
2025年11月8日:Q3 2025 決算を発表。EQ504(AhR)および EQ302(Multi-Cytokine)の開発集中と、スリム化した事業構造を説明。
2025年11月1日:潰瘍性大腸炎(UC)をテーマにしたKOLイベントを開催。AhR モジュレーションと EQ504 のポジショニングを議論。
2025年8月20日:最大$50M の private placement を締結。第1トランシェ約$30M受領で2027年までのキャッシュランウェイを確保。
2025年5月:American Association of Immunologists(AAI)年会にて、EQ504 の前臨床データをポスター3演題で発表。
2024年10月:Itolizumab 取引の終了と GVHD 等レガシープログラムの wind-down を発表。売上は 2025年以降 0 となり、新規パイプラインへ完全シフト。
承認済み製品:なし(開発中)
主力候補:EQ504(経口 AhR モジュレーター)— 主に潰瘍性大腸炎(UC)などの GI 炎症疾患を対象とした colon-targeted 経口薬(将来は吸入剤展開も視野)。
補足:EQ302(IL-15/IL-21 デュアル阻害の経口 stapled peptide、Multi-Cytokine Platform 第1弾)が続き、Itolizumab / EQ101 / EQ102 はレガシー資産として開発終了・非アクティブ。
対象:潰瘍性大腸炎(UC)を中心とした GI 炎症疾患、および将来的な吸入フォームでの肺炎症性疾患
作用:Aryl Hydrocarbon Receptor(AhR)モジュレーション(バリア臓器の恒常性維持・抗炎症方向の制御)
対象:炎症性腸疾患や自己免疫性皮膚疾患など、T/B細胞駆動の自己免疫疾患
作用:IL-15 & IL-21 を同時にブロックする経口 stapled peptide(共通受容体ポケットを塞ぐ Multi-Cytokine Platform)
対象:GVHD、Sjögren、アトピー性皮膚炎など(過去プログラム)
作用:抗 CD6 mAb や multi-cytokine 皮下注製剤
| パイプライン | 対象 | 臨床フェーズ | 規制デザイン | 安全性(AESI) | 用法・用量 / 併用戦略 | 市場規模イメージ | ポイント(市場評価) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| EQ504(AhR モジュレーター) | 潰瘍性大腸炎(UC)を中心とした GI 炎症疾患/将来は肺炎症性疾患も視野 | 前臨床 → 2026年Q2–Q3に Phase 1 開始予定 | 初回は健康成人 SAD/MAD → 良好なら UC 患者コホート追加で早期 PoM を探索 | AhR クラスとして、長期投与時のビタミンA代謝・肝機能・感染リスクを重点監視 | colon-targeted 経口単剤を基本としつつ、将来は biologic / JAK / S1P / TL1A 抑制薬との併用も検討 | 大:UC/IBD を中心とした炎症性腸疾患市場 | 既存治療が多い中で「non-immunosuppressive × 経口 × バリア臓器 AhR」という差別化ストーリー。 FIH 開始が最初の大きなデリスクイベント。 |
| EQ302(IL-15/IL-21 デュアル) | 炎症性腸疾患、自己免疫性皮膚疾患など T/B細胞駆動疾患 | 前臨床 | Multi-Cytokine Platform に基づき、IL-15/IL-21 の組み合わせを選択的にブロック | IL系シグナル調整に伴う感染症リスク、腫瘍免疫抑制の可能性を前臨床段階から注視 | 経口単剤での PoC を目指し、その後は既存の生物学的製剤・JAK/S1P 阻害薬との併用で位置づけを最適化 | 中〜大:免疫・炎症・皮膚領域 | JAK 阻害薬に対する「より選択的な multi-cytokine」というポジション。 臨床入り時期と最初の適応選択が評価の鍵。 |
| Itolizumab / EQ101 / EQ102(レガシー) | GVHD、自己免疫疾患(過去の対象) | 開発終了/非アクティブ | かつては Ono との Asset Purchase Agreement や PoC 試験を実施 | 開発停止済みのため、新規 AESI は発生せず。過去データは将来のパートナー交渉の参考レベル。 | 現時点で新規試験なし。将来的に外部パートナーへの売却・スピンアウトの可能性は理論上は残る。 | 小:レガシー資産 | 売上 0 となり、バリュエーションの主なドライバーからは外れた状態。 投資家の視点は EQ504 / EQ302 に完全にシフト。 |
- フォーカスの明確化:旧 itolizumab 群から撤退し、AhR(EQ504)と Multi-Cytokine(EQ302)の2本柱に研究開発リソースを集中。
- MoA の魅力度:AhR は皮膚・GI で既に臨床バリデーション済み。一方、Multi-Cytokine Platform は JAK 全般抑制と対比される選択的サイトカインコンボ抑制として差別化余地。
- 財務余力:2025年Q3 時点の private placement 第1トランシェにより、2027年までのキャッシュランウェイをガイダンス。FIH〜初期PoMまでを自前で走れる見通し。
- リスク:現状は完全に前臨床バイオのステージで、売上も 0。バリューはほぼ EQ504 の FIH 成功に依存し、EQ302 以降の時間軸もまだ不透明。
主要ファンドとしては、小型免疫炎症バイオを専門とするヘッジファンドやクロスオーバー投資家が中心で、Itolizumab レガシーからの転換期ということもあり、「EQ504 FIH データまでのオプション価値」を見に来ていると解釈しやすいフェーズです。大手戦略投資家(ビッグファーマ)のエクイティ参加は現時点では限定的で、将来的な提携・M&Aの余地は開かれた状態といえます。
レガシーから新規パイプラインへの転換
Itolizumab 取引終了と EQUATOR 等試験の wind-down を完了。最大$50M private placement 第1トランシェ約$30M受領で、EQ504/EQ302 への集中体制を確立。
EQ504 IND-enabling 完了と KOL/学会でのデータ拡充
毒性・安全性・製剤最適化を完了し、IND 提出。UC KOL イベントや AAI 等で AhR/EQ504 の前臨床データを追加発表。
EQ504 Phase 1(SAD/MAD)開始
健康成人を対象にした FIH 試験を開始。安全性・PK/PD を確認し、良好であれば UC 患者コホートを追加して早期 PoM を探索。同時に private placement 第2トランシェ(最大$20M)の行使条件を満たす可能性。
EQ504 Phase 1 データ読み出しと EQ302 計画の具体化
SAD/MAD の結果を公表し、バイオマーカー(例:fecal calprotectin)や粘膜治癒シグナルを評価。並行して EQ302 の IND 目標Q・初期適応(IBD/皮膚)のガイダンスを提示。
EQ504 Phase 2 立ち上げ & EQ302 FIH
中等症〜重症 UC を想定した Phase 2b/registrational デザインを具体化。EQ302 も FIH に進め、Multi-Cytokine Platform の臨床的検証を開始。
EQ504 の IND 提出・受理、AAI/KOL イベントでの前臨床アップデート、2026年Q2–Q3 の Phase 1 開始。
EQ504 Phase 1 SAD/MAD データ読み出し(安全性・PK/PD・早期PoM)。EQ302 の IND 目標Qと最初の適応の明確化。
EQ504 Phase 2/registrational パスの確立、EQ302 FIH 開始、Multi-Cytokine Platform の拡張(IL-23/IL-17 等の second wave)。
