
2025年12月18日:公募増資がクローズ($184M、アンダーライターOPフル行使を含む)。臨床後期3資産のデータ年(2026年)に向けた資金余力を強化。
2025年12月16日:アップサイズ公募増資をプライシング($23/株、総額約$160M、主幹事:J.P. Morgan / Jefferies / Evercore ISI / UBS)。
2025年11月13日:DAYBREAK(wet AMD)でtarcocimabとKSI-501の両アームが登録完了(約690例)。48週主要評価の最終来院は2026年8月見込み。
2025年3月10日:GLOW2(DR)の登録完了を発表。DRの2本目レジ試験として、Toplineは2026年1Q見込み。
承認済み製品:なし(開発中)
会社の軸:「retina(網膜)特化」— 3つのlate-stage資産(tarcocimab / KSI-501 / KSI-101)を並走させ、2026年に連続Toplineを迎える設計。
補足:早期パイプラインとして、眼炎症向けのKSI-102(anti-TNFα/IL-6)・KSI-103(anti-IL-1/IL-6)(pre-IND)や、glaucoma / geographic atrophy向け “retina duet” を研究開発中。
対象:DR(糖尿病網膜症)/ wet AMD(滲出型加齢黄斑変性)
作用:抗VEGF(持続性を狙うABC®プラットフォーム)
対象:wet AMD
作用:VEGF と IL-6 の二重機序(“デュエット”)
対象:MESI(炎症性の黄斑浮腫:macular edema secondary to inflammation)
作用:局所IL-6阻害にVEGF阻害を重ねる二重機序(眼内投与)
| パイプライン | 対象 | 臨床フェーズ | 規制デザイン | 安全性(AESI) | 用法・用量 / 併用戦略 | 市場規模イメージ | ポイント(市場評価) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| tarcocimab(KSI-301) | DR(糖尿病網膜症) | Phase 3(GLOW2) | ピボタル(superiority)。GLOW1設計を踏襲しつつ、ローディング追加で柔軟性を高めた設計 | 眼内注射のクラスAESI(眼内炎症、眼圧、硝子体出血等)を重点監視 | ローディング後に延長投与間隔を狙う(“耐久性”が価値の中心) | 大:DRは患者数が大きい | 2026年1Q Toplineで「同社の2026年の最初の山」 |
| tarcocimab(KSI-301) | wet AMD | Phase 3(DAYBREAK) | aflibercept対照の非劣性(non-inferiority)+耐久性評価 | 眼内注射AESI+抗VEGFクラスの安全性(眼内炎症/眼圧/脈絡膜新生血管関連)を監視 | 4回ローディング後、4〜24週の個別化投与(as-needed)を評価 | 大:競合が最も激しい主戦場 | 2026年3Q Topline。BLAパッケージの“核”になりやすい |
| KSI-501(VEGF×IL-6) | wet AMD | Phase 3(DAYBREAK) | tarcocimabと並走の比較設計(対照:aflibercept) | IL-6阻害に伴う局所安全性(炎症/感染/眼圧など)を臨床で確認 | 単剤での差別化(有効性×耐久性)→ 将来の併用余地は二次的(まずはポジション確立) | 大:wet AMD | “デュアル機序”が臨床的ベネフィットに転換できるかが見どころ |
| KSI-101(IL-6阻害+VEGF阻害) | MESI(炎症性の黄斑浮腫) | Phase 1b(APEX)→ Phase 3(PEAK/PINNACLE) | APEXで用量・効果持続を確認し、PEAK/PINNACLEでピボタル検証 | IL-6経路+眼内投与の安全性(炎症/眼圧/感染等)を重点監視 | 上位用量(5mg/10mg)を後期で評価。疾患活動性(IRF/SRF)を指標に“乾き”を取りに行く | 中:専門性が高いが未充足が大きい領域 | 2026年2月7日(APEX Week24)→ 2026年4Q / 2027年1QのToplineへ |
| KSI-102 / KSI-103 | 眼炎症(TNFα/IL-6、IL-1/IL-6) | pre-IND | 前臨床〜IND準備 | サイトカイン二重標的に伴う局所・全身の安全性を非臨床で精査 | 適応選定・投与レジメン設計は今後(プラットフォーム展開枠) | 中 | late-stageの価値が立つほど、早期パイプラインのオプション価値が乗りやすい |
| “retina duet” プログラム | glaucoma / geographic atrophy | 研究〜前臨床 | 探索段階 | 適応によりAESIが大きく異なるため、疾患別に精査 | ABC®基盤での組み合わせ設計 | 中〜大 | 主戦場(VEGF領域)の外側に“次の柱”を作れるか |
| VETi(Digital Health) | 眼科×AI/ML(ウェアラブル) | 開発 | 医療機器/ソフト領域の開発(適応・規制ルートは用途次第) | 機器安全性・データ/プライバシーを含む運用面のリスク | 網膜フランチャイズの周辺価値(診断/フォロー/商用基盤)を強化する発想 | 評価困難(オプション) | バリュエーションに織り込まれにくい“別レイヤー”の種 |
- 2026年が“連続データ年”:2026年1Q→2月→3Q→4Qと、評価イベントが詰まっている(GLOW2 / APEX / DAYBREAK / PEAK)。
- 最大の分水嶺はDAYBREAK:競争が最も激しいwet AMDで、非劣性を取りながら“耐久性(投与間隔)”をどこまで示せるかが市場ポジションを決める。
- BLA戦略(パッケージング):会社は(過去コメントとして)DAYBREAK Toplineを待ち、wet AMD・DR・RVOをまとめた単一BLAを視野に入れてきた経緯がある(タイムライン表現はアップデートで変わり得る点に注意)。
- 資金面:2025年12月の増資で、後期3資産の“データ取り切り”に向けた資金余力を厚くした。
ここは「誰が持っているか」自体よりも、どういう資金の性格かが重要です。KODは直近で公募増資を実施しており、
後期データ取り切りのための資金確保という意味合いが強い一方、短期筋/イベントドリブンも入りやすくなります。
見る観点としては、(1) レジ前〜Topline前に増える“イベント・アービトラージ/ヘッジ系”の比率、(2) 長期で構える“専門領域ロングオンリー”の継続保有、
(3) 13G/集中化(5%超)の出現や変化、の3点をセットで追うのが実務的です。
tarcocimab:GLOW2(DR)登録完了
DRの2本目レジ試験として登録完了。Toplineは2026年1Q見込み。
DAYBREAK(wet AMD)登録完了(tarcocimab / KSI-501)
約690例。48週主要評価の最終来院は2026年8月見込み。
公募増資の実施(資金余力の強化)
アップサイズ公募増資($23/株)→ クローズ(アンダーライターOPフル行使を含む)で臨床後期の実行力を補強。
tarcocimab:GLOW2(DR)Topline
2026年の最初の大型データ。以降の評価の“地盤”になりやすい。
KSI-101:APEX(MESI)Week 24 データ
学会(Angiogenesis, Exudation, and Degeneration 2026)で提示予定。
DAYBREAK(wet AMD)Topline(tarcocimab / KSI-501)
競争領域の“勝ち方”が問われる。BLA設計にも影響し得る中核イベント。
KSI-101:PEAK(MESI)Topline
MESIでの後期検証(1本目)。
KSI-101:PINNACLE(MESI)Topline
MESIでの後期検証(2本目)。データ再現性の最終確認フェーズ。
GLOW2(DR)Topline、公募増資後の開発アップデート
APEX Week24(KSI-101)、DAYBREAK(wet AMD)Topline(tarcocimab / KSI-501)
PEAK/PINNACLE(MESI)Topline、KSI-501追加Phase 3の進捗、pre-IND群(KSI-102/103)のIND移行
