
カリフォルニア州サンディエゴに本社を置く LENZ Therapeutics は、老視の治療薬として FDA により承認された、アセクリジン系としては初かつ唯一の点眼薬「VIZZ™(アセクリジン点眼液)1.44%」の商業化に注力する製薬企業です。
老視は世界で推定18億人、米国で1億2,800万人に影響を及ぼしています。LENZ は米国内で「VIZZ」を展開する一方、国際的なライセンス提携を継続的に拡大し、世界各地での「VIZZ」へのアクセス提供を進めています。
承認済み製品:あり(米国)
主力候補:VIZZ™(aceclidine 1.44%)— 老視(presbyopia)治療用点眼。2025/07/31 FDA承認、1日1回投与・最大10時間の有効性を特長。
補足:米国はQ4 2025に広域流通・本格販売開始予定(10月サンプル配布開始)。海外は中国でNMPAへNDA提出(2025/07/28)済、その他地域で導出・申請準備。
対象:30–60代中心の老視患者(近見視力改善)
作用:ムスカリン作動(瞳孔選択的縮瞳)により被写界深度を拡大
対象:老視(併用配合での持続/充血抑制の最適化検証)
作用:ムスカリン作動+α2作動の配合コンセプト
対象:老視(中国本土)
作用:aceclidine 単剤(1.44%想定)
| パイプライン | 対象 | 臨床フェーズ | 規制デザイン | 安全性(AESI) | 用法・用量 / 併用戦略 | 市場規模イメージ | ポイント(市場評価) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| VIZZ(LNZ100:aceclidine単剤) | 老視(近見視力改善) | Commercial(米国承認済) | 米:NDA承認(2025/07/31)。中:NDA審査中 | 頭痛、眼充血、霧視 など(多くは軽中等度) | 1日1回投与。実臨床で日内持続/夜間視の最適化を検討 | 大:老視対象人口は極めて広い | “アセクリジン×長時間作用”で差別化。 初期KPI(採用・リフィル)に注目 |
| LNZ101(aceclidine+brimonidine) | 老視 | Phase 3(安全性) | 追加安全性/RWE補完を中心に設計 | α2作動に伴う局所反応(充血/灼熱)などを監視 | 配合の価値検証(充血抑制/持続最適化の可能性) | 中:差別化が成立すれば上積み | 商用中核はLNZ100。 補完的ポジション |
| LNZ100(中国) | 老視(中国) | Regulatory(NDA審査) | 中国P3陽性→NDA提出(2025/07) | 米国と同様のクラスAESIを想定 | 現地パートナー経由の販売体制を想定 | 大:アジアの老視市場 | 導出で前払・マイル・ロイヤルティの収益化 |
- 商業化ドリブン:米国でQ4 2025本格販売、営業チーム88名で立ち上げ。
- 差別化:先行のpilocarpine系(Vuity/Qlosi)に対し、1日1回×長時間作用で使用性向上を訴求。
- 資金余力:Q1 2025時点で$194.1Mの現金等。発売初期のDTC/医師教育に投下可能。
Phase 2「INSIGHT」トップライン
LNZ100(アセクリジン単剤)およびLNZ101(アセクリジン+ブリモニジン)が主要評価達成。
10時間までの有効性シグナルを含むポジティブ結果でP3移行を後押し。
登録用P3群「CLARITY」完了
P3は6週有効性試験×2(CLARITY 1/2)+6か月安全性試験(CLARITY 3)で構成。
プログラムは3月に完了し、NDA準備段階へ。
P3「CLARITY」トップライン
4月にLNZ100が主要/副次評価を達成。LNZ101は非劣性相当の成績もLNZ100の優越性なし。
リードをLNZ100に一本化。
NDA提出(米国)
8/12にLNZ100のNDAをFDAへ提出。根拠はP3 CLARITY群のポジティブデータ。
NDA受理・PDUFA設定
10/21にFDAが受理。PDUFA目標日は2025/08/08、諮問委員会開催予定なし。
ミッドサイクル・レビュー完了
1月にミッドサイクルを完了し「重大なレビュ―イシューなし」。
レイトサイクルは5月下旬へ前倒し設定。
レイトサイクル・レビュー
5月下旬にレイトサイクル実施。承認可否の最終局面へ。
「VIZZ」米FDA承認
7/31に承認(アセクリジン1.44%)。1日1回、最大10時間の有効性をラベルで訴求。
10月サンプル配布→Q4全国流通の商用計画へ移行。
「VIZZ」米FDA承認
CLARITY(P3×2)を根拠にNDA承認。販売準備を加速。
米国ローンチ
10月サンプル配布→Q4全国流通・初期売上。採用/リフィルのKPI開示開始。
保険カバレッジ拡大・RWE蓄積
処方継続率・日内持続の実臨床データを学会/IRで発信。
中国NDA審査・国際導出
当局審査の進捗を適時更新。追加地域の導出を継続。
米国ローンチKPI(採用、在庫消化、リフィル)/販促のROI可視化
保険カバレッジ拡大、RWEでの有効持続・忍容性の再現性、地域導出の追加
海外承認・上市の展開、ライフサイクル(配合/剤形最適化)
