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注目のサイケバイオ企業 Delix Therapeutics とは?

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注目のサイケバイオ企業 Delix Therapeutics とは?

Delix Therapeutics (デリックス) は、脳疾患の治療に向け、神経科学の限界を押し広げることに専念しています。

脳が持つ成長と接続形成能力——神経可塑性と呼ばれるプロセス——を活用することで、脳細胞の物理的構造を修復することが、様々な神経精神疾患や神経変性疾患の患者の健康と機能改善にどう寄与し得るかを解明しつつあります。

ハイライト

2025年10月29日:DLX-001(zalsupindole)Phase 1b 有効性シグナル陽性と、在宅投与を組み込んだ Phase 2 試験デザインのFDAクリアを発表。

2025年9月:UC Davis Health IFM Fundからの出資を受領(基盤技術支援)。

2024年6月:米国防総省(DoD)助成を獲得(難聴プログラム:蝸牛シナプス再生を狙うネオロプラストゲン)。

2023年12月:NIH助成(SUD)を獲得し、依存症領域の前臨床プログラムを推進。

承認済み製品 / 現状

承認済み製品:なし(開発中)

主力候補:DLX-001(非幻覚性ニューロプラストジェン、経口)— 大うつ病(MDD)を主適応。

補足:SUD(物質使用障害)・難聴(蝸牛シナプス再生)向けの前臨床プログラムを助成金で推進中。

主要臨床成績
Q4 2025
DLX-001 Phase 1b 追加解析の開示(有効性・安全性の詳細)

Q1–Q2 2026
DLX-001 Phase 2 開始(在宅投与を組み込む設計)

Q4 2025以降
SUD/難聴プログラムのIND前要件(GLP毒性・製剤最適化)進展

臨床試験パイプライン
Phase 1 完了 → Phase 1b
DLX-001(zalsupindole/MDD)

対象:大うつ病(MDD)

作用:非幻覚性ニューロプラストジェン(神経可塑性促進)

Phase 1:健常人n=106の3部構成で安全性良好、幻覚・解離なし、用量依存PDを確認
Phase 1b:有効性シグナル陽性を発表(迅速・頑健・持続的)。Phase 2 デザインはFDAクリア(在宅投与含む)
次読出し:Q4 2025 追加解析、Q1–Q2 2026 Phase 2 開始

前臨床
SUDプログラム(依存症領域)

対象:物質使用障害(SUD)

作用:非幻覚性ニューロプラストジェン

進捗:NIH助成のもと前臨床PoC・安全性評価を推進
次段階:IND前要件(GLP毒性、製剤最適化)整備 → IND検討

前臨床
難聴プログラム(蝸牛シナプス再生)

対象:聴覚神経シナプス障害に伴う難聴

作用:シナプス再生・神経回路可塑性の促進

進捗:DoD助成のもと前臨床PoCを推進中
次段階:製剤・投与経路最適化 → IND前パッケージの整備

補助金に合わせたマイルストン管理を継続

パイプライン早見表
パイプライン 対象 臨床フェーズ 規制デザイン 安全性(AESI) 用法・用量 / 併用戦略 市場規模イメージ ポイント(市場評価)
DLX-001(非幻覚性ニューロプラストジェン) MDD Phase 1 完了 → Phase 1b(陽性) → Phase 2 準備 在宅投与を組み込むPhase 2をFDA合意 幻覚・解離なしの安全性を確認。一般的な中枢系AESIを継続監視 経口単剤。外来+在宅のハイブリッド運用で実臨床接続性を検証 大:MDD(アンメット大) 非幻覚性×在宅投与で運用負荷低減の差別化
ニューロプラストジェン(SUD) 物質使用障害 前臨床 NIH助成下でIND前準備へ 依存症領域での安全性プロファイル確立が鍵 経口想定。標準治療との補完・併用を探索 大:SUD 助成金で非希薄に前臨床を加速
ニューロプラストジェン(難聴) 蝸牛シナプス障害に伴う難聴 前臨床 DoD助成下で前臨床PoC拡充 局所/全身投与における中枢・聴覚系AESIを精査 経路最適化(内耳/全身)を検討 中〜大:聴覚再生医療 再生×可塑性で差別化余地が大

ポイント
  • 実装可能性:非幻覚性で在宅投与を織り込む設計は、既存サイケデリクス/ケタミン療法より運用負荷を下げうる。
  • 臨床進捗:Phase 1完了→1b陽性→Phase 2デザインFDA合意までクリア。
  • 資金戦略:NIH/DoD助成で非希薄に前臨床を前進、外部ファンド出資で基盤強化。

ファンドのポジション

主要ファンドのポジションからの考察を加えて

開発ロードマップ
完了:Q2 2025

DLX-001 Phase 1(健常人)完了

安全性良好・幻覚/解離なし、用量依存PDを確認。

完了:Q4 2025

DLX-001 Phase 1b 有効性シグナル陽性

迅速・頑健・持続的な抗うつ効果のシグナル。Phase 2 デザインFDAクリア(在宅投与含む)。

Q4 2025

Phase 1b 追加解析の開示

臨床効果と安全性の詳細を学会/PRで提示予定。

Q1–Q2 2026

DLX-001 Phase 2 開始

外来+在宅併用の運用SOPで登録を開始、主要評価項目は抗うつ効果と安全性。

Q4 2025以降

SUD/難聴プログラムのIND前進捗

GLP毒性・製剤最適化・投与経路設計を進め、INDパッケージを準備。