HOME > 臨床バイオ

【KRRO】Korro Bio カタリストとロードマップ

【記事には広告を含む場合があります】

【KRRO】Korro Bio カタリストとロードマップ

ハイライト

2025年11月12日:FY2025 Q3 決算と事業アップデートを発表。KRRO-110(AATD)で機能性タンパク(M-AAT)産生は確認した一方、単回投与で保護閾値(11µM)に未達のため、AATDはGalNAc 皮下(肝臓標的)へ開発軸を移行。KRRO-121(高アンモニア血症)を次の開発候補として推進。

2025年11月:KRRO-121(UCD/HE向け)の概要を開示。de novo タンパク変異体を作り経路活性化を狙う設計で、規制当局提出(FIH開始のための申請)を2026年後半に想定

2025年11月:Novo Nordiskとの cardiometabolic 共同研究は12か月の一時停止(初期ターゲットの妥当性再評価)。

2025年Q3末(2025/9/30):現金等は約$102.5M。戦略的リストラクチャリング等で運転資金は2027年後半までを想定。

承認済み製品 / 現状

承認済み製品:なし(開発中)

主力:KRRO-110 — AATD向け RNA編集(OPERA®)。ただし単回投与で狙い水準に未達のため、AATDはGalNAc 皮下送達へ方針転換。

補足:次の開発エンジンとして KRRO-121(高アンモニア血症:UCD/HE)を前面に。Novo Nordisk 共同研究は一時停止中。

主要臨床成績
2025年Q4
KRRO-110(AATD)最新アップデートの市場消化(単回未達→GalNAcへ)

2026年Q1–Q2
AATD(GalNAc版)開発候補(DC)指名 予定

2026年Q3–Q4
KRRO-121:FIH開始に向けた規制当局提出(申請)予定

2027年Q3–Q4 目安
運転資金の目処(2025/9末時点の会社想定)

臨床試験パイプライン
Phase 1/2a
KRRO-110(AATD|REWRITE)

対象:α1アンチトリプシン欠乏症(PiZZ患者など)

作用:OPERA® による RNA編集(「Z→M」方向のタンパク修復を狙い、機能性 M-AAT 産生)

進捗:患者で機能性 M-AAT を検出(ヒトPoC示唆)
課題:単回投与で保護閾値(11µM)に未達。追加SAD(患者)予定なし。次ステップ(MAD継続等)は評価中
次の焦点:AATDはGalNAc 皮下送達へ移行(新DC指名へ)

前臨床(候補選定中)
AATD(GalNAc版)

対象:AATD(肝臓標的)

作用:GalNAc 皮下送達により肝臓へ送達し、RNA編集で機能性タンパク回復を狙う(再設計)

進捗:開発方針を LNP→GalNAc へ転換
DC指名:2026年Q1–Q2 予定
臨床入り:2027年 目線(会社コメント)

前臨床(DC指名済み)
KRRO-121(高アンモニア血症)

対象:高アンモニア血症(UCD/肝性脳症:HE)

作用:GalNAc 皮下・RNA編集でde novo タンパク変異体を作り、経路を活性化(protein repair 以外への拡張)

次の節目:FIH開始に向けた規制当局提出(申請)
時期:2026年Q3–Q4 予定
狙い:変異背景に依存しにくい設計で、UCD/HEのアンモニア危機を予防/軽減

肝臓標的 GalNAc の第1弾としてポートフォリオ拡張の軸

パイプライン早見表
パイプライン 対象 臨床フェーズ 規制デザイン 安全性(AESI) 用法・用量 / 併用戦略 市場規模イメージ ポイント(市場評価)
KRRO-110(OPERA® RNA編集) AATD(PiZZ患者など) Phase 1/2a(REWRITE) 初期探索型 P1/2a(HV→患者) 遺伝子医薬としての肝機能・免疫反応・注入関連反応などを重点監視(送達/用量の最適化が論点) LNP送達を起点に検証 → 現状はAATDをGalNAc皮下へ移行 中:希少疾患(AAT補充に代表される既存市場) ヒトで機能性タンパク産生は確認。ただし単回で狙い水準に未達のため、次はGalNAcで“量”を取りにいく局面
AATD(GalNAc版) AATD 前臨床(候補選定中) 前IND準備(2026年Q1–Q2 DC指名 → 2027年 臨床入り目線) GalNAc皮下の肝臓標的:肝毒性、免疫反応、オフターゲット編集等を非臨床で精査 皮下注(GalNAc)想定。単剤でタンパク回復の“量”と“持続性”を狙う 中:希少疾患(肝/肺合併の病態) “再設計”の成否がKRROの再レーティング条件。
DC指名:2026年Q1–Q2
KRRO-121(GalNAc・de novoタンパク変異体) 高アンモニア血症(UCD/HE) 前臨床(DC指名済み) FIH開始に向けた規制当局提出(申請)を2026年Q3–Q4に想定 肝臓標的に伴う肝機能、免疫反応、編集特異性(オフターゲット)などを重点監視 皮下注(GalNAc)想定。危機(hyperammonemia crisis)予防/軽減を狙う 中:希少〜準希少(病態の重篤性が高い) “次の臨床入りカタリスト”の中心。AATD再設計と並行して評価軸を分散
肝臓標的の追加 GalNAc プログラム(名称未開示) cardiometabolic 等 前臨床 探索〜前IND(詳細は限定的) 適応に応じた安全性プロファイルを設計段階から最適化 皮下(GalNAc)を基本想定 中〜大:領域次第(詳細未開示) “どこに打つか”が見えてくるまで評価は保留になりやすい
Novo Nordisk 共同研究(OPERA活用) cardiometabolic 研究段階(共同研究) 共同研究(第1ターゲット妥当性を再評価) 研究段階 研究段階 大:cardiometabolic 12か月一時停止のため、再開/整理のアナウンスが次の材料

ポイント
  • 戦略の転換点:KRRO-110で“編集→機能性タンパク産生”のヒト示唆は得た一方、量が足りないという課題が顕在化。AATDはGalNAc皮下へ軸足を移す局面。
  • パイプライン再構築:AATD(GalNAc版)の再設計と並行して、KRRO-121(UCD/HE)で“次の臨床入り”を作る二本立て。
  • 財務:2025/9末時点の現金等は約$102.5M。リストラクチャリング等で2027年後半までのランウェイを想定。
  • 提携の温度感:Novo Nordisk 共同研究の一時停止は短期材料としては逆風だが、再開/整理の発表はポジティブにもネガにも振れやすい。

ファンドのポジション

公開情報(13D/G・13Fベース)では、Atlas VentureNEAなどのVC系、Point72Cormorant等のバイオ系/マルチストラテジー、加えて大手パッシブ(例:Vanguard/BlackRock)を含む幅広い機関保有が確認されます。

特に、DCM(Dimensional)は2025年9月末時点で7.16%を保有する旨が13G/Aで確認できます。こうした“指数/準指数”寄りの保有が厚いと、短期的にはイベントで値動きが大きくなりやすい一方、資金調達局面では需給の受け皿にもなりやすい、という見方もできます。

現状のマーケットの焦点は「KRRO-110の延長」ではなく、AATD(GalNAc版)のDC指名(2026年Q1–Q2)と、KRRO-121の規制当局提出(2026年Q3–Q4)が“次の株価トリガー”として機関のリスク許容度を左右する局面です。

開発ロードマップ
完了:2025年Q3

FY2025 Q3 期末(現金等:$102.5M)

リストラクチャリング等で運転資金の目処を2027年後半へ。

完了:2025年Q4

KRRO-110(AATD)アップデート → AATDをGalNAcへピボット

機能性タンパク産生は確認した一方、単回投与で保護閾値に未達。AATDはGalNAc皮下で再設計へ。

2026年Q1–Q2

AATD(GalNAc版)開発候補(DC)指名

肝臓標的・皮下注送達を前提に、新たなAATD候補を指名し次フェーズへ。

2026年Q3–Q4

KRRO-121:FIH開始に向けた規制当局提出(申請)

高アンモニア血症(UCD/HE)で臨床入りの節目。提出後はFIH開始時期が次の焦点に。

2027年(時期未確定)

AATD(GalNAc版)臨床入り

会社コメント上は2027年目線。臨床入りのタイミングと初期PK/PDが再評価の鍵。

注目すべきカタリスト
短期(〜2026年Q2)
AATD(GalNAc版)DC 指名、Novo共同研究の再開/整理に関するアップデート

中期(2026年Q3–Q4)
KRRO-121:FIH開始に向けた規制当局提出(申請)→ その後のFIH開始時期の明確化

長期(2027年〜)
AATD(GalNAc版)の臨床入りと、初期ヒトPK/PD(“量”と“持続性”)の検証