
2025年12月7日:再発/難治性ALアミロイドーシスを対象とした NEXICART-2 Phase 1/2 試験の中間結果が ASH 2025 で口頭発表(CR率75%、クラス最高レベルの安全性プロファイルを強調)。
2025年12月上旬:NXC-201 の開発とBLA提出準備、初期コマーシャル体制構築を目的に、約$1億規模の公募増資を実施(アップサイズされて成立)。
2025年9月18日:再発/難治性ALアミロイドーシス試験 NEXICART-2 が登録50%超えのマイルストーンに到達、予定より早い進捗をアナウンス。
2025年6月3日:ASCO 2025 にて NEXICART-2 の中間結果が発表され主要評価項目達成。ALアミロイドーシスでの「best-in-class」を見据えた開発方針を提示。
2025年2月:NXC-201 が再発/難治性 ALアミロイドーシス向けにRMAT指定を取得。既に米欧でのオーファンドラッグ指定も保有しており、迅速審査ルートを確保。
過去には、小児・希少がん向け小分子/TSTx プログラムIMX-110が軟部肉腫で ODD/RPDD を取得しており、現在はレガシー資産として戦略的オプション(提携/スピンアウトなど)を検討中。
承認済み製品:なし(開発中)
主力候補:NXC-201(BCMA標的 CAR-T)— 再発/難治性 ALアミロイドーシスを対象とする sterically-optimized CAR-T。NEXICART-2(Phase 1/2, registrational intent)が米国マルチセンターで進行中。
補足:IMX-110(TSTx 小分子、固形がん向け)は Phase 1b/2a 段階だが、現在は「レガシー資産」として提携・スピンアウトなどのストラテジックオプションを検討している位置づけ。
対象:再発/難治性 ALアミロイドーシス(多剤前治療歴のある成人)
作用:BCMA 標的 CAR-T(sterically-optimized、持続性と安全性を高めた設計)
対象:再発/難治性多発性骨髄腫(R/R MM)
作用:BCMA 標的 CAR-T(同一製剤)
対象:進行・難治性固形腫瘍(大腸がんなど)、一部は軟部肉腫
作用:複数の腫瘍シグナル経路を同時に叩く Tissue-Specific Therapeutics(TSTx)プラットフォーム薬
| パイプライン | 対象 | 臨床フェーズ | 規制デザイン | 安全性(AESI) | 用法・用量 / 併用戦略 | 市場規模イメージ | ポイント(市場評価) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| NXC-201(BCMA CAR-T) | 再発/難治性 ALアミロイドーシス | Phase 1/2(registrational) | RMAT指定+米欧ODD。NEXICART-2 は BLA 直結を意図したレジストレーショナル P1/2。 | クラス留意:CRS・ICANS。現状、低腫瘍量ALでは神経毒性0件でプロファイル良好。 | 単回投与 CAR-T。AL特有の臓器障害を考慮し、入院下で慎重に管理。将来は前治療ライン前倒しや他治療とのシーケンス最適化余地。 | 中〜大:超希少だが高価格が見込めるオーファン血液疾患市場。 | 「first/ best-in-class」BCMA CAR-T として ALアミロイドーシス初の細胞治療承認を狙うメインバリュー。 |
| NXC-201(BCMA CAR-T) | 再発/難治性 多発性骨髄腫(R/R MM) | Phase 1/2(PoC) | PoC 中心の探索的設計。将来、AL 承認後に本格的な registrational 試験へ拡張するオプション。 | 既存 BCMA CAR-T と同様、骨髄抑制・感染症・CRS/ICANS を重点監視。 | 単回投与 CAR-T。他のBCMA薬(抗体薬物複合体、二重特異抗体)とのシーケンス戦略が鍵。 | 大:MM 全体は大規模市場だが、競合が多い成熟領域。 | ex-US データで高ORR(90%超)を確認済み。AL で安全性を証明できれば、波及効果として評価上乗せ余地。 |
| IMX-110(TSTx 小分子) | 進行・難治性固形がん/軟部肉腫 | Phase 1b/2a | 探索的 P1b/2a。軟部肉腫で ODD + RPDD を獲得済み。 | クラス留意:骨髄抑制、消化器症状、肝機能異常など多経路阻害薬としての典型的 AESI。 | 単剤および抗PD-1 抗体との併用を探索。将来は他IO薬・標準治療との組み合わせも想定。 | 中:ニッチな肉腫+難治固形がんセグメント。 | NXC-201 に比べ優先順位は低下。パートナーシップやスピンアウト成功時には「隠れアップサイド」になり得る。 |
| NXC-201 将来適応(自己免疫など) | 自己免疫疾患・その他重篤免疫疾患(構想段階) | 前臨床〜構想 | AL での安全性・有効性実績を踏まえた、将来の PoC 試験立ち上げを構想。 | 自己免疫領域では長期免疫抑制・感染リスクを慎重に評価する必要あり。 | 用量調整や前処置レジメンの工夫により、慢性疾患でも許容されるリスク/ベネフィットを目指す。 | 大:自己免疫・心代謝・神経炎症などへの展開ポテンシャル。 | 現時点ではバリュエーションにほぼ織り込まれていない中長期オプション。 |
- ストーリーの単純さ:NXC-201(ALアミロイドーシス)の BLA 提出と承認が IMMX バリューの大半を占める「一点集中」型ストーリー。
- デリスク要素:ASCO/ASH 2025 で示された高いCR率とクリーンな安全性、RMAT+ODD による規制上の後押し、registrational P1/2 デザインにより、従来のP3より短い経路で承認を狙える。
- 資金面:2025年末のアップサイズ公募で約$1億を調達し、NEXICART-2 完走〜BLA提出、および初期コマーシャル準備までのランウェイを確保したとみられる。
- オプション価値:IMX-110(TSTx)や将来の自己免疫適応など、NXC-201 以外にも中長期のアップサイドとなり得る資産が控える一方、現時点では株価への織り込みは限定的。
直近の大型公募増資には、ヘルスケア特化の機関投資家や長期志向のファンドが参加しており、「ALアミロイドーシス×BCMA CAR-T」というレジストレーショナル・ストーリーに対する機関投資家の関心が高いことがうかがえます。
NXC-201 の BLA 提出が近づくにつれ、セルセラピー/希少疾患に強みを持つ大手ファンドや戦略的投資家のエクスポージャー増加もチェックポイントになりそうです。
NEXICART-2 中間解析(ASCO 2025)
米国マルチセンター試験 NEXICART-2 が主要評価項目を達成し、NXC-201 のレジストレーショナル開発継続を確定。
登録50%超え・試験加速
ALアミロイドーシス試験で登録ペースが想定を上回り、予定より早い完了が見込まれるとアップデート。
ASH 2025 口頭発表 & 資金調達
NEXICART-2 Phase 2 部分の詳細データを提示し、同時期に約$1億のアップサイズ公募増資を実施。
NEXICART-2 最終 readout
全登録完了・追跡期間終了後の最終解析。BLA 申請パッケージの基盤となる pivotal データセット。
NXC-201 BLA 提出 → 承認可否
RMAT指定とオーファン枠組みを活用しつつ、Type B/C ミーティングを経て BLA を提出。Priority Review を獲得できれば、最短で2027年末〜2028年に初回承認判断レンジ。
ASH 2025 後の追加解析・KOLイベント、NEXICART-2 登録完了アナウンス、規制当局との Type B/C ミーティング内容の開示など。
NEXICART-2 最終 readout、BLA 提出、IMX-110 の戦略的オプション(提携/スピンアウト)の具体化。
ALアミロイドーシスにおける NXC-201 承認可否・上市後トレンド、NXC-201 の多発性骨髄腫/自己免疫疾患への適応拡大、IMX-110 等レガシー資産の価値顕在化。
