
2025年11月11日:Phase 2 LEGEND 試験 Cohort 1(pivotal cohort)の6か月時点データを発表。任意時点CR率63%・6か月CR率62%と良好なプロファイルを確認し、主要評価項目を「任意時点CR」に変更。
2025年10月24日:LEGEND 試験のCohort 1〜3 全コホートで登録完了を公表(Cohort 1:125例、2a:30例、2b:45例、3:36例)。
2024年:detalimogene voraplasmid が FDA よりRMAT 指定+Fast Trackを取得し、単一 Phase 2 pivotal からの BLA パスを確立。
2025年Q3決算:現金・現金同等物・有価証券$224.9Mを開示し、既存キャッシュで2027年まで運営可能とガイダンス。
2026年後半以降:LEGEND pivotal cohort の最終12か月データに基づきBLA 提出→2027年承認可否を見込むシングル・アセット戦略を提示。
承認済み製品:なし(開発中)
主力候補:detalimogene voraplasmid(旧EG-70)— 非ウイルス性遺伝子治療(DDX®プラットフォーム)による高リスク非筋層浸潤性膀胱がん(NMIBC:BCG不応CIS±乳頭状病変)を対象。
補足:DDX®キャリアを用いた尿路領域の追加ターゲット(Urological targets)が前臨床レベルで検討中だが、現時点のバリューは事実上 detalimogene 一本足。
対象:BCG不応の高リスクNMIBC(CIS単独、またはCIS+乳頭状病変)
作用:DDX®キャリアで膀胱内に遺伝子を導入し、局所サイトカイン等を発現させて抗腫瘍免疫を誘導
対象:高リスクNMIBC(CIS)でのBCG未治療(2a)およびBCG曝露歴はあるが不十分な患者(2b)
作用:同上(膀胱内遺伝子治療による局所免疫活性化)
対象:BCG不応の高リスクNMIBCのうち乳頭状病変のみ(papillary-only)の患者
作用:同上
対象:NMIBC以外の尿路腫瘍・炎症性疾患など(候補検討段階)
作用:膀胱/尿路粘膜に対する非ウイルス性遺伝子デリバリーの横展開
| パイプライン | 対象 | 臨床フェーズ | 規制デザイン | 安全性(AESI) | 用法・用量 / 併用戦略 | 市場規模イメージ | ポイント(市場評価) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| detalimogene voraplasmid(膀胱内遺伝子治療) | BCG不応高リスクNMIBC(CIS±乳頭状病変) | Phase 2(pivotal cohort) | 単アーム登録試験。RMAT+Fast Track の下で任意時点CR+DORを主要/主要副次に設定し、単一試験からBLAを目指す。 | 主に局所(排尿切迫・頻尿・膀胱痙攣・排尿痛など)。Grade3以上は稀で、Grade4/5 TRAEは未報告。 | 膀胱内注入単剤。将来的にBCGやシステム治療とのシーケンス/併用最適化が検討余地。 | 中〜大:BCG不応NMIBCは手術回避ニーズが高く、米国だけでも数万例規模。 | “Phase 2だが実質レジストレーション”の位置づけ。 2026年の最終データ→BLA提出がバリュエーションの最大ドライバー。 |
| detalimogene – LEGEND Cohort 2a / 2b | BCG未治療/BCG曝露歴あり高リスクNMIBC(CIS) | Phase 2 | 探索的コホート。将来のラベル拡張や実臨床でのポジショニング検証用データ。 | 安全性プロファイルはpivotalコホートと同程度を想定。 | BCG前後での投与シーケンスを含めた実臨床に近い運用設計を模索。 | 大:BCG-naïve / inadequate 集団は依然として未充足。 | BCG不応以外への適応拡大ポテンシャル。 中長期の売上ピーク拡大要因。 |
| detalimogene – LEGEND Cohort 3 | BCG不応高リスクNMIBC(乳頭状病変のみ) | Phase 2 | 単群探索。RFS・膀胱温存率などを評価し、papillary-only集団での価値を検証。 | 膀胱内投与に関連する局所AESIを継続モニタリング。 | 再発パターン・共通前治療などを踏まえた使用タイミングの最適化を検討。 | 中:CIS非合併サブセットだが、膀胱摘除回避ニーズは高い。 | pivotalデータに上乗せする形で「適応の厚み」を作る役割。 |
| DDX®プラットフォーム(次世代Urological targets) | 尿路腫瘍・炎症性疾患 等 | 前臨床 | detalimogene 成功後の第2世代プログラムとして、IND前段階の評価を継続。 | 局所遺伝子導入に伴う炎症・免疫反応などを非臨床で精査。 | 膀胱/尿路粘膜への局所投与を基本に、疾患ごとに投与レジメンを最適化。 | 中〜大:尿路腫瘍・慢性膀胱炎など、遺伝子治療が入りやすい適応も潜在。 | 現時点ではバリューは限定的だが、single-assetリスクを将来下げるオプション群。 |
- シングル・アセットだがレジストレーション目前:detalimogene voraplasmid はPhase 2表記ながらpivotal cohortをBLAの土台とする設計で、2027年承認を視野に入れたlate-stage銘柄。
- 規制面の追い風:FDAからRMAT+Fast Trackを取得済みで、主要評価項目も「任意時点CR+DOR」にアップデート済み。近年のBCG不応NMIBC承認プログラムに整合したデザイン。
- 財務余力:2025年Q3時点で$224.9Mのキャッシュポジションと2027年までのランウェイを開示しており、BLA審査期間中の即時的な資金ショックリスクは相対的に低い。
主要機関投資家は、「実質ワンアセットだが、Phase 2 pivotal+RMAT/FTでレジストレーション目前」という点に注目してポジションを構築していると考えられます。BCG不応NMIBCという明確なニッチに対し、Adstiladrin・Keytruda など既存治療との比較でCR・DOR・安全性のバランスがどう評価されるかが、今後のファンドフローの焦点になりそうです。
LEGEND Cohort 1(pivotal)6か月時点データ更新
任意時点CR率63%・6か月CR率62%を報告し、主要評価項目を12か月CRから任意時点CRに変更。安全性プロファイルも良好と確認。
Cohort 1〜3 全コホート登録完了
Cohort 1:125例、2a:30例、2b:45例、3:36例の登録を完了し、BCG不応CIS±乳頭状・BCG-naïve/inadequate・papillary-only の全サブセットを網羅。
pivotal最終12か月データ&SAP合意
12か月CR・DOR・膀胱摘除率などを含む最終解析を実施し、FDAと統計解析計画(SAP)を最終合意。BLA提出用データパッケージを完成。
detalimogene BLA 提出
BCG不応CIS±乳頭状病変の高リスクNMIBCを対象に、単一Phase 2 pivotal試験からBLAを提出。Priority Review指定の可否も注目ポイント。
承認審査完了・上市可否
2027年内のPDUFA/承認可否を想定。承認取得時には、コミュニティ泌尿器科で使用しやすい膀胱内遺伝子治療としての市場浸透スピードが次のフォーカス。
LEGEND Cohort 1の6か月データ詳細解析、Cohort 2a/2b/3のサブセット解析速報、パートナーシップや資本政策に関するアップデート。
pivotal最終12か月データの開示、SAP合意内容の共有、BLA提出と受理(Filing Acceptance)、Priority Review指定の可否。
BLA審査結果(承認可否)、実際の上市タイミング、リアルワールドでのCR/DOR・膀胱摘除率・安全性プロファイルのアップデート、およびDDX®プラットフォーム第2世代パイプラインのIND可否。
