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【IVA】Inventiva S.A. のカタリストとロードマップ

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【IVA】Inventiva S.A. のカタリストとロードマップ

MASH 領域で先行する Madrigal のFDA承認された「Rezdiffra」の後を追うのが、Inventiva が開発中 (Phase 3(NATiV3)の最中) の経口薬「Lanifibranor」です。

「Lanifibranor」はPPARアゴニストとして「代謝・炎症・線維化」の包括的モジュレーションが強み。臨床データでは肝脂肪やインスリン抵抗性、線維化など多面的な改善が報告されています。

Madrigal の「Rezdiffra」は既にFDAおよび欧州で承認されており市場に投入された唯一の治療薬で圧倒的に優位です。更に同社は、そこに経口型GLP‑1アゴニストを追加して、体重減少+線維化改善の相乗効果を得る戦略が進行中です。

しかし中長期(2028年以降)であれば、ここからはもしもになりますが、「Lanifibranor」が “線維化改善+代謝改善” の両立を強力データで示せれば、差別化されブロックバスター級の競争力を持つ可能性もあります。

しかしその前に、資金繰りの問題もあると思います。

承認済み製品 / 現状

承認済み製品:なし(開発中)

主力候補:Lanifibranor(経口 pan-PPAR 作動薬)— MASH/NASH を対象。

補足:Odiparcil(MPS VI)は P2a 実績あり。直近は lanifibranor に経営リソースを集中。

主要臨床成績
1,009
NATiV3 登録(主要コホート)
登録完了

410
NATiV3 登録(探索コホート)
登録完了

H2 2026
NATiV3 トップライン 予定

BTD / FT
FDA ブレイクスルー / ファストトラック(lanifibranor)

臨床試験パイプライン
Phase 3
Lanifibranor(MASH/NASH)— NATiV3

対象:生検確定 MASH(F2/F3)

投与:800mg / 1200mg 1日1回、72週、プラセボ対照

主要評価項目:MASH消失、線維化≥1段階改善(組織学)
登録状況:主要1,009例・探索410例 登録完了
実施国:約25か国・350超サイト

Phase 1
Lanifibranor(日本 P1 ブリッジ)

対象:日本人被験者(PK/PD)

所見:初回投与完了、結果に応じて日本 P3 準備

提携:Hepalys と共同
次ステップ:NATiV3 反映の国内P3 検討

国内展開準備

Phase 2a(完了)
Odiparcil(MPS VI)

対象:マルソー‐ラミー症候群(成人)

所見:iMProveS P2a で肯定的所見(2019)

FDA指定:オーファン(2017)/ Fast Track(2020)
現在:優先度は lanifibranor に集中

レガシー資産

パイプライン早見表
パイプライン 対象 臨床フェーズ FDA評価 市場規模イメージ 市場評価
Lanifibranor(経口 pan-PPAR) MASH/NASH(F2/F3) Phase 3(NATiV3) Breakthrough Therapy / Fast Track 特大:肥満・代謝疾患と関連し高成長 主要1,009例・探索410例登録完了。H2 2026 トップライン予定。陽性なら迅速申請へ。
Lanifibranor(日本ブリッジ) MASH/NASH(日本人) Phase 1 大:国内未承認ニーズ高 Hepalys と P1 実施中。NATiV3 結果に連動して国内 P3 を検討。
Odiparcil MPS VI(マルソー‐ラミー症候群) Phase 2a(完了) Orphan / Fast Track 希少:高単価ニッチ P2a 好結果。直近は資源配分の観点から優先度低め。

ポイント

Inventiva は 2025年、lanifibranor に経営資源を集中(前臨床プログラムは一時停止)。NATiV3 は多国籍・大規模設計で、MASH 消失や線維化改善など組織学的エンドポイント達成を狙う。中国(CTTQ)からは 2025/7 に $10M マイルストン受領。日本では Hepalys と P1 を進行中。資金面では 2024 年に最大 €348M のストラクチャード・ファイナンスを組成し、主要マイルストン連動でトランシェ実行を計画。

開発ロードマップ
進行中:2025年

NATiV3 追跡・評価継続 / 登録完了

主要 1,009・探索 410 の登録を完了。各評価ウィンドウ消化、品質レビュー。

2025年〜2026年前半

日本 P1 ブリッジ完了 / 中国開発の継続

日本 PK/PD の読出し → 国内 P3 準備可否判断。中国は NATiV3 参加継続・追加マイルストン機会。

2026年 後半

NATiV3 トップライン

主要解析のトップラインを公表予定。結果が陽性であれば FDA Accelerated Approval / EMA 条件付承認の申請準備へ。

ポスト-2026

規制申請・承認審査

当局審査・商用準備(製造スケール、マーケティング、ペイヤー交渉)。

注目すべきカタリスト
短期(〜2025年)
NATiV3 実行マイルストンの進捗、データ品質レビュー、資金トランシェ条件の達成

中期(2026年上期)
日本 P1 読出し → 国内 P3 可否、CTTQ との中国側開発マイルストン

中長期(2026年下期〜)
NATiV3 トップライン(H2 2026) → 規制申請の可否判断