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【LBPH】Longboard Pharmaceuticals、IPO から買収されるまで

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【LBPH】Longboard Pharmaceuticals、IPO から買収されるまで

Lundbeck による Longboard 買収の詳細

2024年10月14日、両社取締役会が全会一致で承認。1株あたり $60 の全額現金(直前終値 $38.90 に対し約54%プレミアム)。株式価値 $2.6B(手元資金控除後で $2.5B)。2024年12月2日完了時点で Longboard は Lundbeck の完全子会社に。

中枢神経(CNS)× 希少領域の強化、Lundbeck の「Focused Innovator」戦略に合致。Longboard の「bexicaserin(LP352)」で DEE(発達性てんかん性脳症)のパイプラインを獲得。

「LP352」は P1b/2a 成功と 2024/7 の BTD 取得を経て、グローバルP3計画段階にあり、M&Aの主要動機に。

承認済み製品 / 現状

承認済み製品:なし(開発中)

主力候補:LP352(bexicaserin, 5-HT2C スーパーアゴニスト)— 発達性てんかん性脳症(DEE;Dravet/LGS 等)を対象。Phase 1b/2a 完了Q3 2024Breakthrough Therapy 指定取得、Q4 2024にグローバル Phase 3 開始計画。

補足:LP659(S1P1,5 作動;Phase 1(SAD→MAD準備))、LP143(CB2 フルアゴニスト;前臨床)。

主要臨床成績
Q1 2024
LP352 PACIFIC(P1b/2a)トップライン:有効性/安全性シグナル良好

Q3 2024
LP352:FDA BTD 取得(DEE)

Q4 2024
LP352:グローバル P3 開始計画

Q4 2024
Lundbeck による買収クローズ(12/2)

臨床試験パイプライン
Phase 1b/2a(完了)→ Phase 3 準備
LP352(bexicaserin, DEE)

対象:発達性てんかん性脳症(Dravet/LGS などを含む)

作用:選択的 5-HT2C スーパーアゴニスト(経口)

進捗:PACIFIC(P1b/2a)で有効性/安全性シグナル良好、OLE でも発作減少を継続
規制:Q3 2024 に BTD(DEE)取得
次読出し:Q4 2024 グローバル P3 開始計画(買収により親会社へ移管)

Phase 1(SAD→MAD 準備)
LP659(中枢炎症性疾患)

対象:中枢神経の炎症性疾患(適応探索)

作用:S1P1,5 作動(中枢移行を最適化)

進捗:Q4 2023 に FiH(健常者 SAD)開始、2024 前半に初期所見共有
次ステップ:当局協議に基づき MAD/適応拡張へ

前臨床
LP143(CB2, 神経変性×炎症)

対象:神経変性疾患に伴う神経炎症(ALS 等を当初想定)

作用:CB2 フルアゴニスト(経口)

進捗:IND-enabling 完了報告後も追加前臨床を検討、優先度は低下
次ステップ:ポートフォリオ再優先付けの結果待ち(買収後)

非中枢 CB1 回避により中枢系AESIの低減を志向

パイプライン早見表
パイプライン 対象 臨床フェーズ 規制デザイン 安全性(AESI) 用法・用量 / 併用戦略 市場規模イメージ ポイント(市場評価)
LP352(5-HT2C スーパーアゴニスト) DEE(Dravet/LGS など) Phase 1b/2a 完了 → P3 準備 BTD(Q3 2024)取得済、グローバル P3 設計へ クラス留意:食欲低下、悪心、頭痛など。5-HT2B/2A 作用は最小化設計 経口単剤+既存抗てんかん薬との併用前提 中〜大:てんかん重症サブセグメント 有効性シグナル明瞭・BTDで開発加速。買収の主要ドライバー
LP659(S1P1,5 作動) 中枢神経の炎症性疾患 Phase 1(SAD→MAD) FiH 単施設→多施設展開を想定 クラス留意:心拍数低下、肝酵素、感染症(免疫関連) 経口単剤。長期は既存免疫調整薬との併用最適化 大:中枢免疫炎症領域 中枢移行設計で差別化。MAD以降のPoCが価値分岐
LP143(CB2 フルアゴニスト) 神経変性×炎症 前臨床 IND-enabling 完了後も追加検証。買収後の再評価対象 クラス留意:CB2 選択性により中枢精神系AEは相対的に低リスク 経口単剤。炎症制御の併用仮説を検討 中:適応定義次第 優先度は低下していたが、プラットフォーム価値の一部

ポイント
  • コア価値は LP352:P1b/2a 良好 → Q3 2024 BTD → Q4 2024 P3 計画。
  • パイプライン集中:LP659 を臨床へ、LP143 は前臨床に据え置き。
  • M&A:Q4 2024 に Lundbeck が買収完了(12/2)。以降の開発ロードマップは親会社へ移管。

開発ロードマップ
2021年Q1

NASDAQ 上場(IPO)

LP352 は Phase 1(SAD 完了/MAD 進行中)でスタート。

2022年Q1–Q2

LP352:PACIFIC(P1b/2a)開始

成人 DEE 対象。年内に追加 P1(PK/PD)も公表。

2023年Q3–Q4

PACIFIC 登録完了(Q3)/LP659 FiH 開始(Q4)

LP659 は健常者 SAD を開始、初期所見は 2024 前半に共有。

2024年Q1

LP352:PACIFIC トップライン良好

有効性/安全性シグナルを確認。OLE でも発作減少の継続傾向。

2024年Q3

LP352:BTD 取得

DEE を対象に FDA より Breakthrough Therapy Designation。

2024年Q4

LP352:P3 開始計画/買収クローズ

グローバル P3 着手の会社方針を維持したまま、12/2 に Lundbeck による買収が完了。

注目すべきカタリスト
短期(〜2024年Q4)
LP352:P3 開始計画/BTD に基づく当局対話の進展

中期(買収後)
親会社(Lundbeck)下での P3 実装・地域展開、LP659 の MAD/適応拡張

長期
LP352 のピボタル読出し → 承認戦略(AA 含む検討)、LP143 の再優先付け