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【IMRX】Immuneering カタリストとロードマップ

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【IMRX】Immuneering カタリストとロードマップ

ポイント

・atebimetinib(IMM-1-104)
主力の「atebimetinib(IMM-1-104)」は、新規のデュアルMEK阻害薬として独自の作用機序を持つ。目標は、この薬を単剤または併用で用いて、MAPK経路に駆動される多様ながんを標的化することです。

この薬のユニークさは、深いサイクリックな阻害を誘導し、腫瘍を時間をかけて着実に縮小させられる点にあります。これは、持続的な作用を持つ他のMAPK駆動腫瘍向け薬とは対照的で、後者は腫瘍をより速く縮小させられる一方で耐性が生じやすい。

・重要な共同研究契約
IMRX は、Regeneron(REGN)や Eli Lilly(LLY)と、「atebimetinib」を用いた臨床試験での重要な共同研究契約を結んでいます。これにより、進行非小細胞肺がん(NSCLC)、あるいは局所進行または転移性のKRAS G12C変異NSCLC患者を対象に、併用療法の評価が可能になります。

・atebimetinib+mGnP(ゲムシタビン/ナブパクリタキセル)
一次治療の膵がん患者を対象に、「atebimetinib+mGnP(ゲムシタビン/ナブパクリタキセル)」の Ph2a で良好な結果を発表。同社は、この併用を受けた患者の9か月全生存率(OS)が86%に達しました。これは、標準治療のみを受けた患者の全生存率47% と比べて極めて重要な差です。

このような数値と、「atebimetinib」が他クラスの薬剤と幅広く併用できるという点を踏まえると、IMRX はM&Aの好対象にもなり得るという見解があります。

インサイダー買い

取締役 Peter Feinberg 氏 (Boxcar Partners の創業メンバー、Sporos Bioventures の創業者。以前は Oppenheimer & Co. の機関投資部門でMD/Head of Institutional Equities Trading を務めた金融出身の投資家) が、2025年9月24日の Ph2a 後2025年9月末〜10月初にかけてオープンマーケットで連続買いを行い、直接+間接保有で100万株超という見立てもあります。

承認済み製品 / 現状

承認済み製品:なし(開発中)

主力候補:atebimetinib(IMM-1-104|MEK阻害・DCI)— 膵がん一次治療(mGnP/mFFX 併用)で生存シグナルを更新(9か月OS 86% など)。

補足:IMM-6-415(RAS/RAF変異・MAPK経路をDCIで制御、Ph1/2a)、Libtayo®(セミプリマブ)併用評価に向けた臨床サプライ契約あり。(参考:IR/PR)

主要臨床成績
Q4 2025
atebimetinib 詳細解析アップデート(追跡OS/DoR など)

Q1–Q2 2026
mGnP/mFFX 各アームの追跡更新(OSカーブ・安全性)

Q2–Q4 2026
レジストレーショナル戦略の言及(比較 or 単群拡大の選択)

Q3 2025
$175M 公募+$25M 私募の資金調達完了(9/24/2025)

臨床試験パイプライン
Phase 2a
atebimetinib(IMM-1-104)+化学療法(膵がん一次治療)

対象:切除不能/転移性膵がん一次治療(mGnP、mFFX)

作用:MEKを Deep Cyclic Inhibition(DCI)で深く当てて素早く抜く設計

進捗:9か月OS 86%(mGnP)。mFFX アームで ORR 50%(3/6:初期)を報告
安全性/PD:DCIにより正常組織の回復時間を確保し耐容性を向上する狙い
次読出し:Q4 2025 追跡OS/DoR の詳細更新

Phase 1/2a
IMM-6-415(RAS/RAF変異・固形腫瘍)

対象:RAS/RAF 変異を有する進行固形腫瘍(腫瘍横断)

作用:MAPK 経路を DCI で制御(加速カデンス)

進捗:2024/3 初回投与済。用量漸増→拡大型へ移行準備
初回有効性:変異別の ORR/DCR、初期シグナルの更新を予定
次読出し:Q4 2025–Q2 2026 で段階的にアップデート

Phase 2a(探索併用)
atebimetinib + 抗PD-1(Libtayo® 供給)

対象:膵がん等を想定した IO 併用コホート(組入れ状況に依存)

作用:DCI により免疫併用の耐容性・有効性の窓を拡げる仮説

進捗:Regeneron と臨床サプライ契約を締結(2025/2)
評価:安全性・奏効持続・併用最適化を探索
次読出し:Q1–Q2 2026 初期所見の可能性

適応別の前向き設計(P2/レジ)を検討

パイプライン早見表
パイプライン 対象 臨床フェーズ 規制デザイン 安全性(AESI) 用法・用量 / 併用戦略 市場規模イメージ ポイント(市場評価)
atebimetinib + mGnP 膵がん一次治療 Phase 2a 多アーム探索(生存/奏効の最適化) DCI 由来の皮膚/消化器/眼科的事象の監視 mGnP 併用(標準療法上乗せ) 大:膵がん一次(高未充足) 9か月OS86%を提示。
Q4 2025 詳細解析
atebimetinib + mFFX 膵がん一次治療 Phase 2a 多アーム探索(レジメン別最適化) FOLFIRINOX 併用による骨髄抑制等を監視 mFFX 併用 大:膵がん一次 初期 ORR50%(n=6)。
追跡更新:Q1–Q2 2026
atebimetinib & 抗PD-1 固形腫瘍(膵がん等) Phase 2a(探索) 臨床サプライ契約下で併用最適化を評価 irAE と DCI 由来事象の複合管理 Libtayo® 併用 中〜大:IO 併用領域 IO 併用の外挿性を検証。
初期所見:Q1–Q2 2026
IMM-6-415(MAPK・DCI) RAS/RAF 変異固形腫瘍 Phase 1/2a 用量漸増 → 拡大型へ 皮膚/消化器/眼科的事象、CK/肝酵素を監視 単剤中心、将来は併用探索 大:腫瘍横断 変異別サブ解析に期待。
更新:Q4 2025–Q2 2026
(規制指定)atebimetinib 膵がん OD 取得 米FDA オーファン指定(2024/10) 希少疾患指定で審査・商業上の優遇を享受

ポイント
  • 事業基盤強化:9/24 に$175M 公募+$25M 私募を発表し、臨床加速と次段階設計の原資を確保。
  • 3本柱の臨床群:膵がん Ph2a(mGnP/mFFX)、IO 併用探索、RAS/RAF 変異向け IMM-6-415。
  • 規制面:atebimetinib は膵がんでFDA オーファン指定を取得済み。

ファンドのポジション

主要ファンドのポジションからの考察を加えて

開発ロードマップ
完了:2025年Q1

mFFX 併用アーム 初期所見

ORR 50%(3/6)を開示。耐容性と奏効持続の検証へ。

完了:2025年Q3

mGnP 併用アーム 9か月OS 86%/資金調達完了

9/24 にOS更新を開示、同日に公募・私募で約$200M を確保。

2025年Q4

詳細解析アップデート

追跡OS・DoR・安全性の詳細を学会/IRで更新。

2025年Q4–2026年Q2

追跡アップデート & IO 併用の初期所見

mGnP/mFFX の追跡データ、Libtayo 併用の初期所見(組入れ状況次第)。

2026年Q2〜

レジストレーショナル戦略の明確化

比較試験移行 or 単群拡大の選択、規制当局との協議を想定。

注目すべきカタリスト
短期(〜2025年Q4)
atebimetinib 追跡OS/DoR 詳細、IR資料の拡充

中期(2026年Q1–Q4)
mGnP/mFFX アームの追跡更新、IO 併用の初期所見、IMM-6-415 の拡大型移行

長期(以降)
レジ試験設計の確定と資本政策、適応拡大(他固形腫瘍)