
sonelokimab — PsA 乾癬性関節炎 Phase 2陽性 → P3計画 規制当局とP3計画で前向き合意 感染症、好中球減少まれ、IBD既往注意 120 mg SC Q4W(導入期Q2W想定) 大:IL-17クラス内で差別化余地 P2のACR50優越再現が鍵
sonelokimab — PPP 掌蹠膿疱症 Phase 2(LEDA) 多施設OL;ppPASI中心の探索 感染症(特に皮膚/カンジダ) 120 mg SC Q4W(導入期あり) 中:ニッチだが重症例の未充足 応答スピードと持続が注目
sonelokimab — axSpA 軸性脊椎関節炎 Phase 2(S-OLARIS) PET/MRIでの炎症指標を探索 感染症、IBD既往注意 120 mg SC Q4W(導入期あり) 大:クラス競争激しいが需要厚い バイオマーカー一貫性が次相判断に重要

ポイント
  • 核心はHSのP3(VELA-1/2):主要指標はHiSCR75(Week16)。Q3 2025トップライン→Mid-2026 BLAで商業化ロードが明瞭。
  • 横展開で価値最大化:PsAはP3準備段階、PPP/axSpA/思春期HSが追随。クラスAESI(カンジダ/感染症・IBD既往)の管理が鍵。
  • 資金余力:現金$425.1M最大$500Mのノンディリューティブ枠で後期開発〜初期商業化をカバー。

開発ロードマップ
2025年Q3

VELA-1 / VELA-2 トップライン

HS成人P3の主要評価(HiSCR75/Week16)読出し。結果はBLA時期と商業化に直結。

2025年Q4

主要学会での詳細発表

サブ解析・安全性の全体像を公表予定。

2026年Mid

HSでのBLA提出

FDAへBLA提出(米国)。並行してEUも規制当局と議論継続。

今後12か月

PsA P3計画の進展/PPP・axSpA・VELA-TEEN

PsAはP3デザイン開示〜開始、PPP/axSpAはP2アップデート、思春期HSはPK/安全性の確立。

注目すべきカタリスト
短期(〜2025年Q4)
HS P3 トップライン(Q3 2025)→ 学会発表(Q4 2025)。

中期(〜2026年Mid)
HSのBLA提出、PsAのP3開始アップデート。

長期(2026年以降)
承認審査の進展、HS小児拡張、PsA/PPP/axSpAの確証データ。